第75話 総力戦6 王の力
神気を解放した2人が花音と対峙する。
暖「アミー様!私に力を!」
陸「マルコシアス様!奴を殺すだけの力を私に!」
神気を纏う熱波を暖が出し、陸がその熱波を風に乗せて花音の元へ届ける。
花音「暑いな。汗かいちゃうねこれ」
暖「汗程度で済めばいいな?」
暖がさらに温度を上げる…!直後…
花音「うそ…ガラスが…。え…」
理科室にある人体模型を囲うガラスは割れ、水道水は沸騰、プラスチック製の実験用具がことごとく溶けていく…!
さらに…
「パキン!」
天井に設置されている照明が割れる…!電気がついていたため明かりが確保されていたが…王医学校の理科室には窓はない。太陽光も入らないため…光源がない。
花音「完全に暗闇か…困ったな…」
花音の視界に暗闇が広がる。
暖「攻めようか。陸」
陸「うむ」
2人が花音に向かって進む。
花音「この状況でわかるわけ…」
そう花音が思った直後…
暖「わかるんだな。それが」
花音「…!」
蹴りを繰り出す暖の攻撃を花音は反射神経で受け止める…!
暖「反応するか」
花音「なんとかね!」
陸「ではこれはどうだ?」
直後…花音の首筋に痛みが走る…!
花音「な…なに…?」
花音が首に手を当てる。刃物で斬られたような痕が花音の首にある…。
花音が首に手を当てているのを視認した暖がさらに詰める…!
暖「片手ふさがってんぞ!」
花音「あ…まずったかも」
持っている槍で攻撃を防ごうと構えるが…
花音「ゴ…うし…ろ…?」
花音の後ろ側から蹴りが放たれる…。花音は思考が追い付かない…。
陸「私がいることを忘れていたな?」
さらに暖が蹴りを構える。背中を蹴られた花音は前のめりに倒れているため…抵抗する間もなくお腹に暖の足が突き刺さる…!
花音「ケホ…」
それは花音のみぞおちに深く突き刺さる…。
陸「人体の急所を蹴られるのは痛いだろ?」
そう言いながら陸は花音を蹴り、それに対応するように暖も蹴り続ける…。
花音「ぐ…」
暖「あれだけ言ってたお前がこのざまか!まったく!」
無抵抗なままに蹴られ続ける花音…ついに…
「ボキ!」
甲高くなる花音の骨が砕ける音…
花音「…」
陸「ついに何も言わなくなったか。もう少しいじめたかったが。まあしょうがないか」
何も言わなくなった花音を見た2人が蹴るのを止める…。
暖「それなりにやらせてもらったしな」
暖がそう言い、陸は周囲を見回す。
陸「そうだな。では悪魔様の能力を解除…」
「する必要はない」
聞こえるはずのない声が2人の耳に入る…。慌てて2人が振り向く…!
陸「どこから声が…」
暖「それにさっきの声…」
陸「ああ…さっきの女だ…」
「ひどいなあ。女って。私まだ小4だよ?」
花音の声に2人が身構える…!
2人が構えると同時、理科室の天井にギリギリ当たらないほどの大きさの青色の球体が出現する…!それはどんどん縮小し、人の形を成す…。そして…
「パキン」
球体が割れると同時、先ほどのような雰囲気ではなく、神々しく、圧倒的な存在感を放つ花音が姿を現した。青色の神気を纏い、神気量も別格。その数値…1600兆…!
花音「さっきの状態でも勝てると思ったんだけどね。暗闇に関しては私は専門外だった。本気になるときには時すでに遅しだった。でももう大丈夫。さ、ラウンド2だよ」
光り輝く青色の瞳、そこには曇りは一切ない。
陸「なんで…もらった情報では…そんなの…」
暖「あの情報は嘘だったというのか…?」
花音「どんな情報か知らないけどさ、一方的に蹴ってくれちゃって。私もそうさせてもらうね。『グングニル』」
花音が持つ槍を暖に向かって投げる…!それは…暖の足を完全に貫き、そのまま黒板に突き刺さる…!
陸が花音に向かって進む…!だが…
花音「戻っておいで。『グングニル』」
そう言い花音が槍に向かって手を伸ばす。それは陸が花音にたどり着くよりも前に花音の手元に戻り、花音は槍を手に取る。すでに花音は槍を構えている…!
