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二つのR ~ 守護霊にResistanceとReactionを与えられた  作者: サクラ近衛将監
第四章 起業

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4―19 結婚と新婚旅行 その十二

 ブリティッシュ・エアウェイズ8706便のエディンバラ空港到着は、現地時間で17時20分頃だった。

 この8706便の乗客・乗員とも、俺以外は誰もが何も知らないけれど、仮に黄さん達や俺が放置していたら、空対空ミサイルを撃ち込まれて、全員死亡だったんだぜ。


 勿論、俺自身の能力を隠すために吹聴はしないけれど、全くとんでもないことをする奴らがいるもんだ。

 高度9千メートルからパラシュート無しで落っこちりゃ、空でも飛べなけりゃ絶対に助からないだろうし、もしかするとミサイル爆発だけで死ぬ者も出て来るだろうね。


 英国空軍が、果たしてロシアのステルスドローンの動きを捉えられるかどうかなんだけれど、多分無理なんだろうし、仮にその飛行を察知できるにしても、攻撃を未然に防止できたかどうかは非常に疑わしいね。

 そして、後日8706便がミサイルで撃墜されたと判明したとしても、どこの誰がやったのかまで特定するのは非常に難しいんだろうな。


 往々にしてこんなことを企む奴らは、ミサイルやドローンの製造国籍が分からないようにするはずだもの。

 いずれにしろ、ロシアがどう出るかは今のところ不明なんだが、Tu-95が空中で爆散したことは、いずれ向こうも知ることになるだろうけれど、詳細が判明するのはまだまだ先の話だよね。


 グレートブリテンとスカンジナビア半島との中間点付近の北海上空でロシア空軍基地との通信が途絶したこと、また、英国空軍のレーダーサイトがTu-95の機影をとある時点で見失ったことが既に判明しているんだろうが、英国は当然に調査を開始し、ロシアも配下の偽装民間組織等を使って秘密裏に調査を始めたようだ。

 ロシアが更に無茶な作戦を立てないよう、今後とも黄さん達に厳重な監視をしてもらっているところだ。


 本来なら、作戦を立てたGRUに対して報復をしても良いとも思うんだが、今回はそこまでしない。

 ロシア軍が別途の行動を起こさない限り、報復は保留のままだ。


 本音ベースで言えば、出来れば俺が報復することは避けたいと思っている。

 見えないから、あるいは、犯人とわからないから、人を殺しても良いというものでは無いだろう。


 どうしたって、心に何らかのしこりは残るんだ。

 アズには知らせちゃいないけれど、何かのきっかけで俺が人を殺したと知れば、彼女も心に大きなしこりを残してしまうだろう。


 だから、C国関連の任意団体のアジトの破壊や、今回のTu-95の爆破の話は、絶対にアズには話せないな。


 ◇◇◇◇


 俺達は、エディンバラ空港で荷物を受け取り、タクシーに乗って市内に向かう。

 エディンバラで宿泊予定のThe Balmoral, a Rocco Forte hotelまで、車なら普段は30分弱で到達できるはずなんだけれど、途中で交通事故とそれに関連する火災があったようで、幹線道路が混雑してことから、ホテル着までに概ね一時間を要した。


 結局ホテルにチェックインしたのは19時少し前だった。

 サマータイムなので、まだ外は明るいよ。


 ホテルの正面玄関には、英国国旗ユニオンジャックとスコットランドの旗(ソルトアイア/聖アンドリュー旗)、それにホテルのロゴ入りフラッグ(ロッコ・フォルテ・ホテルズ)の三本の旗がお出迎えしていた。

 これを見るとスコットランドに来たんだなと言う感慨にふけられるね。


 バルモラル・ホテルは、1902年に開業したエディンバラでも老舗の格式高いホテルだよ。

 今日の夕食は、ホテルの中にあるレストランBrasserie Princeで予約しているんだ。


 明日は、同じくホテル内のNumber One at The Balmoralを予約している。

 同じホテルの中での食べ比べになるのかな。


 今日は、移動日なので、食事以外の予定はない。

 午後8時からディナーを食べ、部屋に戻って例のごとく盗聴器やらカメラの除去をしていると、テレビでBBCがロシア空軍の哨戒機が北海上空で消息不明になったことを簡単に伝えていた。


 無論、今の段階では消息不明になった原因など分かるわけもないんだろう。

 英国空軍もスクランブルをかけていないから、Tu-95の爆散現場を見た者は居ないんだ。


 単に英空軍が監視中のレーダー映像が消えただけであり、レーダーでは流石に原因までは掴めない。

 おそらくは、機体の破片などが海上で発見されるまでには二~三日かかるんだろうと思うな。


 多分、事故原因の調査は、関係国の軍関係者が行うんだろうね。

 Tu-95がブラックボックスを搭載しているかどうかは知らないが、それに類するものがあるのかな?


