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無限の彼方へ  作者: アシドーシス


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17/22

海軍帰還

7か月後


「陛下!生まれましたぞ、無事健康な男の子です。」

「よくやった宮廷医、ちゃんと仕事したのだな」

「えぇ後任の女医の為ですよ、ちゃんと仕事しておかないと女医が変えられるかもしれませんからな」

「確かに・・・そういう手もあったか」

「それでお名前はどうなさるんですか?」

「その前に、アリエッタ姫!無事か!」

「あなた、やっと生まれましたわ・・・大変でしたの」

「そうだなよく頑張った!健康な男だぞ」

「よかったわ、健康な子供が生まれるように運動頑張ったのよ」

「そうか、大変だったな、子供の名前だが、どうする?何か希望はあるか?」

「そうですわね、ルッタなんてどうでしょうか?」

「ルッタか!いい名前だな、その名前でいこう」

「あなたは考えて・・・いやいいわ、聞かないでおく」

「ルッタでいいじゃないか!いい名前だ、問題ないぞ」

「まあいいわ、それで二人目を作るのかしら?」

「いや、警備を増員してルッタ一人で行くつもりだ」

「今薬物が蔓延してるんでしょう?大丈夫なの?」

「あぁ学校にも警備は増やしているし、帝都にも警備は増員している。」

「取締官も増やしてるのかしら?」

「あぁ増やしているよ、第5範囲と第6範囲から物資の搬入には必ず取締官が付く、万全の体制のはずだ。」

「そうなのね、それならよかったわ。」


3か月後

「ラッツ皇帝陛下どこですかー?」

「ああここだ?シロさんどうした?何か急ぎか?」

「はい、至急面会したいと研究所所長が面会に来ております」

「何か起こったか・・・よし会おう」

「ラッツ皇帝陛下至急の面会にも関わらずありがとうございます。」

「急ぎか?どうした?」

「はい、人工衛星の件ですが、無事に36機打ち上げ完了しまして、ある程度のGPSも使えるようになりました。」

「地図ナビが便利になったんだよな」

「はい、車についているナビの精度もかなりあがりました。」

「おっとそれどころではないのですよ、我が海軍の位置が判明しまして、新大陸の周りをまわっているようでして、これが画像です。」

「ほほう広い大陸だな、それでどこだ?わからんぞ」

「ここでございます。これが我が海軍の水素船です」

「ふむ、こんな小さいのか、これはなかなかわからんな」

「この先約5日後には敵船が待ち構えている所に出くわしてしまいます。」

「なるほど、それまでに引き返せと伝えたいという事だな?」

「そうですね。水素船は武装に関してはそこまで重視せずに建造しましたので、複数に囲まれるとやられる可能性が高いです。」

「そうか、それでこの水素船に伝える方法はあるのか?」

「持ってきました、これで話しかけてもらえると繋がります。」

「ほほーこんな小さい鞄でつながるのか、やってみるか」

「新大陸を回って探索している海軍船聞こえるか?」

「・・・・・・誰だ?」

「ラッツ皇帝だ、その先敵船が待ち構えている、探索はそこで引き上げて帰還しろ」

「海軍長官以外の命令は受け付けない!海軍長官を出せ」

「皇帝だぞ!俺の命令が聞けないというのか!!」

「俺には皇帝の声がわからない、失礼だとは思うが海軍長官を連れてきて欲しい」

「そうか、よし、待ってろ海軍長官を連れてくる」

「シロさんや、海軍長官を呼べ」

「わかりました。」


「海軍長官がすぐ来るそうです」

「そうか、ならそれからだな、紅茶を一杯もらえるか?研究所所長にもだ」

「わかりました、すぐ用意させます」

「研究所所長、この紅茶は高級品だ、うまいぞ」

「そうですね、この香り、すごく美味しそうですな」

「今年最高品が取れたとかで宮殿に納入された物だ、一般には手に入らん」

「そうですか、それでこんなに香り高いし、うま味が広がる一品なんですな」


「海軍長官が到着しました。」

「すぐ通せ」

「ラッツ皇帝陛下、急ぎとの指示でしたがどうかなさいました?」