陸「な…」
花音「これに耐えられるかな?『暴走海王神』」
花音が陸の太ももに向かって槍の先端を突き刺す…。
陸「ぐ…!」
直後…陸の太ももが大きく膨れ上がる…!
陸「な…なんだこれ!?」
どんどん膨れ上がり…最終的に太ももが完全に破裂した…。
陸「ぐあああああ!!足が…足が!!!」
そう叫ぶ陸に花音は槍の持つ部分の方で陸を吹き飛ばす。陸と暖は同じ場所にいる。
陸「ち…」
暖「やるしかない…陸!」
陸「ああ!」
暖・陸「『魔将…」
花音「させるわけないでしょ」
2人が力を解放するよりも前に…花音が2人を天井ごと突き破り、屋上、そして王医学校上空まで突破する。上空1000mまで上昇した花音。槍には…完全に胴を貫かれる2人の姿…
花音「これくらいあればいいか。んじゃ行こっか。地獄に」
上昇を終え、花音は2人を槍から外す…。
陸{まさか…ここまでとは…}
暖{蜂明君が言ってた小学生の中に虹帝達レベルの化け物がいると言ってたが…}
陸{こいつ…だ…間違いなく…。小学生の中にこれほど別次元の神気を宿す人間なんて…中等部、いや、高等部でさえこんな化け物はそうそういない…}
暖{まさに…怪物…!}
花音が槍を地面に向かって構える。
花音「成長したら2人は脅威になるんだろうね。でもそういうのは摘んでおかなくちゃね。じゃあね。『ヘル・ピュレフェノール』」
花音が圧倒的スピードで2人を貫き、そして瞬きをするよりも早く地面に達した。巨大な煙が王医学校のグラウンドを包む。
煙が晴れた時、陸と暖の姿はなく、あるのは槍を納める花音の姿だった。
花音「私に喧嘩売らなきゃよかったのに。なにもしなかったらもう少し長生きできたよ。ま、クストディウムの青山一族の当主である私に勝てるわけもないけどね」
小学校校舎理科室、青山花音対中等部の司教、陸と暖の戦闘はグラウンドの煙が完全に晴れたことで終止符を打った。
中等部の校舎、とある教室では…
日菜子「が…あ…」
武「…」
日菜子や武、そこにいる生徒たちが血まみれになって倒れていた…。その中に立つ一人の人物…
羅弾「お、あそこの戦闘が終わったか。やっぱりあの青髪の女が強いよな。2人にかけた幻惑はどうなったかな~。ま、あいつらは死んでも構わねえしいいや」
そう言う羅弾は倒れる生徒たちを見る。
羅弾「このクラスに翠花がいると踏んで来たんだがな。やりすぎたか?あの時。そんなタマじゃねえと思ってたんだが、来てないとは思ってなかった」
用がないと知った羅弾は小学校の校舎を見る。
羅弾「あっちの方が面白そうだな。あっちに行くか。玲音を倒した神気…それに閃邪さんからの命令もあるし…ふふ、面白くなりそうだ」
笑う羅弾はその教室を出て小学校の校舎までの道を歩いて進む…。
花音が着地したところを颯治、そして颯治のもとに来ていた仁は見ていた。
仁「ここの戦闘も終わったか。今のところ学校側の戦闘者は負けてはいないな。だが教職員が多く被害が出ている」
颯治「そうですね。僕もそちらに行きたいですが…翠帝、なぜ僕のもとに?」
仁「お前はとある小学生を守ってほしい。脅威になり得る相手側の戦力がその子の元に来ると」
颯治「それは誰からの証言です?」
仁「閃邪だ。派閥の頭で今回の襲撃はその部下からのお願いとのことだ」
颯治「相手側の頭と話したんですか?」
仁「ああ。疑問も多くあると思うが…時間がない、詳しい話は後にしよう。颯治は向かってほしいんだ」
颯治「わかりました。誰のもとに向かえばいいんです?」
仁「実力は小学生の中ではおそらく花音についで2位、1年生の赫星真の元へ向かってくれ」
