第63話 VS嵐紗からの刺客
俺はとりあえず距離をとった。距離にして10メートル。おそらくこの人は戦闘になれているはずだ。そんな人を相手に距離をとらないのは悪手でしかない。
真「さて…どんな能力か…」
刺客「よく観察するんだな。まあ構わないが」
男も後ろに飛び退き、竹林の中に消えた。これは…地の利があるな。相手はおそらく周辺の地形や環境になれている。しかし俺はここにはじめて来た。翠花姉が言っていた。知識があるのとないのとでも差があると。つまり現時点で不利なのは俺だ。なにか策を打たなければ。
真「この場合は…んー…広範囲技…いくか!『金紅羽・積善』!」
俺は自身の後ろに生えている羽から数多くの羽を飛ばした。それを周辺の竹林に向かって放った。
この羽の破壊力はそこまでない。だが俺がやりたかったのはそれではなく、景色をよくし、その真ん中に立つことでどんな方向からでも反応をできるようにすることだ。
真「これで見やすく…ん?なんだこれ」
周りには…霧?が発生していて見にくい…。
真「霧…まさか…相手の能力は…霧か?」
だとしたらまずいな…。もしもあの人がこの霧をさらに濃くできるのなら…相手は一方的に見えているのなら…
真「これもなんとかしないとか…。なら…これが使えるのかも?」
俺は両手に神気を纏わせた。右手には少量を、左手は多量の神気を。右手には空気がどんどん集まっていく。霧もどんどん吸っている。霧も薄くなってきている。
真「多分本来の使い方ではないんだろうけど…まあなんとかなってるしいいよな!」
俺は右手に集まる神気に向けて多量の神気を纏う左手を近づけた。すると左手の神気が空気を囲むボール状になった。
真「翠花姉から教わってよかった。こういう時でも使えるんだもんな。さてと…感動してる暇は…」
俺は周りを見渡した。近くに…火があった。それもとてつもない勢いで燃えていて近づけば火傷は免れないほどの火だ。
真「なさそうだな。いっちょ暴れてこい!俺の『集気』!」
俺は集気をその炎目掛けて投げたすると…
「ボウ!!」
なんと火の勢いがさらに増したのだ…!なんでだ!?とりあえず俺はその炎から離れた。
すると炎の中から人影が出てきた。
刺客「まさか『集気』を炎の中に投げるとは思いもしなかった…。空気の塊を炎に投げるとより炎上する。覚えておけよ?」
真「はーい。さてと、あなたの能力はおおよそしかわかってないけど…『霧』は間違ってなさそうだ」
刺客「ああその通りだ。俺の能力には『霧』がある。もちろん全く使っていない。観察したに過ぎない」
真「なるほど。そしてさっきの炎は…能力なのか、はたまたマッチとかでつけたのか…どっちなんでしょうね?」
刺客{こいつ…戦闘に慣れている?いや、知識があるのか…。霧はともかく…炎が能力とは勘繰られては…}
真「いや、目を見ればわかるか。白い目に…赤色の目…特に特徴があるわけでもないし…うん、『炎』も能力ですね?」
刺客「な…」
真「その反応で確信が持てました。『霧』と『炎』…何気に初めてかもしれないな。自然能力を二個持ちの相手は」
刺客「そう…ですか…だが能力がわかったところで対策はできているのか!『炎竹』!」
相手が炎を纏った竹を投げてきた。だがスピードが遅い。俺は軽々避けた。
真「こんなの朱雀のスピードに比べればなんてことない。今度はこっちの番!」
俺は弓を取り出した。そして両手で弓を構え、大きく弦を引っ張った。
真「避けられる可能性高いから…こっちでいいな。『焼弓光光』!」
俺は弓の弦を離した。弓からは高速の矢が飛んで行った。それは相手の太ももに刺さった。
刺客「ぐ…!速い矢だな…でもこれなら弓は使えないだろう!『千濃霧界』!」
男からとてつもなく濃い霧が周辺一帯に瞬時に散布した…。
真「…霧が濃い…しかも竹林も相まって視界が安定しない…。困ったな…」
濃い霧が視界を塞いでいるな…。集気をするか。
俺は再び集気を作るが…霧が晴れることはなかった…。
真「だめか…。ん?」
俺の鼻が…焦げくさい臭いを感じ取った。おそらく相手も炎を使ったんだろう。だが…これは逆にいいことかもしれない。相手が俺以上に炎を使えるのならまずいが…俺はそれに賭けた。
真「文字通り火力勝負といこうか」
炎でもなにかしらあるはずだ!
