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無限の彼方へ  作者: アシドーシス


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19/23

首都移転

1年後

ルッタが8歳になった。

訓練村は予想通り1年コースを選んだようだ。

卒業してどこに行くのだろうと思っていたが研究所を選んだようだ。


「大元帥に繋いでくれ」

「畏まりました。少々お待ちください」

「ラッツ皇帝陛下お待たせしました」

「うむ、予定通り進んでいるか?」

「はい、80%あたりまで進んでおります。」

「抵抗運動が激しくなってきたか?」

「そうですね、一般人まで兵士になって襲い掛かって来ております」

「そうかそうか、そうでなくてはな自分の祖国がなくなってしまう寸前なんだ、それぐらい必死になってもらわんと困るな」

「そうですな、難民の数は増えておりますぞ」

「それは仕方ないだろう」

「もう4000万人収容所に入っております」

「そうか、まだまだ増えそうだな、拡張はやっておるか?」

「はい、2000万人収容できる施設を建築しております」

「それならしばらく安心だな」

「それで陛下、第6範囲の薬物蔓延が凄いですな」

「そうだ第6範囲からの物資の輸入は止めている」

「その件なんですが、面白い案を思いつきましてな」

「どんな案だ?」

「薬物を警備隊に届けると報奨金を出すんですよ」

「なるほど、使えば犯罪になるが、持ってくれば報奨金を出すと?」

「ええそうです、そうすれば持ってくる人も儲かりますし必死に見つけ出して持ってくる人もいるでしょう」

「そうか!それもそうだな、その提案を受け入れよう」

「ありがとうございます。」

「それで進軍速度ですが、予定より一か月ほど前倒しで進んでおります」

「そうか、空爆は効果的にできているか?」

「連日空爆しており、既存の防衛機能は死んでいます」

「そうか、やっぱり爆撃機は有効か」

「そうですね、相手はプロペラ機なのでジェット機で余裕で対処できますし、航空優勢は強いですな」

「そうだろうな、さすがにジェット機とプロペラ機では性能に差がありすぎるな」

「爆撃機はプロペラ機だが、大丈夫なのか?」

「ジェット機で戦闘機をすべて落としたうえで安全にしてから爆撃機を投入してますので、爆撃機は安全ですな」

「そうか、早く全面占領頼むぞ」

「わかりました。もうまもなくですよ、最大の問題は難民の数ですね、今まで逃れていた難民が一気に出てきますのでその対処に追われるかと。」

「そうだろうな、施設ももう作ってるんだろう?」

「ええ、全面占領後の施設も建設中です。5000万人分ですが人数が足りるかどうかわかりませんがね」

「それぐらいあれば十分だろう、足りなかったら第4、第5地域に肩代わりしてもらえばいい」

「最悪はそうしてもらえると助かりますね」


1年後

ルッタが9歳になった、誕生日プレゼントはまた大量に届くようになった。

ルッタも気づいている、沢山のプレゼントが廃棄処分になっている事を・・・。


「シロさんやーい」

「はいはい、いますよー」

「この地図を見てくれ」

「はい、もう占領が済んでますね」

「だろう?そう見えるよな?」

「ええそう見えますわ」

「だが大元帥からは何も連絡がない」

「何か問題でも起こっているのでは?」

「そうだよな、それしかないもんな」

「ええそうでしょうとも」

「聞いた方がいいと思うか?」

「大元帥から言ってくると思います」

「そうか、それなら待っていればいいな」

「はい、それはそうと水素エネルギーですけれど、あまり水素ばかりになってしまうと原油の使い道がなくてそれはそれで困ります」

「ふむ、農機具や現場の作業車などはまだ軽油やガソリンを使っているがそれだけでは足りんのか?」

「ガソリンはまだいいです、車もガソリンですし、軍隊のは水素エネルギーを使用してますが、民間はガソリンです。」

「そうだな、水素の車も民間用に販売されてるがまだ高いからな」

「そうですね、一般車の4倍はします」

「全部水素車にしようと思ったら石油製品でガソリンが余るから駄目だとか、もっとこう・・・使い道を考えてだな・・・」

「ガソリンは勝手に生まれてくるのですから使わないと損ですわ、他にもビニールなど原油を精製しないとできない物は沢山あるのですから、原油を精製しないわけにはいかないのですよ」

