13話―― 空飛ぶ『新人』。大空を舞う!?
8時ごろにもう一話投稿します!! がんばるぞー!!
◇◇◇
そして――無事ガンテツを追い返し、平和を勝ち取ったと俺は歓喜の衝動に打ち震えていた。
成り行きとはいえ、あのS級冒険者と名高い実力者に我を通しきったのだ。
ギルドの雑用時代。ただギルマスのご機嫌うかがいしてはヘコヘコしていた頃を思い浮かべればずいぶんな進歩だ。
これを成長と言わずなんという。
俺って実はやれるんじゃね? と自惚れてしまってもしょうがないだろう。
人生、誰しも一度は自分のチカラを自覚するときが来るものである
だから「よし、これで俺も冒険者としてやっていける」と思っても仕方がないわけで、
「そう思っていた時期が俺にもありましたあああああああああっ!!」
爆走。
まさにその名がふさわしいほど、俺は手と足を動かしまくっていた。
全身の血管が引きちぎれようと固有スキル『自己管理』の修復能力で瞬く間に『元通り』の健康状態に復元される。
酸素を取り込む肺も手足も常にベストコンデション。
ギルドを追放されるときの痛みに比べれば痛痒いくらいだ。
俺の使えなかった固有スキルにもこんな使い方があったなんて、正直感動だ。
やっぱり実地訓練に勝るものはない!! そう思っていたけど――
「いきなり『これ』はあんまりだろーがあああああああああ!!!!」
マナ純度の高いヒポクテ草が鬱蒼と生い茂る草原。
建造物の中にいるはずなのに青空という矛盾をはらんだ憧れの地で
俺は絶賛、念願のダンジョン第5層を爆走中だった。
普通ダンジョン探索というのは、もっとこう。誰にも邪魔されず、優雅にスマートにするものなのだが、今日ばかりは絶叫せずにはいられなかった。
というのも全ての元凶は、俺の前を先導するこの『少女』のせいで――
「おらおら、これでもまだ余裕ぶってるつもりかよ。気ぃ抜いたら即死だぞコラ!!」
「ちょっとは手加減しろよクソがあああああああ」
藪をつついてポイズンスライムとは言うが、馬鹿正直にワーウルフの群れを積極的につつく馬鹿は彼女くらいなものだろう。
ビュンビュン正面から飛んでくる弓矢を回避すれば、後ろから悲痛な断末魔が聞こえてきた。
狩りの基本は『ヒット』アンド『ウェイ』とは言うが
こっちはダンジョン攻略初心者だっていうのに容赦がねぇ!?
つか――
「ちくしょうあんのクソアマ。俺ごとまとめて爆散させる気か! これじゃあ援護もクソもねぇじゃねぇか!?」
前門に弓矢。後門に魔物の群れとかほんと馬鹿じゃねぇの!?
普通、弓やって後方から援護するものなんですけど!!
向かいからビュンビュン飛んでくる矢と魔物を避けつつ爆走すれば、
俺の周りを囲うように援護する『小さな獣人少女』と『長身の金髪美女』のフォローが入るが、
「まぁまぁそう言わずレオ達とのダンジョン生活を楽しむっす。ね、アンジェ姉ぇ」
「そうよワタルくん。こんな経験二度とできるものじゃないんだから」
「だからっていきなり囮は酷いんじゃねぇの!? これがベテランにやることか!?」
のんびりとした調子で言ってるけど、いいよなお前らはきちんと装備整ってて。
俺、ほとんど生身なんだけど!!
「まぁまぁこれも愛の鞭ってことで諦めるっす。フィーネ姉ぇもオーガじゃねっすからきっと当てないでくれますって。信じるっすよレオ達仲間じゃないっすか」
「え、大丈夫かな。こんなビュンビュン身体に掠ってるのに信じていいのかな!?」
「たとえ照準が脳天に定まってようと信じるっす!!」
殺意全開じゃねぇか!?
マジで殺しに来てるよアイツ!!
「うらぁ、うだうだくっちゃべってねぇで次行くぞ」
「だからちょっとは手加減しろってばあああああああ」
固有スキル『自己管理』の危機察知能力がビンビンに反応している。
それもそのはず、味方に打ち殺されかけてるんだから。
後方では牙と金属がこすれ合う擦過音と共に、獣の断末魔が聞こえてくる。
念願のダンジョン入り。
個性あふれる女の子たちに囲まれてのハーレムパーティー。
ダンジョンの理屈や体験談はいままでたくさん聞いてきたけど――
「どうしてこーなったあああああああっっ!!!!」
俺の叫びに応えてくれるものはいない。
そうして俺の口から吐き出された魂の咆哮も虚しく。
一昨日の理不尽なやり取りを走馬灯のように思い出した俺は、
魔力の籠った爆風にあおられた身体を必死に動かしながら、無情にもどこまでも奥ゆきの見えないダンジョンの空へと打ちあげられ、星のようにどこまでも飛ばされるのであった。
◇◇◇
そう、話は一昨日に巻き戻る。
ようやくやってきたハーレム三人衆。
ヤンキー系リーダー。おっとり聖母に獣人っ子。
どれも個性派ぞろいで少しでもクスッとしていただけたら嬉しいです!!
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