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天帝転生~前世で王を夢見た俺は異世界で皇帝を目指す~  作者: おかしなお菓子
第3章 王医学校編

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第65話 VS嵐紗

嵐紗さんの付近に俺と結夢と日菜子さんが集まる。


嵐紗「さて、実践形式の鍛錬ということだけど、みんながどんなものかわからないからさ、一回私とやろうか」

真「…え?」


待て待て待て…嵐紗さんと…やる!?虹帝達(エンペラーズ)の一人である嵐紗さんとの戦闘なんて…いや、これは鍛錬だ。俺や結夢に関しては多少鍛えているとはいえ神気も少ない。加減はしてくれるはずだ。


日菜子「神気も全力でってことですよね?」

嵐紗「もち。ちなみに私もそれなりに出すからね。多分この中だと日菜子ちゃんが一番出るね。いくつ?」

日菜子「1兆5000億くらいですが…」

嵐紗「なら私は100兆くらいでいいね。それくらいあれば日菜子ちゃんの奥義もなんとか凌げるかも?」

日菜子「奥義を防がれるのは結構心に来るんですよ?」

嵐紗「まあまあ。それに真くんと結夢ちゃんもいるし。早速やってみよー!」


軽々と言うが…100兆って時点で俺にはもう理解が追い付かない。なにその桁。知らない。


日菜子「とりあえず神気を出しましょうか」

嵐紗「だね。出そー!」


みんな一斉に神気を解放した…嵐紗さんの神気量は…わからない。というかなにも違和感を感じない。それくらいには離れているってことだけはわかった。日菜子さんの顔は…青ざめている。そりゃあそうだよな。俺らではわからない領域の神気量を感じ取っているからこその顔なんだろうな。


嵐紗「いいね。ちょっと狭いけど…まあ何とかなるっしょ。さ、おいで」

日菜子「では…お言葉に甘えて!」


日菜子さんが一気に嵐紗さんに近づく。そして早速殴り合いにもつれ込んだ。


雷のようなバチっという音、殴り合っている鈍い音が俺の耳に入る。


嵐紗「なるほど…私とやりたい理由が分かったぞ~」

日菜子「早いですね!」

嵐紗「ずっとこれでもいいけど…あの2人を見たいから…一旦パス!」


嵐紗さんがそう言い日菜子さん目掛けて指で銃のような形をとった。


嵐紗「『音砲(おんほう)』!ドカン!」


その声と同時、日菜子さんが吹っ飛ばされた…。何が起きた?


日菜子さんの動向を見ていると…


嵐紗「ボーっとしてたらだめだよ!」


嵐紗さんが俺と結夢の正面に現れたのだ…。そしてその勢いのまま俺に向かってぶつかってきた…。


嵐紗「真くんつっかまえた~」


俺を抱きかかえ…そして俺の腕をつかんでいる…。


嵐紗「壁にドーン!」


俺は壁に向かって投げられた…速すぎて抵抗もできずに壁にぶつかろうとしている…!


神気で…少しでも威力を…減らさなければ…!


壁にぶつかると思ったその瞬間…俺の体に電撃のような痛みが走った…。何が起きている…!?


日菜子「セーフ!」


日菜子さんが俺を抱きかかえてくれた…!


真「日菜子さん!」


「まあ対応するよね~でも…」


日菜子さんの後ろ側から声が聞こえた…。


嵐紗「スピードは私の得意分野。スピードだけじゃ…ないよ?」


嵐紗さんが…不敵に笑っている…!そして…手に神気が集まっている…!


嵐紗「こんなのは…体験したことないでしょ!」


日菜子さんの体の一部は雷になっているが…その部分を嵐紗さんは…掴んだのだ…!


日菜子「な…!」


日菜子さんが実体に戻った…だがスピードはそのままだ…。ここからどうする気だ…!


