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無限の彼方へ  作者: アシドーシス


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11/12

ドワーフの国

北部軍の膠着状態解消まではしばらくかかりそうだが中部軍の進撃速度もまた遅かった。

人口が異常に多いのだ。そのせいで碌に進軍できていない。

決められた期間まで残り1年、中部軍内部では作戦会議で紛糾していた。


「中部軍元帥、どうだ調子は?」

「ラッツ皇帝陛下!こちらは膠着状態です。」

「それは敵軍が強いという意味か?」

「移動経路に住民が多すぎて奴隷刻印の行列ができており進めません。」

「そんな手があったとは・・・どうするつもりだ?」

「今軍内部で会議を行っていますがもう少し落ち着くまで待機が大方の意見です」

「ふむ、他の道は使えないのか?」

「使える道すべてに難民が押し寄せており奴隷印を刻印していくので手いっぱいでして」

「わざとやってるのか?その難民はどこから来てるんだ?」

「現在攻め入っている敵国とその周辺国から来ています。」

「口減らしか食料は足りているのか?」

「現在収納魔法持ちが南部軍より多数派遣されており、なんとか食料配布を行っております。」

「刻印した者は第3範囲に送っているのだろう?」

「はい、第3範囲からもこれ以上送ってくるなもう限界だ。と連絡が来ており非常に困惑しております。」

「そうかもう第3範囲も限界か、しょうがない第4範囲前半部分を大規模開拓し住居を作ってやれ」

「しかしそれでは期限が守れません。」

「そうだな、北部軍がまもなく第4範囲の攻略を完了する予定だ、その後治安維持を行うだろう、それで余った兵力を中部に送る、大規模開拓はそのまま中部軍が継続し難民の処理を行うように。」

「わかりました。占領した地域は大規模ですが雨はよく降るので畑など簡単に作ることはできるでしょう。」

「北部軍はガソリン車がメインだ、悪路も走れる為道路を使わなくても進軍できるはずだ。」

「はっ!了解しました。大規模収容所も作っておきます。」

「そうだな、一旦入れておく施設は必要だろう。」

「1000万人収容できる施設を作る予定です。2000万人にするべきでしょうか?」

「そ、そんな大規模な物が必要なのか?作るのにどれぐらいの期間がかかるんだ?」

「予定では6か月ほどで完成予定です、それまでは第3範囲に受け入れ継続していただくしかありませんが、早い方がよさそうです。」

「そうだな、方針はそちらに任せる」

「了解しました。」


中央軍は大量の難民に道路を埋め尽くされてしまい、進軍できない為、すでに占領した範囲を開拓するようだ、範囲は広大になるそれをできるだけの戦力もそろっている。後方で遊ばせておくよりは活用する方法を選んだようだ、北部軍では魔道大国との戦闘が始まっているが、遅滞戦闘のせいで全く進んでいない状態だ。残りの一か国の諜報活動員には降伏勧告を送ってある。降伏しない場合アリエッタ姫率いる部隊が急襲する計画だ。


「シロさんどこかなー?」

「ここにいますよ」

「また本に埋もれて・・・」

「今読んでいるところです」

「中央軍が困っているようなんだが何かいい案はないか?」

「難民の件ですね、すべて処刑してしまってはどうでしょうか?」

「何を言っている?それは駄目だぞ」

「そうですか、では第4範囲にも言語学校を建てて素早く労働力化してしまうことですかね」

「ふむ、今収容施設を作ろうとしてるが言語学校のほうがいいと?」

「はい、訓練村の建設は難しいでしょうから後回しで、言語学校だけでも建てた方がいいと思います。」

「ならそうするように連絡しておこう」

「それと北部軍の遅滞戦術についでですが、この地図を見てください。」

「現在の戦線の地図だな、南側に山脈があって攻めずらいんだよな」

「そうです、そちら側は手薄です、そこで南側から火薬車を突っ込ませなんとか山を切り裂き、こちらから50万人ほど突っ込ませれば半包囲の形をとれますし、北側の出っ張っている箇所はすり潰せるでしょう。」

「うまくいけばだが、火薬車を連続で突入させたら音はどうする?すごい音が鳴り響く事になるぞ?」

「山は意外と反対側の音は聞こえない物です。大丈夫です。」

「そうなのか、なら作戦指示してみるか、あまりにも戦線が動かないからな気になっていたんだ。早く戦線を動かして魔道大国を占領して魔法技術を手に入れたいからな、北部軍を中央部に投入もしなくちゃいけない、何しろ時間もないからな。」

