第81話 総力戦12 閃邪降臨
羅弾と颯治さんが飛んでいき、俺と翠花姉は燃える校舎を見つめていた。
真「ふう…一旦は終わった…のかな」
翠花「羅弾叔父さんとの戦闘は、ね。体育館から神気同士がぶつかり合っている」
真「この神気の感じ…嵐紗さんが戦ってる…」
翠花「黄帝が…でも相手の神気…なにこの…禍々しい、圧倒的な『邪』を感じるこの神気…」
翠花姉もやはりわかるんだな。このやばい感じの神気が。
「グラ…」
真「あ…」
羅弾との戦いのせいだろうか…俺は完全に膝から前のめりに倒れた。
翠花「真くん…そうだよね。疲れたよね」
そう言うと翠花姉は倒れている俺よりも姿勢を低くし、俺の下に入ってきた。何をする気だ?
翠花「よっこいしょっと」
真「うわ…」
なんと…翠花姉が俺のことをおんぶしてくれた。いつもと違う光景だが…目の前には緑色の髪が広がっている。…本当に戻ってきてくれたんだなと俺は改めて思った。
真「翠花姉」
俺の声に翠花姉は反応して俺の方を見た。
翠花「ん?なに?」
真「おかえり」
それを聞いた翠花姉は再び前の方を見た。
翠花「うん。ただいま」
後ろから見ている俺だからわかる。耳がとても赤い。恥ずかしいのかな。声もちょっと高くなってたし。でも本当に戻ってきてくれてよかった。翠花姉がいなければ俺は確実に羅弾に殺されていた。助けてくれたからこそこんな会話ができる。まあこれを言ったら翠花姉が爆発するかもしれないので言わないけどな。
翠花姉におぶられて少しすると…
翠花「…!!」
真「え…」
俺たちの視界に入ってきたのは…
翠花「碧さん…」
倒れている碧さんの姿だった…。翠花姉は俺をおぶりながら碧さんに近づき、治癒を施す。緑色の光が碧さんを包み込もうとする直前…
「待て!翠花!!」
翠花を呼ぶ男性の声がした。翠花姉はびっくりして光を出すのをやめた。そして声の主の方を見た。それは…
真「翠帝…」
仁「ああ、俺だ」
翠帝、橘仁の姿だった。
翠花「翠帝、どうしてです?碧さんの治療をしてはいけないのですか?」
仁「通常ならばいち早くしてくれと言う。だが…碧が今倒れている理由は疲労や神気の使いすぎだろが…それとは別にこいつを蝕んでいるものがある。碧の左目が今覆っているのは司教の悪魔の能力だろうが…これは…」
真「マグマじゃないんですか?」
俺がそう言うと翠帝は首を横に振った。
仁「これは界魔将団の悪魔が能力を使い、その効果を多く受けると発生する現象…『悪壊』というものだ。戦いが終わってからすぐに気絶したんだろう。進行していない。これは厄介なものでな。神気に触れると進行し、体中に広がっていく。この状態ならば俺がここで手術をしてしまえば問題はない。2人は他に司教が来ないか見張りを…」
翠帝がそう言おうとしたその瞬間…
「パリン!!」
体育館の窓が割れ…人が飛び出してきた…体育館…。…!!
真「嵐紗さん…!」
俺が心配になって飛び出してきた人を見ると…あれは…男…?
仁「ち…ここでは出来んな…」
そう言うと翠帝が碧さんを肩で担ぐ。
真「翠帝…」
仁「ここはまずい!俺はここを離れる!」
翠帝が地面を蹴り、飛んで行った。だが…
「やらせるわけがねえんだよなぁ。なあ?仁…」
翠帝に向かって蹴りを入れようとする男…俺は反応し、翠帝とその男の間に入り、八咫鏡を構えた。八咫鏡が男の蹴りを受け止める。
すると…真っ赤に染まる目で俺のことを見てきた…。
「ああん?なんだお前…ああ、そうか。お前…羅弾がいなくなったのもそういうことか」
羅弾を…知っている…!?
そう思っていると…奇怪な印を結んだ男が俺目掛けてなにかを放とうとしている…!