嵐紗「ベクトルの変更ってのを知ってるか…な!」


嵐紗さんが日菜子さんを掴んだまま回転し、壁に向かって日菜子さんを投げた…。捕まっている俺もろとも投げたのだ…。俺と日菜子さんは壁に叩きつけられた…。


日菜子「う!」

真「いって…」


壁に叩きつけられた俺たちはそのまま地面に落下した…。たまたまそこにあったマットのおかげで落下の負傷は免れたが…壁に叩きつけられただけで十分に痛い…。


嵐紗「一旦こんなところかな。結夢ちゃんは…多分私相手だと何もできない…かな。どんな攻撃だって能力だってスピードで避けちゃえば無力だもん。スピードがあることは十分ステータスになる。みんな覚えておいてね」

真「は…はい…」


スピードは…ステータスか。実際嵐紗さんが速すぎて何もできてないのが現実なんだよな…。


嵐紗「うんとね。わかったことは、日菜子ちゃんは神気で身体能力を上げることが出来ればいいかな。まあ真くんと結夢ちゃんは神気を増やそう。うん。それはそうとして、近接かな。多分だけど近接そのものなら真くんの方ができるね。スピードでなんとかしてるだけ。駆け引きとかもない、ただのスピードのごり押し」


これは…日菜子さんの戦闘での癖なんだろうか。というかあの一瞬で癖を見抜くって…すごいな。俺なら目に追い着かないと思う。それくらいには早かった。


日菜子「近接…私の課題になりそうですか?」

嵐紗「間違いなくね。スピードのごり押しも悪くはないけど、やっぱり読み合いを大事にしていかないとね」

日菜子「…頑張ります」

嵐紗「まあそれはそれ。それにこの環境だと全然私も日菜子ちゃんも本気出せてなかったね」

日菜子「ま…まあそうですが…」

真「何かするんですか?」

嵐紗「うん」


嵐紗さんがそう言い指を鳴らした。


嵐紗「『音界(おんかい)協宙(きょうちゅう)』」


その瞬間…!!


とても広い…まるで宇宙のような空間が展開された…。


真「え…」

日菜子「な…なにこれ…」

嵐紗「ようこそ、私の世界へ」


嵐紗さんの…世界…?ど…どういうことだ?


嵐紗「ここは私の世界。私が本気を出せる、ありのままの私を見せれる空間。この空間ならスピードという概念を逸脱しても何も言われない。これだけ広かったらスピードを抑える必要もない。ここでなら私も日菜子ちゃんも真くんも結夢ちゃんも好きにできる。これだけ広いもん。それにこの空間特有の効果もあるしね」

真「と…特有の効果?」


なんだそれ…めっちゃ気になる!


嵐紗「この空間ではどんなにスピードを出しても減速しない。つまりブレーキが効かない。それはなぜか。見てわかると思うけどこの空間はほぼ宇宙。宇宙には摩擦なんてほぼ存在しない。そんな空間にいるわけだから、ブレーキは意味を為さないよ」


今の説明だと…この空間に投げ出された時点で…常に移動している状況に置かれる…ということか。狙いを定めるのも難易度が高まる。それに自分だけじゃない、相手移動しているということだ。この世界は…やばいな…。


