十人十色の力 4枚目
話……。誰かと……、俺はあのときを思い出すために、記憶をたどった。
「あのとき、手紙を出そうと郵便局へいこうとしました。そして、郵便局前に着いたら、一人の、俺の肩ぐらいの身長の、多分女の子が、突然俺に『死ね』って言って……」
「言われたんですか!? 死ねって?」
白雪さんが取り乱しながら、俺の話に食いついてきた。
「それで、その子、どんなでした? 黒田くん、教えてください!」
「はいはーい、落ち着いてね、雪ちゃん」
と葵さんが白雪さんを落ち着かせるために、頭をぽんぽんとたたき、白雪さんは、はっと我に返り、すみません、と少し萎縮した。
「えーっと、まあ、雪ちゃんが取り乱したのには、訳があってだな? 少年。多分、それは、うちの住人の『ひまわり』ちゃんだと思うんだよねぇ……」
葵さんは話を続ける。
「ひまわりちゃんってのは、今高校二年生だったかな。まあ、うちの住人ではあるんだけれども、今、家出状態でねぇ……」
「家出?」
葵さんは俺の疑問に答えづらいのか、言葉を続けようとしない。その様子を見て、白雪さんが口を開いた。
「ひまわりちゃん、半年ぐらい前に、家を飛び出しちゃったままなんです……」
白雪さんの暗い言葉でその場は少し凍り付いた。
「……ん、まあ、少年は被害者なわけだから、簡単に訳を説明しとくとだぁなぁ……」
葵さんが腹を割って、いろいろと『ひまわり』さんについて話し始めた。




