5 メイドと執事
はい!お届け物ですね、はい、はい!
確かに承りました。おとどけありがとうございまーす!
はい?わたしですか?・・・そうです、勤め始めてからまだ1年たっていません
一番の新人ですけど・・・、あ!大丈夫です、新人ですけど、ちゃんとご夫妻にお渡ししますよ!
ご安心ください。
はい、あ、いぜんこちらにいらしたことがあるんですか?
あ、働いて・・・?ええ!?滞在されたことが・・・?貴族の方でしたか・・・あっ、も、申し訳ございませんっ
ごめんなさいい・・・、平民の方の服装だったので・・・申し訳ございません・・・ううぅ・・・
ええ?あ、ちがいますか・・・?あ、隣国からのお客様としていらしていたんですね!
でもそうですよね、お顔がなんだか高貴ですものね・・・お荷物をお持ちになったときどうして使用人用の出入り口にいらっしゃったのか不思議でしたもの・・・うわさに聞くお嬢様の愛人なのかと勘違いしてしまうところでした
まだまだそういうのがわからなくて・・・申し訳ございませんでしたあ・・・!
ええ?はい、あ、愛人ですか?そんな方見たことないですよお!よくある噂ですよ!
お嬢様は悪女として注目されてたんですよね!すごく注目の的だって聞いてます!
うう~ん・・・私は特に気にしないですね。特に何かされたこともないですし・・・何より私は、この家のご夫妻に助けてもらいましたのでご恩返しがしたいんです!
お2人ともずっとお嬢様のことで苦しんでおいでなのでそれが心配です。よくお二人でご相談されているようで・・・。
若君も、若奥様もお嬢様が亡くなられてからずっと落ち込んでいらっしゃいますし・・・。
昨日は奥様、独り言だと思いますけど、お嬢様は頑固者で、ずっと反抗期。いつも心配をかけてと少し怒った様子で言ってらっしゃいました。
早く元気になっていただきたいです。
・・・・・・使用人たちがお嬢様をなんて言っているか、ですか・・・?
ええっとあんまりそういう話は・・・はい、すみません。
あ、なんですか、これ・・・わ、差し入れですか?
以前お世話になったって、あ、え?これって最近話題の・・・!受け取れませんよ!
え、あっ、いただき物なんですか?うわあ・・・す、すてるだなんてそんな・・・ふ、ふたをあけないでくださいよお・・・・わ、わあ・・・、おいしそお・・・・・・・・!
ほ、ほんとに?ほんとおに、これいただいていいんですか?わあ嬉しいです~!
はっ!?これ賄賂ですか!!?賄賂ですよね!!!?だ、だめですよ。
食べている間だけですか・・・う、ぅうう~~~~!!!!ちょ、ちょっとだけですからね
それに私新人ですからお話しできることなんて全然ないですからね?
ええっと・・・その、先輩方は、お嬢様は使用人を信用していないと噂されているのを聞いたことがあります。
昔、お嬢様がまだお小さかった頃に使用人を数人を残してほとんど入れ替えてしまわれたのも次期侯爵のお兄様ではなくお嬢様だったとか聞いたことがありますね。
仕事がなくなって困る方もいらしたと聞いています。
先輩方はわがままだからよとおっしゃっていましたが・・・。
あ、ただ私がこちらで働き始めたばかりでもっと何もできない新人だったころにお嬢様にお茶を入れたことがあるのですが、緊張で失敗してしまって・・・恥ずかしいです。
自分の服と敷物を汚してしまったんです。
敷物が熱いお湯だったので少し変色してしまって、それを見たお嬢様は敷物の心配ばかりされていらっしゃいました
奥様だったら使用人を心配してくださるのにと思いましたね
でもメイドの立場ですから・・・あ、執事長!
そういった家の中の話をしてはいけないと教育したはずですが?
教育が意気届いてなく申し訳無いですぼっちゃま。
・・・ああ、失礼致しました昔の癖が抜けなくて・・・。
ええ、そうですね。わたしから申し上げられることとしては、皆様におかわりは無いということです。
荷物をお持ちくださったのですね。
よろしければ中へ・・・
そうですか。それではよろしくお伝えくださいませ。




