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天帝転生~前世で王を夢見た俺は異世界で皇帝を目指す~  作者: おかしなお菓子
第4章 総力戦編

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第78話 総力戦9 皇

戻ってきてくれた翠花姉と颯治さんが羅弾と対峙している。


翠花「『覇王流(はおうりゅう)【黎天(れいてん)】』」


翠花姉が突きを放つ。それは…


羅弾「は!『黎天』の威力じゃねえな!けた違いだ!」

颯治「避ける側の身にもなってほしいものだ!」


2人共笑いながら避けていたが…俺にはその閃光が見えなかった…。飛ぶ斬撃に関しても驚きだが…その速度が異常だ…。


翠花「真くん。もしかしたら私らでも決め手に欠けるときが来るかもしれない。いつでも戦えるように構えておいてね」


翠花姉と颯治さんでさえ決め手に欠ける…いや、そんな次元の戦闘なんだ。


真「わかったよ、翠花姉」

翠花「いい子。さてと…いくよ?羅弾叔父さん」


俺には視認できないほどの圧倒的スピードで翠花姉が彼に向かって飛んでいく…!


そして…俺の視界から翠花姉が消えた。



真がいる上の階のとある教室で剣戟が響いていた。競り合いの中で羅弾と颯治は会話をしていた。


羅弾「剣技はお前よりも翠花の方が上か?」

颯治「そうですね。もうあの剣技は僕以上のものだ」

羅弾「当主であるお前がそれを言うか」

颯治「ええ。自分よりも優れている人間の、ましてや妹の評価をすることができる。光栄なことだ」

羅弾「お前は剣技に特化したわけじゃない。体術から剣技、槍術まで幅広くできる。だが特化型の人間を相手にしていると厳しいだろう?」

颯治「いいえ?父上に教えていただいたのでね。そのすべてを習得した。どれだけ難しいものでも僕ならできる」

羅弾「そうかい!『覇王流【撃閃(げきせん)鈴仙(れいせん)】』!」

颯治「ふう…『覇王流【白爪(びゃくそう)虎遊(こゆう)】』」


羅弾の刀と颯治の爪がぶつかり合う…!


羅弾「ちゃんと爪切ってるか?清潔じゃない人間は嫌われるぜ?」

颯治「いえいえ。ちゃんと切っておりますとも。必要な時だけ…」


そう言いながら颯治は右手の親指以外の指を立て、羅弾に向かって突き立てる…!


颯治「伸ばせばいい!」


直後…颯治の爪が30cmほど伸びる…!


羅弾「まじか!お前人間かよ!?」


そう言いつつも羅弾はその爪を避け、距離をとる。


颯治「いたって普通の人間ですよ。何も特別ではない」

羅弾「へえ?神話能力(ゼナン)を得ているお前が特別ではないと?」

颯治「神が僕を選んだのだ。それに能力得てからも僕は鍛錬を欠かさずやっている。その結果が今の僕だ。努力をして得た力をあなたは否定するのですか?」

羅弾「努力を否定するわけじゃない。スタートラインが違うって話だ。俺は悪魔に魂を売ることでこの力を得た。お前は生まれ持っての才能で得た。この差を恨むことの何が悪い?」

