1話 召喚される悪魔たち
ディアンズフィールのとある山にて
「まず悪魔召喚にはその悪魔を呼び寄せる素材が必要だ、なので私はこれを持ってきたわけだ。さぁ我が願いに応えよ我は依代なり、さぁ力を貸したまえ」
男の足元にあった赤い魔法陣らしきものは光り出し、空中で謎の爪が回転し始めて消滅してしまう。
これは召喚に成功したのだろうか?男は周りを見渡す。人らしきものはおらず、男はがっかりしその場を去ろうとした。その時だった。
「俺を呼び寄せるとはなんとも愚かなものだな人の子よ」
背中には六つの黒い羽、邪悪とは程遠い美男の顔、大人びた体の男は洞窟の入り口に立っていた、体はローブ1枚だが、その姿からは圧倒的な力が漏れ出ていた。
「あ、あなた様は」
男は質問を投げかける。それに六つの羽を持つ男は鼻で嘲笑した後に答えた。
「我が名は7大悪魔憤怒のサタン。貴様の呼んだ悪魔だ」
男は歓喜していた。生まれてきて21年。悪魔召喚を何度もやってきた。だが一度も成功せず今回を機に止めるはずだった。だがついに召喚したのだ。しかも召喚されたのは悪魔の中でも随一の実力を持つ七代悪魔。
男はその場で膝をつく。
「あなたをお待ちにしておりました。サタン様、この愚かな人間のために、チカラをお貸しください」
必死の懇願、その姿を見てサタンは大きな笑い声を上げる。
まさに愚かで醜い、人はどこまで行っても所詮肉塊なのだと。
「よかろう俺がお前に勝利を掴ませてやる。だが、その態度を忘れるなよ」
そう言うとサタンは飛び去った。空へと飛び上がり、サタンは周りを見渡す。
「ほう、この国の住人全体が術式を使用するための魔力代わりに使われているのか。200年ぶりの開催だからか、魔力が溢れているな。クククッアッハハハハハ!!面白い、200年ぶりもの祭りだ。存分に楽しむとしよう!!」
ディアンズフィールの教会にて同時刻
「恐れ入りますがあなたの名を教えてはいただけないでしょうか」
1人の老人の質問に、魔法陣の中に立つ女は質問を投げ返した。
「先に名乗れ老人よ」
女からの問い返しに老人は一瞬動揺するも、すぐに自分の名を答えた。
「私はこの教会で神父をしていますレヴァ・クロトスと言います」
女は老人の言葉に驚いたのか、その場に転げ回るほどに笑う。その笑いも少しで収まり、女は目の涙を拭いながら老人へ言葉を投げかけた。
「ほう?神父が悪魔を呼ぶとは……あー面白い、そうだ自己紹介だったな我が名はサキュバスのエストリエ。ヘブライの悪魔だ」
神父に向かってそう名乗ったエストリエの姿は、まさに美しさの表れと言っても過言ではないほどだった。
「さっそくだが、私は腹が減った。食事と服を用意してくれ」
その言葉に神父はすぐに立ち上がり、動き出す。
「さて、この時代がどんなものかまずは知るべきだな、あぁ、今の時代どんな男がいるのやら楽しみだぁ」
ディアンズフィールのとある家にて
そこには5歳の少年がいた、彼はリビングに描かれた魔法陣の中に立っていた。
「いでよ悪魔さん!! ぼくの願いを叶えてー!!!」
その声に反応して魔法陣が光り輝く、そして1人の悪魔がその場に現れた。
「あら? もしかしてあなたが依代なの?」
突如現れた女性の質問に少年は訳もわからず首を縦に振った。
「ふーんこれはあなたが書いたの?」
「お父さんがこの日に言葉を叫べって」
女は魔法陣に触り色々と確かめる。
「親2人の命を犠牲に私を召喚したのね。子供に事を託すなんて、親の顔が見てみたいわ。まぁ今はどうでもいいのよ。じゃあ自己紹介といきましょう、私はリリスよ」
リリスは少年と目線を合わせて自己紹介をする。少年もリリスへ向かって自己紹介をした
「ぼくはゆうと! よろしくお願いします!!」
「いい子ね礼儀がなってるわ」
とある民家の地下室にて
「えーっとこれをこうして、よし出てきなさい悪魔よ我が願いに従い私に勝利をもたらしなさい」
1人の女性が盃の液体をのみほす。すると足元の魔法陣が光り輝き1人の男が現れた。
「君が俺を呼び出したのか?」
「そうよ。私は鈴井奏華あなたは私の命令に絶対に従いなさい」
女はその場に座り込んで命令する。
「すごい女性に呼ばれたな。私はソロモン72柱の1人、バエル・バアルだ」
召喚された男は自己紹介を終えると奏華の持っていた盃に酒を生み出しそれを飲み干す。
「私を呼んだからには必ずあなたに勝利を授けよう」
アメリカ特殊観測施設ガイアにて
「依代たちは続々と召喚に成功しているようです」
1人の女性が監視室に入り、ディアンズフィールの状況を眺めるヘルスへ伝える。
ヘルスは女性の報告に答えることはせずに右手を上げわかったという意思を伝える。
「200年ぶりだからかな、ディアンズフィールの魔力が濃くなりすぎて強い悪魔ばかりあらわれてる。何事もないといいけど、そういえばまだ1人だけ召喚してないな、まぁいいか」




