手紙と世界の関係 2枚目
「……それは、この部屋で荷解きしていたとき、クローゼットの中を開けたら、大量の使われていない便せんを見つけたもので」
「便せん?」
白雪さんは首をくいっと傾げた。黒田くんがくる前に掃除したときはなかったと思ったけどなぁ、と小さな声でブツブツとつぶやきながら、便せんがある理由を考えていた。
「前にこの部屋に住んでいた方のものですかね。好きに使っていいとのことで、部屋の備品の一部かと思って、勝手に使っちゃったんですけど……」
まずかったですか、と少し困った顔をした俺をみて
「う、ううん! 大丈夫。これは私の知らない?ものです。特に危ないものでもないので、好きに使ってかまいませんよ」
と慌てて笑顔で返事をしてくれた。その愛らしい顔を見て、少し肩をなで下ろした。俺はてきぱきと荷物をしまいながら、話を続けた。
「そういえば、この部屋の前の住人って、どんな方なんですか?」
「どんなっていうと、難しいですね。とてもクールな男性でした」
クールな男性ね。無口とか冷静沈着とか、そういった人だったということだろうか。などと、考えを巡らせてるうちに、服をしまい終え、手紙を書いていた机に戻ろうとした。
「多分、ここで生活するので、他の住人さんも名前を出すと思うので、教えておきますけれど、『紅』さんという方で、年は二十五歳だったかと思います。とても落ち着きがある方ですよ」




