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出来れば、ここにいたいです。  作者: 愬月茉乃
第三章 二年生
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確信

お久し振りです。

 昼は結構な頻度で中庭の木の下にいる。二脚のイスとテーブルが設置されてあって、木のお陰で日差しは遮られて日焼けの心配もない。

 私が入り浸っているからか、ここに来る生徒は少ない。単にわざわざ外で昼食を摂ろうと思わないのだろう。

 

 持ってきたお弁当のサンドイッチを食べ終えると、もう一度手紙を読み返す。

 エミリーからの手紙を読んで、確信した。やっぱり、リリーがこのゲームの主人公だ。

 

「噂通り隣国に主人公がいるなんて……」

 

 一体これからのシナリオはどうなるのだろうか。

 

 魔王を倒す……最後にはこのイベントがあるのだが。復活させない可能性もある……。もし……もし彼女が隣国にいたときに魔王が復活したなら……。

 復活の場所や時からして、私しか倒せる人が居ないのでは無いのだろうか。先生は研究のために他国へと向かってしまうから……。

 

 テーブルの上に日記帳を取り出して置いた。ここ最近は書いてなかったけど、今の状況を書いておく。

 

 エミリーと共に攻略対象者の一人、イーサンは留学している。

 

 リリーはヒロインで、隣国の魔法学校に在学している。魔法は光属性で、容姿は聖女様に似ている。

 

 日記をつけたあと、鞄から便箋を取り出した。手紙の返事を書くためだ。

 

 書き上げると、手元に封できるものが無いので魔法で封をする。鞄の中を整理しようと、鞄とその中のものを一旦テーブルに置いた。日記は最後に入れようと思い、イスの上にとりあえず置いた。鞄に綺麗に詰め込み終わると、学園内に設置されているポストに手紙を出しに行く。

 

 そのとき鍵の掛かってない状態で、日記帳を置き忘れてしまっていた。

 

 ◇◇◇

 

 昼食を食べようと中庭に来ていた。食堂にいることも多いがたまに外で食べようと思う日もある。

 

 イスの上に忘れ物があった。持ち主に届けようと手に取る。

 

 これは、日記帳?

 表紙や裏表紙を見ても名前は書いてない。授業の板書を取るものだとしたら、必ず記名してあるはずだ。

 

 どうしようか考えるため、とりあえずテーブルの上に置いた。

 

 やはり、このままここに置いておくのも良くない。届けようと手に取ろうとしたら、風によってページが開いてしまった。

 そして、目に入ってきた文字に驚き……そっと閉じた。

 

「……まさか……いやそんなことは。それより、乙女ゲーム……この学校に、他にもいるのか……」

 

 職員室に届けに行こう。もとの場所になければ持ち主はきっと取りに来るはずだから。取りに来たら先生に名前を聞けば良い。直接会うことは避けたい。

 

 日記を持ち、中庭を出ようとするとルファリエラに会った。

  

「あの殿下、それは」

 

 少し顔色が悪い気がする。

 

「イスの上の落とし物。このあとの授業で必要かもしれないと思って、職員室に届けに行くところだ。もしかして、ルファリエラのものか?」

 

「はい、そうです! ありがとうございます」

 

 彼女はいつから思い出したのだろうか。日付までは見ていなかったが、見たところ大事に扱われているが古くなっている。それに表紙の意匠も少し前のものだ。探していることを知っていて、わざと思い出したと言わないのだろうか。

 

 とにかく、ルファリエラは思い出したのだ……。この日記で確信した。

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