「そうですね、この戦線さえ突破してしまえば後は平地が広がる地域です。エンジン車の機関銃を投入すれば簡単に制圧できるでしょうね。」

「わかった、そうさせよう。」

「昨日の報告書は読まれましたか?」

「あぁちゃんと読んだつもりだが、どうかしたか?」

「北部の降伏勧告をしていた国が全面降伏しました。これで容易に戦闘を進めることができます。」

「そうか!!読み逃していたか、気づかなかったな。」

「それと研究所から空飛ぶ乗り物について報告書が上がって来てましたよ」

「おーどんな物だ?」

「エンジンを応用した物みたいですが、一人用で空を100mほど飛んだとの事です」

「凄いじゃないか!やっぱり飛べるんだな。」

「まだまだ発展途中でしょうがそのうちちゃんとした物も出てくることでしょうね」

「航空研究所も作るべきかな?」

「作った方がいいでしょうね、この産業は大きくなりますよ、空を飛べるなら船より早く進みますし、人の局所的投入も可能になり、作戦可能性が格段に広がります。」

「そうだな、航空研究所を設立しよう、研究所に連絡しといてくれ」

「今の研究チームをそのまま使うんですね。」

「人数は増員してもいいがな、科学者不足もあるだろう、なかなか使える者が少ないとも聞いている。」

「言語学校でも募集をかけてみましょう、科学者はいくらいてもいいですからね」

「そうだな、訓練村や訓練都市にも募集をかけてみよう、少しは集まるだろう」


1年後

「アリエッタ様魔法が飛んできます下がってくださいっ!」

「この機関銃のほうが射程は長いわ、それに陛下がくれたペンダントもあるのよ魔法なんて当たりはしないわ」

「そ、そうですが、心に悪いです」

「毛をはやしなさい」

「毛ですか?もう十分生えてますよ」

「心によ、心に毛をはやすのよ!」

「あー!また魔法が!」

「しつこいわねー、ここか!」

「魔法飛んでこなくなりましたね」

「ここら辺はこれで終わりでしょう?」

「どうやらそのようです」

「早く腕輪を回収して進むわよ 皆にも伝えなさい」

「了解しました。」

「もう随分魔道大国の中まできたけど小さな村ぐらいしかないわ」

「そうですね、魔道大国の情報によると大きな都市は一か所しかないようです」

「よくそれで魔道大国なんて名乗れるわね魔道小国じゃない」

「諜報員からの情報によれば大物理結界と建設中とかいう話ですよ」

「人が入れなくなるのかしら?」

「どうやらそのようです。」

「へぇーいい度胸じゃない、諜報員に大物理結界を切ってもらって全軍で突撃しましょう」

「そ、それはあまりにも無茶じゃないですか?」

「大丈夫よ、諜報員もそれぐらいはできるわ」

「そうでしょうか?相当警備が厳重そうですが」

「何も問題ないはずよ、さっさと指示を出しなさい」

「わかりました。将軍にまた小言言われちゃっても知りませんからね」

「結果を出せばいいのよ!」


一週間後

「アリエッタ様、諜報員と連絡が付きました。下見をした所大丈夫そうだ、との事です」

「そら言ったじゃない?大丈夫なのよ」

「はぁ~それでは元帥に作戦指示を出してもらいましょうか?」

「そうね、もう魔道大国の都市も目の前だし全軍集結させなさい」

「わかりました。突撃はエンジン車のみでしょうか?」

「もちろんよ、あの巨大な門が見えるかしら?」

「ええあれだけ大きいとどこからでもはっきり見えますね」

「エンジン車一台に火薬車をいっぱい取り付けなさい、物理結界が作動しなくなったら突っ込ませるわ」

「それで城門を破るんですか?」

「そうよ、その後に我々が突撃するから大丈夫よ」

「ですがその、数台しか突入できなかったらどうするんですか?」

「それはその数台で戦うしかないわね」

「魔法使いの巣窟ですよ?いったいどんな魔法が飛んでくるやら・・・」

「魔法結界があれば大丈夫よ、怖くないわ」

「そうですか、無事だといいんですけどね」

「ここが最後の武勲を上げる場所だわ、私達が先頭で突っ込むわよ」

「わかりましたよ、どうなっても知りませんからね」


「こちら北部軍元帥である、みな集結したか?アリエッタ様が今回最初に突撃する事になった、皆も遅れぬようにアリエッタ姫に続け!今日で魔道大国を落とすぞ!突撃は命令を待て」


