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16 戦闘


戦闘に夢中で気づくのが遅れたが、89式に付けているライトがつけっぱなしだ。

暗い店内ではライトの光は目立つので、俺は急いで89式のライトを消す。これで、外から俺の姿は見つけにくくなるはずだ。



「おぉいっ優奈ぁ話が違うぞぉ、これはぁ一体どういう事だぁ」

入り口付近から、特徴的な喋り方をした男の声が聞こえる。


優奈って誰?奈那のことか?


俺の横にいた奈那が、動こうとしたので銃を向ける。

「っ!」

奈那がビクッとしたが無視する。

喋らないように、人差し指を口の前に立てジェスチャーで静かにするよう伝える。

 


...なんか入り口付近で俺が倒した奴から、銃でも拾っているような音がする。音からして三人はいそうだ。

まだ、特徴的な喋り方をした男がべらべら喋っているので今がチャンス。 


ポケットから、再び手榴弾を取り出す。これを使えば、今持っている分はあと一つしかない。

でも使う、まだ死にたくないから。


俺は一回深呼吸して気持ちを落ち着かせる。

よし、さっきやった通りにまたやればいい。


手榴弾からピンを抜き、すぐに入り口付近に放り投げる。地面に転がる音が聞こえてきて、チンピラ達が慌てるような声がした。


少し遅れて爆発音がして、チンピラ達の悲鳴が聞こえた。


俺は隠れていた棚から少しだけ頭をを出して様子を見る。


入り口付近に倒れているのが、さっき殺った奴も含め三人、座り込んでいるのが一人、ドアガラス越しに一人見えた。


俺は棚から少しだけ身体を出して、座り込んでいる奴に89式を3点バーストで発砲。

胸部に命中して地面に倒れた。


「てっめぇぇぇ!」

ドアガラス越しにいた男が、拳銃を俺に向けて乱射してきたので急いで棚に姿を隠す。俺の横の空間に銃弾が飛んでくる音がした。


この棚から移動した方が良さそうだ。拳銃を撃ってきた男以外に、散弾銃の音が聞こえるのですぐに別の通路に移動する。


通路を移動するとき、奈那が座り込んだままの状態で動かなかったので無視する。

俺の邪魔をしないのであれば何でもいい。


姿勢を低くしたまま奥の通路を移動し、再び棚から少し身体を出して様子を見る。

入り口で拳銃を撃っている男は、まだ俺のいた棚を撃っている。


移動したことは気づいてなさそうだ。俺は89式を構えて男に3点バーストで発砲。

右肩に命中して男は倒れたがまだ生きている。

止めを刺そうとしたが、男の横から散弾銃を持った角刈りの男が出てきて、俺に狙いを付けてきたので慌てて床に倒れるように伏せる。


散弾が俺の上を通過して、天井の蛍光灯が割れた。俺にガラス片が降り注いできたが負傷はしていない。


男が散弾銃を連射してきて近くにあった棚の商品が吹き飛ぶ。


立ち上がったら死ぬので、俺は伏せた状態で奥の棚に戻る。


散弾銃を撃っている男は、3連発続けて撃ってきているので、自動散弾銃か?などと頭で考えながら周囲の様子を伺う。


ここにいたら、まだミンチされそうな気がするので俺はさらに奥の棚に下がり体勢を立て直す。


元いた通路を姿勢を低くして移動していたら、まだ奈那が座り込んだままだった。

こいつ、何してんだ?


......もしかしてこいつ、俺とチンピラ達を戦わせて、共倒れを狙っているんじゃないか?


今考えても仕方ないので、先に俺を殺しに来ているチンピラ達を始末する。



最初に射撃した位置に戻ってきて、身体は出さずに耳で状況を把握する。

散弾銃の男は俺がいそうな場所に乱射している。では、拳銃の男はどこに行った?...逃げたか、それとも裏口から回ってくるか?。


急に散弾銃の銃声がしなくなった。


ん?...リロードしている音がする。


俺は棚から身体を出して、ドアガラス越しに見える男に3点バーストで発砲。

ドアガラスを貫通して男の腹部に命中した。



急に静かになった。



俺は、他にチンピラの仲間がいないか、89式を構えたまま周囲を警戒する。


棚から顔を出して、入り口付近に目を向けると四人の男が倒れていた。


...人を撃っても特に何も感じないな。先に襲ってきたのはこいつらだし。


男達の死体から目を離して、外に目を向けると、誰かがこちらに走ってきているように見えた。


チンピラの仲間か?


