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階段で
研究室のある建物は、敷地内のほぼ中央に鎮座する真っ白い10階立てのビル。建物内部の中央部は吹き抜けとなっていて、その吹き抜けにエレベーターがあり、その周りを階段が取り巻いている。エレベーターはいわゆるスケルトン、階段の段もスケルトンの開放感溢れる作りとなっている。
これからお世話になる研究室は3階にあり、エレベーターを使うほどでの階ではないので、スケルトンの階段をたんたんっと上り始めた。
そして、階段を勢いよく下ってくる人がいた。
灰色パーカーのフードを深くかぶり、ジーパンにスニーカー、フードの隙間からちらりと見える肌と長い髪の毛。
あいつだ。
俺に『死ね』と言った、葵さんが言っていたもう一人の住人『ひまわり』だ。
途端、俺の背筋に緊張が走った、が、気づかれぬよう、何食わぬ顔で階段を上り続け、そして下ってくる彼女と目があった。
今度は俺の顔をキッと睨みつけることはなく、むしろ、慌てた表情を見せ、速度を増して階段を駆け下りて行った。