仁「させんぞ!!閃邪!!」
碧さんを離し、翠帝以上の大きさを誇る刀を手に持つ翠帝…。
閃邪「反応が早えな。しかも…『業波』を纏ってやがんな」
光線を放つ男と翠帝の刀がぶつかる…!
閃邪「…」
ぶつかった衝撃が俺たちにも届いた…だが、俺は碧さんの腕をつかみ、碧さんもろとも俺は吹き飛ばされた。
閃邪「吹っ飛ばされてもただじゃ済まない。ふむ、やはり俺の予測は正しかったようだ」
横目で俺のことを視界に入れるあの男は…一体何なんだ!?
翠帝はさっきなんと言っていた…?
「させんぞ!!閃邪!!」
閃邪…
「閃邪様に恩返しができていないんだ!こんなところで負けるわけにはいかないんだ!!」
玲音が言っていた…名前…この男が…閃邪…!!
転がりながらも碧さんをちゃんと掴んでいる。大丈夫だ。碧さんの左目のこれも悪化はしていない。
俺がそう安堵していると…
閃邪「なあ赫星真。お前はここで殺しておいた方が俺たちのためになる。だからお前は死んでくれ」
閃邪が…俺の目の前に現れた…。
真「死ねって言われて死ぬ人がどこにいるんだ…」
閃邪「合理的だと思うぞ?お前がここで死ぬというのなら俺はそれ以上は望まない」
何を言っている?この男は…。俺が死んでくれればもう何も望まない?なぜ俺が死ななければならないんだ…。生きたいと願う人間はこの世界にもたくさんいるはずだ…。
真「それの…どこが合理的…」
閃邪「お前が死ぬ。それだけで数多くの人間の命が救われる。指で数えれるレベルではない。幾千幾万の命が救われる。どうだ?」
この男は…なんだ…交渉をする気なんてさらさらないじゃないか…そんな交渉にイエスと答える人間がいるわけがない。
真「断る!!」
閃邪「そうか。残念だ」
閃邪が蹴りを入れようとして来ている…だが…そのスピードが…羅弾や玲音のそれではない…。目で追うことすら不可能…。それは俺の眼前に迫ってきていた…。
「真くんに変なことを吹き込むのはだめだよ」
「ドン!!」
聞き慣れた声と同時に閃邪の蹴りを受け止める足があった…。
閃邪「へえ、あの状況からここにたどり着くか。さすがは虹帝達最速にして『極大陸パーゲンア』の『黄逸の早帝』様だな」
虹帝達最速…!
真「嵐紗さん!!」
嵐紗さんが閃邪の蹴りを受け止めてくれている…!
嵐紗「ごめん真くん」
真「え?」
嵐紗さんが謝るようなことなんて…そう思っていると…
嵐紗さんが俺の横腹を蹴り…俺のことを吹っ飛ばした…!?
吹き飛ばされながらも俺は嵐紗さんを視界に入れた…。大量の神気を宿す右腕を閃邪に向けて振るう嵐紗さん…
嵐紗「真くんにあんたは早すぎる。羅弾相手でも翠花ちゃんや颯治くんがいないと勝てないのに、あんたなんて戦わせたらだめ」
嵐紗さんは俺のことを心配して、だが俺が反応できていないから最善の方法をとって俺のことを蹴ったのか。確かに…神気量もかろじてわかる程度の相手では…俺では戦いにすらならないんだろうな…。
ぼやけて見える。あの男の神気量…7000…という数字だけは見えた。つまり…7000兆を超えるほどの相手なんだろう…今の俺が出せる神気量は50兆すら届かないレベルだ。7000兆が相手なんて、俺は一方的にやられて終わりなんだろう。
閃邪「かわいそうじゃないか。成長のために戦場に残すのは良策と俺は思うが?」
嵐紗「真くんを真っ先に殺そうとするやつがいる戦場にいさせるわけないでしょ!」
閃邪「そうか。だがお前はまだまだ甘い」
そう言うと閃邪の姿がなんと…消えた…。
嵐紗「さっきまでの戦いでもこんなの…」
閃邪「だろう?」
突然…嵐紗さんの横腹に靴のようなマークが浮かび上がる…。
嵐紗「ぐ…」
嵐紗さんの顔がゆがむ…。だが…それと同時…
閃邪「こうやってお前の目の前に現れることも可能だ」
真「な…」
閃邪「歯を食いしばれ。ガキ」
