2話 アスモデウス
私はホテルの一室で目を覚ます。昨日のことはどうやら現実らしい、ベットから起き上がり、背伸びをしながら少ない荷物で身支度をする。
なぜ私がこのまちにいるのか、なぜここはスマホでバミューダトライアングルがさされるのか。謎だらけではあるが多分考えてもわからないのだろう。
とにかく今は日用品を揃えないと。
私はホテルを出てとある日用品店に来た。中にはやはり人が沢山いる。
そういえば私はここの記憶がないのに、書いてある言葉はわかるし、人と話しても言語の違いもない。カートいっぱいになるまでに日用品と服を入れて私は店をでた。
そしてホテルへ帰り荷物を確かめる。歯ブラシや歯磨き粉は前私の記憶にあったものがたまたまあったのでそれにした。色々日用品はあるがわざわざ全部確かめる必要もないだろう。
私はホテルのお風呂に入り今日買った服に着替える、上は青のチルデンニット、下には短めのスカートを履き、着替えは完了した。
次はこの街がどういう感じなのか知らなくてはいけない。
どんな生物がいるのか、どこに何があるのかなど、地図で街がどういう形をしているのかは分かるが、どこに何があるかは分からないからだ。
私は一応いつものバックを持って外に出る。買い物はする気はないから財布は置いてきた。
少し歩いてわかったことは、やはりこの街は近代のアメリカに近い街の形をしている。
たが地面はアスファルトの部分もあればレンガのところや土のところもある。まるで色々な街を切り取ってつなぎ合わせたみたいだ。
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探索に疲れ、私はとある公園にあった噴水のそばに座っていた。今日は9月20日らしく、もう秋だと言うのに、まだ少し暑さはのこっていて財布を持ってこなかった事を後悔した。おかげで水が買えない。
「あー……疲れた。財布取りに行こうかな」
その時だった。スカートのポケットに何かが入っている。私な手で中を探りる。出てきたのは黄金の指輪だった。
「これって昨日の……あれ?でも服は着替えたはず……なんでここに……?」
私が不思議に思っていると突如黄金の指輪は目の前から消えた。
「え?」
思わず声がでた。さっきまで持っていた黄金の指輪が消えたのだ、落としたのではないかと噴水の周りをみるが何もない。
『フフフッあるわけないじゃないか……』
頭の中に声が響いた。多分男の声だ。年齢的には二十代と言ったところだろうか?声がとても若い。
『それにしても人が私の遺品を持っているとは驚きだ』
また声が響く。私はその場にしゃがみこみ頭を手で押さえる。周りを見渡してもカップルは愚か人っ子一人すらいない。ならこの声はどこから?いやわかっている頭の中に直接響いている。
でも、だとしてもそんなことがあり得るはずがない。
『おや?君魔法陣はどうした?普通悪魔召喚はその悪魔に関連するものを捧げ魔法陣を書いて言葉を唱えるはず……』
また声が響く、この声は何を困惑しているんだ。それよりこいつは誰なんだ。誰が話しかけているんだ。
「うぅっ……」
私の口から出るのはうめき声だけだった。
『あぁ……そうか。君自身が魔法陣としての役目を受け持っているのか、依代に魔法陣を埋め込むなんて……だがそんな魔術的不可に人が耐えられるのか?』
もう何なのよこいつ、頭の中でずっとブツブツブツブツ……。
「うるさい……」
気づけば私は声に出していた。その声に反応したのか、頭の中の声が止まった。
だがその沈黙はすぐに破られることになる。
『自己紹介が遅れたね。私は7大悪魔色欲のアスモデウス、君は私の依代で合っているね?』
依代何を言ってるんだこいつは、頭の中で何度も声が響くのでイラついてきた。
「なにそれ、依代……知らないよ……それにさっきからブツブツ何言ってるの?」
『まさか……魔界戦争の依代なのに知識がないのか?』
魔界戦争?だめだ、わからない、もしかしたら前の記憶がある時の私なら知っていたのかもしれない、でも今の私には何が何だかよくわからない。
「わからない、今……私記憶がところどころ抜けてて……」
男はその言葉を聞くと『うーん』と少し長い間悩んでいるようだった。
『そうか……まぁこのまま喋るのも君は嫌がるだろう。少し目を閉じててごらん』
この声に従うのは何だか嫌だが、この声がなくなるなら……。
そう思い、私は目を閉じる。2分ほどたっただろうか?
「もう目を開けていいよ」
さっきの男の声が耳元で聞こえる、私が目を開けると、そこには白いスーツを身にまとい、胸ポケットには薔薇を1本差した水色の髪の男がいた。
「もう一度自己紹介といこうか、私はアスモデウス。君は私を黄金の指輪で呼び出し、依代として魔界戦争に参加することになったんだ……ところで君の名前は」
「私の名前は……グレイ」
そうこれが私とこいつの出会いだった。この日から私は殺し合いに巻き込まれることになるのだった。




