[#134-β空間回廊!!法線ベクター反転を拒絶する魔女【2】]
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「“ラキュエイヌ同士”のゴタゴタで賑わってるとこ悪ぃんだがァ」
「コイツはラキュエイヌでは無い。ただの寄生菌よ」
「なんて酷い事を⋯」
両手を広げ、フラウドレスの発言を残念がった。その様は、今を“楽しんでいる”とも取れるモーションである。
笑っているのだ。笑いながら、“一本取られた”とでも次の言葉を残そうとするかのよう。
「はい。ウェルニ・セラヌーンの空間転移が不可能なる事象発生。司教座都市スカナヴィアへの空間転移は、フラウドレス、サンファイア、アスタリス、ミュラエ、ヘリオローザ計五名で亜空間法線ベクター反転、これより亜空間転移ジャンプを開始します」
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「待って!!」
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「なに⋯⋯⋯!」
ヒューマノイド実体化が健在中のヘリオローザは、その号声に驚嘆した。
「⋯⋯ハァハァハァハァ⋯⋯ハァハァ⋯やめて⋯⋯⋯ウェルニが一緒にいけないなんて⋯やめて」
気絶拘束状態。それのみならず、四人には昏睡状態へ導くVキューブSの“レンダークラッシュ爆弾”の劇薬転用版を投与。
しかし何故か、効果が覿面したのは、サンファイアとアスタリスのみ。
レンダークラッシュ爆弾劇薬転用版は、対象に描画処理速度を激減。脳から送信される信号回路へ、突発的な悪癖効果を発生させていく。それは、瞼を閉じ、意識レベル不調和前段階での覚醒を強制的に無くす⋯という事を指し示す。
四人に、意識はある。瞼を開けれないのみ。
フラウドレスとヘリオローザの衝突も聞こえていれば、これから自分たちがスカナヴィア血戦者の力によって、カナン城から違う場所へ連行される⋯四人が生存本能をマイナス極点にて右往左往させておきながら、ミュラエは何故か、覚醒してしまった。
「式セルジューク、なんでこいつァ動いてる?」
式ハドリアヌスがVキューブS遺伝子螺旋から再度のレンダークラッシュを発動。ミュラエは天根集合知“幻影空間真空の抽象”より、シャドウミュラエを生成。
ミュラエと瓜二つの能力値を記録する異形生命体が、レンダークラッシュを無力化。爆発しかけていたレンダークラッシュをシャドウミュラエが放った黒影バリアで拡散波状を防御。
爆発時にのみ、バリアは実体化。
視認不可能の精神汚染攻撃であったことがバリアの無力化エフェクトにより、明らかとなる。
「スカナヴィア血戦者!どうしてミュラエが目を覚ました!?」
「⋯⋯知るかァ」
「知らない知らない!こっちもオドロキだよ!!」
「はい。再度レンダークラッシュを掛けるまでです」
そう言い、式セルジュークの遺伝子螺旋が滞空回転を開始。回転によって生じた真空との摩擦力が、新次元エネルギーを形成。形として残された、新次元はこの世の理と裏側に住み着く別種の存在を匿う“新地平”が戮世界テクフルに現れる。
「これは⋯⋯⋯」
「お前たちの知らない世界だ。戮世界テクフルはァ、宇宙の中でもたった一個の世界に過ぎない」
「はい。亜空間が余剰次元を形出し、見るべきで無いものまで見せています」
「薔薇の暴悪もさ!薔薇の暴悪もさ!見た事あるよね!」
「⋯随分前の時代だ。そんな事まで知っているのか」
「アルシオン王朝統治創成期。知らずして七唇律聖教の高位貴族はやってられねぇなァ」