心臓マッサージのように手を組み、それを俺に向かって放ってきた…。
真「ゴホ…!!!」
心臓が握りつぶされたのかと思うほどの衝撃が…俺の心臓に伝わる…。なんだ…これ…。
閃邪「歯を食いしばっても意味なかったかもな?そんなお前は宝の山にでも埋もれていろ」
そう言い空に向かって指をさす閃邪…それと同時…金色のコインや宝箱が俺の頭上に大量に降り注ごうとしていた…。だが…俺の視界が一気に移動した。
閃邪「へえ、早えな。緑髪のボインねーちゃん」
翠花「そんな風に呼ばれたくはない。私には源翠花という名前がある」
閃邪「そうか。そんな名前か。源一族の人間か。コスモがこの大陸で力のある一族をおおよそやったって言ってたが…全然残ってんじゃねえか。赫星も、源も、この大陸の人間だもんな」
翠花姉が俺のことを担いでくれているが…情報が多すぎる…なんだ?コスモ?そいつがこの大陸の一族をおおよそやったとか…それにこいつ、さっきこの大陸の名前も言っていたよな?
「極大陸パーゲンア」の「黄逸の早帝」様だな」
それがこの大陸…なんというか…この男は当然のように言う情報が俺にとってはとても大きな情報でしかないんだが…。
いや、そんなことは今はどうでもいい。こいつに集中しろ。
閃邪「そういやねーちゃんよぉ」
翠花「なに?」
閃邪「そいつが異常ってことに気付いているのか?」
俺が…異常…?何を言っているんだ…?
閃邪「臭い神臭をぷんぷん出してんだろ?お前ならわかると思うが?」
翠花「そんなの知らない。真くんは真くん。例え神の匂いがしたとしても真くん。その事実は変わらない」
閃邪「そうかい。なら面白いものを見せてやるよ。ガキ、お前もだ」
そう言い閃邪は手のひらを重ねた…。すると…
まるでカジノとでも言えるような豪華な空間に俺たちはいた。
俺と翠花姉は強制的に離され、閃邪と対面した…。
閃邪「ブラックジャックって知ってっか?」
ブラックジャック…細かいルールは知らないが…前の世界と一緒なら…。
閃邪「トランプを引き、21に近い数字を作るゲームだ」
そこは一緒か。いや、相手の空間だぞ…。油断すれば一発で死ぬ可能性すらある…。
閃邪「まずはウォーミングアップだ。ルールも知らない状態では面白みがないというものだ」
そう言うと俺の目の前にカードが現れた。これはKか。
閃邪「1~10はそのままの数字だ。そしてJ、Q、Kは10としてカウントする。そしてA。これは1、もしくは11とカウントすることが出来る。任意に変更可能だ。まあやってみりゃわかる」
今俺が持っているのはKだから、10だな。翠花姉もカードを持っている。あいつも持っているな。
閃邪「カードをもらうかそれとも止めるかはお前ら次第だ。どうする?」
真「俺はもらう」
翠花「私も」
閃邪「ああ」
そう言い閃邪は俺たちの前にカードを出した。俺のもとに来たカードは…Qか。21が上限でKとQなら合計すると20だ。これは手を引くが吉だな。
閃邪「あ、一つ言い忘れていたが…今はウォーミングアップだが、次からは俺に負ければ大事なもんを一つもらう。腕かもなぁ?足かもなぁ?もしかしたら心臓か?脳か?なにが没収されるんだろうなぁ?はははは!!!」
…なんてゲームだ…今はウォーミングアップだからミスっても何もない。だが…次以降のゲームではあいつに負けた時点で何かを奪われる可能性がある…。…待てよ?この世界を展開しているのはあいつだ…。まさか…
閃邪{この世界は俺が作った世界。どんなカードが配られるのかも俺の自由。俺がどんなに弱カードを引いたとしてもあいつらがバーストすればいい。そう操作ができる。それにこの空間は俺が解除するまで一生出ることもできない、運が尽きると死ぬぜ?この空間はよ}
あいつはイカサマができる…だが俺たちはカードの操作ができるわけでもない。つまりこれは…
