78話目
78話目です
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一週間が経った。
文化祭という存在が街の中でポスターなんかで貼られるようになり、県のお知らせなんかでも大々的に取り上げられ、休日にボーッと見ていた全国ネットのテレビに生徒会長が出たときにはちょっと驚きもした。
しかし、それぐらいなまでにここの文化祭は期待されていて、ある種この街の一つのお祭りのような立場なのだろう。
県外からも単純に楽しむ目的のための人もいれば、入学を希望する中学の生徒にとっては良い見学の場としての存在もある。
だから学校側も予算関係では割りと融通を通してくれるし、そのお陰で生徒達の方も真面目に、そして満足して取り組んでくれる。これこそまさにwin-winの関係。
今アンケートを取ってみれば満足率はかなりの高さを持つはず。
だが、cmでも見かけたことのあるであろう満足率何%は、あれは数字のトリックである。
100%中の90%とも書けば、確かに良いように思えてしまうが、実際の数字で表してしまえば、本当のことが見えてくる。もし、1000人の社員で当てはめるならば900人は満足していることになる。が、100人は不満足ということだ。
10000人なれば1000人が。
100000人では10000人。
そんな感じに大きな数字を出してしまうとイメージダウンになってしまう。だからと100という小さい数字に納めているのだ。
あれを信じてはいけない。
そんな満足に対する不満を感じ取ってくれたのか、はたまた単に仕事が終わった俺が暇そうだったからなのか、きっと暇してたからなんだろうが、一定数の紙を切り終えると次は暗幕の截断を手伝わされるようになった。
一週間の間に雨も止み、池だったグラウンドや中庭には太陽がまるでこれまでの反動のように強く照りつけた事もあり、すっかりいつもの様子を取り戻していたが、それもすぐに文化祭で出店をやる生徒によってあれやこれやと建てられていていた。
寂しかった玄関も、一が混ざっていた委員によってなんということでしょう状態。
劇的。というか本当に劇をやる新崎達も、順調に実力を身に付けていっていると得意気に本人達が話していた。
そして大まかな道具の飾りつけや部屋の装飾が整った我がクラスは、とりあえずはそれを作った所がそのポジションとしてお化けを演じることとなりついでにどんな感じになるか実際に試してみることとなった。そしてそれはつまり、俺の担当であった木っ端微塵の紙の方は、無駄遣いになるからということで結局暇だった。
暗幕も上手いこと固定しているために人の出番はない。
「それじゃー、とりあえず通しでやってみるかー」
余った奴等が廊下に立って、一人がクラスの中にそう伝える。それに部屋の中から声だけで「りょーかーい」と間延びして返ってきた。
太陽が照らしていると言っても、完璧に窓の隅まで幕で閉ざしてしまうと普段とは違う静けさも相まってか別世界のように見えてしまう。
実際、通りがかりも何事かと好奇心で横目を向けていた。
城戸さんの助力もあってかひとまずでもかなりの出来であり、尚且つネタも知っているのはずなのに怖さは感じる。
だから、誰が行くんだと余った奴等で視線を交わし合い、結果じゃんけんで決まった名字も危うい知らない男子が行く事となり、あとそれに加えて外の意見として、廊下でふらついていた他のクラスの何かやけに食い付いてきた奴を追加して、二人で行かせることとなった。
「よーし…。んじゃ、行ってくるわ…」
腕をグルングルン回し、足も捻ってウォーミングアップを見せるが、お化け屋敷って走るものじゃないんですけど…。
扉を開けて二人は闇に消えていく。うっすら暗幕の隙間から漏れる日光がとりあえずの道を照らす間接照明として機能していた。
「驚いてくれると良いんだけど、ね?」
「え、あ、そ、そうですね…」
不意にろくに関わったことも無い女子から声を掛けられ、当たり障りの無い言葉しか返せなかった。
というか、もしかしたら俺に話しかけたわけでは無かったかもしれないが、いやでもそうだとしたら心に深い傷を負いそうな気がして祭り事の緩んだ空気のお陰での会話だったのだと思い込む。
あれ?本当に今の俺にだよね?え?どうなんです?
