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リョウさんらしくない一面を見て、小さな違和感が生じる。
ミヤビやケイナの言う通り、私の存在価値は金儲けの為。でもとても大切にされてる事。金の為だけでないのは伝わる。価値があると認めてくれた私をよく知りたいのは必然な事だろう。
そうえっちゃんは考えた。
新しいアイデアを思いついたのか、リョウさんは一旦風呂から上がってメモを取ってた。それから何かを言いたそうに口を半開きにしたけど、閉じて再びバスタブに入る。
やはり小さな違和感は消えていなかった。無意識に、自らその違和感を消すような方向に考えていた。
考える前に口が動く。
[なんかありました?]
えっちゃんは聞く。
[いや、どこまで露出してもいいのか考えてたのよ]
えっちゃんはリョウさんの言葉で違和感が消える。思い過ごし。深読みし過ぎ。
確かに肌の露出が多いほど人気は増す。価値は格段に跳ね上がる。
[私は大丈夫ですよ。よほど]
[いえ、どう見ても未成年だと思われるし、私が見せたくないのよ]
えっちゃんの言葉を遮ってリョウさんは言った。
[私だけがえっちゃんの裸を知ってるのは気分いいわね]
リョウさんは目を開いて笑い、付け加えた。
なんだかんだ小一時間も入っていた。出た時には空は薄明るくなってた。
リョウさんはベッドの上にある服や書類をドサッと床に落とした。
[ここで寝て。充電はここ]
照明を暗くする。二人隣同士のベッドに横たわる。
[九時には起きるわよ。おやすみ]
リョウさんは寝入る。えっちゃんもすぐに眠気が訪れ眠りにつく。
えっちゃんが目覚めた時には、リョウさんはまだ寝ていた。時計は八時半過ぎ。
眠気は残ってるが、そっと起き出す。
カーテンの隙間から外を眺める。
眼下一面、ビルや家屋の屋上。道路の車の列。どれもこれもミニチュアみたいだった。
カーテンを戻し部屋を見渡す。
二十四時間空調の効いた部屋。広い部屋。高価な家具。
柔らかいタオルにバスローブ。心地よい絨毯。呼ぶだけで来るご飯。洗濯もやらなくて済む。
このような生活。リアルに想像出来ない。
実際にこの生活が当たり前な人はいる。リョウさんだけ特別ではない。
お金が全て。お金を持ってる人達の現実世界。
ふと思い出したのが、百均で万引きしようとした女の子。
汚れた服。爪。髪の毛はゴワゴワだった。
胸が締め付けられる。
お金があれば。
全員を幸せには出来ない。身の程は痛い程分かってる。でも少なくとも関わった人には。ミヤビ、ケイナ、ケン、リン。そしてアケミさん。あの子にもなんとかしてあげたい。
えっちゃんは唇を噛んだ。