嵐紗「3人共、この状況で私に傷をつけれたら今日の鍛錬を終わりにしよう。けどタイムリミットもつけるよ。私が逃げて隠れてたらずっと帰れないだろうからね」

真「まあそうですよね…」

日菜子「時間は…」

嵐紗「1時間。その間に私に負傷させてみて」


そう言い嵐紗さんが俺の体を、続いて日菜子さんと結夢の体も押した。


嵐紗「んじゃ…よーい…スタート!」


そう言い嵐紗さんが姿を…消した…。速すぎんだろ…。


真「とりあえず…移動はできているけれど…方向転換ができないな…あ、俺はできるな」


俺は尾を取り出し、手に持った。そして効果を付与した。


真「『自分が指す方向に向かって進め』」


俺がそう言うと尾は魔法陣を展開した。


そして俺は少し右に腕を動かした。すると予想通り右方向に移動している。


結夢「え!真くん移動できてる!」

日菜子「それはなに?」


2人が興味津々だ。俺は説明をした。尾についてを。


日菜子「やっぱりすごいな…神話能力(ゼナン)は。どんな効果でも付与できるとは…」

結夢「なら私たちも欲しいなそれ!」

真「多分…」

朱雀「いや、できんな」

真「朱雀」


できないとは?なぜできないんだろうか。


朱雀「同じ効果を持つ尾を2本以上生成はできん。1本目を作った後で2本目を作ると2本目に効果が乗り1本目の効果はなくなるぞ。教えていなかったのう。すまんすまん」

真「じゃあこの尾と同じ効果を持つ尾を結夢に渡したら結夢の尾が効果を持って、俺が持つ効果は消えると」

朱雀「うむ」

真「なら…この尾は結夢か日菜子さんに渡して、俺は蹴って加速するやつでいいか」

結夢「いいの?」

真「うん。使いこなせるようになりたい効果だからね。練習にもいいかなって」

結夢「そっか。ならお言葉に甘えようかな」

真「うん。どうぞ~」


俺は結夢に尾を渡した。


結夢「ありがと~」

真「日菜子さんは…」

日菜子「私は大丈夫だよ。自分で移動できるから」

真「そうですか。では行きましょうか」

日菜子「そうだね」


俺たちは嵐紗さんを追うべく自分たちの移動方法で嵐紗さんが動いた方向に向かって進んだ。


少し進んでいると嵐紗さんが姿を現した。


嵐紗「みんな各自の移動方法を見つけたみたいだね。さ、おいで」

真「行っきます!」


俺は尾に効果を付与した。それは俺の後ろで止まっている。俺はそれを蹴った。


嵐紗「面白い加速方法だね…」


俺は嵐紗さん向かって尾を投げた。効果はなにもない、純粋な尾だ。だがもちろん嵐紗さんは受け止める。


嵐紗「速いね。初見殺しもいいところだ」

真「そんなに速く投げたつもりはないんですけどね」

嵐紗「返すよ。これもおまけでつけとくよ!」


俺の尾と一緒に…なんだ?音符のマークが入ったボールも返ってきている…!俺は避けようと尾を取り出した。


真「避けなきゃ…」


だがそれは俺に当たる前に爆ぜた…。そして…俺の耳を壊しかねないほどの大きな音が鳴ったのだ…。俺は咄嗟に耳を手でふさいだのだが…


嵐紗「隙あるよ!」


嵐紗さんが俺の塞いでる手の中でも右手を蹴ってきた…。


だがその威力が…桁違いだった…。その威力は…俺の右腕を…完全に粉砕した…。


俺は…痛みよりも先に現状の理解に時間がかかった…。


真「…は?」


宙を舞う俺の右腕を視認したと同時に痛みが…!


真「ぐ!!」


想像を絶するほどの痛みに悶え…そして…蹴り飛ばされたため俺は嵐紗さんから離れることになった…。


真「はあ…はあ…なんとか…しないと…」


止血なんて…


朱雀「おいおい、わらわを使えよ。再生できるぞ」

真「それって…自分にも…できる…のか…?」

朱雀「当り前じゃ。ほれ、やってみい」


俺は神気を左手に集中的に纏い、右腕に向かって当てた。すると…


俺の右腕はもとに戻った…!!


真「戻った…」

朱雀「左手で神気を集中させていたがの、体に纏っているんじゃ。再生すると考えればできるぞ」

真「そんなんでできるのか」

朱雀「ああ。そしてこの力はすごいぞ?考える脳がなくとも、肉体の一部さえ残っていればよい。腕とか脚じゃなくてよい。血液一滴あれば再生が可能じゃ。勝手にやってくれる。というかわらわが再生させるんじゃがな?」


血液の一滴…ということは…本当の意味で不死身じゃないか…!