「あぁ海軍長官、この地図の画像を見てくれ、ここが水素船でここが敵船が待ち構えている場所だ。」

「なるほど、これはまずいですな、水素船は武装が強力ではありません。このままではまずいですな」

「それでこの通信機だ。今船と繋がっている、海軍長官の言う事しか聞かんと言っていてな、長官説得を頼むぞ」

「わかりました。私の声なら伝わるでしょう。新大陸を捜索中の水素船聞こえるか?海軍長官だ」

「海軍長官!さっきのは本当に陛下だったんでしょうか?」

「あぁそうだ、陛下だった。」

「それは誠に申し訳ございません。しかし手違えがあってはいけないので確認の為しかたなく。」

「そんな事はどうでもいい、衛星で位置は確認した。お前たちの船の5日先には敵船が待ち構えている、今すぐ帝都へ引き上げろ」

「そうは言いましてももう野菜類の食料がもうないのです。海藻も食べ飽きましたしそろそろどこかで新鮮野菜の積み込みを行いたく・・・」

「そこは敵国だ、それに造船技術も発達しているように見える、あきらめて魚で飢えをしのいで何とか帰還せよ。」

「わかりました。今すぐ帰還します。他の水素船も引き上げさせますかね?」

「この後全船に帰還命令を出す、一度帰ってこい」

「わかりました。」

「研究所所長、衛星を打ち上げた成果がすぐでたな、改良型の打ち上げも期待してるぞ」

「改良まで時間がかかるでしょうが、必ず改良してリアルタイムで見れるように努力します」

「あと市民がインターネットを使いたいと要望書が届いてたぞ」

「そうですか、改良も済んでますし、一般市民に開放しましょうか」

「そうだな、それがいい宮殿でも使えるようにしておいてくれ」

「わかりました、技術者を後日派遣しましょう」


1年後

ルッタが1歳になった。各地から誕生日プレゼントが届いている。

検閲も大変そうだ。

海軍が続々と帰還してきている。

新大陸に到着していた船達はまだ帰ってきていない。

新しいロケットが最近は打ち上げが始まっている。

一機打ちあがるごとにGPSの精度が良くなってきていると市民の間で話題になっている。

インターネットが開通し掲示板や簡単なゲームが公開され携帯電話の便利さに懐疑的だった人達も持ち始めている。

宮殿にもインターネットが導入され簡易的な世界地図がリアルタイムで更新されるようになった。

まだ詳しい画像は一部しか撮影されてないが、新しいロケットが増える事でこの地図も更新されていくだろう。

戻ってきた船は改修工事が施されている。

武装の強化やGPSの設置、レーダーの設置だ。

船にもインターネットが導入され、事前に航路の安全を確かめられるようになった。


1年後

ルッタが2歳になった。各地から誕生日プレゼントが山のように届く。

「シロさんやどこかな?」

「ここですよ」

「最近地図の更新頻度が高くなって、各地の詳しい画像が見れるようになった。」

「そうですわね、研究所は頑張っていましたからね」

「それでこの新大陸を攻めようと思っている」

「攻めるんですか?こんな遠くの新大陸を?」

「あぁちょっと考えてることがあってな」

「さてどんな事でしょうか?」

「うむ、それは海軍船に今設置を進めている移転魔法陣を使ってな軍隊を送り込めないか考えているんだ。」

「なるほど、海軍船に新大陸まで行ってもらって、そこから移転魔法陣を使って兵力を送り込むわけですか」

「そうだ、10隻ぐらい同時に着岸すれば、同時に10人ずつ送り込めるだろう?」

「10隻だと同時に一回の移転で1000人ぐらい送り込めますよ」

「そうか、そんなに送り込めるか、なら余計に計画の成功率が上がるな」

「てっきり新鮮野菜を届けるために移転魔法陣を設置しているのかと思いました。」

「ハッハッハそれも1つの理由だ。彼らは航海にでると長いからな、新鮮野菜も届けてやらねばならん」

「それにGPSだ完全に位置が宮殿の地図に表示されるようになったぞ」

「この地図ですね・・・いろんな情報が表示されてますね」

「あぁこれは自分でカスタムできる物でな、好きな情報に変える事ができる」

「それはいいですわね、使ってて楽しそうですわ、私も電子書籍に変えようかしら?」

「それはいい、本に埋もれて死ぬこともなくなるぞ」

「確かに、その可能性は今までありましたからね」

