神様は居留守
いつの間にか秋が過ぎ冬が来た。俺とヤガラ様の関係は相変わらず続いてる。車庫前の雪かきをし、寒いので家に戻る。部屋に行くと相変わらずの着物姿でヤガラ様は煙草を吸っている。寒く無いんですかね
ヤガラ「おう膳、雪かきご苦労」
こちらに右手を上げ、ひらひらと手のひらを揺らすヤガラ様、左手には一升瓶の酒、オイどこから持ってきた
ヤガラ「年末年始のお神酒用の酒じゃよ、参加さっき社に行ったら爺どもが酒盛りしてたんでな、一本だけ盗んできた。」
さらっととんでもない事言いやがった。でもまあ社の中だしヤガラ様のテリトリーか
ヤガラ「ケッ、どいつもこいつも困ったり行事の時だけ来おって・・いい迷惑じゃ」
なんか荒んでる。なんでだ?
ヤガラ「なんでもクソもあるか!考えてもみぃ!雪空の中、ズカズカと入ってきて神様の前で誰かの愚痴大会じゃぞ?聞かされるワシの身にもなれい」
ゴッゴッと日本酒をラッパ飲みするヤガラ様、だーかーらー体に悪いて
ヤガラ「タバコ吸ってるお前が言うかソレ」
膳「ごもっとも」
確かに煙草吸ってる時点でなんも言えんわな
俺もソファーに腰を落ち着けて煙草に火を付ける。なんかヤガラ様があー!!嫌じゃ嫌じゃ!!とか愚痴零してるが気にしない
ヤガラ「それに比べ、お前は昔から元旦になっても日中にきちんとお参り来るの、よう出来た子じゃ」
ワシワシと髪を撫でられる。なんか照れますね
ヤガラ「それに比べ他のやつはーグチグチ」
あ、ループ入ったなこれ
膳「そういやさ、あそこで祀ってるのって八幡様だろ?なんでヤガラ様って俺に名乗ったんだ?」
なんとなく聞いてみる
ヤガラ「ああ、八幡は人間でいう苗字ぞ」
簡単な答えが返ってきたてことは岡八幡ヤガラ様?
ヤガラ様がそうそう、指をさしてくる
ヤガラ「正確には八幡+付喪神(九十九)のなりかけ、つまり八+この名前は我ぞ(祟り神)でヤガ+
ご神体はそこにおらんぞという意味で抜け殻のラで、ヤガラと名乗った漢字で書くと八我羅かの」
なんとも最後は皮肉な理由の名前だ
膳「てことは、岡八幡八我羅ノ(の)神?」
ムフーーーーーー!!
大正解と言うように笑顔で鼻から煙吐かれた。煙い
膳「岡八幡八我羅ノ神・・ねぇ」
いや現にこうして一緒に暮らしてんだからもう神様居ないとか思えないけどさ
膳「神様は元旦とかに高天原?だっけ?帰らんの?」
ヤガラ「あんなん人間の想像じゃ、幽世ならあるがの」
はえー、幽世はあるんだ
ヤガラ「幽世は良いぞー、わしの個人スペースじゃ、」
懐かしむように語るヤガラ様
膳「じゃあ俺死んだらそこに住まわせてくれよ」
ヤガラ「かまわんが・・屋敷の他に葦の群生と小さな池くらいしかないぞ」
えー?ホントに来るのー?みたいな顔でヤガラ様が言う
膳「そこで煙草の葉栽培しながら暮らすわ」
ふぅーーと、煙を吐きPCでゲームをする
ヤガラ「その発想はなかったのぅ!?よし!今すぐこの世とおさらばじゃ!!」
がっしと俺の両肩を掴み屈託のない笑顔でそういうヤガラ様、おい、物騒なこと考えんな
ヤガラ「え~~~~~~~」
ヤガラ様がうなだれる
俺はブラックラグーンとこのゲームが完結するまで死にたくないの
ヤガラ「しゃーないのう・・ほんの30年くらいか?それぐらいなら待とう」
あ、やっぱ時間感覚違うのね
ヤガラ「ヌ?」
ゴーン、ゴーンと除夜の鐘が鳴る。今年も終わりかぁ
膳「今年もよろしく~」
新しい煙草に火をつけ、ヤガラ様の前に出す
ヤガラ「よろしくの~」
火のついてない煙草を咥えて俺の煙草に近づけるヤガラ様、シガーキスだ。もう何回やったっけな
所で参拝客の顔とか見たり願いとか聞いたりしなくていいのか?と思った
ヤガラ「ほっとけ、どうせ皆似たような願いじゃ、今年も元気にとか、来年はもっと金が溜まるようにとか、勝手に育って勝手に死んでくのじゃ・・人間どもは」
どこか遠いとこを見ているような目をしてる。こんなに顔近いのに
ヤガラ「わしはな、膳、寂しいのよ、みんなわしより先に死んで、忘れて、廃れてく、だがワシだけが残る。もう・・嫌なんじゃ、飽きたんじゃ」
まじめなトーンで寂しいことをいうヤガラ様。ああ、この言葉をきいて今思ってるのは、このまま永遠に一緒に煙草を吸っていたい、という願いだった
ヤガラ「のぅ、お主、今願ったな?このワシに」
げ、読まれた
ヤガラ「もう逃がさん・・逃がさんぞ・・もうお前はワシのじゃ・・ワシだけの物じゃ、他の神や魔になぞくれてやるものか」
ガシっと後頭部を掴まれ、煙草を取られる、なんならなんかの布で目隠しされる・・っていででででで!?なんか・・なんか縛られてる!?う・・動けん!!見えん!!
ヤガラ「縛方というてな?昔使われていた武芸の一つよ、さて、聞こえはするが動けぬ見えぬ、面白かろ?」
ぜんっぜん面白くないわい!!
ヤガラ「言ってろ、さあ、、契りじゃ」
なんかシュルシュル聞こえる!!バサッて何!?
ヤガラ「わしと共にいて一年もった祝いじゃ、今日は楽しめ」
なんか柔らかい・・コレ肌ああああ!?うっそおおおこんな状況で!?蛇に睨まれたカエルの如く!?
ヤガラ「わし、化生の姿は蛇ぞ」
そーーでした!!!じゃあ俺はカエルか!!
膳「ン‘‘ン‘‘-----!!!????」
せめてもの抗議に声を出す
ヤガラ「これこれ、そんなにもがいてくれるな・・そそるではないか」
ギャーーーー!!!火に油!!!
ヤガラ「さぁ・・ともに今夜は激しく燃え盛ろうぞ♪」
アカーン!!!神様助けてーーー!!!
膳「モガーーーーー!!!」
ヤガラ「おお、助けてやるとも・・膳♪」
そーーいやコイツ神様だあああああああ!!
雪の降る静かな元旦の夜、どこからか膳の悲鳴が響き渡ったそうな
いやーーついに艶っぽい事少しは書けたかな?と思いますどうもドミンゲスです
風呂入って思いついて書きましたが、こっちの方がネタは出る出る。もう一個の作品はまだネタが出ない
全く嬉しいやら悲しいやら、とにかくもう少し続きます。次の舞台は10年後
膳58歳ですね、さてさてどうなるやら、続きを楽しみにしててくれたら嬉しいです
補足ですがヤガラ様の名前はヤニのすいがらからヤガラと思いついたりしてます。しょーもないですねはい




