妖怪ってよくわかんない
い‘‘だ~~~~い‘‘
俺は今ヤガラ達から治療を受けている。傷は深くはないが何しろ数が多く特に薬草とやらが染みるのなんのって
膳「これくらいの傷大したことないって思ってたのに~」
俺は気を紛らわすために縁側で煙草を吸う
茨木童子と親子喧嘩で俺はいたるところにすりつぶした薬草を貼られていた。特に防御の際に出した両腕の
傷が思ったより深かったらしく、軽く抉れているとのこと、恐るべし茨木童子
江鬼「それぐらいの傷で済んでよかったよ」
江鬼が隣で煙草の煙を吐きながら言う
ヤガラ「ふん!お前はワシの嫁という自覚が足らんのじゃ!!良い薬じゃよ全く」
もぐもぐと何かの肉を食いながら嫌味を言う、悪かったってば
江季公「いやしかし・・肝が据わっとるとは思っていたが茨木様と喧嘩するとは思わなかったぜ」
同じく何かを食いながら話す
当の俺はと言うと・・
茨木童子「ん~~~~!!♪とと様~~~~とと様~~~~♪」
膳「お~よしよし、かわいいね~茨木~」
茨木童子に抱き着かれずっと胸に顔をうずめられている。角が頬に刺さって少し痛い
あれから茨木童子はひとしきり泣き、少し寝た。俺も茨木童子の殺気に当てられ少しの間気を失っていたらしい、起きたらとと様とと様とこの様子だ
目の前には肉やら酒やら果物やら、どうやら気を失っている間に妖怪たちが事の顛末を知り、茨木童子に父親が出来た祝いとかで持ってきてくれたらしい、有難いことだ
膳「しっかしまぁ・・結婚もまだなのに子供とはねぇ・・自信ねぇなぁ」
煙草をふかしながら改めて実感する。まさか俺が一番嫌いだったものになるとは・・
ヤガラ「その茨木様への接し方で子煩悩そうなのが見え隠れしとるがな、ま、大丈夫じゃろ」
膳「俺が??子煩悩???馬鹿言え、どこがだよ」
俺は反論する
茨木童子「とと様俺あの肉食べた~い」
膳「おお、これか?よ~しほらあ~ん」
茨木童子「あ~ん」
江季公「・・子煩悩だ・・」
江鬼「だね」
ヤガラ「じゃろ?」
膳「失敬な、どこがだよ」
俺は子供には厳しいんだぞ
茨木童子「とと様次あれ~」
膳「おおよしよし、ほら、あ~ん」
3人「これは親馬鹿か」
みんなしてひどいね、俺は純粋に父親やってるのに
江季公「しっかしまぁ・・あの茨木様の因果がまさか普通の子供の様にされること、とは」
江鬼「ある意味、僕たち妖怪には無理だねぇ・・」
ヤガラ「皆、茨木・・・様には恐れの念を抱いていたからのぅ・・」
あれ?酒吞童子って確か茨木童子より強いんじゃなかったっけ?それなら父親になれる気もするけど
茨木童子「酒吞童子は姉弟だぞ?姉君とよく呼んだものだ」
はぁ!?酒吞童子が女ぁ!?しかも茨木童子が弟だと!?
膳「俺・・やっぱ妖怪ってわかんねーーー」
ん?じゃあ待てよ?茨木はどっちなんだ?
茨木童子「俺はまだ決めてない!ほれ」
バサァ、とおもむろに茨木童子が着物をめくる・・・・どっちも・・・ない!?!?
茨木童子「とと様にあった時決めてもらおうと思ってたからなー、とと様はどっちが良い?」
とりあえず冷静に茨木の着物を直す。
若い子が簡単に体を見せるんじゃありません、お父さん怒りますよ
膳「とりあえず今は保留で、なりたい自分になりなさい茨木」
親が性別決めるなんてありえん、のびのび自由に育って欲しい
ヤガラ「・・・親バカめ」
ヤガラさん?俺が父親ってことはアナタ母親になるんだからね?そこんとこわかってる?
ヤガラ「ほぅ・・ということはワシとも子を成してくれるのか、うれしいのう」
自分で言ってからしまった・・と思った。ヤガラの眼が怪しく光り、にたりと笑う、俺、終わった
江季公「おい!ずるいぞヤガラ!!俺も夫だが体は女だ!子を成せる!!」
江季公さんが抜け駆け!とばかりにヤガラに食ってかかる
江季公さーん、これ以上話を悪化させないでくれー
江鬼「僕も・・体は男だけど・・頑張るよ」
江鬼さんが顔を赤らめて言う
膳「ナニを!?ナニを頑張るの!?」
思わず声に出して聞いてしまった。いや本当に何を頑張るの!?
江鬼「・・・(もじもじ)」
無言でもじもじしないでぇぇぇぇ!?エ!?そういう流れの話だっけ!?コレ!?
茨木童子「とと様はモテるな~、俺も頑張らないと」
張り合わなーい、そこ、よくわかってないのに張り合わなーい
ヤガラ「・・・膳はワシの嫁じゃ江季公」
ヤガラの髪が静かに逆立つ
江季公「別に、膳次第だろうが、八我羅様よ」
ビキ、と江季公の腕に力が入る
あーもー勝手にしてくれ・・・
俺は全てを諦め煙草に火を付ける。ああ、美味い
茨木童子「とと様も苦労人なんだなー」
まるで自分が蚊帳の外にいるように話す渦中の我が子
江鬼「ねぇ・・膳、」
いつの間にか背後に居て、俺に両手を回しながらきれいな声で江鬼が囁く
江鬼さん?江鬼さん???なんか目が怖い、凄く恐い
気のせいかあたりが煙いような?