颯治「たしかにそうかもしれない。だがそれを覆すほどの努力をすればいいじゃないか」

羅弾「お前は亀の一歩と象の一歩が同じ距離を歩くと思ってんのか?」


羅弾が刀を颯治の腕に向かって振り下ろす…。


「バキ!!」


颯治「く…」

羅弾「普通ならそれは決定打になり得る。だがお前はできるよな?再生」

颯治「ええ」


そう言い颯治は折れた自身の腕を治す。


羅弾「それを会得するのに俺とお前では苦労の度合いが違う。才能が全てか?この世界は」

颯治「才能があってもそれを理由に怠ければ活かされない。努力をすること。これが最低条件だ。それをしない人間に力を持つ権利はない」

羅弾「才能あってこその努力だ。お前は才能がある。俺は才能がないからどうしようもなかったんだよ。だから悪魔に魂売ってでも力を得た。それが今の俺だ」

颯治「この会話は一生終わらないな。平行線だ」

羅弾「だな?お前に対する感情が変わるとは最初から思ってもねえよ。『覇王流【四閃(しせん)螺旋(らせん)】』」


羅弾が四つの渦巻く飛ぶ斬撃を放つ。颯治は反応し、爪を立てようとするが


「バキバキ!!」


壁がどんどん壊れる音が聞こえ、颯治は咄嗟に屈む。そして…羅弾が放つ攻撃を一掃した。少しするとドアを開ける人間がいた。


翠花「なーんだ。こんな狭い部屋でやってたんだ。もう少し広い部屋でやればいいのに」


翠花だった。颯治は翠花に向かって声をかける。


颯治「翠花。お前は僕に対しても遠慮がないようだね?」

翠花「お兄ちゃんだし避けてくれるかなって」

颯治「まあ避けれるが…不意打ちに関しては勘弁してほしいものだ」

羅弾「あの小僧はいいのか?一人だろ?」

翠花「あの子はあなたとやって少し消耗してたのでね。戦闘待機状態。でも真くん戦うことのないように私たちであなたを倒す。ね?お兄ちゃん」

颯治「ふふ、まあそうだね。元々一族の汚点であるあなたを殺すつもりではあった。妹と一緒にできるのなら嬉しいものだ」

羅弾「やってみろよ。大人をあんまし舐めるなよ?ガキども」


そう言いながら羅弾が校舎の床に掌をつける。直後…


「ミシミシ」


3人の立つ地面に亀裂が入る…。そして羅弾が地面を足で踏み抜く…。


「ドン!!!」


すると…地面が崩壊、校舎の床が完全に壊れる…。それは3人がいる階だけではなく、校舎すべての床が壊れ、壁も壊れ、中等部の校舎は完全に崩壊した…。


翠花「うそ!?」

颯治「ここまで…。…!!」


颯治の視界に入るのは…巨大な瓦礫を手に持ち、瓦礫を投げようとする羅弾の姿だった…。だが狙っているのは…2人ではなく…


羅弾「あの小僧はこれをどう対処するのやら?なあ?翠花ぁ…」

翠花「まさか…真くんにそれを!?」

羅弾「ふふ…」


羅弾が真の方向に向かって飛ぶ…。



校舎の崩壊を…想定なんてできるわけがないだろ…。俺は瓦礫の下敷きになっていた…。


真「吹っ飛ばそうか…この状況は脱しないとな…」


俺は八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の力で俺に乗っている瓦礫を周辺に被害のないように最低限だけ浮かせ、そこから脱した。そして体の負傷を治したうえで神気を感じる方向に視線を向けると…


真「あれ…羅弾に…一緒に翠花姉も?」


羅弾と翠花姉がいるのを見つけた。だが…羅弾の手にあるのは…大きな瓦礫!?しかもそれを…


羅弾「そおら!!」


投げてきた!?俺は急いでその場から動き、瓦礫を避けるように動いた。無事に躱すことが出来たが…まだだ。羅弾本人もこっちに近づいてきている…。だがその時…翠花姉が青白い球体をこっちに飛ばしてきた。それは俺の目の前で止まり、光り輝いたと同時…


翠花「真くん大丈夫!?瓦礫で怪我とか…」

真「大丈夫。翠花姉は…」

翠花「私も大丈夫。真くん、君も動こう。お兄ちゃんとタイマンで怪我一個もないのはやばいよ。お兄ちゃん近接は強いのに、神気量の差もあるだろうけど怪我がないのはさすがにやばい。3対1で追い詰めるしかない」

真「わかった…でも何かできるかな…」

翠花「私もサポート…できる範囲でするから頑張って」


そんな会話をしていると…


羅弾「大層仲がいいみたいんだな」


羅弾が俺たちの目の前に来た…。


翠花「まあね。長いこといますから」


そう言いながら翠花姉が王羅(おうら)の構えを取る…!


