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神様の言うとおり

膳「ううっ・・うう~・・っ」

暑さで目が覚める。そーいや昨日は神様?が家に来たんだっけ、そう思いながら重い身体をぐるんと反対側に向ける。目の前にはプカプカ浮きながら寝てるヤガラ様、いやもうホント便利ですねソレ

ヤガラ「くー・・かぁーっ・・くぅー」

浮きながら丸まって寝息を立ててるヤガラ様、こうしてみると神様ってより浮いてる巫女さんだよなぁ

むくりと起き上がりすぐに食前の薬を飲む。これを飲み忘れるとヤバい、気分が一気に落ちたり無駄になんでもできるような感覚になって無駄遣いするハメになる。要するに一喜一憂しまくって冷静じゃ居られなくなるのだ。

膳「全く・・困ったもんだよ」

それもこれも前の会社が躁うつ病を理由にクビにしたせいだ、と独り言ちる

膳「・・・はぁ、顔洗お」

やめやめ、くだらないことは一切考えない。過去は過去、今稼げて喰えてるから問題ない

ヤガラ様を起こさないようコッソリ抜け出す。顔を洗って歯を磨く、これがないと顔と口が気持ち悪い

膳「さて・・上手く炊けてますかね」

のそりのそりと階段を下りて台所に行く、炊飯器の蓋を開けてすかさず中身を混ぜるといい匂いと湯気が

立ち昇る

膳「うん、いい出来だ」

茶碗に麦飯を盛り、鯖缶の残りをテーブルに置く、なんか足りんな、ハムと卵焼きでも焼くか

フライパンにハムを二枚引いて焼く、程よく焼けたところに卵を割り入れて少し水を入れて蒸し焼きにする。ジューといい音が鳴る

膳「いいね、腹がすく音だ」

ヤガラ「そうじゃのう、温かい飯なんぞ何年振りか・・」

そうだろうそうだろう、この音聞きゃ誰だって腹が減る・・ん?

膳「起きたんかあんた、」

天井から顔と首だけ生やしてこちらを見ているヤガラ様と目が合う

ヤガラ「おうよ、久方ぶりに良い目覚めだった。やはり煙草の煙の中で寝るのは良いのう」

膳「あんた通だね、わかってんねぇ」

ハムと卵をさらに移しながらニヤリと笑う。ああ、なんて良いやり取りだヤニカス冥利に尽きる

膳「ほんで?あんたも食べるかい?」

ヤガラ「頂こう」

ニュッと身体を天井から生やしクルリと宙返りをするヤガラ様

膳「なら茶碗の用意・・」

ヤガラ「その必要はないぞ」

ヤガラ様が俺の言葉を遮る。え?今食べるって言ったよね?どうやって食うの?