確認しようにも本人の顔を見ることができず、狼狽えて立ち尽くしたままでいると、扉がしばらくしてバタンと開く。
出てきた二人の手にはしっかりと札が握られ、「余裕だった…」と言う片方の顔にはうっすら冷や汗が浮かんでいる。もう一人の方も大体似たような感じ。クオリティーについてはこれで一応の保証ができたかもしれない。
二人が廊下に出るのに遅れて、暗幕の付いた窓が開き数人の生徒が「どうだった?」と頭を出す。
それに俺に声を掛けていたっぽい女子が答えた。
「良い感じみたい。ほら、そこの二人の表情」
「ははっ、だな。ま、でももうちっと遠回りにさせてもいいかもなー。思ったよりも早く終わったし」
次の課題が見つかり、一回目の通しはもう終わりらしい。汗を拭っていた別のクラスの奴に茶髪ガールが一声掛けて、他の生徒もクラスに戻っていった。
俺もそれに続こうとあくびを漏らして扉に向かおうとしたその時、急に腕が誰かにガシッと掴まれた。
視界の端に写る他の人よりも一回りは小さい可愛らしい手。
冷や汗がヤバい。
あくびでこぼれた涙。これもしかして恐怖で出たんじゃないの。
「あ・か・りくーん。お仕事の時間でーす♪」
「あぁ…」
ルンとした声に反応して悲嘆の声を漏れる。
向けばニッコリ笑う矢波先輩がそこにいた。まぁ、天気良いですからね…お出掛け日和ですよね…。
「ね、ちょっとこの人借りてくけど良いかな?」
矢波先輩が茶髪ガールに声を掛けると、「え…?」と戸惑いながらもえぇと続けてすぐに頷いた。
その表情には全然全く新崎の時とは違い、寂しいけど…とか絶対言わなそうな感じで、むしろ逆にまぁいっかすら感じる振る舞いだった。
咄嗟の反応で頷いてしまう辺り、本能的に俺は用無し扱いだったのかもしれない。
「じゃ、レッツゴー!」
…それは俺の方が寂しい。
学校からお世話になっているショッピングモールまでバスを使った方がかかる時間は少ない。
矢波先輩はバスの到着時刻まで待ってから俺に声を掛けてきたらしく、校門近くのバス停に向かえばバスが丁度道路の奥に見えていた。
他の生徒も何かしら用があるのか、車内には結構な人数の制服だったりジャージの生徒が乗り込み、俺たちもそれに続いて余っていた最後尾の列に腰掛けた。
窓を隣にして俺、矢波先輩。そして栗原先輩も何故か同乗する。
「………」
どうして…とちらちら視線を向けていると、矢波先輩がそこに割り込んでくる。
「文化祭の分は結構な量になるからね。君だけだちょっとね」
「まぁ、確かにそうですね」
「すんなり認めて良いのか仁田…」
呆れたように栗原先輩が言ってくるが、かといって嘘を付かれて頼りがいがあるとか言われても困る。一般の男の子を嘘でもおだてたら調子に乗るしなんなら木にも上る。
女の子の発言は映画のラストの大統領がする演説並みには重みがある。
未知の生物と対決とかし始めちゃうかもしれない。
かといって黙られても何か俺マズイことしちゃったかな…って怖くなるからもう男子って大変。
そんな面倒な男の子である俺は女子二人、というか矢波先輩によって窓際に追い詰められてしまい距離を取ることも出来ずに震えて無言で発車したバスの揺れに身を任せる。
こんな風にして自然に俺を追い込み圧迫させ、きっと上下関係をはっきりとさせているのだろう。
バスを使った心理的追い込み…やっぱり女の子怖い…。
少しばかり窓にもたれ、その奥に写る景色をぼーっと眺める。道を往く人。二階を近くに並んだ家々。遠くに覗ける点在したビル。
普段バスを使わないだけあって、高さが変わっただけの景色のはずなのに何処か新鮮味を感じる。
