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固き種子

2002年4月•••。


「あー、今日から新しいクラスか、誰か話せるやついるかなー。」


タカシは自分の名前を張り出されたクラス名簿から探していた。


「••お、7組か。」

自分の名を見つけ、名簿を見たが仲のいい者はいなかった。

「はぁ、まあいっか、そもそも友達少ないんだった、俺••泣」


自嘲気味に新しいクラスへと向かう。


少し遅めにクラスに入ると、既に7割ほどの生徒がおり至る所でグループが出来ていた。


「コミュ力高いやつはすげぇな。」


と呟きながら、自分の席へ向かう。


しかしそこには女子がグループで話していた。


「あれは吹奏楽部のメンバーだな、勘弁してくれよ。」


タカシは吹奏楽部とは少し折り合いが悪く、過度に自分からは接触しないようにしていた。


座っていたのはチハルという女子。


そう、タカシの元カノだ。


「はぁ、すみません、そこ自分の席なんすけど。」


仕方なくタカシは座っていたチハルに話しかける。


「あ、ごめんね。」

振り向かながらめんどくさそうな顔をしながら席を立つ。


「はぁ••。」

タカシはMDプレイヤーを出しイヤホンをして、小説を鞄から取り出した。


側から見れば感じの悪いやつだ。


別にタカシは陰キャではないが、そこまで口数が多いタイプでもない。

どこのグループとも一定の距離感で付き合っている。


成績も中の上、運動も、部活をしてない割にできる。ルックスも平均よりやや上と評価されているらしい。


そんな内に籠るような様子のタカシをチハルは眺めていた。


チャイムがなり、ホームルームで自己紹介と席替えをする流れになった。


特徴のない自己紹介の後の席替えで、タカシは窓側の後ろから2番目の席となった。


「あー、寝れるし、囲まれなくてラッキー。」

と思いながら席に着く。前はよく知らない男子、後ろはよく知らない女子。

しかし、横はなんの因果かチハルだった。


「••よろしくね、タカシくん。」

微笑みながらチハルは挨拶してきた。

「あぁ、よろしく。」

タカシはぶっきらぼうに返した。

不機嫌そうな顔をしてチハルが、

「あのさ、聞きたいことがあ••」

と言いかけたところで、担任から、

「んじゃ気をつけて帰るんだぞ。」

と一言声が発せられた。


「ん?何??」

タカシが尋ねる。

「ううん、また今度でいいや。」

とチハルが返してきた。

「そ、んじゃ。」

とタカシは席を立つ。


俺が席を立つと、吹奏楽部の連中がチハルのもとに集まって何かを話していたが、気にすることなくタカシは帰って行った。


その背中をチハルは寂しげに見送っていた。

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