6 神の御心
お祈りにいらしたのですか、隣国の方。
もちろんですとも。同じ神でなくても、祈る心は同じ……そうですか、親しい方が亡くなられたのですね。
なんと……シャルロッテ様、ですか。
ええ、ええ、はい、もちろん、存じておりますよ。子供のころから、よく祈りに来ていらっしゃいました。
お祈りの内容は存じ上げませんが、いつも何かに悩んでいるようなお顔をされていましたね。ですが、帰る時はとても晴れやかな表情をされていらっしゃいましたよ。神のお声を聴かれたのでしょう。
ミサの時間にはいらっしゃらないのですが、ひとりで祈った方が雑念がないからとおっしゃっていましたかね。大変熱心でした。
王太子殿下の婚約者になられてからは、孤児院の方へも随分施しを下さいました。
……ああ、世俗の噂のことですね。そうですね、どのように噂されているかなんて、神に仕える身としては知らない方が多いでしょうが……こちらにいらしたときは、正しく神の信徒として過ごされていらっしゃいました。
最後はこちらの尖塔から川へと聞いております。
私は中におりましたもので……ええ、ただ大きな水音だけは聞こえました。
……どうして、と聞かれますが、我々にはわからないのです。
ただ、神の御心がそのようになさったのでしょう。
人はみな、罪を犯す生き物です。
しかし神は慈悲深く、神に尽くせば、神はまた応えてくださいます。
もちろんです。神の扉は皆に平等に開かれておりますよ。




