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無限の彼方へ  作者: アシドーシス


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16/22

技術発展

「各々お疲れ様、これで戦争も当分終わりだ。各軍十分休息を取り、訓練に励むように、第6範囲ではほとんど功績はあがらなかった。よって論功行賞はなしだ、現状のままでいくつもりだ、それと各軍100万人ずつ増員する。以降しばらく増員はないので十分鍛えてやってくれ」


「あなた、帰ってきましたわよ」

「あぁお疲れさん、随分細くなったな」

「えぇ戦場で鍛えられましたわ」

「そうか、ちゃんと食べていたのか?」

「ちゃんと配給された物は食べていましたわ」

「そうか、ならしっかり食べていたんだな、それならよかった、無理にダイエットでもしたのかと思ったぞ」

「訓練の成果ですわ、銃の腕もあがりましてよ」

「そうか、戦場に連れて行った親衛隊はどうしたんだ?」

「連れて帰って来てますわ、宮殿の警備隊にいたしますわ」

「なるほど、それはいい事だな」

「はい、腕も確かですのよ」

「帝都は平和だ、犯罪もほぼないしな」

「平和はいい事ですわ、戦場とは安心感が桁違いですわ」

「うむ、新開発された物は1番最初に帝都で試されるからな、帝都の様変わりも楽しいぞ」

「帰って来てびっくりしましたわ、巨大な高速道路でしたっけ?あれが帝都を貫いているのですもの」

「そうだろう、石油から取れる物質のおかげでな、まあエネルギー研究所がゴミだと判断した物を使ってるので格安だが丈夫だぞ」

「それにヘリコプターですわね、6人乗りのヘリコプターに乗りましたがあんな小さな物で楽々宮殿までこれましたからね」

「そうだろう、あれは水素で動いているから燃料は無限だ、徐々に水素エンジンに変わっていくだろうな」

「そうですのね、色々とびっくりしましたわ、これでもまだほんのちょっとなのでしょうね」

「あぁ小さな事は本当に色々変わったぞ、地下鉄と言うのを知ってるか?」

「なんですかそれは?」

「地下を走る鉄道だ、帝都には張り巡らされている、まだ建設中だ。島全体に行き渡せる用に延伸工事中だな。」

「少し乗ってみたいですわ。」

「機会があればな」

「地下鉄の電車も水素で動いているんですの?」

「地下鉄の燃料も水素発電された電気で走っている。」

「電気で走っているんですのね水素で動いてるような物ですわね」

「石炭の需要が減ったがまだ採掘は続けさせている、火力発電で電気は作れるからな」

「そうですわよね、まだ水素発電機の数も少ないでしょうし、徐々に切り替わっていくのかしら?」

「そうだな、古い火力発電所から徐々に閉鎖していくつもりだ。まあそのへんはシロさんとの調整があるけどな」

「シロ様今はどちらへ?」

「多分自分の部屋で本に埋もれているよ。」

「そうですか、挨拶しておきたかったんですがまた後でにしておきますわ」

「そろそろパーティーも疲れただろう、引き上げるか?」

「そうですわね、私の部屋は宮殿にあるのかしら?」

「そうだよ、最新設備にしてあるから快適なはずだよ」

「そうなのね、楽しみだわ」


半年後


「ラッツ皇帝陛下!どこですかー?」

「ここだよシロさん、どうしたんだい?」

「地下鉄が帝都島全体に開通しました。」

「おー早かったな、やっぱり最新装備に更新したからかな?」

「そうですね、予定より1年早くなりました。最新の掘削マシンが凄い効率でトンネルを掘ってくれるんで、早くなりましたね」

「やっぱそうか、さすが研究所は目の付け所が違うな、次は第1範囲から第6範囲まで地下鉄を作るのかい?」

「予定ではそうですね、人でいっぱいになる予定ですから、先に作っておくのは悪くないです。」

「今の人口はどうなってる?帝都島でももう建築場所がないと報告書があがっていたぞ」

「はい、現在人口は2億6000万人ほどになっております。まだ子供の数が多いですよ」

「まあ7人子政策してるからな、そりゃ多くなるだろうが、食料生産を強化しないとな」

「今最新設備ですと昔はキャベツ農園で20人、人を雇っていたのが今の最新設備だと2人でいいですわ、その分施設の数を増やせますよ」

「なるほど、それで農業就職者が一定数なのか、なぜ増えないのか気になっていたんだ」

「効率化が進んでいますからね、巨大農園も少なくありません」

「そうか、もう地下でも農業できるんじゃないのか?」

「できますわよ、帝都の地下は農業している場所が多いですわ」

「なるほど、もう既にあったか」