見上げるから見下ろすでは、なんかちょっと優位に立っているような気がする。立場としては最下位も程々なんだけど。それに見下ろしている筈なのに優位も何もない人が絶賛隣にいるわけで。
また身体を窓に付けて逃がしていたその間、隣の二人の会話が意識してなくとも耳に入ってくる。最初は他愛の無い会話がほとんどだったが、そこに一区切りが付くと次の内容は一大トピックの話に変わる。
となれば、それを間近に見ていた人間に話が振られるに決まっている。
「灯くん。新崎くんのことなんだけど」
「…へい」
ちょっと江戸っ子風になりながら身体を起こしそっちに顔を向ける。
「城戸ちゃんも一緒に劇に出るってほんとなの?なんか、クラスに行ってた部の子が言ってたんだけど」
「城戸と新崎…プロポーズしたされたコンビでか」
「本当です。演劇部の部長っぽい人がクラスに来て…で」
「ほー、演劇部の部長…ね?」
矢波先輩が基本俺にしか向けてなさそうなにやりとした笑みを栗原先輩に見せた。
それに渋い顔をして栗原先輩はため息を吐く。
「…えっと」
露骨にそんな反応を見せられたらどうにも気にかかってしまう。俺の短い質問に栗原先輩は「まぁ…ちょっとな」と言って手を胸ぐらいの高さに上げた。あまり言いたくは無いのだろう。ならば、無駄に深堀りする必要もないし、まずそんな技術が俺には無かった。
とりあえずはと小さく頭を下げて納得したようにする。
「でも、二人もいなくなって大丈夫?」
「まぁ、大丈夫です。色々用意はあるんで」
「そっか。君のとこのお化け屋敷、結構期待してるんだからね?」
「…俺に言われても」
一大トピックの会話が終わり、またしばらくはバスが続く。
途中途中のバス停で何度か止まり、知り合いなのか降りていく女子生徒と矢波先輩が手を振り合っていたりしたが、ぼちぼちこっちも到着が近づいてきた。
幾度として寄ってきたこともあってか、高さが変わっても見慣れた景色。
そこで不意に声がした。
「ちょっとごめんねー」
膝に手が乗せられ、目の前が制服で塞がれる。鼻をくすぐるクリームのような甘い香り。
一瞬何がなんだか分からずに、制服が消え膝の頭に置かれていた手が引っ込んだ後も固まっていたが、どうやら矢波先輩が窓側の降車ボタンを押したらしい。降りますと書かれたマークがオレンジに染まり光っていた。
「言ってくれたら押したんですけど…」
かすかに残った感触をどうにかしようと、会話に意識を変えて矢波先輩を横目で捉える。
俺の不満に満ちた目に先輩は子供みたく笑った。
「ふふ。いーじゃんいーじゃん。春と一緒にいるときはあれを押すのは僕の役目なんだよ。その、癖みたいなの。あ、それとも押したかった?」
「いや…まぁ、別に」
「あたしの時もいっつも奪ってくるよな。あれ」
「へへーん。まーね」
何の気なしの行動だったらしいが、女子の言葉が大統領の演説並みというのを元にすれば、女子のボディタッチというのは、バトル漫画で屈強なキャラが相手の腹部に手を当て力を込めると、バァンと衝撃波が出て相手が勢い良く吹っ飛ぶあれと同じな扱いかもしれない。
精神的な物が代わりに吹っ飛んだ。今まともな会話に望もうとしたら新しい言語とか作り出してしまいそう。
着くまでの短い時間にまた会話を始め出した二人の横で、俺は口を閉ざして降車ボタンと睨み合っていた。
バスが目的地へと到着した。
いつも結構な頻度で本屋やゲーセンを利用しているショッピングモールではあったが、使った入り口が違うだけで、見かけない店が並んでいた。