完全に不公平なギャンブル…。
気づいてくれ翠花姉…これはやるだけ自分たちの首を絞めるだけだ…。
最初のウォーミングアップだけを済ませて…それ以降はやらないという選択肢が可能なのかで…俺たちの命運を分けるぞ…。
閃邪「お前らカードの調子はどうだ?もう一枚引くか?」
真「俺は…やめておく」
翠花「私はもう一枚…」
閃邪「まあ今だけだが聞いてやる。お前今数字はいくつだ?」
翠花「えっとね、24」
24!?バーストしているじゃないか…。
閃邪「なら負けだお前の。カードは…って…お前ちゃんとルール聞いてたか?KとJならまだバーストしてねえぞ。20じゃないか」
翠花「え?Jが11で、Kは13でしょ?11+13で24」」
閃邪「10、J、Q、Kは全て10だ!ちゃんと説明を聞いていやがれ!」
それに関してはあいつに同感だ。結構わかりやすい説明だったと思うんだが…。
なんか…閃邪が俺と翠花姉を同じところに集めた。そして閃邪がカードの束を宙に浮かせながら翠花姉の持っているカードを手に取った。
そこから閃邪は改めて翠花姉にルールを教え込んだ。ざっと5分くらいか。…これって特に難しいルールとかもなければ覚えるのは余裕だと思うのは俺だけか?ギャンブルだとは言え、覚えるのは結構いけるはずだが…翠花姉はこういうところは疎いんだな。
閃邪「はあ…なあガキ」
真「え?」
閃邪「お前は理解してるよな?」
真「少なくとも今翠花姉に教えていたことは全部」
閃邪「お前の方が知識あんのか…世界はやっぱり広いな。…まあいい。ここからが本番だ。さて…どうなるだろうな?」
翠花姉が理解できているのかが怪しい時点で気が気ではない。だが…この世の中にはビギナーズラックという言葉すらも存在する。それに賭けるしかない。
閃邪は俺と翠花姉を引き離し、そして…俺たちの運命を決めるカードが現われた。
俺が引いた手札は…8…A、もしくは絵柄が欲しかったところだが…しょうがない。
閃邪「ガキ、ヒットだな?」
俺の表情だけでカードがあまり芳しくないことを見抜いたのかあいつ。実際芳しくはない。
真「ああ」
俺がそう言うとカードがもう一枚届いた。それは…3だった。これは…何気にいい状況ではある。
真「ヒットだ」
また俺がそう言うとカードが届いた。そこにあったのは…Q!!合計21!
真「スタンド」
閃邪「了解だ。緑髪のねーちゃんは?」
翠花姉は黙っていたが、閃邪の声で口を開いた。
翠花「ヒット…」
そういうと翠花姉のところに手札が現れた。それを見た翠花姉の口角が上がった。よかったカードなのかな?
翠花「スタンド!」
閃邪「お前らのカードを見せてみろ」
俺は8と3とQを、翠花姉は6と6と9だった。
閃邪「…お前ら引きが強すぎんだろ」
そう言い閃邪が持つ手札を開示した。それは…絵柄2枚。つまり20だ。だが俺たちはどちらも21だ。つまり…勝っている。
閃邪{まずいな…。この空間では俺にもデメリットは存在する…圧倒的優位な立場にいるからこそ、回数制限がある…それに俺が負ければ神気量も減る…ざっと2割は削られたか…。…やれて…いや、次でラストだ。それ以上はこちらもリスクを承知でやらねえといけない…}
閃邪が顔をしかめつつも、俺たちの目の前にカードが現れた。そのカードは9だった。
閃邪「お前らがどんなカードを引こうがもう負けねえ。お前らの運もここまでだ」
閃邪がカードの束を自身を中心に回転させた…。そして手に持ったのは…ダイヤのK…。
閃邪「全員の運気を吸い取ろうか。やれ、『カエサル』」
ダイヤのKを…食べた…!?それは…どういう意味だ…それに運気を吸い取る?この状況で…運気がないと負けるしかないじゃないか…。
閃邪「お前ら、ヒットか?」
真「ああ」
翠花「私も」
