隣国④
「今日は美術館に行こうって話してたけれど、所蔵品が沢山あって回りきれ無さそうだから」
「見たいところを見れるように二人組に別れて行動しましょう姉上。勿論私と一緒に」
デイジーに満面の笑みを向けながら、オーガストは提案するが、若干強制に聞こえる。
元々何が切っ掛けなのかよく分からないが、少なくとも最初に会ったときはシスコンでは無かったと思う。
デイジーとオーガスト、エミリーとイーサンの二組は決まってるようなものだが、残りの四人はどう決めよう。
ジュードとヒューゴの二人で喋っているのをあまり見たこと無いので、この中で分けるとしたら……。
「それなら、エミリーとイーサン様、殿下とヒューゴ、私とジュードにしましょう」
そう提案すると、物凄い勢いでヒューゴとジュードに却下された。
「俺は……ヒューゴと回りたい!」
「ふたりともいつの間に仲良くなってたの?」
「前から仲良かったよなヒューゴ!」
「そうですね!」
肩を組んで仲の良さをアピールされるが、反応に困る。
「殿下は私とでもいいですか?」
「……ん、ああうん」
◇◇◇
館内の地図を見ながら何処へ行こうか相談をする。
「殿下はどこに行きたいですか? 私はあまり美術品については詳しくないので」
「それなら、ここと、あそこに行きたい」
ステア殿下が指さした所に向かう。そこには一際目を惹かれる絵があった。
「この絵綺麗ですね。誰か有名な画家なんですか?」
「はじめて見る画家だから、そこまで有名な人では無いと思う」
事前に決めた集合時間までに沢山の作品を見ることができた。
◇◇◇
美術館からの帰り道、夕日に照らされる海の側を通った。
「海って、綺麗ですね。始めて見たので少し感動しています!」
エミリーが隣国に行きたいと言っていたのは海が見たかったかららしいので、来た甲斐があったようだ。
海に入りたい。ルファリエラとしては一度も海水浴に行っていないから。でも今は冬だからなぁ……。夏にまた来ればいいか。




