新大陸
ルッタが5歳になった。
言語学校への入学式がある。
警備は常に8人に守られての登下校、校内でも8名が付く、学校内でも薬物の使用が数件発生している為油断はできない。
ルッタは新入生代表で壇上にあがる事になる為、リハーサルに余念がない。
言語学校は早めに卒業することもできる、その人に合わせた形式がとられている。
その後は訓練学校にはいるが、ルッタは1年コースを選ぶと思われるがどうだろうか?
「ラッツ皇帝陛下、いますか~?」
「あぁいるぞ、どうした?」
「本日ルッタ様が入学式ですね、見に行かれないんですか?」
「うむ、周りに配慮してな、映像で見る事にしたんだ。」
「そうですか、特別席をご用意させて頂いたので周りに配慮しなくても大丈夫ですよ」
「お?そうなのか?じゃあ見に行こうかな」
「はい、行きましょー!特別な日なんですから見とかないといけないですよ」
「そうだな、アリエッタ姫も連れて行こう」
「もうお車でお待ちですよ」
「そうか、俺だけ行かないつもりだったのか」
「急いでいきましょう、あと1時間で始まってしまいます」
「あなた、ルッタが壇上に立ちましたわ」
「あぁ見えている、ちゃんと練習させたんだよな」
「えぇ、沢山の人に見られる練習も沢山しましたのよ」
「そうだったか、ならば大丈夫だな」
「すんなり終わりましたわね」
「あぁまあ5歳の入学式だ、こんなもんだろう」
「ルッタが6歳で訓練村に入学となると訓練も大変そうだな」
「6歳では行かせませんわ、だっていくらなんでも早すぎるでしょう?」
「まあな、せめて7歳からだな、身長も伸びて走るのも楽になるだろうからな」
「7歳でも早すぎますわ、でも帝王学も学ばないといけないんですよね?」
「そうだな帝王学がせめて1年はかかるだろう」
「色々学ばないといけない事が山積みですわね」
「本当ならアリエッタ姫も学ばないといけないんだがルッタと一緒に学ぶか?」
「わ、わ私はいいですわ、勉強は苦手なんですの」
「そうか、まぁいいだろう」
「ラッツ皇帝陛下、海軍長官がやってきています。」
「ふむ、すぐ会おう」
「ラッツ皇帝陛下、急な訪問に対応していただきありがとうございます」
「うむ、それでどうした?何か緊急事態でも起こったか?」
「はい、この地図をご覧ください。」
「もうすぐ船が新大陸に到着しそうだな、それが今日来た原因か?」
「はい、目標としていた場所に要塞砲が設置されており、目的地に到着できない事がわかったのです」
「なるほど、それで緊急か」
「はい、大事な一手目ですので、場所の選定は慎重に慎重を重ねて決めた場所でございますので、ここが取れないとなると大幅な作戦計画の変更が必要になります。」
「ならば船から浮遊魔法を使って強制上陸させ、要塞砲を手に入れてしまえばよかろう?」
「それは被害が大きくなる可能性がありますが・・・」
「大丈夫だ、物理結界のペンダントも魔法結界の指輪も浮遊魔法の指輪もみんな装備しているはずだろう?」
「そ、それはそうですが強硬策すぎるのでは?」
「構わんやってしまいなさい、訓練がたるんでいるとも聞いている、しっかり戦争だという事を思い出してもらわんとな」
「わかりました。それで作戦を練ります。それでは急ぎますので失礼します。」
「シロさんや、今の話を聞いてどう思った?」
「はい、要塞砲を手に入れてしまえば港湾の安全性は格段に上がります。苦労せずに手に入れるのはありかと思います、ただちょっと強硬策すぎるかなとも思いましたが。」
「しかし敵さん我々の進行ルートを潰しに来たな、この先も防衛線が張られていることが予想されるな」
「はい、予想外でした、相手は一国の大国ですからここまで早い展開が取れるとは思いませんでしたので。」
「そうだな、意外にも敵さんかなりやるのではないかな?」
「少なくても我々の姿を確認してから約1年でどこまで対応してきているんでしょうか?」
「ふむ、少なくても要塞砲とその先にバリケードだな、それに塹壕のような物も見受けられる」
「衛星のリアルタイム更新は有能ですね、見ようと思えば見れるわけですし、今回も事前に発見できてよかったです。」
「そうだな、見ようと思えばだがな、ここが更新された!みたいな何かあればわかりやすいが、そればっかりは仕方ないかもしれないな」
「意見として言っておきましょう」