「アリエッタ様合図の花火が上がりました。」

「よし元帥に伝えなさい。火薬車改突撃ー!」


「こちら北部軍元帥である。開始の合図があった。皆の者突撃せよ!」


「合図があったわ、火薬車を追いかけるわよ!突撃しなさい!」

「了解しました!ズドーン!!!城門開きましたっ!」

「よしそのまま行きなさい!」

「城門付近占拠しました。後続続々と入ってきますが、物理結界はどうしたんでしょうか?」

「無意味ねどんどん行きなさい!」

「しかしそんなはずは・・・」

「100台は通過したわよ、もうここも占拠しなくて済むわね」

「そうですね、他の部隊に任せて我々は進軍しましょう」

「まだ城壁は占拠済みね、王城に向かうわよ」

「各地で戦闘になってますが、エンジン車の機関銃だと物理結界は貫通するようですね」

「そうね、これじゃ意味ないわね」

「物理結界が再開したようで入口から入ってきません!」

「王城に早く向かうわよ」

「はっ!すぐに向かいます。」

「到着したけどここはもう占領済みね」

「まあいいわ、エンジン車の機関銃を取り外して中にいくわよ」

「私が持って行くんですかぁ?」

「当たり前でしょ!レディになんてもの持たせるつもりなの?」

「いつも撃ちまくってるじゃないですかぁ~」

「早くもってくる!急ぐのよ」

「はい、重いんですけどねー」


「扉が開きません!」

「撃ちまくって開けなさい」

「中はどうなっているんでしょうか?」

「閉まっている扉には撃ちまくりなさい」

「わかりましたぁ!」

「ここの扉は撃っても無駄ね、大理石だわ」

「どうするんですかぁ?」

「火薬車は連れてきてないわ、ここは手榴弾を詰め込んで・・・っと」

「この角から手榴弾を狙いなさい」

「はい」

「しっかり狙いなさい、当たってないわよ」

「バコーンッッ!!」

「お?扉空きましたよ」

「よし、行くわよ」

「おー綺麗な部屋ですね~」

「この部屋ははずれかしら?」

「ここの壁開きますよ」

「隠し扉か!!でかした!」

「いっぱい人がいるじゃない、全員捕らえなさい。」

「誰が誰なんでしょうか?」

「わからないわ、王城にいるからそれなりの人物達なのでしょう、後で取り調べればわかるわよ、連絡して部隊をここに呼んで連れて行かせましょう」

「今呼んだのですぐきます!」

「アリエッタ様物理結界装置破壊しました!」

「お?よくやるじゃない、これで後続も入って来れるわね」

「どんどん捕まえるわよー」


3か月後

「北部軍元帥に繋いでくれ」

「はい、少々お待ちください」

「ラッツ皇帝陛下!戦後処理が遅くなり申し訳ありません。」

「いや気にしてないよ、翻訳で忙しいんだろう?」

「尋問中に魔法を発動させるあほが多くてですな」

「ふむ、魔法封じの手錠が必要だな」

「確かにそんな物があれば便利で仕方ないですな」

「もう用意させてそっちに送ってある。もう数日で到着するはずだ。」

「はっ!ありがとうございます。北部軍の7割は今遊んでいるだろう?」

「はい、治安維持活動ぐらいしかしてませんので軍には余裕があります。」

「余ってる部隊を中央部に行かせてほしいんだ。」

「わかりました。アリエッタ姫の部隊に増員して送ります。」

「今回アリエッタ姫はすごい活躍だったとか聞いたが?実際どうなんだ?」

「鬼神の如き突撃と射撃の腕前でして戦略も大変上手でした。」

「それで将軍に昇格してもやっていけると思うか?」

「えぇしかしアリエッタ姫はラッツ皇帝陛下のお嫁さんでは?」

「まあそうだが、本人が戦場でこそ輝けると常日頃から言ってるからな、遊ばしておくのも悪くない」

「そうですか、ではアリエッタ姫は将軍に昇格させ権限を与えておきます」

「そうだな、それで戦略なんだが、北部の最後に降伏した国があっただろう?」

「はい、あそこは1部隊が駐留しているだけで反乱の兆しもありませんのでそのままを継続しております。」

「うむ、諜報員の話だとその国の山脈の間を細い道が通っているようなのだ。その道を通って中央部へ貫通しているとの話だ。部隊を行かして確認してくれ、それが通れるようならアリエッタ姫の部隊に行かせ中央部第4範囲後方から占領して欲しいのだ。」