「最近発売された空飛ぶ車があるじゃないですか、あれはバッテリー駆動なんですよ、ヘリと変わらないのに何が空飛ぶ車なんですかね?よくわかりません」

「確かにな、バッテリー駆動だけなら電気自動車もあるじゃないか」

「あれは発電を水素でしてますから実質水素自動車と呼んでもいいのではないでしょうか?」

「ふむ、それは違うな、バッテリーの制作には多種多様な原材料が使われている、水素ももちろん使われているが、それだけで水素自動車というのはおかしいぞ」

「そうでしょうか?」

「あれは電気自動車だ、まぎれもなくな。」

「ただ充電は家庭でしかできませんよ」

「大きいショッピングモールとかに充電設備がたまにあるじゃないか」

「ええ、でもすぐ埋まってしまいますわ」

「そうかもしれんな」

「ですので車はガソリンとバッテリーのハイブリットが1番いいです」

「水素とバッテリーが1番なのでは?」

「それでは石油のガソリン精製で余ってしまうので駄目だと言ってるんですよ」

「なるほど・・・もっとこうガソリンを沢山使う物を開発するとかどうだ?」

「例えばなんですか?」

「そうだなー各家庭の暖房をすべて一括管理し発熱させ暖を取らせるとかどうだ?その施設をガソリン仕様にするんだ。そうすれば大量のガソリンが使われるだろう?」

「そうですね、それは良さそうですが、第5範囲第6範囲でしか使えませんよ」

「他の地域は暖かすぎるか、他にはプールの温水化をガソリンでするのはどうだ?」

「それでもいいですが、今のガスも捨てがたいですね」

「そうだなー農地のハウス栽培にハウスの温度をあげるためにガソリンを使ってもらうのはどうだ?」

「それは今は軽油ですが、ガソリンのほうが価格が安くなるとガソリンに切り替わるでしょうね」

「いっその事ガソリン価格をさげて、自発的にガソリンを使う場所を増やすのも1つの手だろう?」

「今でもめちゃくちゃ安いですわよ?ほとんど原価がかかってないですし、無限に湧き出てくるので困りませんし、埋蔵量も完璧に調べれたわけじゃないですが9000年はもつと言われてるじゃないですか」

「そうだな、原油には困らんな、新たな海中油田も見つかったが採掘はしてないしな」

「ええ採掘を禁止までしましたよね?」

「そうだ、あっても困るからな」

「新大陸で開発するのは最新設備ですべて開発するんですよね?」

「あぁ、今の帝都の古くなった下水設備などほぼすべての施設が交換時期にきているからな」

「それで一旦帝都を新大陸に移している間に帝都をまた再開発するのでしょう?」

「はっ!それをどこで知った!?」

「陛下のお考えはどこにいてもわかりますよ」

「そうか・・・読まれていたとは・・・まあそうだ、帝都は皇帝直轄領とする事にした。」

「そうですか、それはいいですが、どなたが住まわれるので?」

「とりあえず引退した皇族一族だな」

「それは上皇様などでしょうか?」

「まあもうじき寿命だろうが、一応はその一族だな、より身分の高い者だけが住める地域とする事にした。」

「しかし、人がいなくなっては、面白くありませんよ、静かですし宅配物も特別料金がかかるようになりますし、ファストフードなど食べれなくなってしまうではありませんか。」