3か月後
「ラッツ皇帝陛下、海軍長官よりお電話です」
「うむ」
「どうした?いい事があったか?」
「はい、いい事と悪い事がありましたがどうしましょうか?」
「ならいい事から聞きたいな」
「わかりました。要塞砲奪取には成功しました、その後の部隊を送り込む作業も順調で、戦車の輸送も進んでいます、空母よりジェット機の搬入も始まっていまして、簡易空港には数も揃っています。」
「歩兵も輸送車により前方へ送られていますが、町が半高層化というのでしょうか?、3階建て以上の住宅が多く市街戦になっているので制圧に時間がかかっています。」
「戦車部隊も行っているのだろう?戦車でぶっ放せばいいではないか?どうせ町なんてのは作り直すんだ、残してやる必要はない。」
「そうですか、TNT爆薬などで爆破しまくったので言質が取れてよかったです。」
「うむ問題ない、どんどんやれ」
「住民はどうなってるんだ?どこかへ避難しているのか?」
「言語がわからないもので現地協力者を探しているのですが、なかなか一般市民の中に協力者が出てこなくてですね、奴隷印は刻印していってるのか?」
「はい、その奴隷の中から探しているのですが、なかなか・・・」
「なるほど、それで人数はどの程度捕まえた?」
「まだ10万人程度でしょうか?」
「地図で見ると町と町が繋がっているように見えるが、どうだ?」
「はい、敵国全体に町が広がっており、どこも市街戦になる状態です。」
「狙撃手とかがいるのか?」
「はい、数多くいます。その度にジェット機に爆撃要請を出して爆撃してもらって前進するといった感じです。」
「それは時間がかかるな、爆撃機はどうなってる?」
「帝都から飛ばさないといけないのでまだ準備段階で現地に爆弾は用意したのですが、爆撃機本隊はまだです。」
「早く飛ばせ、そういう地域には爆撃機が効果的だ。焼夷弾を使って燃やしてしまえ。」
「わかりました。敵にプロペラ機がいるんですよね、その対処にジェット機を使ってるんですが、少なからず被害が出てまして、もっとこう、地対空ミサイルというのですかね?空対空ミサイルもほしいですがそういう簡易的な兵器が欲しいですな、この先苦労しそうです。」
「わかった、それは研究所に伝えておこう、すぐ作ってくれるだろう。」
「一般人の収容先は建築中か?」
「はい、随時建築しており、現在上陸地点付近に1000万人分用意しました。現在は10万人程度になってますがそのうち埋まると思います。」
「わかった、満員になりそうだったら第5範囲の言語都市に送ってくれ、あそこでも1000万人分の受け入れができる。」
「わかりました、準備しておきます。」
「それと海軍はもう送り込み終わったか?」
「はい、もう100万人送り込み終わりました。」
「よし、では陸軍の北部軍、中央軍、南部軍を順番に送りこめ、都市も北部、中部、南部で分けよ」
「西部は海軍が担当ですかね?」
「あぁそうだ、海軍も100万いるから十分だろう、まだ増員が必要か?」
「今の所は十分やっていけますね、余ってる兵はいるのですか?」
「あぁ今の所80万人ほど退役待ちがいるな、これは予備兵だからどこの軍にも所属せず訓練だけやってる部隊だな」
「なるほど、それならその80万人を貰う訳にはいきませんな」
「そうだな、敵軍に戦車部隊もいるのか?」
「戦車といっても、帝都にある戦車博物館の初期の頃のような戦車でまだまだ実用的ではないですな」
「そうか、その程度か、では引き続き頼むぞ」
「わかりました。次回はいい報告がたくさんできるように努力します。」
「大元帥に繋いでくれ」
「畏まりました。少々お待ちください」
「皇帝陛下、お待たせしました」
「まあよい、それでちょっと話があるんだが・・・」
「なるほど、新大陸での作戦ですな、すでに元帥達と作戦立案済みですぞ」
「もうやっていたか、それでどうだ?遂行できそうか?」
「軍を送ってもらわねばわかりませんが、問題なく遂行できると思いますぞ」
「そうか、では海軍長官からも連絡が入ると思うが、戦争の時期だ、頼んだぞ」
「わかりました。しっかり功績残させてもらいます。」
1年後
ルッタが6歳になった。
語学学校はもう卒業した。
訓練学校に入る前に帝王学を1年学ぶ事にした。
アリエッタ姫も一緒に学ぶようだ。