「ええ、海の海産物も地上養殖で寄生虫がつかない生産方が主流になって来てますわ」

「なるほど、一定して取れるし、寄生虫もないのはいい事だな」

「最近ではビルなどと称して高層建築物が目立ちますね」

「屋上で農場を営むビルも多く第1地域で目立って立ってきてます」

「ほうほう、農場もくっついてるのか、それはいい事だな。」

「元々の農地の広さも変わりませんし、ビルも巨大なので多数の人が住めます。」

「ふむ、7人子政策だがどのぐらいの女性が利用している?」

「7-8割程度の女性の利用がありますね、公金の受け取りも女性になっているので、子供を作るだけ作って男性が捨てられる事が増えてまして、社会問題化しています。」

「まあそれは仕方ないな、男性の苦労もわかることだが女性よりはマシだろう、女性は大変だろうからな」

「エルフは産んでも2人か3人なのでよくわかりませんね、エルフの都市から派遣中の魔法使いの男性エルフですが、帝都の発展が凄すぎてまた来たいと言っていたのでいつでも来ていいですよ、と伝えておきました。」

「それがいいだろう、エルフは人数が増えないんだな、だから都市も広くならないのか、今のサイズで最大という事か?」

「そうでしょうね、何か大事でもなければ増える事は無いかと。」

「そうか、全人民がエルフ化したら出生数減るんだろうか?」

「そんな事を計画してたんですか?初耳ですよ」

「あぁ研究所に頼んである、エルフの血はシロさんが提供してくれたからな、それでハイエルフの血を研究できるんだ、やってみる価値はあるだろう?」

「あ!私の血を定期的に採血しにきてたのはそのせいだったんですね!もうあげませんよ!?」

「いやいやそれは研究の為だから提供してやってくれ、そのうち人口エルフも誕生するだろうし」

「人口エルフ!それは新しい種族なのでは?」

「そうかもしれんがもう研究を始めて先代からだからな、もう60年以上経っているが未だ成功事例はない、気にしなくても成功しないだろう」

「そうですか、それなら安心しました。しかしその研究に携わってる方は不憫ですね」

「なぜだ?偉大な研究だろう、人類がエルフ化すれば長寿命化もでき、人口の爆発的増加にもつながるし、人口が増えれば新しい物を考える者も増える、発明も続いていくだろう、停滞しなくていいではないか。」

「そうですね・・・微妙な所ですが、人口が増えれば食料生産のさらなる効率化にさらなる用地が必要になってきますね。」

「そうだ、海軍に頼んでいた新しい大陸の話はどうなっている?」

「現在各方面に水素生成設備を積んだ大型船が向かっています」

「それなら星一周できるということか?」

「はい、水があれば燃料生成できますので、事実上無限の燃料を積んだ大型船です」

「なるほど、それで出発してからどれぐらいたっているんだ?」

「まだ一か月ちょっとですが、どこからも発見の報告は入ってませんね、もう無線が通じない地域に入ってる可能性はありますが」

「そうか、海の上では中継基地をおけないもんな、それは仕方ないだろう、どうにか中継基地を建設できないかな?研究所に頼んでみようか」

「何かいい策があるといいですけどねー」

「そうだな、何かあるはずだ」

「研究所所長を呼びますか?」

「そうだな早めに相談しといたほうがいいだろうしな」


「まっていたぞ研究所所長、電話で伝えた事は実現できるだろうか?」

「その件ですが、現在成層圏外に滞在する電波装置を考えております。」

「ほう、空に行くか、その方が効率がいいのか?」

「はい、ジェットエンジンがありますので、その応用で成層圏外に飛ばせるロケットも開発可能だと思っており、研究チームでも可能性は高いと評価されております。」

「ロケットか、それで一機だけで通信可能になるのか?」

「この星は大きいのでそうですな、32機ほど投入すればいつでも通信可能になるでしょうな」

「時間はかかるか?」

「ええ時間はかかります。一機作るだけでも3か月ほどかかるでしょうな」

「そうか、できるだけ早く設置してもらえると助かるな、他の機能も当然乗せるんだろう?」

「ええ、物は衛星と呼ばれる物で写真も撮れますし、GPSも使えるようになるでしょう、今はGPSは帝都内だけですがすでに機能しております。」

「ふむ、GPSは車についている物だけだろう?」

「そうです、主に車についております。」

「もっと個人所有出来る物で通話も簡単にできる物はないのか?」

「そうですね・・・今電話は交換手を使っており比較的効率的に接続ができてるのですが、それをなくさないと個人所有は難しいでしょうな、やってみますが少し時間かかると思いますな」