翠花「『覇王流【龍閃(りゅうせん)】』」

羅弾「いきなりだな!『覇王流【時世衛(じせいえ)】』!」


翠花姉の強烈な横なぎを放つ…!だがそれを羅弾は少し押されながらも受け止めた…。


見ているだけじゃないぞ…。押されているあいつに何かをするんだ…!俺は尾に炎を纏う効果を付与し、それをあいつに向かって投げた。


羅弾「援護か…めんどくせえな…」


俺の尾を回避する羅弾。だが回避した羅弾を後ろから仕留める足がひとつ…。


羅弾「颯治か…」


羅弾の頭が颯治さんの蹴りによって血に染まる…。


羅弾「めんどくせえ。めんどくせえ…。ふう…めんどくせえなぁ」


そう言いながら羅弾が刀を構える…。それは…未だかつて見たこともない構え…


スサノオ「真!!八咫鏡を構えろ!!」

真「え?」


スサノオが大きな声で俺に向かって言ったのだ…。俺は咄嗟に左手に八咫鏡を構えた…。直後…


羅弾「『覇天の我界』」


羅弾が…そう言ったのだ…。「覇天の我界」って…まさか…!そう思った頃にはすでに…


地獄のような世界が展開された…。


羅弾「『魔極(まごく)醍蓮剣(だいれんけん)』」


世界が展開されたと同時に…羅弾の姿も…まるで悪魔のような姿に変わる…。


翠花「真くん…ごめん、私でもカバーできないかも…」

颯治「く…これほどまで…」

羅弾「お前らを殺すにはちょうどいい舞台だ。さあ死のうか?」


羅弾がこの世界全域を飲み込むほどの巨大な斬撃を飛ばしてきた…。


スサノオはもしかして…これを警戒していたのか?八咫鏡が飛ばしてきた斬撃を反射したが…俺の体勢がとても悪い…。


羅弾「これも反射可能か。やはり殺す順番は…」


俺が体勢を立て直そうとするよりも前に…


羅弾「お前が一番だ」


俺の体の右側に刀先を向ける羅弾…俺はそれを防ごうとしたが…それよりも圧倒的に速い刀…


「ガキン!!」


それを受け止めたのは…


翠花「大人の余裕が感じられないね?年下を一番に狙うなんて」


翠花姉だった…。だが…


羅弾「そこをどけ」


羅弾が…強烈な業波(ごうは)を翠花姉にぶつける…だが…


翠花「守ると決めたこの前で倒れるわけにはいかないでしょうが!!」


翠花姉も負けじと同じような神気を羅弾に向けて放つ…!


羅弾「お前…『王鎧(おうがい)』を使えんのかよ…」

翠花「なにそれ!?知らない!!」


そう言いながら腰をひねる翠花姉。それに反応する羅弾も刀を構えるが…


「ガキン!」


刀を蹴る音が聞こえる…。それは後方からの蹴り…それによって刀を落とす羅弾。後方を睨む羅弾…


羅弾「お前は邪魔をすることしかできないのか?颯治…」

颯治「あくまでサポート。本命にお気を付けて」


羅弾が翠花姉の方を見るころにはすでに…刀が羅弾の腹に向かって進んでいる…!


「ガキン!!」


だが…翠花姉の刀は弾かれてしまう…。


翠花「んな!?」

羅弾「悪魔となった俺にそんな鈍(なまくら)が効くと思ってんのか?」


刀を全身で振り終えた翠花姉の体は無防備…そこを羅弾が刀で構える…。


翠花{くそ…私が出せる最高峰の技を…効かないなんて…}

羅弾「さっきまでの俺なら効いていたが…今の俺にはそんなの通用しねえ。じゃあな」


羅弾が刀を振り下ろそうとしている…。このままじゃ翠花姉が…そう思った俺は考える間もなく飛び出していた。手には天叢雲がある。これで受け止めれないか?


真「おおお!!!」


「ガキン!!」


羅弾「ほお?これを受け止めるか」

真「間に合った!」

羅弾「間に合ったからなんだ?殺す順番はお前が一番と言ったはずだ。『魔極醍蓮剣』」

真「え…」


刀をぶつけているはずなのに…無動作で…斬撃を放ってきた…。この世界の名称じゃないのか?その名は…。


俺は斬撃をもろにもらい…袈裟斬りを受けてしまった…。


真「く…」


俺は後ろに倒れる…。そこをさらに羅弾は刀を振り下ろそうとする…。


だが俺の意思とは裏腹に左手は地面につけ、そして…俺は歯を食いしばって刀を羅弾に向けて放った。


羅弾「な…」


羅弾もそれを想定していなかったのか、奴の腹に一閃をすることができた。


スサノオ「臨界体勢(りんかいたいせい)。それはどんな体勢からでも刀を振ることのできる立派な剣技の一つ。君が生み出した独自の流派。我流(がりゅう)として独立している。素晴らしい」


