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二つのR ~ 守護霊にResistanceとReactionを与えられた  作者: サクラ近衛将監
第四章 起業

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4-8 結婚と新婚旅行

 2042年3月22日、F駅近くにあるMホテル最上階のチャペルにて、俺とアズの結婚式が挙行された。

 この式への参加者は、秦山家と小林家の親族、それにごく親しい友人だけになる。


 この式場は、前面が大きなガラス張りとなっていてとても見晴らしがよく、F市内を一望できる上に、高校時代に二人でデートしたK園も望めるところなんだ。

 俺とアズは、キリスト教徒ではないんだが、この式場は正面に十字架が有って、牧師が神の代理人として結婚を承認し、祝福を与えることになるから、それに合わせて俺達も洋装なんだ。


 アズは普段でも美人顔だと思うんだが、ホテル側で入念に磨きをかけた上に見事な化粧をしているから本当に綺麗だった。

 誓いの口づけをして、儀式は滞りなく終わったよ。


 この後、参列者がホテル三階にある披露宴会場に向かい、俺とアズは少し遅れて入場する。

 招待客は、両家合わせて166名になった。


 ホテルのコンシェルジュの話では、この会場は立食ならば300名までのパーティを催せるけれど、結婚披露宴で160名以上もの招待客が有るのは数年ぶりの事ですと話していたな。

 6人掛けの丸テーブルが28も並ぶと、流石に壮観だよね。


 このMホテルはF駅から徒歩五分のところにあるから、遠方からくる招待客も非常に便利と言えるところなんだ。

 今回の招待客で一番遠方から来られたのは小林家の親族で、アズの父方の叔父さんになる人のようだ。


 何でも、とある有名企業の北海道支社に勤務しているらしい。

 今回の披露宴出席のために前日に飛行機でやって来て、小林家で泊まったようだね。


 披露宴もホテル側の立てたプランで、色々なアトラクションがあったな。

 俺とアズの生い立ちを映像にして披露宴出席者に披露したり、出席者有志による演芸披露(主としてカラオケ)が有ったりし、その合間に花嫁のお色直しも二回あった。


 最後のお色直しは、俺も一緒になって旅装に着替えたよ。

 披露宴での最後のイベントは、キャンドルサービスと、俺とアズの両親への花束贈呈だった。


 俺とアズは、この披露宴を終えたなら、ホテルで小休憩の後に、最寄りのK空港に移動し、深夜の便で欧州へ新婚旅行に行く予定にしていたんだ。

 ところが、予定外なことに、披露宴が終わると俺とアズの友人達が集まって、ホテルのカフェバーへ行って、独身最後の飲み会が催されたんだ。

 

 残念ながら俺とアズに拒否権は無かったな。

 そのおかげで、当初予定していたMホテルでの休憩時間が無くなったな。


 それでも予定通り、F駅からJRで移動してK空港まで2時間弱、ドバイ経由の便が午後23時50分に出発するので、午後9半には何とか空港についていたよ。

 それから出国の手続きなんぞもあるから、着いてすぐに手続きを済ませ、出発ロビーで待機したよ。


 昔は日本から北極圏経由でのパリ直行便もあったんだけれど、例のモンスター出現から航空路も随分と変遷を余儀(よぎ)なくされたんだ。

 何しろ、C国の阿呆みたいな核攻撃の所為で極東と東南アジア北部の空域は、その影響でしばらく混乱状態で使えなかったし、その後も飛竜などがあちらこちらに飛来したことから、一時的には航空機のフライト自体が制限される状態になっていたんだ。


 南回りも台湾、フィリピン等の空域が一時危険域となっていたので、忌避されて、当時は様子見の状態が続いていたようだ。

 俺が Pemburu 所属の Tan Yǒngxiáng 名義で出した『半ば終息宣言』にも関わらず、飛竜なんぞと出くわしたら一巻の終わりだろうから、やむを得ない一面もある。


 実のところ、C国の核兵器投入とモンスターの侵攻などの影響により、極東及び東南アジア北部領域については、1年経っても一般旅客機の往来は途絶えていたんだぜ。

 日本国内でも、ワイバーンの出現やら黒龍の飛来で、半年ほどは民間航空機が飛ばなかった時期がある。


 俺が討伐に出てからも、台湾やフィリピンで空飛ぶモンスターが何度か襲来していたから、航空業界そのものが自粛していたんだ。

 何せ保険会社が戦争条項に準じて、モンスターによる被害は保険対象外と言う発表を出したから、そりゃぁ余程のことがないと飛べんよな。


 自衛隊さんは、保険なんぞ無いから、上からのオーダーが有れば飛ぶけれど、そいつも命をかけてのフライトだったようだぜ。

 俺が半ば終息宣言を出してからようやく国内便はほぼ正常に動き出し、D国、K国、C国の上空は避けながら、台湾、フィリピン、シンガポール、インド、ドバイ等の海外路線も順次復旧して行ったんだ。


 それまで、欧州方面へ行くにはアンカレッジ経由の北ルートが比較的安全と見られていたようだな。

 因みに、ロシア上空については、モンスターの出現以前もなんやかやと種々の制限があったりして、そもそも飛ぶことが忌避されていたようなんだが、モンスターの跋扈(ばっこ)により、ウラル以東のロシア領域は完全に危険地帯と見做され、民間航空機は飛ばなくなったんだ。


