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出来れば、ここにいたいです。  作者: 愬月茉乃
第二章 一年生
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新しい友達

いつもより少し長めです。

 移動教室の際、一階にある校舎の裏側の窓で私は怪しい現場を目撃した。

 言葉は聞き取れないが、女子生徒同士で言い合いになっているようだ。見たところ三人で一人をいじめているように見える。三人の方は制服のリボンの色からして二年生。一人の方は三つ編みおさげと言うことしか分からない。

 物を投げつけると言う決定的瞬間を見たので、教科書をステア殿下に託して先に行ってて貰う。

 

「そこで何をしていらっしゃるのですか?」

 

 いじめられていたのは私と同じ一年生のようだ。


「何ってそれは……。そもそも貴女は誰かしら? あ、もしかして平民? こんな子の取り巻きやっても意味ないわよ」

 

 いや、話をそらさないで欲しい。私はれっきとした公爵令嬢なのに……。それにゲームじゃあルファリエラは処刑されるような悪役令嬢。しかも何で取り巻き!?どちらかと言うと取り巻きが居る側の人間のはずなのに。

 

「「そうですわ。取り巻きになるならこのルイーズ・コットン様のように聡明な方にするべきですわ。おーほほほ!」」 

 

 取り巻きのお二方は取り巻きの自覚を持ち、尚且つ息はぴったり。ある意味すごいな。

 

「取り巻きが助けに来て良かったですねエルコットさん。ひとまず今日のところはこれで失礼しますわ!」

 

 二人の取り巻きを連れてルイーズさんは去っていった。

 

「大丈夫?」

 

「助けていただきありがとうございます!私はエミリー・エルコットと申します」

 

「どういたしまして。私はルファリエラ・フルールです」

 

「最近噂の黒髪の聖女様ですよね?」

  

 黒髪の聖女ってこの前聞いた噂に髪色が追加されている。

 

「人違いです」

 

「いや、こんな私を助けてくれるなんてきっと聖女様です! そうに違い有りません!」

 

「あ、授業に遅れてしまいます! 早く行きましょう」

 

 話していてもきりが無さそうなので、授業に遅れないためにも話をそらす。


「あぁ、ほんとだ。あと二分しかない! お礼はまた今度します聖女様! それでは失礼します!」

 

◇◇◇

 

 また別の日。私が階段を上がっていると上から人が降ってきた。

 

 咄嗟に身体強化の魔法を自分にかけて受け止める。魔法って便利だなーと思うよ。

 

「二度も助けてもらってすみません」

 

 受け止めた相手はこの前会ったエミリーさんだった。

 

「エミリーさん。今回のもあの先輩方の仕業?」

 

「別件です……」

 

「色々ありそうね……もし良かったら話を聞きましょうか」

 

「お願いします。お昼でいいですか?」

 

「そうしましょう」

 

◇◇◇

 

 お昼、ステア殿下には今日は別の人と食べると言って断っておいた。自分から断るなんてなんだか不思議だ。

 

 前回のことも含め話を聞く。

 

「まず、先輩方の方から説明しますね。二年生に幼馴染みの婚約者がいるんですが、それはそれは容姿も性格もイケメンなんです」

 

 のろけですか……。でも、イケメンに関しては私の婚約者が一番だと思う。客観的に見てもね。

 

「はぁ……」

 

 思わず、「はぁ」なんて言ってしまったが仕方ない。

 

「あの先輩方は彼のことが好きらしく、弱小貴族の私は相応しくないといってきます。それで婚約を破棄しろと言われるのです」

 

「要するに先輩方の嫉妬からいじめが起きていると」

 

「そうなります」

 

「もう一つの、階段から突き落とされた件ですが、あれは同学年です」

 

「どこのクラス?」

 

「私と同じCです。こっちの原因は、私が勉強が出来るからですね」

 

 のろけの次は自慢……。

 

「これも、『弱小貴族の癖に何でお前が!』だと思います。『あら、手が滑って』って言ってましたが、完全にわざとでした」

 

 どちらもどう対策を取るべきか分からない……。

 

「取り敢えず一人でいることは避けた方が良いですね」

 

 話は聞いたものの大した解決策が思い浮かばない。

 

「あの……私は友達居ないんです。聖女様……少しの間で良いので一緒に居てくれませんか? お願いします!」

 

「聖女って言うのをやめるなら良いけれど」

 

「じゃあ、ルファリエラ様と呼びますね」


「様もなし」

 

「様はつけさせてください!」

 

 様付けは直らないようだけど、仲良くしてくれる子ゲットだ。

 

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