隣国⑤
更新が遅くなりました、すみません……。
昨日と同じ様に、三人で私の部屋に集まってお喋りをしている。
「そう言えば二人は、美術館のどの作品が良かった?」
「二階に展示されていた青い壺が良かったですね。異国の作品と聞きましたが、何と無く懐かしく感じました。あと、ペンネッロの連作、微笑みの聖女の『慈悲』が良かったです。ルファリエラ様を彷彿とさせるあの佇まいがなんとも言えません!」
私を彷彿とさせるってどんな絵だろう……。
「連作は沢山あったけれど、慈悲ってどういう場面の絵だったかしら」
「聖女様が魔王を封印する場面です」
「あぁ、それね。確かにルファリエラに似てなくもないわね」
私が聖女様に似ている……いや、魔王の方かもしれない。全然どんな絵か分からない……。見れば良かった……。
「ルファリエラ様はどんな作品が良かったですか?」
良かったかと言われると、一番印象に残っている絵だろうか。
「ディメルの、題名は確か……『出会い』だったかしら? 特にあれが良かったかな」
「ディメルって画家、聞いたこと無いですね」
「私も無いわ。どんな絵なの?」
「少年と少女が向かい合って描かれていて、色が濃いわけではないのに目を惹かれる絵だったわ」
「ルファリエラ様の目を惹く作品、見たかったですね」
「そう言えば、デイジーさんはどの作品が良かったのですか?」
「絵もいいのだけれど、やっぱりガラス細工かしら。どれか一つに絞れないほど全部良かったのよね」
「ガラス細工は私も見たわ!」
「デイジーさんはガラス細工が好きなんですね。あ、そう言えば! 美術館でコットン侯爵令嬢に会ったんですよ!」
コットン侯爵令嬢と言うと、ルイーズ・コットンのことだろう。エミリーをいじめていた二年生の先輩。
「彼女も旅行に来ていたのね。何か喋ったりしたの?」
「いえ、美術館だからか会話は無かったです。目が合ってしまったので軽く挨拶だけは交わしました。あと、相変わらず取り巻きのお二人も一緒でした」