真「じゃあ…俺って死なない?」

朱雀「否、その時点での最大神気量の7割を使う。血液一滴でもあれば再生はするが…7割以上の神気がなければ再生することなく死ぬ。覚えておけ」


…当然だよな。それなら本当の意味での不死となる。だがそれ以上にメリットが大きい。


真「わかった。そうならないように気を付けるよ」

朱雀「それがいいじゃろう。常に呼吸は忘れるな。神気の回復ができるからの」

真「わかった。じゃあ…嵐紗さんのところまで戻るか…」

朱雀「一ついいことを教えてやろう。尾に『不壊(ふかい)の誓い』という効果を付与し、その状態で自身に戻せ」

真「ふかいのちかい?なにそれ」

朱雀「一回やってみい」

真「?わかった」


俺はわけもわからずに尾を取り出し、朱雀の言っていた「不壊の誓い」という効果を付与した。


真「やったけど…これを体に戻すの?」

朱雀「うむ。尾の部分に向かって当てれば戻る」


俺は朱雀の言う通りに尾を戻した。すると…なんだろう、体がさっきよりも熱くなった…?


真「なんだこれ」

朱雀「その効果は…いや、嵐紗のところまで行って試してみるといい。さっきのようにはいかんぞ」

真「そうか。なら行くか!」


俺は嵐紗さんのところに戻った。そこではすでに日菜子さんと結夢が嵐紗さんと戦っていた。


日菜子さんが俺が戻ってきたことを確認したのか嵐紗さんとの競り合いに決着をつけた。


だが決着をつけて先に俺のもとに来たのは…


嵐紗「腕治ってるね~」


そう言い、もう一度蹴る構えをとる満面の笑みを浮かべる嵐紗さんだった。


真「はや!!」


俺がそう言ってる最中にも脚は近づいていて…嵐紗さんの脚が俺の腹に…


「ガン!!」


俺は再び体が壊されると思った。だが…俺の腹が嵐紗さんの脚を止めている…!


嵐紗「硬い…」


もしかしてこれが…「不壊の誓い」の効果か!?だとすれば…どんな攻撃も防げる…!


真「攻める!」


俺は尾を取り出し、それを嵐紗さん目掛けて突きを放った。それを嵐紗さんは…なんと掴んだのだ…。この状況で掴めるって…どんな反射神経をしてるんだ…。


嵐紗「何したか知らないけど!」


嵐紗さんが尾を折ろうと力を入れているのがわかった。だが…この尾は…さっきの「不壊の誓い」の効果を乗せた尾だ…!


嵐紗「普通はこれで折れるんだけどな…」

真「硬いでしょう!」

嵐紗「なら投げちゃお!」


嵐紗さんが尾もろとも俺のことを投げた…。だが後方にはすでに…


結夢「これで…止める!」

日菜子「いっちゃえ!」


結夢を抱える日菜子さんと桜を出している結夢がいた。嵐紗さんは2人の方を横目に見ていた。


だが桜が触れるよりも先に嵐紗さんはそこから脱した…。


結夢「なんでわかるの!?」

嵐紗「仁(じん)君と碧(あおい)から聞いてるからね~。結夢ちゃんの桜はチートレベルでやばいって。止めるんでしょ?それ」

結夢「え…」

嵐紗「まずは…2人から。おいで!木星(ジュピター)!」


嵐紗さんがそう言うと同時…2人の付近に木星のような惑星が出現した…!


結夢「…」

日菜子「は?」


あまりの大きさと質量に2人が動けていない…まずい!ジュピターってことは…木星だ!中身もそのままなら…飲み込まれれば凍って死んでしまうぞ!


俺は2人を動かすべく、尾を蹴り加速をした。


真「間に合え!!」


相当な力で蹴ったが…俺と2人の間に嵐紗さんがすでにいる…!そして俺に近づいてきた…!