ヤガラ「主の身体を借りて喰う。その方が効率がいいだろう、生のまま食べてた時は自分で食っていたが

流石に人様の食料となるとな」

言うが早いかヤガラ様が俺にスタスタと突っ込んできて、消えた

膳「ちょちょちょ、どうなったんだ?」

頭の中に声が響く、心配せんでも体の主導権は握っておらん、ホレ、早う食え

膳「あ、ああ」

要するに憑依して喰うってわけか、食材が減らないのは助かる

ヤガラ「正解じゃ」

にゅっと俺の心臓付近から顔が生える。なんかびっくり人間みたいだなコレ

そう思いながら頂きますと両手を合わせる

麦飯をかき込みながら鯖の身を食う。旨い

水を飲み、流し込んでから今度は半熟卵に醤油をかけ、割り、麦飯と共にかき込む。うん旨い

ヤガラ「食も随分変わったのう、旨いことに越したことはないが、嗚呼・・温かい飯旨いのう」

どうやらヤガラ様も気に入ったようだ。

最後に水をゴクゴクと飲みそそくさと洗い物を済ませて二階に上り部屋に入る。同時に同化していた

ヤガラ様が分離する

ヤガラ「いやぁ・・旨かった、久しぶりに温かい飯を食った。感謝する」

ぺこりとお辞儀をされた。なんだか照れくさい

ソファーに座り煙草に火を付ける。ジジ、と焼ける音が微かにして一気に吸い込み、煙を吐く

ヤガラ様を見る。どこぞの大仏よろしくゴロリと横になり浮きながらこちらを見ている

膳「ン」

一本の煙草をヤガラ様に向ける。ヤガラ様が嬉しそうに受け取り火を付け息を吸う

ヤガラ「こぉぉーー・・」

聞いたことのない効果音で煙を吐き出すヤガラ様、なんだよコォォーって、太極拳かよ

ヤガラ「いやぁ~甘露甘露、飯も良いがやはりコレよなぁ・・あとは酒とスイカがあればいいんじゃが」

満足そうに鼻からフーーンと煙を出しながらヤガラ様が少し残念そうにする

膳「あるぞ、酒」

ポツリと膳が言ったことに全力反応するヤガラ様

ヤガラ「あるのか!?どこじゃ酒は!?どこ!?」

めっちゃ両肩掴みながらえらい剣幕で揺すられた。御神酒上がらぬ神はなしってか

膳「その辺」

記憶を頼りに煙草の空箱でパンパンのごみ袋の山の辺りを指さす。てか部屋きったな、俺の部屋だけど

ヤガラ様が酒!!酒ちゃーん!!と叫びながらごみ袋の山に顔を突っ込んでる。絵面がひどい

少しして、いたああああ!!と高々に酒瓶を掲げるヤガラ様、だから絵面がひっでぇ

ヤガラ「主も飲むか?!」

ワクワクウキウキしながら酒瓶の封を切るヤガラ様

膳「遠慮しとく、今から出かけるし、それに、今飲んでる薬は酒厳禁でね」

手を前にやりノーの×を作る

ヤガラ「そうか・・じゃあワシは飲ませてもらうぞ!♪」

しょぼんとしたのもつかの間、笑みを浮かべて・・・ラッパ飲みし始めやがった・・

ヤガラ「ングッングッ・・くっはぁぁぁぁぁ~~、あ~~~~効く~~~」

盛大に酒臭い息を吐くヤガラ様、ホンマに神様なんだよな?