新大陸の戦場では爆撃機が焼夷弾を落とし、空爆を続けている。
空爆をする前には翻訳者が避難勧告を出して一般市民が巻き込まれないようにしている。
翻訳者を探すのには苦労した。避難民が100万人になった辺りで一人だけ協力者が現れたのだ。
その後お互いの言語の習得し、現在唯一の翻訳者として重宝している。
現在は現地の空港が小さい為空港を接収してから改造して大型化して使っている。
空爆した後の町には狙撃者もほぼいなく、軍も簡単に進める。
この辺りは山岳地帯もほぼなく平地になっている為非常に進みやすい。
「大元帥に繋いでくれ」
「畏まりました。少々お待ちください」
「皇帝陛下、ルッタ様の6歳の誕生日おめでとうございます」
「うむ、今年はプレゼントも少なくてな学校で貰ったのかもしれんが」
「いやはや察するにお早いですなー」
「やはりそうか、学校で貰っているんだな」
「ほぼ警備によって取り上げられておりますが貰っておりますな」
「ふむ、それならよいのだが、悪い物が渡らんか心配でなー」
「ええそうでしょうとも、警備も厳重にしておりますのでご心配なく」
「あぁそれは任せているからな、頼りにしているよ」
「それはそうと、新大陸ですが、激しい反抗作戦が始まっているようですぞ」
「おおやはりそうか、最近占領地の色が変わるのが遅くなってきたなと思っていたんだ」
「リアルタイムで見れるんでしたな、陛下の方がお詳しいかもしれませんが、塹壕が各地に掘られて遅滞戦闘を繰り広げております。」
「奴らも機関銃を持っているのか?」
「我々の物とは違いますが持っております」
「ふむ、それは回収してあるか?」
「一応回収してますが、使える弾も違いますので一式となると数が少なくなります」
「そうか、一応銃器展示館に置こうと思ってな」
「それでしたらご協力できるかと、それで遅滞戦闘なのですが、我々も簡易的な塹壕を作って対抗しておるんですが、戦車で一気に突撃した方がよいでしょうか?」
「ん?戦車で突破できる程度の塹壕なのか?」
「幅は1mぐらいの細い塹壕なので戦車でクリアできます」
「なら戦車を全面に出して突破せよ」
「わかりました。明日の地図を楽しみにしててください」
「うむ、期待しておる」
1年後
ルッタが7歳になった。
帝王学を学び終わって訓練村に入った。
警備兵8名も同じ訓練を受けるようだ。
アリエッタ姫はまだ帝王学を学び続けている。
学問が苦手と言っていたが帝王学は難しいから仕方ないかもしれない
「大元帥に繋いでくれ」
「畏まりました。少々お待ちください」
「皇帝陛下、結構進みましたぞ」
「うむ、地図で見ているからな知っているぞ」
「ガハハハハハ、そうでしたな」
「それで今回電話した理由だが、空港が少ないのではないか?」
「空港ですかな?それなりに整備しておりますが、もう少し増やした方がよろしいでしょうか?」
「そうだな、今の倍整備しろ、後でどうせ使うんだ、今のうちに増やしておけ」
「そういう事ですな、わかりました。」
「それと避難民が2000万を超えたと聞いたがどんな状況だ?」
「新たな場所を空爆する前に避難民受け入れの放送を流しているのですが、逃げていた避難民もやってくるようになっておりまして人数が爆発的に増えております。」
「ほぼ限界値ではないか、第5範囲の言語都市もまだ500万人ぐらい在学中だろう?」
「そうですな、500万人ほど溢れております。」
「そうか、追加で2000万人分避難民受け入れ施設を建設しておけ」
「わかりました、ちょうど1000万人分作っていたので追加で作っておきます」
「食料供給は間に合っているか?」
「はい、問題なく運ばれて来ておりますが帝都の物価があがったりしてないのでしょうか?」
「うむ、多少は上がっている、その分第6範囲で広範囲地下農場が上手く行っていてな、寒い地域だが水素が燃料になっている事によって燃料代が抑えられ価格も上昇しずらくなっているようだ。」
「水素はいいですな、こっちでも現地生産設備を導入しまして、色んな物に使用しております」
「うむ、どこでも水素は生産設備が導入できるのもいいな、内陸だと難しいが仕方あるまい」
「内陸には電車を使って運びますので大丈夫ですよ、今も電車を作っております」
「電車か呼び方も変わったな、蒸気機関車の電化バージョンだな?」