「なるほど、それは両面から攻められて時間効率がよさそうですな」

「うむ、気づかれずに数か国占領してしまうことで難民を送ってくるのが少なくなれば北部軍も前進できる。」

「わかりました。それは指示しておきましょう、アリエッタ姫にも作戦立案を任せようと思います。」

「あるとは思うが、作戦地図も一緒に送っておいた。確認しておいてくれ」

「はっ!了解であります。」


3か月後

「ラッツ皇帝陛下ー!どこですかー?」

「ここだどうした?」

「研究所が新しいタイヤを開発したようです」

「今使ってるのはもう古くなったのか」

「最新式のパンクしないタイヤですわ」

「パンクしないタイヤ?そんな物が可能なのか?」

「えぇ詳しい事は聞いてもわかりませんでしたが、根本的にパンクはしないタイヤらしいですわ」

「では中に空気を入れて膨らましている物とは根本的に違うという事だな」

「そのようです、革新的技術なので軍部に早期導入を、と言っていましたので急いで来ました。」

「それは素晴らしい技術だ、導入しないわけにはいかないな。」

「それと、エネルギー研究所からの連絡ですが、ジェット燃料という物が開発できたそうです」

「ほう、それはどういう物に使うんだ?」

「飛行機の燃料みたいで、現在プロペラ機が試験段階ですがジェットエンジンを使った物も研究中との事です。」

「ほうほうよくわからんが、なんかすごそうだな。」

「それでエンジンに使う鋼材が強度耐熱不足で困っていると連絡がありまして、どうにかするには中央部のドワーフの国の鍛冶師に直接着てやってもらうのが早いと言ってまして、諜報員に連絡してドワーフ王国と交渉中なのですが、戦争にもし負けたら送ってやると言っているのですが、どうしますか?」

「それは中央部のどのあたりなんだ?広くてわからんぞ」

「中央部の後方付近です。アリエッタ姫が攻め込む数か国のうちの一つですよ」

「なるほど、それなら問題ないだろう、すぐにドワーフを送ってくることになるはずだ」

「アリエッタ姫の部隊の規模はどの程度になっているのでしょうか?」

「7割余っていると言っていたから70万人ほどじゃないか?階級も将軍にあがったようだしな」

「そうですか、それなら十分な数いるという事ですね。」

「そうだな、それに北部軍は機械化された部隊だ。馬の敵軍とは全く速度が違うだろう」

「そうですね、魔法結界ペンダントも持ってますし来るとこ敵なしでしょうか?」

「うむ、エンジン車の機関銃は弾丸が大きいんだってな?」

「そうですよ、一般兵が持っている機関銃の2倍はあります。その分威力は4倍程でしょうか?」

「だから物理結界を貫通したんだな、魔法結界はうまく機能したようでよかったが、さすがエルフが設計しただけある。」

「そうですね、あのエルフは一流の魔術師みたいですからねもう1万年は生きているんじゃないでしょうか?」

「そうか、そんな年齢だったか、うまい茶菓子でも出してやればよかったな。」

「すぐ帰られましたからね、エルフは森からでるとそわそわするんですよ。」

「てっきり研究熱心なんだなと思っていたが思い過ごしか」

「そうですね、研究熱心なのはそうでしょう。1万年も魔法技術に打ち込んでいたら人間よりは精通しているでしょうしね」

「確かにそれはそうだ。」


3か月後

「アリエッタ様!これで3か国目です、次がドワーフの国ですよ。」

「うむ、わかっている。なので急いで奴隷刻印を行っているのではないか」

「はい、しかし広い国ですなー人口がやばいぐらい多いですが、どうなってるんですかね」

「うむ北部軍も言っていたな、人口が多すぎて進めないと。」

「だが明日には進むぞ、全軍に通達しておけ、今日中に奴隷刻印を終わらせろと」

「わかりましたっ!それでドワーフの国が目標ですか?」

「陛下から必ずドワーフの国を落とせと通達があった。落とすしかなかろう」

「ドワーフの国は防壁も高く分厚く鋼鉄製だそうですよ、火薬車じゃ突破できないのでは?」

「そうかもしれん。一度やってみてから考えようじゃないか」

「そうですね、もしかしたら火薬車が効くかもしれませんしね」


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