膳「んじゃ俺出かけるから、火の始末だけ気をつけてくれよ」

着替えて部屋のドアノブに手を掛けながら後ろを振り返る

ヤガラ「お~う、行ってこい行ってこい、あ、水買うの忘れるなよ~」

ソファーにだらしなく座り、ラッパ飲みしながら煙草をふかすヤガラ様がそこにいた・・

見なきゃよかった

ガチャリと玄関のカギを締め車庫に向かう。さてさて、どうなることやら


――午後14時頃――

ガチャリと玄関のカギを締めて家に入る。ほんとに水買ったらえらいことになった。ヤガラ様に報告せにゃ、部屋のドアを開ける

ヤガラ「お~?おひゃえりぃ~~」

酒臭ッ!?!?おあ!?なんだこりゃあ

そこにはおそらくヤガラ様が飲んだであろう酒瓶の殻がゴロリと転がっている。銘柄を見れば・・うわぁ、ジン飲んだんか・・

煙とは違う酒臭い息を吐きながらふいーー!と言っているヤガラ様、その手にはバカルディの瓶

ヤガラ様「うい~、ングッングッ・・ぷひゃーーー!!」

うわぁ、ラム酒をラッパとかアル中でもやらんぞ、

膳「西洋の酒もイケる口だったのね、ヤガラ様」

空瓶を部屋の隅に片づけながら話しかける

ヤガラ「いやぁ!西洋の酒は強いのう!そこの黒い瓶の酒なんぞ飲んだら喉が焼けるような何とも言えん感覚だったぞ!火でも吹くかと思うたわ」

そりゃジンだからね、すくなくとも60度以上あるからな、てか臭い、臭いよヤガラ様

ヤガラ「だぁれが臭いじゃあ!!ワシはくさくぁいいぃ」

心読むな、プライバシー侵害だぞ

ヤガラ「ぷらいぼしー?つまみか?」

膳「なんでもねぇよ、それよか今日、言われた通り水買ったら、スロット台選んでるときに落としてな

その場所の台に座って打ったら勝っちゃったよ」

いやまーじで連荘するなんてな、臨時収入だわ

ヤガラ「すろっと、というのはなんぞ?」

ヤガラ様が酒を飲むのを中断し興味ありげに聞いてくる

俺は服を脱ぎ下着姿でベットに腰を下ろす

膳「早い話が博打だよ、相手は機械だがな、たまに友達と行くんだ」

ヤガラ「ほう!で?その袋に入ってるのが戦利品か??」

ぬぅっと三白眼全開に猫口までして袋をのぞき込んでくる。ネコかあんたは

膳「ああ、勝った金で買ってきた。余りはガソリン代にしたがね」

ガサガサとビニール袋から煙草のカートンを二つ、それからスイカ色の箱二つ、黒い箱二つを取り出す

ヤガラ「この長いのはお主が吸ってる煙草と同じモノよの、こっちのは・・なんじゃ?」

興味深そうに猫の飛び掛かる姿勢で待ってる。だからネコかあんたは

膳「これはヤガラ様用の煙草だよ、あんた、スイカがどうのって言ってたよな?実はあるんだ、スイカ味の煙草」

ヤガラ様がきょろりと俺の方を見る。んでもって?を浮かべる

膳「まあ、見てな、」

ぺりぺりと包装紙を剥がし、中の紙を一部取る

ヤガラ「ツェッ!?」

ヤガラ様が素っ頓狂な声を上げて巨大な白い蛇になる。は?何そのかくし芸

ヤガラ「ス、、スイカの皮の匂い・・ッ!?わしは身の方が好きなんじゃ!!」

ヤガラ様?が苦々しく抗議する

膳「どうどう、まあ一本付けてみなよ」

いつものヤガラ様に戻り、怪訝な顔のまま煙草を咥える

ヤガラ「ム?なんじゃ?なんか仕込みがあるの」

カプセルの事だろう

膳「火ぃつける前にソレ噛み潰して吸ってみ」

言われた通りパキンと噛み潰し、指の火で煙草に火を付けるヤガラ様、

意を決したように思い切り吸い込む、真顔になった

ヤガラ「お・・おお!なんと面妖な・・スイカじゃ!!スイカの甘味じゃ!!」

吸いながら小躍りするヤガラ様、なんか可愛い

膳「最近の煙草すげーでしょ」

吸って煙を吐いては唇をなめる。を繰り返してるヤガラ様

ヤガラ「すげーのぅ、ははは!これだから人間の発想力はすごい!!」

ハート型の煙を出しつつ喜びまくるヤガラ様。いやあんたもすげーよ、どうやってんだよ

あっという間に一本吸い終って二本目に行こうとするヤガラ様

膳「おっと、待った待った」

慌てて止める俺、次はコイツ、ブラックデビルだ

ヤガラ「んん?なんだ?これもスイカか?」

またネコみたいな目になるヤガラ様、かわいいね

膳「とりあえず水でも飲んで一回仕切り直しを」

ゴッゴッとラム酒をラッパ飲みするヤガラ様、だからーもー

ヤガラ「これでよかろう!!」

膳「ヤガラ様が良いならいいんだけどね?」

包装紙を開け、さっきと同じように前紙を・・そんな逃げなくて大丈夫だから、

ヤガラ「また青臭いのはヤダゾ・・?」

警戒度MAXのヤガラ様に大丈夫大丈夫と封を開け一本差し出す

近寄ってきて煙草をふんふん、やっぱ猫だ

ヤガラ「ヌ・・甘い香り・・」

膳「そう、バニラっていう甘い香りの煙草だ」

フィルターの部分もすんすんと匂いを嗅ぎ、パクリと咥える

カキン!とジッポライターを開き火を付ける。ヤガラ様がスゥーと息を吸う

ヤガラ「あまぁぁぁい♪」

ふはぁぁあと煙草の煙を吐く、どうやら気に入ってもらえたようだ