「そうか、もっとみんなが通信、通話できるようにしたいもんだが、やってくれるか?」

「わかりました。余っている職員もいますし、研究開発しましょう。」


3か月後

「ラッツ皇帝陛下!いましたいました!」

「ああ、今報告書を読んでいたとこだ、どうした?」

「今日第一号のロケットが発射されます。見にいきませんか?」

「今日か、早いな、ちゃんと飛ぶのか?」

「さてどうでしょうか、それも含めて見に行けば楽しいのでは?」

「人民も沢山見に来ているんだろうか?」

「今日の新聞に載っていましたから見に来ていると思いますよ」

「よし行ってみるか!」


「凄い人だな、こんなにもみんな興味あるんだな」

「そうですね、宇宙にロケットを飛ばすわけですからそれはみんなも興味深々なのかなと思いますよ」

「そうか、最近新技術発表が多すぎてなんだか感覚がマヒしてきているが、凄い事なんだな」

「合図がありましたわ、そろそろ発射ですよ」

「ほーうあんな大きなロケットが飛んでいくのか」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「打ちあがりそうです」

「これはすごい迫力だな」

「下は水か?大量の水が流れてるぞ」

「水ですわね、何かを冷やしてるんでしょうか?」

「うむ、上手く行くといいが」

「打ちあがりましたよ」

「おお、成功か、研究所もやるじゃないか」

「そうですね、これからまた改修も入るでしょうが、とりあえず成功という事じゃないでしょうか」

「そうだな、これで通信ができるようになればいいな」

「まだ後31機飛ばさないといけないと言ってましたよ」

「そうだったな、気が遠くなる気がするが、仕方あるまい」


1年後

今日もロケットが打ちあがっているな、窓から眺めつつ最近は連日の発射である。

失敗も何度かあった、そのたびに改良が施され、段々完成に近づいているという事だ。

携帯電話と言う物が発売されたようだ、初期開発の段階では電話機能だけだったが、改良が重ねられ携帯電話に落ち着いたようだ。これで個人に携帯番号配布が始まり、携帯電話を持つ人もふえた。

さらに改良が加えられて毎年新機種がどんどん発表されるようだ。

毎月定額料金で通話放題というプランが人気なのだとか、そんなに話す事もある人はあるだろうか。

GPS機能付きの携帯電話はまだ発売されないらしい。今試験中らしい一般向けには改良が必要でもっと衛星を飛ばさないと精度があがらないとの事だ。

最新携帯にはインターネットの項目があるが、今はまだ開発中らしく、今つかってみたいと話題になっている。

この星には兄弟惑星というのがある。そこにも住めるんじゃないか?と研究所で議論になっており、調査に乗り出すようだ。巨大望遠鏡でも海があり森があり山があり川があり生物がいるのも確認されている。

兄弟惑星もいいのだが、まだこの星も調査しきれてないのに、もう兄弟惑星に目をつけているあたり、研究病なんじゃないかと疑ってしまう。

食べ物の世界でも革命的な商品がいくつも発売された。

お湯を注ぐだけでできあがるカップラーメン、カレーメシだ。

袋麺も多数の企業から発売された、それによって胡椒も注目され、純度100%の胡椒も発売された。

第5範囲第6範囲からの食料も帝都に入ってきており、多種多様な食べ物が注目されている。


海に捜索にでた海軍もまだ戻ってこない、そんなにこの星は巨大なのだろうか?それとも新大陸を発見して捜索して回ってるのだろうか?食料は魚を釣ればなんとかなるだろうが、野菜が足りないはずだ。

