さんごさんと 1枚目
『ひまわり』もこの研究所の人物なのだろうか。
そんなことを考えながら、3階に着いた途端、どんっと誰かが俺にぶつかり、そして胸に見知らぬ人物の頭があり、そしてそこから、
「す、すみません! ごめんなさぁい!」
と声がした。
「いえ、こちらこそ。大丈夫ですか?」
ぶつかった人物は、大きめの眼鏡に、髪型はポニーテールというよりかは適当に一本にくくっており、真っ白の白衣にピンク色のつなぎをきた小柄な女性だった。
「あ、あの! ぶつかって早々なんですけど! 女の子! フードの女の子! 通りませんでした?」
「ああ。さっき、すごい勢いで階段を駆け下りて行きましたけど」
俺は、フードの女の子について、ありのままのことを話した。すると、女性はそうですか、と少ししょぼくれた顔をした。が、
「そ、そういえば! あなた、もしかして、今日からくる、黒田くん?」
と一転。満面の笑みでこちらに聞き返してきた。
「あ、はい。そうですけれども」
「あー、よかった! 私、黒田くんが配属される研究室の先生をしています、さんご、と言います! 以後、よろしくー!」
とても元気な人だ。
「ちなみに、年齢は20歳。先生としては、若すぎる!?、なんて思うかもしれませんが、安心してください! 先生、天才なんですよ」
常に、えっへんと腰に手をあてて得意げな表情をみせ、ハイテンションかつ大変な自信家なのが伺えた。
「ええ、先生のことは存じ上げていますよ。我が国に多大な貢献を残した若き天才科学者と……」
俺の先生となるさんご先生は、主に質量を一時的に変化させることで、身近な例でいくと荷物の運搬の効率化、何かを止めるために重石をしていたものの重さをなくしても、動かないようにその周辺の重力を操作することで、卵の上にトラックを乗せても維持できるという新たな現代アートを生み出すきっかけを作り出すなどの研究成果から、この分野では大変著名な方である。




