隣国②
「もうお昼だけれど、昼食はどうなさるの?」
「町を適当に歩いてって思ってたんですけど……」
「よかったらおすすめのお店を紹介しましょうか?」
「お願いします」
と言う流れで連れていって貰うことになった。
◇◇◇
ここは……。
店の前には暖簾が掛かっており、「すし」と書かれている。
寿司がこの国にあるのなら、もしかしたら、リリーちゃんが考えたと言うあのケーキもたまたま思い付いただけに過ぎないのかもしれない。
暖簾をくぐり、店に入る。この動作、久し振りにするなぁ。
店内には当たり前のように傘立てのような物があり、箒が刺さっている。
「いらっしゃいませ。あ、シャーロットさん! もしかして、連れてきてくれたんですか?」
「この子達は観光客よ。常連になりそうな人はまた連れてきてあげるから」
「はい! 是非ともお願いしますね!」
「あら、やっぱり今日も居たのね、リチャードさん」
「シャーロットさん。それはそっくりそのままお返ししますよ」
リチャードと呼ばれた男の人は多分私達と同じ年頃。シャーロットの名前で呼んでいると言うことは、貴族では無いのだろうが、身なりがいい。
「この人はここの常連さんでね、結構な確率で出会すのよ。あ、おすしは皆初めて?」
「「初めてです」」
私は、食べたことあるが、たまたま同じ名前の全く別の食べ物の可能性もある。
「それなら、おまかせにしましょうか」
お店の人のおまかせで出てきたのは、日本でよく見掛けた、ちゃんとしたお寿司だった。
「殿下、この緑のよく食べれますね。辛いですよ」
ヒューゴは美形な顔を若干台無しにしてステア殿下に問い掛ける。シャーロットさんも殿下と呼ばれるからか、若干反応していた。
「そこまで辛くはないと思うが……」
「確かに独特な風味ね。鼻がツーンとするわ」
と言いつつも、デイジーは結構な量を付けて食べている。気に入ったみたいだ。
私も普通の量のわさびを付けて食べている。個人的には、がりの方が欲しいけど。
それにしても、米に醤油、わさびが隣国にはあったことに驚いた。