膳「これもなかなか良いだろ」

反応に満足し自分も煙草を咥える。ヤガラ様が無言で指先に灯した火をくれる

ジジ・・と煙草に火が付いた。今日はハイライトだ、吸い込みラムの香りを楽しむ

膳「あああ~~~~好き」

ふふぉーーーと煙を吐きベットに手を付く、ヤガラ様は煙でハートと矢を作ってハートに矢を命中させる

Maskのジムキャリー様かあんたは

ヤガラ「良きかな・・幸せじゃ~~」

ヤガラ様が煙草を二本吸いしながら満足そうに煙を吐いてまたラム酒を煽る。煙い煙い

その時思い出す。昨日今日ゲームをしていないことに

膳「ログインボーナスとスタミナ消費忘れてたわ・・やらなきゃ、ヤガラ様そこどいて」

急いでソファーに腰掛ける。ヤガラ様が貫通した。物理干渉できんのにこっちからは透けるとか、仕組み

どうなってんの

ヤガラ「秘密じゃ」

膳「心を読むな」

ええい、今はそんなことどうでもいい、ゲームログインログイン

PCを立ち上げアイコンをクリックする。見慣れた画面が立ち上がる

コントローラーを使いカチカチとログインボーナスとスタミナを消化する作業に入る

ヤガラ「最近のてれびはハイテクじゃのー、しかもワシが見たときは白黒だったが、今は色鮮やかじゃな」

白黒テレビて、いつの時代だよ、あとこれはパソコンだ

ヤガラ「ぱそこん?」

興味が出たように半ば俺と同化してる位置で煙草をふかし今度は焼酎を飲みながら見つめてくる

酒くせぇ

膳「便利な時代でね、今じゃコレひとつで色々できるんよ」

画面から目を反らさず敵を倒し続ける俺、よし、あと一回

ヤガラ「便利だなぁ・・」

煙草を咥えながらずっとゲームを見つめてくるヤガラ様

ヤガラ「氷の弓に短筒使い、皆いろんな能力持っとるのお、こっちの人間より遥かに強そうじゃ」

膳「そーゆーキャラなんだよ、こっちにゃ魔法がないし、こんな特殊能力なんか無いからなそういう人間を作って楽しむんだよ」

ヤガラ「はぁ・・して、これはなんのためにやる」

膳「娯楽だよ娯楽」

ヤガラ「なるほどのー、そりゃあ子供が外で遊ばんくなるわけじゃ」

納得がいったように煙を吐き出すヤガラ様

膳「まぁ、だいぶ前から外で遊ぶ子供は減ったな」

自分が子供の頃と比べると確かに減った。

ヤガラ「体弱くなったりはせんのかの」

少し心配そうにヤガラ様が言う

膳「まぁ、スポーツジム・・体鍛えるとことかあるから大丈夫だろ」

ヤガラ「そうかい」

そっけない答えが返ってくる。ま、いいか

ヤガラ「それより膳よ、これは情報も扱えるのか?」

ヤガラ様が手をワキワキとしながら聞いてくる。待て、何する気だ

膳「出来るが・・・何すんだ?」

ワキワキが激しくなる。怖いんだが

ヤガラ「なに、情報の仕入れじゃよ、ちと今ある情報が古くてな」

膳「情報の仕入れ?それくらいなら構わねぇけど、壊したりしないでくれよ?」

ヤガラ「心得た」

そういうとPCの画面に顔を突っ込んで――待て待て待て!!?なにしてんの!??

ヤガラ「騒ぐでないわ、もう終わる」

ヤガラ様は画面に顔を埋めたまま固まってる。ええ~?コレどーすんのよ

少ししてすぽっと顔を抜いたヤガラ様、また煙草に火を付け始める

ヤガラ「人間は変わらんの~、金と戦争の事がいっぱいあったぞ」

そりゃ人間だからなぁ、金は欲しいし、戦争だって日本じゃなくなったが外の国は続いてる

ヤガラ「ま、とりあえずはいい、お前さんと煙草が吸える日常が無くならなければな」

フゥーーと煙を吐く

膳「俺も同じく、死ぬまで煙草と飯に困らなきゃいい」

自分も煙を吐く、ああ、煙草が相変わらず旨い

ヤガラ「嫁は探さんのか?」

唐突にヤガラ様が言う

膳「俺はそーゆーのに向いてないの、人間嫌いだから」

首を横に振り嫌々する。本当に向いてないんだよ

ヤガラ「左様か、ならせいぜいお前さんが生きてる間煙草を吸わせてもらうかの」

膳「おお良いぞヤニ仲間は大歓迎だ」

ヤガラ「ヤニが吸えて、飯が食えれば世は事もなし・・か」

膳「俺の真理だ」

ヤガラ「良い真理じゃ」

同意を得られた、素直に嬉しい

いつの間にか日が暮れてすっかり夜だ

ヤガラ「今日はいろんなことを楽しめたな・・明日も煙草が旨いと良いが」

もう何本目になるかわからない煙草に火を付けながらヤガラ様が言う

膳「精々俺が無職にならないことを祈っててくれ」

蓄えはあるが何があるかわからないのが人生、明日も良いタバコタイムになることを願う

膳「さーーて、風呂入って飯食って薬飲んで寝ますか」

煙草を消しそう言う俺

ヤガラ「わしはコレ吸ったら寝る」

ちょいちょいと煙草を指さすヤガラ様

膳「あいよー、んじゃまた明日」

ヤガラ「うむ、寝坊しないようにな」

手で〇を作り部屋を出る。さー飯飯







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