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十人十色の力 2枚目
「あなたが……葵さん……」
俺は彼の顔をしっかりと見て、助けてくれたお礼を述べた。
「いやいや、そんな大したことじゃあ、ないよ。たまたま、倒れた人が、たまたま、同じ家の人だっただけだーよ。んまあ、強いて言うなら、おっちゃんにとって、少年を運ぶのは、ちと荷が重かったかなぁ」
とこちらに気さくな笑みを見せながら、彼は肩や首をパキパキ鳴らしてみせた。人が良さそうなだ。
「おっ、気がついたか」
と、部屋のドアががちゃりと開き、トクサさんと白雪さんが部屋に入ってきた。白雪さんは目に涙を浮かべながら、気がついてよかったですー、と俺に今にも抱きつきそうな勢いでこちらに駆け寄ってきた。が、それをトクサさんが首根っこ捕まえて、制止させた。
「トクサさん、白雪さん、こちらにお邪魔して早々ご迷惑おかけして、申し訳ありません」
「そんなことないですよ! 大丈夫です!」
と、白雪さんが、ぶんぶんと首を振った。
「そうだぜ。なんのためのシェアハウスだと思ってるんだ。あと、トクサさんはやめてくれ。トクサでいい。かしこまったしゃべり方も俺には使うな」
とやれやれといった顔つきで、トクサは俺に近づき、俺のおでこに手を伸ばした。