「はい、試験的に導入されたのですがあまりに使い勝手がよく帝都でも切り替えられるだろうと聞いております」
「電気は水素で発電できるからな実質無料みたいなもんだな、それは使い勝手がいい物だな」
「それに車内には冷房も暖房もついているのですよ、兵士と戦車の移動の時に使用してますがかなり好評ですよ」
「そうか、そんなに好評か、それは俺も乗ってみたいな」
「陛下専用車両を建造してもらってもよいのでは?旅行が楽しくなりますぞ」
「それほどか、それはいいなアリエッタ姫も喜ぶだろう」
「そういえばルッタ様は7歳になられたとか、早いですなー」
「うむ、計画よりも少し早めに新大陸を制圧完了させてくれ、まだ60%ほどだろう?」
「このままいけばあと数年もあれば制圧完了するでしょう。」
「避難民が言語学校を卒業して訓練都市に入学している。訓練都市を卒業すれば第6範囲の住人にする予定だ。そこで新大陸には帝都を移動させようと思っているから徹底的に一人も残さず奴隷印を刻印して収容所に入れて言語学校に送るようにな」
「はっ!そんな壮大な計画があったのですな、今の帝都は小さいですからな、ちょうどいいではありませんか。この広大な新大陸に帝都があるのは当然ですな」
「そうだろう?それに第一範囲はまあなんとか治安はいいが第6範囲の治安は最悪だ、薬物が蔓延している、兵士長も摘発に躍起になっているが取り締まりが間に合わん状態だという」
「そんな場所に新たに人口を増やしてしまっていいのでしょうか?」
「それは俺も思っているが場所がないからな、仕方あるまい、それに今特別警備隊を組織して薬物の撲滅も行っている、製造元から壊滅させてしまおうという事だな。」
「そうですか、蔓延すると大変な事になってしまいますからな、撲滅しておくのは大事ですぞ」
「うむ、わかっている、そういえば最近流行っているラーメンという食べ物はもう食べたか?」
「配給ででてきましたな、あれは上手いですぞ、こってり濃厚でまた食べたいですな」
「そうか、軍でも配給で出てきたか、帝都には店がいっぱいあってな、たまに出かけて食べているんだ。」
「おぉ出歩けるほど治安はいいという事ですね、帝都警備隊長はしっかり仕事してるんですな」
「あぁ治安はいいぞ、警備も10人しか連れて行かないからな」
「早く戻ってわしもラーメン食べたいですぞ」
「そうかそうか、早く終わらして戻ってくるといい」
「そうですな、早く終わらしましょう」
「シロさんや」
「はい、いますよー」
「うむ、綺麗に片付いているな、いい事だ」
「えぇ本は片づけてあります」
「それで第6範囲の薬物蔓延の件だが、何かいい案はないか?」
「特別警備隊を出して1年、摘発件数は0件です、巧妙に配送ルートが隠されているという事かと」
「ふむ、特別警察隊にはあらゆる摘発権限が与えられているのに摘発できないとはどういう事なんだ」
「魔法使いが関与しているのかと・・・リンゴの中に隠されている場合もありましたし、果物全般の中身が薬物に変わってる事もありました。今では飲料水の中に溶けて流通に乗っている場合もありましたし、特定の商店が関係しているわけではないのが問題ですね、個人も関係していません。薬物から発生する利益も発生してないのです。」
「うーむ、何のためにそんなことやっている?」
「帝国を陥落させる為でしょう、それ以外に考えられません。」
「やはりそうか、その魔法使いを摘発しなければ薬物蔓延は終わらないという事か?」
「そうですね、一個人が生成している量をはるかに超えてますが、どこかの国家がやってきているような感じがしますが、どこか心当たりはありませんか?」
「そうだな、やはり第6範囲の移転した都市とか住人達だな」
「私もそれは思いましたが特別警備隊が捜索している第6範囲にはいませんよ」
「そうだな、それはそうだろう、地図にも載ってない、空にもいないことは確認済みだ」
「では海底でしょうか?さすがに海底に都市は難しい気がしますが、やっている可能性はありますね」
「そうだな、ありえるだろう、潜水艦がもう少し発展すれば捜索に差し向けられるんだがな、あまり発展してない、もう少し時間かかるだろうな。」
「潜水艦の発展にはレーダー装置の発展が必要なのでは?」
「そうなのか?それは研究所に伝えて特別研究項目に指定してもらわないとな」