どうしてるんだろうか・・・・無事であってくれ。


3か月後

「シロさんや、どこかな?」

「ここですよー!」

「どうしたんですかこんな早朝に」

「アリエッタ姫が体調悪いんだ、見てくれないか」

「宮廷医に見てもらってはどうですか?」

「いやーちょっと話にくくてな」

「そうですか、見てみますね」


「ラッツ皇帝陛下、これはただ体調がすぐれないとかじゃないですよ」

「妊娠です!おめでとうございます!」

「本当なのか?結構年齢いってたから妊娠するか微妙だと言われていたんだがな」

「確実に妊娠なのか確かめる為に宮廷医に調べてもらいましょう、検査キットも使用しましょう」

「そうだな、検査キットの精度は99%だというじゃないか、検査キットだけでも・・・」

「いやいや、宮廷医も凄腕です。見てもらいましょう」

「そ、そうだな・・・」

宮廷医は人類エルフ化計画の古参計画者でもあるのだ。

ラッツ皇帝陛下が慎重になるのもわかる。

「アリエッタ姫!ご妊娠おめでとうございます!」

「えぇありがとう宮廷医のあなたが言うなら間違いないのだろうな?」

「ええ間違いありません。検査キットでも陽性でしたから余計に安心ですな」

「そうか、やっと妊娠したか、大変だったが生まれてくるなら頑張ったかいがあったもんだ」

「それでアリエッタ姫、DNA注入してみませんか?」

「なんだそれは?それをするとどうなるのだ?」

「はい、現在少数にて実地検証中なのですが、エルフ化するDNAを注入するのです、これで寿命が1万年ほどに伸びます」

「もうそれを成功した人はいるのかしら?」

「いえまだいません、検証中なので。」

「なら駄目よ、しっかり成功率100%じゃないと許可できないわ」

「そうですか・・・わかりました。今回はあきらめましょう」

「ええそうしてくれると助かるわ」


「あなた、妊娠したのは確実みたい、宮廷医も言っていたわ」

「そうか、やっとだな、それで男か女かはわかったか?」

「3か月ぐらい待たないとわからないようですわ」

「ふむ待ちどおしいな」

「えぇ待ちどうしいわ」

「それで宮廷医は何て言っていた?まさかエルフ化計画に賛同したんじゃないよな?」

「それは尋ねられましたけどやっとできた一人目ですから拒否しましたわ」

「そうか・・・よかった。まだあの実験は成功した事例はないんだ、毎回新しい方法を試しているらしいが成功率が100%になってからでも遅くはあるまい」

「そうですよね、私もそう思いましたわ」

「だが妊娠してよかったな、とても嬉しく思うぞ」

「ええ名前は何にしましょうか?考えておいてくださいね」

「あぁわかった、皇帝にふさわしい名前を用意しておこう」

「ラッツ・・・アリエッタ・・・ラエッタなんてどうだ?」

「まぁ!そんな簡単に決めてしまうの?」

「それもそうだな、3か月後に男か女かわかってからでも遅くないか」

「ええそうですわ、ゆっくり考えましょう」


3か月後

「宮廷医どうだ?男か女かわかったか?」

「はい、わかりました・・・男です」

「おー男か!これで皇帝を任せられるな」

「私の後任は女でお願いします、私ももう歳なのでそろそろ引退です」

「そうか!宮廷医も引退するか!後任は女医だな!わかったぞ!」

「若い優秀な女医がおります、推薦しておきますので、後で資料を送ります」

「そうか・・・もう見つけていたのか、その女医は後任なのか?」

「ええもちろんそうでございます!エルフ化計画の一翼を担う人材です」

「く・・・仕方あるまい、後で資料を寄越せよ、しっかり読ませてもらう」

「わかりました、陛下それで第2子のご予定は・・・・」

「今のところないな、第1子が男だったんだ、無駄な血縁を作るのはよくなかろう。跡目争いになっても困る」

「そうですが、20年の間、薬物や不慮の事故に遭われてしまうかもしれませんし、第2子を作っておいても悪くないのではないですか?」

「薬物か・・・最近第6範囲で蔓延しているようだな、帝都ではまだ見つかっていないが警備が目を光らせているはずだ」

「帝都でまだ蔓延してませんがそのうち流入するでしょう、そこで間違って摂取してしまわないように警備を厳重につけることをお勧めします。」

「そうだな、新しい法律に薬物を販売したら一族打ち首、摂取したら下級奴隷落ち、というのを追加しておこうか」

「そうですな、それぐらい厳しめでもいいと思いますぞ」

「警備の数も増やそう、賄賂を送られて警備まで買収されてはかなわんからな」

「賄賂を贈った側を摘発するのも必要でしょう。賄賂の2倍を支給するから告発せよ、と通達しておいては?」

「それはいい考えだな、今は携帯電話で動画撮影ができるからな、告発には適しているだろう。」

「そうでしたな、携帯電話ですか・・・私の時代にはありませんでしたから、今の世代はうらやましいですな」

「うむ、俺も後21年で皇帝を引退だ、早く引退して遊びたいものだ。」

「今でも遊んでいいのですぞ?あとから何を言われるかわかったもんではありませんが」

「そうだろう?もしそんな事になったら息子にも顔向けできん」

「そうですな!私もエルフ化計画成功させたかったですぞ」

「まぁ計画は進んだんだろう?」

「えぇ大分進みましたな、進捗率は20%と言った所ですが、後退はしてませんぞ」

「残り80%か、よくそれでアリエッタ姫にエルフ化計画を進めたな!?」

「アリエッタ姫は丈夫ですからな、被検体にちょうどいいと思いましてな」

「馬鹿を言え!成功率100%になってからだ、それまでは皇帝一族にエルフ化計画の実行は許さんぞ」

「わかってますとも・・・試しに言ってみただけですのでお気になさらず。」

「どうだか・・・困ったものだ。」

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