羅弾「ち…この…ガキが!!!」


羅弾が斬られてもなお俺に向かって刀を向ける…刀も振った俺は完全に体勢が終わっている…。


スサノオ「君独自の剣技をもっと見たいな。そんな君を我は…殺させやしない」


また…俺の意思とは裏腹に右手に力が入る…。そして…羅弾の刀を柄で受けた…。


翠花「柄で…」

颯治「受け止めた…」

羅弾{なにが…なにが起きている…この小僧の中で…}


そして…俺の右腕は二重の円を描いた…そして…それは刃の形と化した…。


スサノオ「『照高天原(しょうこうてんげん)』」


刃と化したものを刀は羅弾に向けて放った…。それを羅弾は受け止めることが出来ず、遥か彼方まで吹き飛ばされた…。


真「なにが…」

スサノオ「悪いな真。命の危機を感じたため少し主導権を握らせてもらった」

朱雀「ナイス判断じゃ。あの攻撃はわらわの再生もできぬほどの神気を纏っておった。あれは食らえば一発で終いじゃ」


スサノオと朱雀が俺のお腹の上に小さい姿で乗っていた。


真「スサノオ…朱雀…ありがとう…助かった」

スサノオ「だがこれ以降の介入は控える。今の君の神気は先ほどとは比べ物にならないほどに減っている。しっかりと呼吸をするんだ。我が介入している間は呼吸による神気の回復はされない。それに君の身ももたない。気をつけろよ」

真「ああ…わかった。ありがとう」


そう言うと2人はまた俺の中に戻っていった。


俺が起き上がるよりも前に翠花姉と颯治さんが俺のもとに来た。


翠花「真くん…今の…なに…?」

颯治「今の君に到底できる芸当ではない。正直に答えてくれ。あれは何の…いや、誰の力だい?」


流石は源一族の当主さんだ。俺の実力ではないと見破っている。そりゃそうか。あんなものを見て、小学生ができるとはとても思えないよな。事実スサノオが主導権を握ってやったらしいし。


真「神話能力(ゼナン)であるスサノオの力です。あの攻撃を防ぐために強引にではありますが主導権を握り、状況を打破するために動いたんです」

颯治「スサノオ…そうか。君は…ついに来たのか。我ら源一族の使命を果たすときが」


源一族の…使命?俺はなにかまずいことでも言ってしまったんだろうか…。


翠花「お兄ちゃん。それって…」

颯治「翠花。父上から教えてもらっただろ?我が一族の最も優先すべきことを」

翠花「うん」



翠花は幼少期に自分たちの父親に教えてもらったことを思い出す。


翠花の父「いいか、翠花」

翠花「うん、おとうさん」

翠花の父「我が一族は『皇守護騎士(ガーディアンズ)』と呼ばれる、皇(おう)の身を守る護衛を使命としてきた一族だ。皇を守り、皇のためにその命を果たす。それこそが我らがすべき最重要事項。そして皇からの指令を全うする。どんな命令であってもだ」

翠花「わかった!おうさまをまもるんだよね!」

翠花の父「そうだ。だが…遠い先祖が作ったルール。それを実行した人間は未だかつて存在しない。先祖が書いた書記にも記載はない」

翠花「え?どういうこと?どんなルールなの?」

翠花の父「『剣神(けんしん)を能力(ちから)として得(え)し者(もの)こそ真(しん)なる皇(おう)なり』。これが伝承だ。そして『真(しん)なる皇(おう)の防人(さきもり)となるは叡智(えいち)を極(きわ)めし者(もの)』。これがルールだ」


翠花の頭に?が何本も出てくる。


翠花「むずかしいよぉ。どういうこと?」

翠花の父「今の翠花には難しいか?要約すると、我々が祀る剣神、『スサノオノミコト』を能力として得た人間を皇とし、この一族の中で一番頭のいい人間こそがその『真(しん)なる皇(おう)』を守る人に相応しいってことだ」