「むむむ、それはそうかもしれんな、まずいなそれは。」

「せめて中級国民以上とかにしてはどうですか?」

「そうか、富裕層か、その階層しか住めなくすれば問題はなくなるか。」

「ええ人口も一定程度確保できるでしょうし、犯罪も犯さないでしょう。」

「しかしそこのファストフードで働く人間はどうする?中級国民以上にすると誰も働かないではないか」

「そこはAIですよ、人工知能を載せたロボットに働かすのです。」

「なるほど・・・そこまで発達したか?」

「ええ、毎年以上に半年に一回ぐらいは技術のブレイクスルーが起こってますからね、賢いですよー今の人工知能は。」

「では新大陸でAIロボットを生産して全国各地に送るんだな?」

「そういう事になると思いますよ」

「そうか、もう農業にも人手がかからなくなるのか?」

「人手がかからなくなる品種もあるでしょうね、完全AIロボット生産も間近です」

「そうすると、人の働き手が余ってくることになるな」

「はいそうなりますのでベーシックインカムを導入する事をお勧めします。」

「ふむ、毎月一定金額を配るのか、仕方ないか、ロボットが人の仕事を奪っているのだもんな」

「それでも人は収入によって支出しますので、貯金にはなかなか回らないですが、経済は回ります」

「国が借金を背負ってるだけでだいたいどこも黒字経営を行っていますので、経済は安定していますね」

「そうだな、金銀の収入が赤字を埋めているが企業も黒字経営なんだな、インフレはしてないのか?」

「はい、食料品がその指標になりますが、全部材が低価格で安定してますので食料品も低価格で安定しています。」

「食料自給率はどうなっている?」

「ほぼ100%超えてますが、一部地域でしか作れない作物や季節物などが50%ぐらいで市場に余らない程度になっています。」

「そうか、それなら問題ないだろうな」

「今の所は問題ないですが、あと50年もすると食料自給率は95%ぐらいになるでしょうね」

「なるほど、畑はビルに建て替えて行っているのだろう?」

「はい、徐々にですがビルに変わっていっています、その方が生産性高いですからね」

「食料生産ビルか、害虫駆除もせんでいいしな、ロボットが働くにはいい環境かもしれんな」

「はい、電気が確保されて水耕栽培で土が入りませんからね、ロボットにはいい環境でしょう」

「水の生産は間に合っているのか?」

「降水量は問題ありません、一部地域は雨はめったに降りませんので砂漠化してますが仕方ないでしょう、一部地域では砂漠化を止める植林も行われています、それに海水を淡水化する施設も稼働してますので、海が近い地域では水不足に陥る事は無い感じです。」

「淡水化施設には何のエネルギーを使ってるんだ?」

「余っているガソリンが使われています。」

「そこでも使っているのにガソリンは余っているのか、別の物に変更できないのか?」

「ガソリンは精製でできてしまう物なので使用しなくてはならないのです。」

「なるほどな、余っても保管する場所がないということか」

「そうです、現在精製から使用まで100%になっていますので、不足もしてないし余ってもない、いい状態ということです。」

「ふむ、何か技術革新をしないといけないとかもないんだな」

「はい、現在特に不足している材料はありません、概ね良好です」

「そうか何も問題がないのも問題だな。」


1年後

ルッタが10歳になった。

今年は軍部からの誕生日プレゼントが多いようだな。

研究所に所属しているが何を研究しているのか宮殿では話をしたことがない。


「陛下、大元帥よりお電話です」

「うむ、大元帥やっとかけてきたな、それでどうしてこんなに遅れた?」

「陛下お待たせしました、ちょっと困ったことがありましてな」

「困ったこと?いったい何があった?」

「まず森へ入っていった住人が多かったことですな」

「森か、やはり新大陸でも魔物がでるのか?」

「はい、奥まったとこになると魔物がでます」

「そうか、それで一人残らず捕まえるのに時間がかかったと?」

「まあそうですな、それは一か月ぐらいで完全封鎖したうえで誰も出てこなかったので全員死亡ということにして1年閉鎖しました。」

「時間かかったもんな、しかし森に入った人口ぐらいそんなに多くは無かっただろう?」

「観測できた人口だけで1万人ぐらいですかね?それ以前に入り込んでいたのならもっと多くなるでしょうが、それはわかりませんな」

「1年封鎖して出入りは無かったんだな?」

「そうです、現在も封鎖は継続していますが、出入りは0人です。」

「それならもう森はいいだろうな、であと何があったんだ?」

「山ですな、これが1番問題でした」

「ほう、山か頂上は小さくなっていてそんなに難しい話でもなさそうだが?」

「それがこちらの山は標高自体は2000mとなっていてそんなに高くないのです。」

「ふむ、2000mかそこまで高くないな、それで何が1番問題だったんだ?」

「上部にはヴァンパイアが巣くっていました、山に逃げ込んだ住人はすべてヴァンパイアに変わってしまっていて討伐するのがすごく困難でたいへん時間がかかってしまったということです。」

