神様と宗教勧誘
あれから季節は完全な夏になり、うだるような暑さが続いていた
膳「あ‘‘あ‘‘あ‘‘~~~~~~~っつい」
この猛暑の中エアコンが壊れやがった・・クソッ
半狂乱になりながらソファーに大の字になり、うちわで扇ぐオレ
もーーヤダ、連日猛暑猛暑猛暑、しまいにゃ燃えるぞ、俺が
ヤガラ「辛抱せい、男の子じゃろ?」
相も変わらず煙草をふかしながら時々水を飲んでるヤガラ様
膳「お前さんだってふんどしに上裸じゃん」
サラシ巻いてるけど
ヤガラ「膳が暑い暑い言うからじゃ、わしまで暑くなったわ」
煙草をふかしペットボトルの水をこぼしながらがぶ飲みするヤガラ様
膳「PCには零さんでくれよ~、壊れるから」
ヤガラ「わかっとるわい」
ぶはぁ~と息継ぎするヤガラ様、こぼれた水が胸に落ち光に反射する。ああ、その水になりたい
ヤガラ「なに考えとんじゃいこのスケベ!しっかりせんか」
ううう、確かに何考えてんだオレ、いくら美人だからって思考がスケベに行く歳はもう過ぎてんだろ
しっかりしろオレ
ヤガラ「ン」
ヤガラ様が火のついてない煙草を俺に向ける。アレ(シガーキス)以来時々こうやって火をねだるようになった。
膳「ハイハイ」
ソファーから起き上がりジッポライターで火を付ける。満足そうに俺に向かって煙を吐く、だから煙いっての
ヤガラ「ムフー」
も一つおまけに鼻からの煙もかけてきやがった、コノヤロー
膳「そんなに煙吹きかけんなよ、こっちも煙草吸いたくなるだろ」
まーじでこの煙の良い香りを匂い嗅ぐと吸いたくなる
ヤガラ「おう、吸え吸え、その方がワシも気兼ねなく吸える」
膳「ン」
火のついてない煙草を咥えてヤガラ様に向ける
ヤガラ「ほい」
ポッ、と指先に火が灯り煙草に近づける
ジジ・・音を立てて煙草に火が付く、吸い込む
膳「ふはぁぁあ、あ~、効く~~」
ヤニが・・濃密な良い香りの煙が満ちる・・イイ
ヤガラ「わしの火は効くじゃろ?」
満足そうにそう言うヤガラ様、ん?よく考えたら水関連もなんか起こせるんじゃね?
ヤガラ「無論」
当然のように答えが返ってくる。オイオイじゃあ雨降らせられんじゃん、暑くなくなるじゃん
ヤガラ「出来るが疲れるし、何よりそう簡単に自然を変えちゃいかん」
教師みたいなセリフが返ってきた。
膳「え~、ケチ」
ヤガラ「何と言われようとダメじゃ、供物を供えたうえでの雨ごいならやってやらんでもない」
うわ~、急に神様らしい一面出してきたよ。まあ神様なんですが
ピンポーン!・・ピンポーン!
膳「あ?」
突然インターホンが鳴る
ピンポーン!ピンポーン!
膳「うっせーなぁ・・留守ですよー」
勧誘新聞お断り、さっさと帰りやがれ
ピンポーン!・・ぴん
ヤガラ「のう、なんか鳴っとるぞ」
ヤガラ様が少し警戒しながら俺に聞く
膳「どーせ新聞かテレビの勧誘だって」
それにしても鳴るなぁインターホン、宅配あったっけ
身体を起こしてドアに向かう、なんかすいませーんとかまで聞こえる
ヤガラ「出るのか?」
ヤガラ様もついてくる
玄関のドアを少し開ける
膳「はーい?どなたで・・」
ドアを掴まれて全部開けられた。うわぁ・・厄介ごとの予感
?「私、○○という宗教の~」
ハイ正解~!!!かー!!この暑い中ご苦労なこって
?「ペラペラペラペラ」
あ~も~勘弁してくれよ家にはもう居るんだよ神様が・・って・・
ヤガラ「・・・ギリィッ!!!」
いつの間にか隣に居たヤガラ様に目をやる。なんか毛髪逆立ってますけど!?え!?なんかヤバい!?
ヤガラ「・・・」
ひぃっ!?なんか固く握られた拳がメリメリ言ってる!?しかもどっから出たその牙!!と筋肉!?
まさに怒髪天、宗教勧誘が喋れば喋るほど毛が逆立ちなんか空も曇ってくる
宣教師「ですからね?ぜひあなたも神に~」
膳「あのーウチ神様居るんで、なんならアンタのこと祟りそうなくらい怒ってますが」
とりあえずサッサとお帰り願おうと話を割る・・が
宣教師「我々の神は唯一無二の存在です。ですから」
だ~めだこりゃ
ヤガラ「ヌ‘‘!!!!‘ン‘‘‘‘!!!!」
ヤガラ様が何か力を込めたと思うと閃光が目を覆った。後から遅れて音が来る、雷だ
宣教師「ヒィッ!?!?」
本気の悲鳴だったな今の
膳「ね?ウチいるでしょ?」
やれやれのポーズをとる俺、
宣教師「し・・失礼します~~~!!!!」
あわ食って帰ってった、ま、自業自得だわね
それはさておき玄関を締めヤガラ様を見る
ヤガラ「フーッ!!・・・フーッ!!」
完全にキレてらっしゃる。初めて見た・・おおう白目も真っ黒
ヤガラ「許さぬ・・許さぬ許さぬ許さぬ許さぬ許さぬ許さぬ!!!!!!」
顔を両手で覆い完全にキマッてる。さすがは神、流石は元祟り神
膳「オイオイ、もう大丈夫だよ、ほら、ちゃんといるだろ?」
おっかなびっくり泣く子供をあやすように抱きしめて背中をさする・・ん?触れる??