颯治「了解しました。ちゃんと教えてくださいね」
仁「ああ、わかっている。頼むぞ」
颯治「は!」
颯治は真を探すため、王医学校の敷地を飛び回るべく、地面を大きく蹴った。
花音と司教2人が戦い終えた後、校門では激しい攻防が続いていた。
蜂明「これも当たらないか!」
嵐紗「私早いからね~。そうそう当たらないよ」
嵐紗と界魔将団の司教、藤鷹蜂明が校門の上空で戦闘を繰り広げる。
嵐紗「にしても動物になるのが好きなんだね。今だって背中に翼生えてるし。それで飛べるってんだから便利なもんだよね」
蜂明「俺はどんな動物でも体の一部にすることができる。そしてその動物になることもできるんでね。飛ぶことがお前の専売特許と思っちゃ大間違いだ」
嵐紗「別に専売特許なんて思ってないよ。神気さえあれば誰だって飛べる。私の飛び方が能力を使っての浮遊だからね。それに君よりも早く飛べるから専売特許のように見えちゃうんだろうね」
蜂明「まあいいさ。その浮遊がどんなに速くたって俺には効かない」
そう言い、蜂明は神気を宿した両手で拳を握り空気を殴打した。早い殴打は周辺の空気の色さえ変えていく。どんどん紫色に染まっていく。だが嵐紗は何もしない。ただ見ている。
殴りまくる蜂明は空気が一定の色の濃さになったのを確認し、殴打を止める。
嵐紗「もういいんだ?待ってあげてもよかったけど?」
蜂明「不要だ。もうここは俺のテリトリーなんだからな」
嵐紗「テリトリー?」
蜂明「直にわかるぜ?」
そう言い蜂明が指を鳴らす。鳴らしたと同時、蜂明は嵐紗に突撃する。そこから嵐紗と蜂明の殴り合いが始まる。
蜂明「女で殴り合いが得意ってのもどうなんだい?」
嵐紗「実戦練習の成果だね。筋肉はそんなにないしね!」
蜂明「そうかい!『蜂毒』、『鼠菌』!」
蜂明が大きな球を二つ取り出し、それを爆散させる。爆散した気体は嵐紗の元へも行く。
嵐紗「なんだこれ」
蜂明「体に粘りが出る菌だよ!ここに長いこといるとお前の体は溶ける!」
嵐紗「そうなんだ。でも神気で…ごほ…ん?」
嵐紗が血を吐く…だがなぜ起きているのかが嵐紗はわかっていない。蜂明が笑う。
蜂明「早速効いてきたな。この紫毒によ!」
嵐紗「紫毒?」
蜂明「この空気の名だよ!お前が散々ここにある空気を吸った!それは即効性のある猛毒だ!対処しねえと毒に侵されて死ぬぜ!」
嵐紗「あ~そういうタイプか。めんどくさ」
蜂明「めんどくさいで済めばいいな?お前のタイムリミットがどんどん迫ってるってのに気づいた方がいいぜ?」
嵐紗「なら大丈夫だよ。毒はね~」
そう言いながら嵐紗はポケットに手を入れる。そこから出てきたのは…小さな薬。それを嵐紗が飲む。
嵐紗「もうこれで毒は効かないよ」
蜂明「へえ?そうは思えねえがな?」
嵐紗「ほんとほんと。試しに深呼吸でもしてみせようか?」
蜂明「いや…いらねえよ!なんでもう攻略してる気になってんだよ!」
嵐紗「だって…もうしてるんだもん」
そう言いながら嵐紗はわざとらしくとぼける。笑顔も見せながら言うその姿に蜂明は苛立ちを隠せない。
蜂明「そうか…もうしてるのか。ならこっちはどうだろうな?」
嵐紗「まだなにか…って、ん?」
校門に植えてある花や木々を見る嵐紗。それらが全て…まるで酸にでも触れたかのような異常な溶け方をしたのだ…。そして嵐紗が着る長袖の一部が溶け始める…。
嵐紗「わお。まじか」
蜂明「もうおせえよ。服もろとも溶けて死にな!」
蜂明が一気に力を込める。草木は完全に溶け、そして嵐紗が着る服は…