朱雀「火怨柱律があるのう。霧も晴れるし広範囲を焼き切るならこれじゃな」
真「じゃあそれだ!『火怨柱律』!」
直後、霧で見えないが俺の近くに柱が出てきた感覚があった。そしてそれが発生したことにより相手がとても小さな声を発した。俺はそれを聞き逃さず、声の方向に向かって飛んだ。
すると相手は…とても大きな火の玉を作っていた…。
真「な…」
刺客「これは躱せまい!焼き死ね!」
男が俺目掛けて火の玉を飛ばしてきた…。
朱雀「案ずるな!突っ込め!」
俺は朱雀の言葉に反射的に動いた。火の玉に向かって突っ込んだ。すると…
真「火を…吸収している…?」
朱雀「今のわらわは不死鳥じゃ。不死鳥は火を扱えるのでな。この程度の火では意味を為さん」
真「本当に朱雀は神話能力なんだなって実感するよ」
朱雀「じゃろ!?じゃからこれからの扱いは…」
真「変わらないぞ」
朱雀「なー!」
真「さてと…切り替えてっと」
全部の火を吸収するころには周りにある霧は消えており、男の姿を視界にとらえた。
朱雀「真、次は尾に魔法陣を付与してみてはどうじゃ?」
真「というと?」
朱雀「この霧では見えない場合が多いじゃろう。そこでわらわの尾に『ずっと光っている』という効果を付与するのじゃ」
真「…それをさ、相手に気づかれないように巻きつけたらさ、それは俺感知できる?」
朱雀「無論じゃ。気づかれないようにとは言ったが巻きつけたら早々に外せんのじゃよ」
真「あ、そうなの?」
朱雀「じゃな。体に巻き付く。それにわらわの尾は指示通りに動くため固結びになるようにすればより強固になるな」
真「え自動で?」
朱雀「自動で」
真「なにかするわけでもなく?」
朱雀「指示さえしてまえば」
真「あらいいじゃないの」
朱雀「ざましょ~?早速やってみておくんなし」
真「ういっす」
俺は朱雀の尾を取り出し効果を付与し、それを手に取った。
真「いや、2本使うか。効果はさっきのと、狙った奴を追いかける効果の二つだ」
俺は2本目を取り出し、それにも効果を付与した。
真「行って…こい!!」
俺は能力が付与されている尾を投げた。巻き付く尾は追いかける方の尾に巻きついている。その二つの尾はあの男に向かって真っすぐに飛んで行った。
刺客「なんだ!?」
俺が飛ばした尾に男は炎を放つが…それも全部突破して男に向かった。男は突破されたのを見て飛び退くが…追跡をする尾の方が速く、男の膝あたりに突き刺さった。
刺客「ぐ…」
刺さった尾のうちの一本が男の足に巻き付いた。膝に刺さった尾は俺の元に戻り、巻き付いた尾は男から離れることのないように固結びになっていた。
刺客「なら霧で視界を消そうじゃないか…!」
男が霧を出した。視界はどんどん消えていき、1m先すら見えないほどに濃い。だが…それも何も意味を為さない。なぜなら…
真「あの人の足に俺の尾があるんだ。どこにいるのか手に取るようにわかる。今は…あそこか」
あの男に巻き付いているのは右足の膝だ。そしてこの条件下なら…さらに魔法陣も使えるじゃないか?
