魔法学園入学式
今日は魔法学園の入学式がある。入学と言うと桜の舞う季節を想像するが、今は9月。
この国では、魔法の正しい使い方を貴賤の関係なく魔力を持っている者は学ばなければならない。そのため、産まれたときに魔力があるかどうかを調べることになっている。
しかし、そのときに魔力がないと診断された人が、その後に魔力を持っていることが判明することが稀にある。
来年、その稀な例としてリリーがやって来ると思うが、それまでに気を付けなければならないことがある。
ステア殿下達に嫌われないことと、取り巻きを極力作らないことだ。
悪役令嬢には取り巻きが存在する。ゲームにも5人程ルファリエラの取り巻きがいた。
例え、私がリリーをいじめなくとも、取り巻きが裏でいじめていたら当然、私の方に、指図したと疑いの目が行く。そんなことになるなら、取り巻きを作らない方がいい。
まぁ、この時点で居ないから大丈夫だと思うけどね。
◇◇◇
新入生代表の言葉にステア殿下ではなく何故か私が選ばれ、多分聞く人はいないと思うけどちゃんと公爵令嬢らしいことを考えて事前に原稿を書いて喋った。
大して式は長くなく、すぐに終わった。今日は授業はないが、クラスと担任の先生の発表と属性の検査がある。
クラスは全部で3つあり、貼り出された紙を見ると私はB組。ステア殿下、デイジー、あと、今まで面識は無かったがジュードも同じクラスみたい。
B組の担任の先生は、赤と緑のオッドアイを持った女性。
特徴的な見た目だが、見覚えがない先生だ。ゲームにいたのだろうか。記憶にないが思い出せていないだけかもしれない。
先生に連れられてB組の教室に入り、黒板に書かれている座席表を見る。私の席は、窓際で隣の席がデイジーだった。ステア殿下はど真ん中の席。
「改めて、私は薬学教師のメイルよ。よろしく」
「はい! じゃあ自己紹介しようか。名前と、好きなことを言ってね。えっと、廊下側の手前のソル君から」
あっという間に私の番が来た。
「ルファリエラ・フルールと申します。ケーキが好きです。よろしくお願いします」
なるべく悪印象を与えないよう笑顔で、なおかつ目立たないよう内容はシンプルにした。