蜂明「なに?」
嵐紗「乙女の裸を見ようだなんてエッチだな~。もちろん対策をしてますとも」
溶けることなく、嵐紗の体の露出もなかった。
嵐紗「でも君の能力めんどくさいね。これ着よっと」
そう言い嵐紗が取り出したのは黄色を基調にし、ところどころに白色の装飾がある豪華なローブだった。
蜂明「なんだそれ?上着か?」
嵐紗「光さん特製の虹帝達の人間しか着れない『覇王のローブ』!着心地最高だしふわふわ!おまけに光さんが付与した恩恵もある!やっぱり私はこれがないとね~」
蜂明「それと俺との戦闘でどう変わる?そんな服…」
嵐紗「残念だけどもう毒とかはもう効かないよ。毒などの状態異常は完全にこの服がカットしてくれるし、仮に君が熱とかを使えるのならそれも無効化できる。恒温の恩恵があるからね」
蜂明「なら…もう毒は効かないと?」
嵐紗「そゆこと~。まあ君ならどうにか対策出来るっしょ。まだ見てない動物はたくさんいるからね~」
蜂明「は、そうだな。楽しみにしてろ!」
そう言いながら再び蜂明が空気を殴る。紫色に染まっていた空気は青色に変わっていく。
嵐紗「青いね」
蜂明「そう油断してるところをバクンだ!」
直後…嵐紗の後ろに大きな影が現れる…!そして嵐紗が反応するよりも早く大きな影が嵐紗を飲み込んだ…。
嵐紗「何かに飲み込まれたのか。ん~どうしよっかな」
そう嵐紗が考えている間にもどんどん空間に押し流されていく嵐紗。行きついた先は…高温の熱がこもり、泡を立てている液体で満ちる湖のような場所。
嵐紗「触るのはやめとくか。にしてもなんだろうねここ。気づいたらここにいるし」
嵐紗は考え事をしながら歩く。湖を抜け、その先に広がるのは…何重にも折り重なる迷路のような場所だった。
嵐紗「まあ一回やってみるか。でもゴールがあるなんて言われてないしなあ。まあなんとかなるっしょ」
嵐紗は一度迷路の中に入る。迷子になってもいいように壁に傷をつけるが…その傷からは赤色の液体が滴る。嵐紗がその液体の匂いや感触を確かめる。
嵐紗「この感じ…血なのかな?ということは…もしかして…」
嵐紗が神気を解放し、槍を取り出す。槍を持ったまま自分が歩いた場所を引き戻す。行きつく場所は先ほど見た湖。嵐紗はその湖に向かって槍を投げる。すると…槍はあっという間に溶けた…。
嵐紗「私が飲み込まれて、溶ける湖、そして何重にも重なる場所に行きついた…。傷をつけると赤い液体、それはまるで血のような液体。推定するに…ここは私を飲み込むレベルの巨大生物の体内か。仮に動物の体内だとして…出る方法は…いや、それは嫌だな」
嵐紗が再び槍を取り出す。
嵐紗「突き破るか。『裂駆音逸突』」
嵐紗が地面を力強く蹴り、手に持つ槍を天井に向かって突き刺す…!天井からは赤い液体が噴き出し、嵐紗が流れてきた方向からとても低い声が届く…!
嵐紗は赤い液体を身に纏いながらもどんどん進む。瞬きをするよりも早く完全に突破した。
嵐紗は自分を飲み込んだ物体を見た。
嵐紗「へえ、クジラに飲み込まれていたのか。それも結構大きいね」
嵐紗は神気を感じる方に視線を向ける。そこには…大量の海中生物がいた…。サメ、タコ、イカ、ピラニアやウミヘビ、シャチまでもが集っていた…。その中に蜂明もいる。蜂明はとても大きなサメに乗っている。
嵐紗「数がすごいな。そんなに出せるんだね。毒とかよりも全然そっちの方が脅威だよ」
蜂明「俺が出せる最大量の海中動物たちだ。数にして1500!お前にはどうにもできねえよ!やっちまえ!」
海中生物たちが一気に嵐紗に向かって進む…!