そう言い俺たちの前にカードが現れた。俺が引いたカードは…7…。9と7…合計して16…一番まずいカードを引いてしまったかもしれない…。6以上を引けばバースト、だがここで手を引くと負ける可能性が高い…。ここは…攻めるしかない…。
真「ヒット」
翠花「私はやめておく」
閃邪「ガキだけだな?」
俺はカードを引いた。出たカード。ちょっとだけ濡れていたが…まあいいか。そのカードが示すのは…
満面の笑みを浮かべる…ダイヤのKだった…。バーストだ…。
俺が手札を見たのを確認した閃邪が…怪しい顔をしている…。
本来のダイヤのKとは違う顔…いや、このカード…まさか…
閃邪「バーストだなぁ?ガキぃ」
真「まさか…」
閃邪「緑髪のねーちゃんはスタンドでよかったなあ?納得のいく選択だったんだろう。だが…お前は知識がある。それが逆に災いしたな。お前の手札は最初っから9になることも、それでお前がヒットすることも。お前が強運ならまだ助かる可能性もあったが、お前は3以上を引いた。その時点で俺の勝ちは確定してたんだよな」
こいつ…最初っから真面目にやる気などやはりなかったのか…。開幕9を引かせ、そのうえで今度は1、もしくは2以外のカードを引かせれば、絶対に12以上になる。おそらく攻めるであろうちょうどいいカードを引かせるために5か6か7辺りを引かせ…絵柄を強制的に引かせる…。
濡れているダイヤのK…もう疑う余地もない。これは…あいつが飲み込んだカードだ。運気を吸い取るのではなく、確実に俺をバーストさせるために…。全部俺を落とすための策…。くそが…。
真「お前…」
閃邪「お前はやめるという選択肢すらもあったんだろうが、それを俺はやらせなかった。どうやってやったかわかるか?」
やめるという選択をやらせない…。俺にもその選択肢はよぎった。確かにそうすればよかったんだ…。なのに…。
閃邪「ガキ、トランプの合計枚数は何枚だ?お前なら知ってるはずだ」
真「56枚…だろ?」
閃邪「ちげえな?54枚だ。トランプが54枚なんて少し考えればわかるはず。だがそれもできない。どういうことか…お前ならわかるよな?」
真「脳機能の劣化…」
閃邪「そうだ。この世界でお前らに…いや、赫星真、お前だけに焦点を合わせた。理解しているお前こそが最も厄介な存在だ。それを能力で機能の劣化で思考力を削った」
つまり…脳機能の正常な判断を下せる状況でなかったことをこいつは意図的に作り出した…。ルールは覚えていても根本が腐ってちゃ…意味がないということか…。
閃邪「さあ…没収の時間だ」
俺を囲む何か…透明なボールのようなものに包まれた…。そして…地面には…あれは…ルーレットか…?右腕や足、頭、脳、心臓を示すような絵が書かれているルーレット…まさかこのルーレットは…
閃邪「何が奪われるんだろうな?」
完全にランダム…だがそこに確実なものが一つある。それは…
確実な身体の機能の没収。
閃邪「さあいくぜ?」
閃邪がルーレットを回し、そして俺を逆回転に回す…。長い間回って、俺が入ったボールが入ったゾーンは…緑色のゾーン…脳のマークが書いてある場所だった…。
閃邪{面白いのを引いたな。これはこれで面白いな}
真「脳機能を完全に没収ってわけか?」
閃邪「さあな。さて…楽しめた。この世界を閉じよう」
閃邪がカジノのような世界を完全に閉じた。
元の世界で…
嵐紗「おらああああああ!!!」
閃邪に向かって蹴りを放つ嵐紗さん…つまりこいつは…
カジノのような世界で俺と翠花姉を、現実世界で嵐紗さんを相手にしていたのか…。
俺の体に違和感は?何か忘れていることはないか?
俺の名は赫星真。転生した人間。面倒を見てくれている翠花姉や蓮乃さん。嵐紗さん、結夢、烈道、碧さん、橘仁、人間関係もほぼなにもない。だとすれば…俺はなにを没収されたんだ…?わからない…だが戻ってきたんだ。嵐紗さんが頑張っているんだ。俺も戦わなければ__