「そうだろう、最新の物を使うといい、研究所所長に言えば貰えるはずだ」

「そうですね、そうしますわ」


1年後

ルッタが3歳になった。

相変わらずプレゼントの山だ、年々多くなってきている気がする。

海軍全部の艦隊が帝都の海に戻ってきた。

現在遅かった艦隊の改修が行われている。

遅かった艦隊の艦長が調べた詳しい地図を持ってきていたが、執務室に張られている地図を見てびっくりしていた。

艦隊が出発してから打ち上げが始まったロケットの成果だが艦隊には申し訳ない事をしたような気がした。

しかしこれでこの星の残りの大陸は1つだけという事がわかった、都市の数もばっちりだ。

この都市の中に移転していった都市や住人はいるのだろうか?待っていろ、もうじき我が軍がそちらに向かうぞ。


半年後

海軍全部の船が改修が完了した。

出港式をして、海軍艦隊はそろって15隻で新大陸へ向かった。

GPSもレーダーも移転魔法陣もインターネットもそろった快適な船旅だろう。

ロケットの打ち上げも一段落したのか最近は発射されていない。

執務室の地図も拡大してみればどこも詳しく地図が表示される。

精度はあがったんだろう、インターネットも最初の頃はちょくちょく切れていたが今は切れるや電波が悪いなどはなくなった。

「シロさんや、いるかな?」

「はいはい、いますよー」

「本も片付いていい感じじゃないか」

「慣れたらこっちの方が楽です」

「そうだろう、その小さなタブレットの中にたくさんの本が収納されてるような物だからね」

「ええ、宮殿の貴重な本も現在翻訳が進んでインターネットで見れるようになってきてるのです」

「そうか、昔は本も貴重品だったからな、時代が進んで全部デジタルになるのは老朽化もしないしいい事ばかりだな」

「そういえば、インターネットを使った犯罪も増えてきているようですわ」

「ほう、そんな悪い事をしている輩がいるのか」

「件数は今の所少ないですがいるようですわ、サイバー犯罪課を設置してはどうでしょう?」

「ふむ、専門のチームが必要だな、インターネットに強い人材を育成しないといけないな」

「そうですね、専門学校を作っては?」

「今は言語学校を卒業して訓練村か都市を卒業していろんな仕事に就くがその先に専門学校を作るか」

「そうですね、ついでに研究専門学校も作っては?」

「海軍学校に行く手段もあるぞ」

「エネルギー研究所もありますわ」

「科学技術専門学校も新設してもありだな」

「それもいいでしょうね」

「銃士隊はどうなんでしょう?出世コースと思われていたコースも今は難しいですし」

「そうだな、今は全員1年コースも2年コースも3年コースも銃士隊所属だ。中でも軍隊に行くなら1年コースが人気あるな」

「3年コースじゃないと指揮官になれませんが早く軍隊を卒業できますし人気なんでしょう。」

「そうだな、軍隊を卒業するだけで一般市民になれるからな」

「そういえば、ここ最近軍部がたるんでいるそうで、訓練しかしてないからか気合が入ってないと密告が来ていました」

「そういう事もあるだろう、仕方ない、だがもうすぐ待望の戦争が始まる。もう準備は万端だ。」

「研究所から戦車を打ち抜くライフルが発表されてましたね。歩兵で戦車を潰せたら改めて歩兵の優秀さが際立ちますね」

「そうだな、我が軍の戦車の装甲は抜けないように改良されているが、改良されてないと打ち抜けるようだな、その装備も数は多くないが支給してある。ロケット砲だ。軍の装備はかなり改善されている。」

「ロケット砲というのはどういう時に使うんでしょう?」

「簡易陣地みたいな物に対して使うみたいだが相手の戦車にも使えるみたいだぞ」

「なるほど、そういう使い方ですか、戦車に効けば効率的に戦車も葬れますね」

「うむ、短距離ミサイルなども開発されてるようだが、まだ開発中だな。」

「色々ありますねー正直頭がついていかないというか・・・」

「研究所は人数が多いからな、その分新規装備も多いのだろう」

「確か20年たっても新規開発成功しないとクビになってしまうのですよね?」

「あぁそうだ、そんな奴に給料払ってられんからな、みんなも頑張るってもんだ」


半年後

ルッタが4歳になった。

今年はプレゼントが少ないな、何か買い足そうか?