嵐紗「まあまあ。一旦見てなって。爆(レブア)」


嵐紗さんがそう言ったその瞬間…


木星が…爆発したのだ…。爆発の衝撃によって2人がちりじりに…。そして氷塊が辺り一帯に吹き飛んでいる…!その氷塊は2人の頭に直撃し…体から力が抜けているように見えた…。いや、完全に気絶した…日菜子さんが白目を剥いてしまっている…。結夢もおそらく痛みによって頭を抑えている…。


嵐紗「さ、あとは真くんだね」

真「く!」


嵐紗さんが再び俺のことを蹴ろうとしている…。俺は尾を取り出し攻撃に備えた。


嵐紗さんが俺を尾ごと蹴った…。尾は壊れることなく受け止めたが…威力が高すぎて吹き飛ばされてしまった。尾に神気を集中させていたからこれで済んだんだろう。


神気が足りない…俺は息を吸おうとしたのだが…


真「はあ…はあ…」


全く…息が吸えない…!!何が起きているんだ…!?


嵐紗{この空間の特性が一個なんて言ってない。宇宙に空気なんてほぼ存在しない。呼吸なんてしても無意味。この状況…君ならどうする?}


真「く…」


どうすれば…尾で解決できるのか…?この状況を…考えろ…考えろ…


嵐紗{考えてるね~。あのしっぽはどこまで効果を付与できるか知らないけど…仮にどんな効果でも付与できるのなら打開はできる。それが思いつくかな?}


落ちつけ…息をするには何が必要だ?当然空気だ…息ができないということは…空気がないということだ。なら…空気を吸えるようにすればいい。なら…よし、思いついた。


尾に空気を吸うことができる効果を付与すればいい。


朱雀は言っていた。この尾はどんな効果も付与できるって。なら…不可能ではないだろう!!


俺は尾を取りだした。そして効果を付与した。効果は「吸える空気の生成」だ。そして俺は尾を口と鼻を覆うように巻いた。そして息を吸う動作をした。すると…


真「息が…吸える!!」


俺は息を吸うことが出来た。これも可能なのか!「どんな」という言葉がこれほどまでにすごいとは思わなかった。


息を吸えることに喜んでいると嵐紗さんが近づいてきた。


嵐紗「やるじゃん。それを思いつくなんてさ」

真「空気をなくすって…やばすぎませんか…」

嵐紗「まあね。さてと、この状況を続けるよ。一旦離れるから体勢とか呼吸を整えな」

真「はい…」


嵐紗さんが離れた。だが…息も吸える。そして…なんだろう、さっきの「不壊の誓い」の効果の尾によって熱くなったのとは違う、体が火照るように熱い。だが体が動かないほどでもない。


嵐紗「今度はそっちから!」


嵐紗さんはこう言った。つまり準備の時間がある。俺は9本の尾に思いつく限り効果を付与した。空気を吸える効果、「不壊の誓い」の尾、相手を追う効果などだ。


真「…ふう…よし行くか!」


俺は嵐紗さんに向かって進んだ。俺は一本目を取り出した。そしてそれを嵐紗さん目掛けて投げる。効果は追尾だ。だが嵐紗さんは逃げない。これじゃあ意味がない…!冷静にその尾をはたきおとした。


嵐紗「来たね。さ、どうするのかな?」


俺は尾を三本取り出した。熱を湛えた尾、冷気を湛えた尾、電気を湛えた尾の3本を。熱と冷気の尾を投げた。


嵐紗{温度がバグってるね…触れば体が溶けたり…壊死は免れない…これは避けるか}


嵐紗さんが避ける体勢に入っている。それを確認した俺は再び追尾の尾を取り出し、追加で尾を二本取り出した。効果は自分と場所を入れ替えるやつと巻き付くやつ。そして電気を帯びた尾も取り出し、計4本の効果を持つを尾を同時に投げた。そして手に効果を付与していない尾を取り出した。効果が思いつかなかったが、これで全部だ。これで嵐紗さんに傷をつける…!