お昼を過ぎてまだそんなに時間は経ってないが、それでも広い建物の中にはかなりのお客がいるし、何処かの店の袋を持ったうちの高校の制服姿もちらほら見掛ける。文化祭ではカフェが立ち並ぶのだ。そうなれば必然的にここにお世話になるのだろう。
他にもお洒落な小物の店にもそこそこ見えた。
入り口から食品売り場まで歩き、カートとカゴを二つ取って上下にがこんと乗せる。
出来上がったそれを矢波先輩はほいと渡し、それにはいと答えて持ち手に手を添え準備完了。その素早さに栗原先輩が「慣れてるな…」とちょっと驚いていた。俺もなんでこんなにスムーズにできたのかちょっとよく分からないです。
今回も買うものは決めていたのか、うろつくこともなく一直線に目的地までカートを押していく。
そこまでの途中、鮮魚コーナーにも寄ったが見向きすることもなく二人は進み、一つの列へと曲がった。
文化祭までまだ期間はある。
ここで生物を買うのは衛生的にもよろしくないという判断だろう。
素直に二人を追えば、そこは主に調味料をメインとして区切られた場所。
プラスチックの容器に詰められた醤油に砂糖、後はあの伯方のやつである。他にも油やなんやで色々ぎゅうぎゅう詰めである。
棚の前に立ち、業務用のも含めてカゴにポンポン迷いなく放り込んでいく。一気に来る重さは押していなくても伝わってきた。
「あー…芽野これで良かったっけ?」
「えーっとー…あ、後コショウも」
「あ、忘れてた」
カゴとにらめっこし、足りないものを見つけ出す。
本当に俺の役目は荷物もちで終わりらしい。まぁ変に会話を求められても困るし、それに文句を言わずに徹するのが良いのだろう。
早々にここで手に入れるべき物は揃ったのか、「灯くん」と声を掛けられ慌てて二人をまた重量を増したカートをカラカラ押して付いていった
ピッカピカの床を踏みながら、黙って二人の後ろを付いていけば自然と頭が考え事に移る。何処かで見た拾い物の知識でしか無いが、人は歩いているときの方が色々発想に富むらしい。小説しかり漫画しかり作家系がふらついている描写があるのはその証拠なのかもしれない。ちなみに家の中でよりも外の方がもっと効果があるらしい。
そして今、絶賛に俺はその効果が発揮される状態にあり、だからか一つ気になることが浮き出てきた。
家庭科部のお返しサプライズはその後、どういう結果を迎えたのかということ。これ、多分効果無くても気になってたと思う。
とにかく、あんなに気合いを入れて挑んでいたのを間近で見たのだ。その結果が無性に気になってしまう。
しかし、それを尋ねる勇気がない。
ほら、なんか真面目に選んでるし…。
と、矢波先輩が小麦粉を持って帰ってくる。そしてうんうん悩む俺を覗き込んできた。
「ボーッとしてたけど、考え事?」
「あー…」
その話を切り出すタイミングを貰えて、やっとその疑問を口に出せる。
流れに身を任せている分、流れを作ってもらわないと話が切り出せない。この生き方凄いめんどくさいぞ!
「いや…サプライズ返しってやつ、あれがどうなったかなー…って」
「あ、そう言えば言い忘れてたね。せっかくあんなに手伝ってもらったのに」
「いや…まぁ、文化祭の準備もありますから」
「ありがと。それで、結果なんだけど。ふふん、大成功でした!」
「んー、何の話だー?」
別の棚に消えていた栗原先輩が声と共にひょっこり顔を覗かせる。
「サプライズ返しの話。灯くんにどうなったか話し忘れてたから」
「あぁ。ケーキの方もバッチリだったな。皆喜んでくれてたし、仁田のお陰かもな!」
ボーイッシュで宝塚みたいな笑顔をニカッと栗原先輩は見せる。真正面からお礼を言われちょっと胸がドキッとする。
やだ…この胸のトキメキは…?