だが…嵐紗は動かない。嵐紗は遠くを見ていた。そして…小さく笑う。
嵐紗「私が動く必要は…なさそうだね。でしょ?海治君の妹さん?」
体育館の屋根の上にいるのは…陸と暖を撃破した花音の姿だった。
花音「海の動物は全部私の家族。さ、みんなこっちにおいで~」
そう言い、花音は神気を動物たちに向けて放つ。すべての海中生物が花音のもとに向かう…!
蜂明「…は?なんで…どういうことだ…?」
花音がシャチの背中に座りながら言う。
花音「ポセイドンの力。どんな能力で生成された動物でも、海に生息する動物なら私の支配下になる。残念だけどこの子たちはもう私のもの。じゃあ嵐紗さん頑張ってくださいね~」
そう言いながら花音が動物たちを引き連れて遠くに向かっていく。
嵐紗「あ~あ。動物たちに振られちゃったね~。やっぱり若い子が好きなんだよ、お・じ・さ・ま♪」
それを聞いた蜂明の顔は一気に憤怒に染まる。
蜂明「ふざけんじゃねえ!!『魔将降臨』!!」
それと同時、蜂明は圧倒的な神気を解放した…!その数値…900兆…!
嵐紗「きたね。『魔将降臨』。めんどくさいことに…」
嵐紗がそう言ってる最中、蜂明が嵐紗の顔に拳が近づく…!
蜂明「死ね」
そう言い蜂明は嵐紗の顔を目掛け殴りつけるが…それが嵐紗に当たることはなかった。嵐紗は距離をとる。
嵐紗は頭を掻きながら言う。
嵐紗「は~…『魔将降臨』をしたからって私に勝てると思ってるの?900兆しか出せない人間が私に勝つ。そう思ってる時点でもう終わりだよ。君」
蜂明「うるせえな。こっちの大技もあの女に攻略され、普通は攻略されるはずのないクジラの攻撃すらも攻略されてイライラしてんだよ。もう…加減なんてしねえぞ?」
嵐紗「する必要はないよ。私も君のこと嫌いだもん。翠花ちゃんはいじめるわ、真くんのプライバシーを余裕で侵害するわ、挙句の果てに私に勝つ気でいる。もう私のげきりんに触れまくってるわけ。君はね」
蜂明「ならどうする気だよ?悪いが今の俺にはもう何も効かねえぞ?」
嵐紗「そう。じゃあ一つ質問。君は高速で落ちてくる隕石でも耐えれる自信はある?」
蜂明「は?何を言ってるかわからねえが、どんな攻撃でも耐えれる自信はあるぜ?」
嵐紗「そっか」
そう言い、嵐紗はまるでクレーターでもできるかと思うほど強力に地面を蹴った。嵐紗の姿はすでになかった…。
蜂明「は、逃げたか。そりゃそうだろ。俺ほどの神気を纏う奴もそうそういねえだろうしな」
余裕の表情を見せる蜂明。だが…嵐紗は攻撃をしていた。嵐紗は雲の遥か上空で神気を蓄えていた。
嵐紗「これを耐えられた人間はいないよ。君の自信も完璧に折ってあげる。『大彗星【木星】』」
嵐紗が地面に向かって急接近をする…!雲を切り裂く閃光となって…!
蜂明はすでに校門から移動し、王医学校のプールの脱衣場にいた。
蜂明「あんだけ距離を離して、おまけに隠れたらもうどこにいるかわからねえだろ」
だが…嵐紗の視線にはすでに…脱衣場の建物のみを捉えていた…!
嵐紗「隠れても無駄。じゃあね」
嵐紗が脱衣場目掛けて蹴撃を繰り出す…!それは…脱衣場を木端微塵にし、そして…
蜂明「な…なに…が…」
蜂明の背中を完全に貫いていた…。四肢は完全に焼き切れ、かろうじて呼吸ができているに過ぎない程度の重傷を負った…。
嵐紗「神気のおかげで耐えれたのか。でもこうなったら終わりだよ。じゃあね」
嵐紗は背中を貫いている自身の足を振りぬき、壁に叩きつけた。蜂明の命はもうすでに…消えていた。
嵐紗「虹帝達最速を舐めないでほしいものだよ。ま、当然の仕打ちかな」
王医学校校門、狛野嵐紗対藤鷹蜂明の戦いは大量に出る血をプールの水が洗い流したことで終止符を打った。