 でも軍用機の交信や会話内容が他国の軍に漏れては困るから、有るにしても簡単にはわからないようにしていると思うけれどね。

 俺がやったのは、ステルスドローンが抱えていた空対空ミサイルを爆破させ、ほぼ同時に爆弾倉に搭載されていたKAB-500L(レーザー誘導型500キロ爆弾)を機内で爆発させただけなんだけれど、Tu-95の最大搭載量は12トンだからね。


 今回も8トンの各種爆発物を搭載していて、そいつが一斉に誘爆を起こしたようだから、果たしてまともに機体が残っているかどうかだよな。

 いずれにしても、各国の領海外の事故(?)だし、英国の航空事故調査局(AAIB)は、軍用機が絡むと調査権限を持たない筈だ。


 仮にこの事件をきっかけに、ロシア若しくはGRUが俺達への暗殺計画を更に発動するようなら、刺客と発令者にも責任を取ってもらうよ。

 その際は、大事に至らないように奴らが計画を発動する前に、介入することになるだろうね。


 警察ならば証拠をつかんでから捕縛するんだろうけれど、俺の場合は、証拠は黄さん達の情報で十分だ。

 秘密裏に処理するんだから敢えて奴らの犯罪の物的証拠を残しておく必要も無い。


 それ以外では、英国及びスカンジナビア半島の間の北海上空でロシア軍機が消息を絶ったからと言って、英国とかの北海沿岸国に対してロシアからいきなり宣戦布告は無いだろうとは思っているが、何となく危うい国ではあるからそっち方面も要警戒なんだよね。


 国対国の戦闘行動に移るようならば、俺は余り出しゃばらないつもりだが、状況によってはロシア軍にとって不利な故障が続発する程度の干渉はやらせてもらうよ。

 ミサイルが飛ばず、軍用機が故障すれば、そうそう簡単には戦闘行動もうまく行かないだろう。


 無論、核兵器なんか絶対に使わせないぜ。

 本来は俺がすべきことじゃないけどな。


 まぁ、黄さんの情報を待って動くことにするつもりだ。


 ◇◇◇◇。


 エディンバラで二日目の朝は、ホテル内のビュッフェで食事です。

 まぁ、例によって、イングリッシュ・ブレックファースト(English breakfast)だけれど、少し料理の選択幅が広いかな?


 お値段は27ボンドだから、レートにもよるけれど、5千円~6千円程度だろう。

 こんな食事を毎日していたら小金持ちでも破産しそうだな。


 やっぱり一生に一度の新婚旅行だからできることなんだ。

 朝食の時から気になったのは、ロシア若しくはその衛星国の諜報員か工作員らしき人物が俺達の周囲に増えたことかな?


 ビュッフェにまで二人ほどが入り込んでいるし、廊下でも三人とすれ違ったな。

 黄さんがすぐに教えてくれるから、鑑定で確かめる必要も無いぜ。


 そういう意味では,結構緊張状態にあるのかな。

 念のため、俺とアズには、結界を張っているから、拳銃の弾ぐらいなら何とでもなるだろうな。


 試したことが無いから、対物ライフルで至近距離から狙われたら危ないかもしれないけれど・・・。

 奴らも人目のあるところでは無理はしない・・・、はず?


 今日の市内観光でその辺の動向がわかるだろうな。

 仮に仕掛けて来るようなら、無論のことだが、人目に付かないようしっかりとやり返すつもりでいる。


 こいつは、RevengerじゃなくってAvengerな。

 Revengerは私的理由での復讐、Avengerは正当な理由に基づく制裁だよ。


 正当防衛からは多少逸脱するかもしれないが、ミサイルで狙われたら、その基地を先制で叩くのは自衛行動の範疇だと何処やらの政治家が(のたも)うていたよな。


 俺も被害が出てから動くのは危険だから、当然その前に動くし、元C国の任意団体の時のように本家本元を叩くよ。

 さもなければ、絶対にしつこく付きまとってくるだろうからね。


 俺の能力による介入が疑われる?

 そんなもの、ノンスタ―の討伐と同じで、どうせ立証の仕様がないだろう。


 少なくとも、裁判制度には絶対乗っからない。

 まぁ、恣意的に裁判を左右するような専制国家ならば、無理やり犯人に仕立て上げるかもしれないが、そもそも俺を物理的に捕捉できないだろうな。


 それでも無理して突っ込んでくる?

 うーん、人が生身の身体で襲って来るなら俺の鍛えた合気道で蹴散らすよ。


 少なくとも大男5人がかりで来ても、制圧できるぜ。

 ただ、まぁ、飛び道具は怖いけれどな。


 それも狙いを予測して当たらないように動けば何てこともない。

 相手の動きをResistanceで遅くすることも可能だからね。


 同時に思考までも遅くできるから、向こうからすればなんで俺が素早く避けることができるのか不思議に思うだろうな。

 ただ、アズに怖い思いはさせたくないから、その分、向こうが武器を使おうとするなら予防的に先制して動くだけの話だ。


 今日の予定は、エディンバラ市内の観光地巡りだね。

 有名な施設は、ほとんどが10時から17時の間にしか見学できないから、周到な計画が必要なんだ。


 その一方で観光名所が固まっているから、市内見学は徒歩でも十分可能なんだぜ。

 その代わり観光ガイドには、スニーカーでの観光地巡りが推奨されていたな。


 だから、最初にすることは俺とアズの二人分のスニーカーをホテルに近い靴屋さん(Foot Locker、10時開店)で入手することだ。

 荷物になるから日本からわざわざスニーカーなんぞを持ってくるようなことはしない。


 こちらで買って、帰る前には可能ならば施設等に譲渡するように誰かさんに依頼するつもりなんだ。

 因みに、エディンバラの観光は、今日と明日だけで、明後日には飛行機に乗ってロンドンへ、更にロンドンからドバイ経由のトランジットで日本へ帰国する予定なんだ。


 明後日から明々後日にかけては、航空機と空港だけで20時間以上も拘束されることになるはずなんだよ。

 今日の予定は、ホテルに近いスコット記念塔を皮切りに、エディンバラ宮殿、スコッチウイスキーエクスペリエンス(Amber Restaurant & Whisky Barでランチ予定)、ロイヤルマイルズを散策、ホリールード宮殿、カールトン・ヒルを観光する予定だ。

 

 この間ずっと徒歩で、車を使う予定は無いよ。


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