江鬼「僕の得意技の一つは隠形、この煙が出ている間はヤガラ様もねぇさんも気づかないよ」
膳「江・・江鬼??さん???」
俺は回された手をそっと放そうと・・放そうと・・ほ☆ど☆け☆な☆い☆!!!
江鬼「しよ?・・僕・・頑張るから」
何をーーーー!!!???何を頑張るのーーーー!!??
膳「や・・むぐっ・・む‘‘----!?」
ヤガラの名前を呼ぼうとして片手で口を塞がれる。江鬼がしー、と耳元で囁く
すぐ目の前で激しく取っ組み合いしてるヤガラは気づかない
江鬼「茨木様、寝所お借りしますね」
サラッと小声で茨木になんてこと言いやがる!!
茨木童子「おう、いいぞ」
我が子ーーーーー!?!?
呑気にとと様頑張れ~とか笑顔で答えてる場合か!!
江鬼「さあ、いこ?」
ずるずるとどこかにある寝床に引きづられていく俺、江鬼の普段は優しい笑みが今は凄く恐い
た・・助けてぇぇぇぇぇぇ!?!?
――4時間後――
ゆっくり煙草を吸いながらつやつやの肌で膳を支える江鬼と、カラカラ寸前の膳がおぼつかない足取りで
縁側に戻ってきた
ヤガラ「おう!・・おう?なんじゃ膳、お主・・抱いたのではなく抱かれたのか???」
ヤガラが俺の有様を見て言う
いや・・抱きましたよ?しっかり、気づいたら干からびてた
ヤガラ「ははーん、さては江鬼の淫氣煙を吸ったなお前」
膳「いんきえん?なんそれ」
俺はプルプルしながらやっとこさ座り、茨木が持っていてくれた水をがぶがぶ飲む
ヤガラ「その煙を吸うとな?こう・・湧き上がってくるのよ」
ヤガラが身振りで伝えてくれる
ああ、理解したつまりは媚薬か、本当にあるんだ、媚薬
ヤガラ「して、どうじゃ?江鬼、膳は」
ヤガラが江鬼に問う
江鬼「もうほんと最高だったよぉ~、僕も熱が入っちゃった」
嬉しそうに報告する江鬼、つやつやである
ヤガラ「そうかそうか、イイだろう?膳は」
自慢げに自分の事の様に言うヤガラてっきり怒るかと思ったが違った
ヤガラ「何故怒らにゃならん、自慢の嫁兼夫が高く評価され、嬉しくないはずないだろうに」
はえーそういうもん
ヤガラ「そーいうもんじゃ」
江季公「じゃー次は俺とー♪」
がしぃ、と江季公の肩を掴む
ヤガラ「おまえはダ・メ・じゃ♪」
笑顔で青筋を立てるヤガラ
江季公「ぐぬぬぬ・・」
まーた始まった
俺は煙草を吸う
江鬼「一本もらっていい?」
江鬼がおずおずと聞いてくる。さっきまでの妖艶さは何処へやら
膳「ほい」
俺は一本取って渡す。江鬼が火を付け、美味しそうに吸う
江鬼「ああ・・美味しいなぁ」
俺も火をつけ吸おうとして・・ヤガラに担がれた
ヤガラ「茨木様、ワシも寝床をお借りする」
は?おい冗談だろ
茨木童子「おお、いいぞいいぞ」
茨木ィィィ!!
ヤガラ「なーに、いつものようにワシが氣を送ってすぐ復活させてやる」
い‘‘!?アレやるの!?
ヤガラ「ワシも江鬼の淫氣煙に当てられての~もう我慢できんのじゃ」
んなアホなーーー!!!
俺はヤガラに担がれながらこれから行われることに若干諦めを感じていたが心では叫ばずにいられなかった
――ヤガラ達が去った縁側――
江季公「ヤガラのやつ、素直じゃねーなー」
江季公が酒を飲みながら言う
江鬼「でも、なんだかあの二人・・特別だよね」
江鬼が膳からもらった煙草を美味しそうにふかす
江季公「あーあー!俺も膳に抱かれてーーなーーー!!」
ゴロンと江季公が寝転ぶ
江鬼「姉さんも頑張れば受け入れてくれるよ、きっと、そのためには加減を覚えなきゃね」
煙を吐きながら江鬼が言う
茨木童子「なんだ、江季公、お前もとと様に抱かれたいのか?」
果物を齧りながら茨木童子が問う
江季公「はい!もちろん!!」
江季公が元気よく返事する
茨木童子「そうか・・八我羅攻略は難しいぞ、あのモノは穢れ憑きじゃ」
江季公「わかっております。ですが俺も引けません、必ずや納得していただきます」
江季公が姿勢を正し告げる
茨木童子「まあ・・穢れ憑きの問題も・・もしかしたらとと様が何とかするかもしれんそれまで辛抱だな」
既に寝床に向かった膳と八我羅の方を見て茨木が言う
そのあとにはただ、煙草をふかす音と果物を齧る音だけが少し響いた