笑顔に耐えきれずに視線を下ろすと、矢波先輩が何処か苦み走った表情を浮かべてたのが見えた。
もう少し勇気を出して聞いてみても良いんじゃないだろうか。
「…あの。なんかあったんですか?」
「…うん。そのサプライズパーティーなんだけど。ケーキを作ってる暇があったら勉強しろーって後輩ちゃん達からこっぴどく怒られちゃって」
「あたしら、ほぼ毎日顔出してたからなー」
「だから、少なくとも文化祭まではお願いってことで話を終わらせて…で、もう文化祭」
「じゃあ」
「そ。これが終わったら僕たちは家庭科部から引退ってことになるのかな?ぐすん…そしたら灯くんを手伝わせる口実が減っちゃう…」
わざとらしく見えない涙を手でグイッと拭い、暗かった表情が笑顔に変わる。
話を聞いた栗原先輩が「大変だな…仁田は」と優しく同情してくれながら、持っていたクッキングシートを下のカゴにぺしっと放った。
俺としては減っちゃうと言う言葉が引っ掛かる。
完全に無くなるわけではないという意味っぽいのが恐ろしい。
それにしても、てっきり運動部は夏の大会、文化部は文化祭を目処にして三年生はほとんど引退すると思ったが、話からするに文化部でも早々と引退を勧められる場合もあるらしい。まぁ、家庭科部は女子だけとも聞くし、そういう環境で出来た身内的な仲の良さから生まれるおせっかい染みた優しさだったのかもしれないが、それでも矢波先輩はいささか悲しそうに写った。三年間もの長い間、一つの部活に入れば、そこには数多の思い出やしっかりとした居場所が出来上がってしまう。そうなれば、やめるのにも躊躇いがあってもおかしくはない。誰だって自分が穏やかに過ごせる場所は手放したくないものだ。
でも、それで将来に失敗されて八つ当たりを喰らっても困る。この人がするとは考えられないけど。
…部活を引退。
俺も長らく似たような事を意識の端に置いてしまっていたが、いい加減新崎を待つのもどうなのだろうか。
ギスギスとした展開を待ってとも考えていたが、果たしてそれは本当に来るのだろうか。
まるで、ありもしないそれを時間稼ぎにして俺もあの部活に自分の居場所を作り出そうとしていただけなのではないか。
いざ起きたとしても出来上がった居場所を言い訳にして、もしくはその場は口ごもるだけで、そのチャンスを見過ごしてしまう未来が過る。そして、自分で手放したくせして問題を解決し仲を深め、距離を近づけた新崎達に心中で不満を勝手に呟くのだ。
そしてそれは今まで通りの変化の無い日常部の姿。
何度も繰り返してきた主人公とヒロインの物語で終わる。
今の自分が結局退部をせずに居座り続けるという予想が、いとも容易く出来てしまった。
それはあの部活で俺という存在がいても構わない居場所が、ラブコメ物特有の穏やかな時間と共にすでに形成されてしまった証拠なのだろう。
「ま、とにかくサプライズに関しては本当に成功。メールとかで伝えておけば良かったね…灯くーん?」
「え、あ…はい」
「む。先輩の話を上の空だなんてー…ぶー」
「また引っ張り回されるって思えばそら仁田も上の空にもなるだろー…」
声でハッとして、耽っていた思索が切れる。
不満を露にして眉を寄せ口をつんと尖らせる矢波先輩と、俺をフォローしてくれている栗原先輩はもう次の目的地へと足を進めていた。
今は無理矢理に結論を見つけ出す場所とタイミングではないだろう。どうせ、一人の時間なんていくらでもある。
俺は慌てて二人を追いかけた。




