隣国①
今回の旅行は馬車には乗らず、箒に乗っていく。距離としては近いので昼までには着くと思う。
皆が分かって、南側に位置する所なので、学園の門の前が集合場所になった。
ちょっと早く来過ぎたと思ったらステア殿下が一番乗りだった。
私の次に来たのはエミリーとその婚約者らしき人。
「殿下、ルファリエラ様おはようございます! 今日は楽しみですね」
「お久しぶりです殿下。ルファリエラ様、はじめまして。イーサン・アグロンと申します。いつもエミリーがお世話になっています」
ん?どこかで会ったことあるような……。でも、思い出せない。
「はじめまして、ルファリエラ・フルールです。よろしくお願いします」
その後続々と到着し、誰も遅刻すること無く全員が揃った。
「じゃあ行きましょうか」
デイジーを先頭にして、私達は南に向かった。
◇◇◇
「皆さんいらっしゃい! 私はこの屋敷の主シャーロットです。よろしくね」
穏やかに微笑む彼女はこの国の第二王女様。
身分を隠して接したいと言っていたが、この旅行のメンバーにステア殿下がいる時点で皆、王女様と分かっても身分の隔たりは無く接しそうだとふと思った。
「皆、箒に乗ってきたみたいね。預かりましょうか?」
「お願いします」
皆箒を預けて、部屋に案内される。
「一人一部屋あるから好きに使ってね」
流石は王女様。一部屋が広いな。適当に部屋を分け、私は一番隅の部屋になった。荷物を運ぶと、ドアを誰かがノックした。
「ルファリエラさん、ちょっとおしゃべりしない?」
声の主は王女様。しばらく皆部屋にいると思うのでおしゃべりすることになった。
「そう言えば、どうして箒で来たの?」
「ここではあまり馬車は好まれないと聞きますから。それに馬車より速いですし」
馬車が通れない細い道が多く、空を通ってそこに降り立つ方が速かったりする。現地での行動も考えて箒に乗ってきた。
「この国では貴族以外でも乗っている方が多いみたいですね」
王都に着くまでに私達以外の箒に乗った人をあちこちで見掛けた。
「そうね。星屑国に比べて魔力の量は全体的に少ないのだけれど、魔力を持っている人がとても多いの。手紙などの配達業務は半分以上が箒に乗って行われているわ」
その後お兄様の話などをしていると時間は昼になった。