「アリエッタ姫今年はプレゼントが少ないのがなぜかわかるか?」

「検閲で毎年かなりの数が禁止品になっておりまして、差し止めになってましたのよ」

「そうか、禁止品を送ってくる所を禁止にしたのか?」

「そうですわ、ルッタにあぶない物を送ってくるなんて何を考えているんでしょうか?」

「確かにな、だから今年はプレゼントが少ないのだな」

「えぇそれでも多いぐらいですわ」

「そうか、これでも多いぐらいなのか」

「次期皇帝ですから普通なのでしょうけどね」

「そうだな、俺も後16年で交代だしな、ルッタには頑張ってもらわないとな」

「あなたの代でこの星統一も可能なんでしょう?」

「そうだ、俺の代で戦争は終わらせる、ルッタには平和な時代の皇帝になってもらうつもりだ」

「それがいいわ、きっちり終わらすのよ?残しちゃダメだからね」

「あぁわかっている、さすがに遠すぎて爆撃機は飛ばせないだろうが・・・ん?」

「飛ばせるわよね?移転魔法陣があるのだから、爆撃機に移転魔法陣を積んで燃料を収納魔法持ちに運ばせれば飛ぶわよね?」

「あぁ・・・確かにそうだな」

「ちゃんとしなさいよ?せっかくの新大陸ですもの、観光地にしちゃってもいいわね」

「そうだな、研究所に伝えておく、航空研究所も必要だな」

「まだありませんでしたの?」

「そうだな、こんなに航空機が幅広く開発されると思ってなかったからな、研究所から移そう」

「そうですわね、私も新大陸に行ってもいいですわよね?」

「いや、駄目だ、新大陸は銃器が発展している、今までの戦場とはわけが違う、第6範囲も進歩していたが移転でいなくなってしまったしな。」

「新大陸に移動したのかしら?」

「それはまだわからんな、衛星からの画像を詳しく見てみたが、各都市昔からの道で繋がっているように見えた、新しく作られた都市ではないようだ。」

「そう、どこに行ってしまったのかしら・・・」

「海の中か空の中か、どちらにも行ったかだな」

「そうね、その辺しか行き場がないわよね」

「うむ。そうだな、しかし衛星からの画像では空中都市は確認されなかった。」

「そうなの?結界で隠れてるだけじゃないかしら?エルフの都市のようにね」

「なるほど、その可能性もあるな、研究所に伝えておく」

「海の中はどうやって調べてますの?」

「潜水艦が潜って調べている、まだ帝都近海しか捜索してないが本格的長距離は今はまだ無理だ。」

「そうなのね、海軍学校が開発しているのでしょう?」

「あぁそうだ、開発費もつけたんだがな」

「海軍学校にも連絡して頂戴、潜水艦の中に移転魔法陣を用意して燃料を補給できるようにしなさいってね」

「そうだな、潜水艦でもできるな、これでエネルギー問題もだいぶ解消されるか?」

「今第5範囲の住人の魔力テストも行われているわよ、今後収納魔法持ちも増えるはずよ」

「そうだな、収納魔法もちは重要だからな、是非活用していきたい所だ」

「魔法学校は凄いわよね、魔力持ちだったら収納魔法を覚える玉を開発したなんて」

「あぁ魔法学校は伝統ある学校だ、色々開発しているがあまり世間に広まってないのは魔力持ちがほぼすべて収納魔法を覚えさせられ、商人にも軍部にも幅広く活用されているからだろう。」

「給金はいいんですから、人気職ですよ」

「まあな、いつも人材不足だけどな」

「人口エルフより先に魔法をみんな使えるようにDNA改変を行った方がいいんじゃなくて?」

「それも研究中のはずだ、エルフ化計画に含まれていたと思うぞ」

「そうなのね、てっきり寿命を延ばすだけだと思っていたわ」

「まあ今の80年ぐらいより1万年となれば人類の繁栄は間違いないわけだからな」

「そうですね、医療も進歩してますし、そのうち今のままでも100年寿命になりますよ」

「少しでも伸びればそれはいい事だな、父上もいい歳だしな」

「そうですわね、上皇様は病気もしませんし、健康ですからね」

「最近は何をしてるんだろうね?」

「インターネットをされてると噂を聞きましたわよ」

「最新だな、インターネットかまだ俺もまともに使えんよ」

「私もそうですわ、なかなか難しい物ですわよね」

「簡単に動くように最近も改良が進んでいるようだがまだまだといった所だな」

「最近ロケットも発射しませんし、一旦開発が終わったんでしょうか?」

「いや、GPSの高性能化とインターネットの高速化、地図データのリアルタイム更新が今進んでいる開発だな、これが完成したらまたロケットの発射も再開するはずだぞ」

「なるほど、開発中だったんですわね、この窓からロケットが打ちあがっていくのを見るのは好きでしたのよ」

「そうか、あれは見ごたえがあるからな、俺も初回発射は見に行ったな」

「次の打ち上げは一緒に見に行きませんこと?」

「ルッタも連れていくか5歳の誕生日までには打ち上げも再開するだろうしな」

「いいですわね、そうしましょう。」

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