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結局終わったのは朝方。話し合う事はまだ山ほどあり、キリがない。
えっちゃんは、リョウさんの強い勧めでホテルに泊まる事になる。ミヤビ達と共有してるグループのラインに泊まる事を書き込む。
ホテルは空調が効いて暖かった。
部屋に入るなり、リョウさんは後ろにまとめていた髪の毛をほどき、服をベッドに脱ぎ捨てていく。下着姿で、シャワーを浴びるわ。とえっちゃんに声をかける。えっちゃんはまだ荷物すら手に持ったまま。しばらくして、
[お風呂入れたから、えっちゃんも入ろうよ]
バスでリョウさんの声。えっちゃんは思案する。
[一緒に入れば睡眠時間取れるわ。明日も早いから]
リョウさんの言葉に従う。
映画の中の世界でしか見た事がないバスルーム。
二人の身体を余裕で飲み込める大きさのバスタブ。
洋風のシャワー蛇口。花の形をした照明器具。良い香りのする石鹸。
[久しぶりにバスにお湯を入れたわ]
ほぼ徹夜明け。薄暗い朝方なのにリョウさんのテンションは高い。
[誰かとお風呂に入るの初めてです]
えっちゃんは言う。恥ずかしさはあったが浴室の装飾の凄さにかき消される。見る物全てが高級品。
[私もよ]
リョウさんは笑って言った。
[コースケの言う通りかもね]
えっちゃんが身体を洗ってる最中にリョウさんが呟くように言った。泡に包まれたえっちゃんは首を傾げる。
[あなた、違う世界から来たって]
[コースケの想像ですよ]
えっちゃんは笑って言った。
[まるで小学生の肌だわ。生えてないし…]
洗ってる姿を見て言う。
[きっとホルモンが異常なんですよ。それに外国の血も関係あるのかな]
えっちゃんは本で得た知識で答える。
[それでもコースケの方を信じたくなるわ]
洗い終わりバスタブに入ろうとするえっちゃんの腕を人差し指で触れて言う。
[肌のキメも細かいじゃない。よく見せてよ]
イタズラするような目でリョウさんは言った。えっちゃんは下手に恥ずかしがるより素直に見せた方が変な雰囲気にならないような気がして、バスタスの中で立つ。
[若さはいいねぇ。ちょっとクルッと回ってみてよ]
リョウさんの言う通りに回る。
[ありがとう。目の保養になったわ。ってオヤジみたいね]
リョウさんは大きく笑った。リョウさんらしくなかったけど、変な雰囲気にならず少し安心した。