逃げる嵐紗さんを追尾の尾が近づく。嵐紗さんはそれを察知し叩こうとするが、それと同時に尾が2本飛び出した。一本は嵐紗さんの脚に巻き付いた。


嵐紗「まじか。でも…もう一本は…」


嵐紗さんの後ろまで行ったくらいで効果を発動した。効果は…


真「俺と入れ替わる!!」

嵐紗「待ってやばいかも…。…!!」


俺の手にあるのは…熱と冷気の2本の尾だ。それを持って嵐紗さんに近づく。


嵐紗「本格的に…」


「バチ!!」


嵐紗「…!!」


嵐紗さんの体に電気が走る…!!


嵐紗さんは忘れていたんだろう。俺が転移したこと、そして逃げるくらいの能力を持つ尾を持っていることが強すぎて電気を帯びている尾が来ていることに。


そんな状態でも俺は嵐紗さんに近づいた。


その時…


「バゴン!!!」


とてつもない衝撃が俺の体に走った…。また俺は吹き飛ばされた…。


そして嵐紗さんの方を見ると…!!


体が…金色に輝いき…手には…槍を持っている…。


「まさか余が出るとはな。お前は踏み込みすぎた。王の領域に」


嵐紗さんが…今まで感じたこともないような…圧倒的な圧を放っている…。明らかな形態変化だ…それは俺にとって終わりを告げると同義だった…。


俺は本能的に防御のために「不壊の誓い」を発動した。そうでもしないと…死ぬと、そう思ったからだ。


「すべては無意味。何もできずに果てよ」


嵐紗さんが槍を構えた…。そして…


「『裂駆音逸突(れっくおんいっとつ)・神(ゴルス)』」


俺に向かって突きを放ってきた…大丈夫…俺には「不壊の誓い」が…


「グサ…」


俺の腹を…彼女の槍が貫いた…。


真「ゴフ…」


俺は血を吐き…断絶した自分の…下半身を見つめることしかできなかった…。


だが…再生はできる…。神気は大丈夫だ…。


再生だ…。再生…!!


俺の体は…しっかりと再生し、下半身が戻ってきた…。


だがこの状況を打破できるわけでは…ない…。


「これにも再生できるとは…ふはは見事だしょうね…」


嵐紗さんがそう言ってる最中に…嵐紗さんが自分で自分の首を絞めた…。


嵐紗「私気絶しちゃってたか。ごめんね?真くん」


雰囲気が…圧も感じない、いつもの嵐紗さんの雰囲気だ。


真「えっと…嵐紗さん…?」

嵐紗「ん?なに?」

真「今のって…なんですか?」

嵐紗「あれは私の神話能力(ゼナン)である『ルー』だね。ちょっと自我が強くてね。私が気絶しちゃったから前に出てきちゃった。もう大丈夫」

真「あ…そ…そうですか…」

嵐紗「これは反省。それに私負けたね。これ」

真「触ってはいないですけど…」

嵐紗「ならほら、好きなところを触っていいよ。あ、もちろんおっぱいはだめだよ?」


この感じは…この雰囲気はしっかりと嵐紗さんにもどってるな。こんなの言える自信ない。


真「も、もちろんです!というか別に触らなくても…」

嵐紗「いや、この世界の解除方法が誰かが私に触るか1時間経過するか。今30分経ったくらいだからね。待つよりも触ってくれた方がいいんだ」

真「そうなんですね。じゃあ手を失礼しますね」

嵐紗「うん」


俺が嵐紗さんの手に触ると同時…世界にひびが入り、徐々に崩れていった。



あの空間は完全に壊れ、俺は目を開けた。すると道場に戻っていた。辺りを見渡すと日菜子さんと結夢が眠っていた。空はオレンジ色だった。


嵐紗「今日は疲れたでしょ。でも得られたものも多いと思う。明日も頑張ろ!」

真「…はい」


嵐紗さんが2人を起こした。そして終わったことを伝え、俺は2人を見送った。嵐紗さんが2人についていった。それを確認した俺はリビングに入り…ソファに横になって眠った。

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