俺は、一度棚に姿を隠して89式をリロードする。  


ん?何か車が走り去る音がした。チンピラ達逃げたか?いや、俺を誘き出すための罠か?


いろいろ頭で考えていたら、突然外から奇声が聞こえた。



「くそっ」

思わず悪態をついてしまう。

感染者が銃声や爆発で集まってきたか。

これはまずいぞ。すぐにこの場を離れないと、チンピラ達に殺されるのではなく感染者に殺されてしまう。


俺は周囲を警戒しながら立ち上がり、棚から顔を出す。

「っ!」


先ほど、外から走ってきてるように見えた奴は感染者だった。 その感染者は駐車場をうろうろしている。


大丈夫だ、まだ俺には気づいていない。しかし、今すぐに移動しなければ感染者の数はどんどん増えるだろう。


よし、覚悟を決めて車まで行って家に帰るか。家にチンピラ達は待ち伏せしていないと思いたい、頼むいないでくれ。


俺はそう思いながら、今いる奥の棚の通路から、入り口に近い通路に移動しようとした瞬間、外から銃声がして横にあった棚が弾けた。 


「うぉっ」


狙撃されてる。


俺はすぐに伏せて奥の通路に戻る。

なんで俺を襲うんだよ?はよ、どっか行けよ。 


棚の破片と商品が飛んできたが、すぐに伏せたので体に怪我はない。


さらに、遠くの場所で銃声がして手前の棚が弾ける。


まずいぞ、棚を余裕で貫通してくるから、これは7.62㎜はありそうだ。


姿勢を最大限低くして、伏せた状態で被弾しないようにする。

 

周りを見ると、俺がいる奥の棚には数発しか着弾してない。俺よりも前の通路の棚に着弾してるのが多いな。

敵は俺がどの通路にいるか見えていないのか?


伏せた状態で敵の武器を考察してみる。

音からして7.62㎜級なのは確定、一発射撃するごとに間が空くので、セミオートではなくボルトアクションのライフルではないかと推測。

 

しかし、セミオートのライフルでも間を空けて射撃すれば、ボルトアクションのように見せかけることも可能なので油断はしない。



チンピラ達の考えを予想してみる。


...まさかチンピラ達、感染者を誘き寄せて俺を殺そうとしているのか。しかし、そのような事をすれば奈那も死ぬだろう、などと考えていたら急に辺りが静かになった。

 



あれ、銃声がしなくなった。

これは、俺を外に引っ張り出そうとしているのか?その手には乗らんよ。


俺は伏せた状態で、床に落ちていたボトルガムを拾い、外から見える通路に投げて様子を見る。


...撃ってこない。


もう一度、床に落ちていたグミを拾い通路に投げて様子を見る。


...撃ってこない。



俺は耳を澄まして、外の様子を聞いてみると、遠くのところで銃声が聞こえた。


俺は伏せた状態で後ろに下がる。


...俺を狙って撃っていない。これは、何かと戦闘しているのか。

 



あっもしかして感染者と戦っているのか?そうか、そういうことか。


しかし、チンピラ達は馬鹿なのか?銃を撃てば、銃声がする場所に感染者が集まってくる。

俺が感染者に気づかれない限り、感染者は銃声のする場所に移動しようとする。

つまり、チンピラ達は自分で感染者を誘き寄せている、アホ集団ということになる。


チンピラ達が俺を狙撃しても、俺が銃を使って応射しなければいいだけのこと。そうすれば俺の近くで銃声はならず、感染者は銃声がしたチンピラのところに行くだろう。


よし、家に帰るか。


......しかし、このまま出ていって撃たれるのは怖いので囮を使おうと思う。


俺は、奥の通路を匍匐前進で移動して、座り込んでいる奴に近づき命令を下す。


「奈那、車に行け」

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