 何せ、途中で故障が起きても緊急着陸や不時着できる安全地帯が無いからね。

 そもそも、ロシア圏内を通過するメリットは、飛行距離の短縮と、万が一の場合、着陸できる空港や不時着できる平地があっての事なんだが、ロシアが未だにウラル山脈以東は立ち入り禁止区域としているために人が住んでいないんだ。


 仮にそんなところへ不時着でもしようものなら、救援が来るまで生きていられるという保証がない。

 そのために、日本から欧州へ行くには、マレーシア、ドバイなどを経由して欧州に至る南回り航路と、アンカレッジ経由で北極上空を飛ぶ北回り航路しか無くなったんだ。


 北回り航路は、途中で降りられる場所が非常に限られるので、旅客輸送には不向きと判断されており、今のところ貨物便主体になっているが、それでもチャーター便等では一部北回り航路もあるようだ。

 当然に、俺とアズの乗る便も南回りだよ。


 南回りだと、パリまで14~15時間程度かかるんだが、それでもアンカレッジ経由の15~17時間よりは短いな。

 俺たちは、予定通り23時50分発の航空機に乗り、パリへと出発した。


 旅の荷物は結構多くなってしまった。

 大きなトランクが二人で四個だ。


 パリでは、フォーシーズンズホテル・ジョルジュサンクで三泊、ストラスブールのMaison Rouge Strasbourg Hotelで二泊、ロンドンのマンダリン・オリエンタル・ホテルで三泊、エディンバラのThe Balmoral, a Rocco Forte hotelで二泊の予定であり、機中泊を含めると12泊から13泊にもなる旅行だから、着替えなんぞで荷物もいっぱいなんだ。

 フランスから英国に渡るには、英仏海峡トンネル(ユーロトンネル)を利用する方法もあるけれど、やっぱり航空機の方が速いんだ。


 出発前に、俺もアズも念のために自動車の国際免許も取得しておいたが、今のところ、俺たちがレンタカーを使う予定は無いよ。

 フランスで日本人が自動車を運転するには、日本の有効な運転免許証と、ジュネーブ条約(1949年)に基づく国際運転免許証(1年間有効)のセットが必要なんだそうだ。


 これらの免許証を携帯し、現地の警察やレンタカー会社に提示することで運転できることになるようだ。

 一方、イギリスでは、有効な日本の運転免許証があれば、入国(居住開始)から1年間は国際免許証なしで運転可能だし、道路も左側通行だから運転しやすいかもしれないね。


 但し、ロンドン市内はかなりごちゃごちゃしているし、日本からの旅行客にレンタカーでの移動は余りお勧めできないな。

 自動車での移動を考えるならば、チャーターサービス(ハイヤー?)などを使う方が経費は高いけれど安全で便利だと思うよ。


 だから俺たちの場合は、英・仏共に、市内観光などにはタクシーかチャーターサービスを使う予定でいるよ。

 因みに、パリからストラスブールへの移動にはTGVを使う予定でいる。


 TGVは、まぁ、日本で言う新幹線だよな。

 Paris Gare de l'Est駅からストラスブール駅までは、500キロ弱で約1時間46分~2時間かかるので、東京から京都程度の距離なのかな。


 ストラスブールからロンドン、ロンドンからエディンバラへの移動には航空機を使う予定だよ。

 3月22日深夜、K空港から飛び立ったドバイ経由の直行便は、翌日の午前7時(現地時間)過ぎにパリのド・ゴール空港に到着したよ。


 空港に着いてから空港内にあるSheraton Paris Charles de Gaulle Airport Hotelで部屋を借り、午前中はそこで休憩してから市内観光に向かったよ。

 今日宿泊予定のフォーシーズンズ・ホテル・ジョルジュサンクは、パリ凱旋門のロータリまで約10分の距離で、有名なシャンゼリゼ通りにも近いホテルなんだけれど、チェックインは午後三時以降なので、それまでの数時間はチャーターサービスを使って市内観光をする予定ではある。


 パリの北方にあるエクーアン城は、16世紀に建造された名城であり、現在は国立ルネサンス美術館になっているんだ。

 入場料として7ユーロ(≒1300円)ほど取られるけれど、城の内装が素晴らしいし、豪華な調度品等のコレクションが目を引くね。


 内部を見て回るだけで1時間半、公園内の散歩を含めると3時間ほどになり、この間、チャーターサービスの運転手さんにも付き合ってもらい、少し遅い昼食時には最寄りのイタリアンレストランに案内してもらったよ。

 フランスに来てイタリアン料理と言うのも珍しいが、今夜は一流ホテルのレストランで豪勢な食事の予定だからランチなら十分でしょう。


 チャーターサービスの運転手さんは、アラン・ジュベールさんで48歳のちょっと小太りの男性だ。

 英語も堪能なんだそうだけれど、俺とアズがフランス語で通じるもので、とっても饒舌(じょうぜつ)になった明るい性格のオジさんだね。


 エクーアン城からフォーシーズンズホテル・ジョルジュサンクまでの道すがら色々な名所を教えてくれたよ。

 生憎と翌日からの予定は結構タイトだから、アランさんに教えてもらった場所には行けないんだ。


 いずれにしろ無事に今日から三泊予定のフォーシーズンズホテル・ジョルジュサンクへ到着し、チェックインを済ませたよ。

 ここではダブルブッキングなんてのは無かったよ。


 それでも念のために、日本出発前に確認し、ドゴール空港に到着してからも念押ししたから間違いはなかった。

 折角のハネムーンにケチがついては嫌だからね。


 俺の念押しにも相応の理由があるということだ。

 特に海外旅行の計画段階でちょっとした問題があったから、余計に念押しをしているんだ。


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