ヤガラ「オオ・・・お、膳、何ともないのか?」
あ、正気に戻った。てか筋肉も縮んだ
膳「おかげさまで厄介払いできたぜ、だからホラ、部屋戻って煙草吸おう・・な?」
相変わらず触れる背中をポンポンする
ヤガラ「・・・うむ」
うなだれながら部屋に戻る。煙草を咥えさせて火を付けてやる。飴ちゃんかな???
ヤガラ「・・やって・・しまった・・」
小さくなんか呟いた
膳「あい?なんて???」
ヤガラ「やってしまったぁぁぁぁ!!!!恥ずかしいぃぃぃ!!!」
煙草を咥えたままソファーに座り頭を抱えてジタバタするヤガラ様
ヤガラ「アア――――――・・・」
今度は虚無顔で天井を見始めた、なんか面白いな
俺は吞気に煙草に火を付けプカプカする。とりあえずベット座ろ
少ししてヤガラ様が大人しくなった。なんでも神様の目の前で宗教勧誘されることは目の前で彼氏彼女がナンパされたようなモンらしい、そりゃキレるわ
膳「ま、安心してくれー、今更鞍替えなんかしねーよ」
フーッと煙を吐く
ヤガラ「ホントか!?・・あ、いや、膳の事を疑ってるとかではなく・・その」
ヤガラ様がしどろもどろしてる。ケケケ、こりゃ面白い
膳「そうだなぁ・・今ある雲をそのままに風とか吹かせてくれたらもう確実ですな~~」
ちゃーーーんす、そう思い出来心から言う
ヤガラ「任せろ!」
は?やっちゃうの?マジで?
そよそよと開けっ放しの窓から風が入る。オオイ!?なんかこれ俺が悪者じゃんか!!
膳「供え物はまたスイカ味の煙草でOK?」
ヤガラ「うむ!!」
あぶねーあぶねー、良し、悪い大人になるの回避
しばらくして、夕方
ヤガラ「わしゃのー・・膳を気に入っておるのよ、だからもう我慢ならんくてな?」
ずーーっとこの話だ、ひたすら灰皿にお互いの吸殻が溜まる
膳「わかってるよー、別に怒ってないから、むしろ感謝しかないから」
風の事もあるしな
ヤガラ「でものーー?仮にも神のワシがヤキモチなぞ・・・ブツブツ」
はーいループ入りましたーーーお客さん延長でーーーす
膳「だーーーもーーーー!!追っ払ってくれたのと風でチャラだから!!実害なかったんだからいいの!!」
もー無理、自分の鬱状態の時見てるようで心が痛い
ヤガラ「しゅーん」
うわ、口に出して落ち込んでるよ、マジかよ
膳「ハァー・・ン」
火のついた煙草をもみ消し新しいタバコを咥える
ヤガラ「?」
膳「?じゃねぇよ火くれ火!!」
ヤガラ「は、はい!」
丁寧語になりながらもいつも通り火を灯してくれるヤガラ様
大きく、なるべく多くの煙を吸い込む
フーーーーーーーッ!!
思い切りヤガラ様の顔に吹きかける
ヤガラ「うっ!?・・げほっケホっ!!」
よし咳込んだな、ざまあみろ
盛大にせき込むヤガラ様を見ながら吸うたばこは格別だなァ
ヤガラ「何をする!!」
ヤガラ様が食って掛かる。お?調子少し戻ったか?
膳「何って・・それ言わせちゃう???ホントに言わせちゃう??」
ヤガラ「何じゃ一体!?それより・・ヒドイじゃろうが!!」
へっ、釣れた釣れた
ヤガラ「ふーーーーーっ!!」
ヤガラ様も負けじと俺の顔に煙を掛けてくる
はーい、一本釣り~
膳「あーあー、そんなに熱心に吹き返してくれちゃって~、照れるじゃん」
俺は大げさにやれやれとジェスチャーしながら言う
ヤガラ「照れる?何じゃ??」
あ、ほんとに知らないの、うぶだねぇ~~~~!!!!!
膳「PCに顔突っ込んで異性の顔に煙草の煙吹きかける意味調べてみ」
言うのは俺も恥ずかしいので自分で調べさせる
ヤガラ様が?を浮かべながら顔をPCに入れ数秒で戻ってきた
ヤガラ「・・・」
膳「お?」
ヤガラ「・・・」
見事に固まってらっしゃる。
膳「さーて、飯飯」
煙草を消し、そそくさと部屋を後にする
ヤガラ「gpィj@オjspj@sjj:アkソjsハlジャオsjピhピジョアjおj!!!!」
ドアの向こうから言語化できない悲鳴を聞きつつ、俺は台所めざして階段を下りるのだった。