翠花「あ~!!そういうことか!」

翠花の父「そうだ。翠花は頭がいいからな。もしも『スサノオ』様を能力として得た人が目の前に現れてもいいように、これからも勉学に励むんだぞ?」

翠花「わかった!おとうさん!」



翠花「『剣神(けんしん)を能力(ちから)として得(え)し者(もの)こそ真(しん)なる皇(おう)なり』…お父さんに教えてもらったことが本当だとしたら…」

颯治「もう答えは決まったようだね」


翠花姉の顔が…なんというか、キリっとした。そして…俺の視線まで腰を下ろし、俺の目をまっすぐに見つめてきた…。


真「え?翠花姉?」

翠花「真くん。君はね、私たちの一族が守るべき、『真(しん)なる皇(おう)』なの」


俺が…翠花姉たちが守るべき…「真(しん)なる皇(おう)」?さっき翠花姉が言ってたな。…何て言ってたっけ。完全にスルーしてた。


真「『真(しん)なる…皇(おう)』?」

翠花「うん。まあわかるように言えば…スサノオ様を能力として持っている君は、私たちの一族が守るべき皇。皇の資質を持つ君を守るのが私たちの務め」


俺は…なんというか、すっごい理解ができない。


翠花「真くん…その顔は…」

颯治「納得してないというか、理解できないような顔をしているね」

翠花「真くん。今の君の顔をしてあげようか?」

真「あ…いいや。なんとなくわかるよ。やばい顔をしてたんでしょ?」


その時…朱雀が俺の目の前に出てきた。


朱雀「´・ω・` こんな顔をしておったわいお主」

真「しょぼんじゃねーか!!まじ!?」

翠花「マジマジ。君ってそんな顔できるんだね…ふふ」

颯治「突然のその顔に吹き出しそうになったのをこらえた。流石の破壊力だ」


それを聞いて俺も(´・ω・`)になるぞ。そんなことってあるかい…。


翠花「まあ真くん。君は私たちに好きなお願いをできるってこと」


好きなお願い…うーん…


颯治「どんな命令でも聞こうじゃないか」


うーん…


朱雀「やったの!真!なんでも聞いてくれるってよ!」


………。


真「´・ω・`」

翠花「あははは!やっぱりその顔はだめ!」


…はじめてかもしれない。翠花姉が声を上げて笑うのを見たのを。


それを聞いて…俺の中で、翠花姉に出す命令が決まった気がした。


真「よし、翠花姉。翠花姉にはじめて出す命令を決めたよ」

翠花「お、なんだなんだ?」

真「『この騒動が終わったら前みたいに生活をしようね』」

翠花「…え?」

真「翠花姉がいない生活は…なんていうか、寂しかった。もちろん嵐紗さんがいたから独りぼっちってわけじゃないし、嵐紗さんじゃだめってことじゃない。でも、やっぱり翠花姉がいて、蓮乃さんもいて、僕がいて。それがやっぱりなんていうか…好き。一族のルールで僕が言ったことは守ってくれるんだよね?なら…それを守ってほしいんだ」

翠花「…」


それを聞いた翠花姉は…


翠花「ふふ、わかった。それが皇からのの命令となればしっかりと守るよ」


俺の頭を撫でながらそう言った。颯治さんはそれを微笑みを浮かべながら聞いていた。


翠花姉が俺の頭を撫で終わったのか頭から手を離す。それとほぼ同時…


羅弾「ずいぶんと遠くまで飛ばしてくれたな?小僧」


羅弾が俺たちのもとに来た。もちろん神気量の差や、悪魔化したのもあるんだろう。とても圧がある。だが…なぜかはわからないが…根拠のない自信が俺の胸の中で満ちる。


翠花「じゃあ…羅弾叔父さんに勝たないとね」

颯治「そうだね。皇の命令を果たすためにも、ね」

真「うん!勝とう!」

羅弾「やってみろよ。さっきみたいなまぐれはもう通じない。お前らに負ける俺じゃねえ!」


絶対的強者である羅弾を前にしても怖くない。2人が俺のことを守ってくれる。それだけで安心感がある。俺たちは絶対に勝つんだ!!

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