授業②
買い物に行った次の日、薬学の分野で実際に薬を作るという授業があった。
買ったばかりの杖を持って実験室に移動した。班での作業となるのだが、くじ引きで決めたところ、ステア殿下、デイジー、ジュード、私となった。
実は、ジュードとはまだ話したことはない。
「今日は魔法を使って実際に薬を作ります」
「飲ませた相手に自分の印象を好印象にする薬よ。作るのを失敗すると、飲ませた相手が自分を嫌う薬になりますから気を付けてね」
メイル先生は説明をしながらあっという間に薬を完成させた。
「これよりも色が濃すぎると失敗。では早速作ってみてね」
さっき見た通りに、四人で協力して作業をする。ここまでは完璧だと思う。
最後に私が魔力を注いだ。上手く注げている気がするけど。
「なんだか色が」
「薄いな」
「薄いわね」
「薄くない?」
三人に言われてしまった。
「流石にここまで薄いとこれも失敗かしら?」
透明に近い液体が出来上がり、どう見ても失敗な気がする。
「試しに飲んだら分かるんじゃない?」
ジュードがそう言った。
「確かにそうだけど、本当に失敗していたら、一時的とはいえ、嫌いになってしまうわ」
「じゃあ作り直そうか」
もう一度作るのか……。
「魔力の注ぎ直しでは駄目?」
「「駄目だと思う」」
駄目なようなので、先程と同じことをして、最後の工程はジュードに任せる。
バチッ
「完成!」
先程より色が濃く、誇らしげに完成を喜んでいるジュードだが……。
「え、最後になんか変な音がしたような気がするけど」
「…………したと思いますわ」
「してないしてない」
いや、確かに聞こえました。
「あら、ここの班は色が濃くなっていますね」
メイル先生がやって来て、もう一度ジュードが魔力を注いだ方の薬を見ると色がどす黒くなっていた。これは嫌いになると言うか憎悪と言うのが合いそうな……。やっぱり失敗作だよね。
「もう一つの方は……透明ね」
「両方とも本来のよりも高い効力を発揮してしまうから、あなたたちはまだ飲んじゃダメよ。でも、私としては大人になったとき使えると思うから取っておくのがお勧め。魔法を加えることで長期保存が可能で10年は持つから」
良かった、誰も飲まなくて。あと、使えると思うからってどんなときにだろう。
「それにしてもなんでこんな難しいのを最初に作るのかしら」
「さあな」
使い所が本当にあるのか分からないが、一応私は両方とも貰っておいた。