「それでヴァンパイアはどうやって倒したんだ?」

「はい、光魔法の上位互換であるハイビームを使用しながら四肢をすべて切断する事で退治できました。」

「その方法にたどり着くまで時間がかかったという事か?」

「はい、地元民もヴァンパイアが巣くっている事を知りませんでしたし、倒し方なども知りませんでした。」

「それで新大陸にはもう一人も残ってないのか?」

「はい、現在兵士が残っているだけで残っておりません。」

「そうか、帝都移転計画が進められるな」

「はい、もう十分かと、それでどこら辺に作られるのですか?」

「うむ、港も必要だからな、大型船が着岸できる所がまず必要だな」

「空港は各地に作りましたが、港は1か所しか作っていませんよ」

「うむ、指示してなかったからな、だから新たに建設するのだよ」

「そうですか、私もラーメンを食べたいので早めに帰りますが、一旦これで新大陸は占領完了です」

「よくやった、お前ももう歳だろう、元帥から一名選んでおけ、その者に大元帥を任せる、他の者も解任だ、言い方が悪かったか、定年退職だな。」

「年金も十分ありますし安全に暮らせるのでしたらこの上ない褒美ですよ、ありがとうございます。」

「そうか、後はこっちでやっておく、今までご苦労だった。早めに帰って来て自由にやってくれ」


「シロさんやーい」

「はいはい、いますよー」

「新大陸の準備は整った、計画を前に進めてくれ」

「新帝都建設ですね、概ね計画は出来上がっていますが、中級国民以上でほんとによろしいですか?」

「住居までプレゼントするんだ、それぐらいの階級がなければ合わないだろう」

「そうですか、まあその方が再開発する時に簡単にどかせれますしいいですね」

「うむ、それで港の建設だが・・・・・。」


1年後

ルッタが11歳になった。

今年は経済界からのプレゼントが多いな、いったい何を開発しているんだろうか?

「ラッツ皇帝陛下、新帝都の港湾部分が完成しました。」

「やっとか、時間がかかったな」

「大型船が着岸できる港がなかなかなかったのと、比較的波が高かったのでその対策に時間がかかりまして、概ね完成した所です」

「ふむ、これで移転魔法陣を使えない代物も船で運べるな、ようやく本格的工事に着手できるな」

「はい、もう初期工事の人員は送り込んで作業を始めています」

「そうか、あと何年したら住めるようになる?」

「予定では宮殿は2-3年後には概ね完成します。市街地は5年ほどかかる見込みです」

「細かい所までやると8年ぐらいか?」

「そうですね、ルッタ様が皇帝になる時にオープンさせれば、ぴったりの贈り物になりますね」

「そうだな、俺も住んでみたかったが時間的に仕方ないだろうな」

「仕方ありませんよ、何分一からの開発ですから、時間はかかってしまう物です」

「そうだな、そういえば最近研究所所長と話ししたんだが、衛星の新型ができあがったと言っていたな」

「開発中と伺っていましたが開発成功したんですね、GPSもレーダーもリアルタイム衛星画像の更新もネット回線も改善されるという事でしょうね、海の上でもネット使えるのは乗組員も非常に助かるでしょうね」

「ネットなくして時間つぶしは難しいからな、国民全員助かるだろう、早く打ち上げてほしい物だな」

「そうですね、AIの会話も改善されると言っていましたからAIロボットがさらに高性能化するんでしょうね」

「ますます人の手がいらなくなるだろうな、その方が人間には幸せなのかもしれないけどな」

「そうですね、以前なら生まれてきて10歳になれば働いてそのまま老後まで働くのが普通でしたが、今はもう違いますもんね、どんどん働く年齢も低くなってきてますし、ベーシックインカムの効果もでてきましたし、ちょうどいい具合なんではないでしょうか?」

「そうだな、そのうち一切働くことなく人生を終えていく、これを終着点にしないとな」

「人間の幸福の行きつくとこまで行ってしまっていますね、最近は働くことがないから動画配信者が人気職業ですがベーシックインカムで手に入るお金にプラスして稼げるからでしょうか?」

「楽しいってのもあるのかもな、それに収入が簡単についてくるからより一層楽しくなるんだろうな」

「楽しいが1番ですもんね、私も今の生活が楽しいですし、退屈しない感じはいいと思ってます」

「そうか、難しいかじ取りをしていると思うがシロさんはこれからも補佐をよろしく頼むよ」

「わかりました、信頼にこたえられるようにこれからも努力してまいります。」

「シロさんはもう十分頑張っていると思うから後任を育ててもいいんじゃないのか?」

「後任育成は今もやっていますよ、全国各地を3人の弟子が回って現地調査してくれています」

「そうなのか!?初耳だぞ」

「はい、言ってませんでしたからね、しかしちゃんとした後任に育つかどうかはこれからです、まだまだ若いのでこれからも勉強と実地研修が必要ですね。」

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