真「あの尾に向かって進む効果を付与だ」
おそらくこれで膝にある尾に向かって進むはずだ。俺は尾を取り出し、それを投げた。そして…俺は投げたその尾を掴んだ。
真「うお!速いな!」
相当なスピードで進む尾を掴んでいるんだ。もちろん早い。男に付けた尾がどんどん近づいている。
そして最終的に霧を抜け、男との距離が縮まった。
刺客「く…くるな…」
男がそんなことを言っているが…俺は意に介さない。男が炎の玉を出すが…それも今の俺には効かない。
刺客「くそ…!何で効かないんだよ!」
真「…生まれ持っての才能…かな」
刺客「くそ!!」
真「こう言うのはあれだけど…先に攻めてきたのはそちらだ。悪いが…やりすぎでも文句は言わないでほしい」
俺は今掴んでいる尾をしまい、その代わりにもう一つ尾を出し、尾を投げる構えをとった。効果は…「すべてを貫く槍と成れ」
刺客「やめろ…」
真「『金槍紅蓮』」
俺は尾を投げた。それは男の…両太ももを貫いた。
刺客「ぐ…!!」
足が貫通している彼は全く動けていない。俺は彼に向かって近づいた。
真「これは…俺の勝ちでいいですか?」
刺客「…完敗だ。見事だ。その年齢でそこまで能力を使いこなすとは…」
真「ならよかったです。足の怪我は…」
朱雀「わらわの力で治すことができるぞい」
刺客「……え?」
朱雀「ちょいと待っててくれ。じっとしててな。真、少し借りるぞ」
真「あ、うん」
俺は朱雀に主導権を渡した。そして朱雀は彼の足に向かって神気を当てた。それは体を貫通した穴をどんどん塞いでいき、止血も進み、気づけば彼の足は元通りになった。
彼の足を治すと主導権は俺に戻った。そして朱雀が俺の肩に鳥の姿でとまった。
朱雀「どうじゃ?違和感はあるか?」
刺客「いや、ない。ありがとう」
真「再生ってこんな風に使えるんだな。知らなかった」
朱雀「わらわは不死鳥じゃ。再生も司っているのでな。これくらい朝飯前じゃ」
真「これって難しいの?」
朱雀「いんや?わらわを解放し、神気を対象に当てれば再生する。治癒ではなく再生のため、真の神気も使うが対象の再生力も必要となる。そこは気を付けい」
真「わかった。さてと、お兄さん。訓練所まで案内してもらってもいいですか?」
刺客「ああ…と言いたいのだが…ここがどこかわからない…」
真「……」
終わった。この人がどこかを把握してなかったら…完全に迷子じゃないか!!
真「えっと…おおよその方向とかも…」
刺客「……」
朱雀「だめだこりゃ」
真「とりあえず…飛ぶか。お兄さん、僕が鳥の姿になるので、背中に乗ってもらっていいですか?」
刺客「?あ、ああ。わかった」
俺は鳥の姿になり、お兄さんを背に乗せて飛んだ。
刺客「これだけ高ければわかるぞ…あっちだ」
真「……大丈夫なんでしょうね?」
刺客「…流石に大丈夫…だと…思う」
真「まあ信じなければ話にもならんし…よし、行きます!」
俺はお兄さんが指す方向に向かって飛んだ…のだが…
真「ずっと飛んでるけれど…真っ暗なんですけど…」
刺客「…あ、あっちかもな~」
真「頼みますよ!?」
わかった。この人は方向音痴だ。
朱雀「真、とりあえず光がある方向に飛べばよかろうて」
真「ま、まあそうだよな。あっちまで飛ぶか」
俺は光がある方向に向かって進んだ。すると…大きな建物が出てきた。
真「お兄さん、あの建物は?」
刺客「…!!あれだ!間違いない!これは自信があるぞ!」
真「ならあそこに行きます!」
俺はその建物に向かって飛んだ。少し時間がたち、建物の近くに来た。俺はお兄さんを下ろし、人の姿になった。
目の前にある建物に徒歩で進み、インターホンを鳴らした。
「ピンポーン」
鳴らすと、すぐにドアが開いた。そこにいたのは…
嵐紗「待ってたぞ~真くん。それにその感じ…勝ったんだね。真くん」
嵐紗さんだった。ここまで安心感があるのは…やはり面識がある人間がいるのはすさまじいな。
真「はい!無事に勝てました!」
嵐紗「そっかそっか。どんなふうに勝ったのかは知らないけれど、結果的に勝てたのならよかった」
真「そういえば嵐紗さん、なんで僕を置いて行ったんですか?」
嵐紗「ま~真くんを試したんだよ。ここに来れるかなっていうね」
真「そ、そうですか…」
嵐紗「まあ気にしない気にしない。さてと、挨拶をしたら翠花ちゃんの屋敷に戻ろうか」
真「あ、はい」
俺は靴を脱ぎ、その建物の中に入った。少し進むとそこには…
「はあ!!」
「やあ!!」
「ふん!!」
剣道、柔道、空手などの実践的な訓練をする大人たちがいた。わかる数だけでも…50人はいる。
鍛練をしている人たちに向けて嵐紗さんが声を出した。
嵐紗「おーいみんな、ちょっといいかな?」
「は!」
嵐紗さんの一言で全員が訓練をやめ、整列をして膝をついた。そしてそのうちのリーダー格のような人がしゃべり始めた。
「お久しぶりです黄帝様!本日はどのようなご用件で?」
嵐紗「今日…というか少しの間、この子も一緒に訓練をするよ。真くん、挨拶してね」
真「あ…赫星真です!よろしくお願いします!」
俺が自己紹介をした時…一部からザワザワしたような声がした。
「赫星って…シーバンスの名家の苗字じゃないか…」
「そんな少年がなぜここに…」
そうだった。蓮乃さんが言ってたな。俺の苗字である「赫星」はシーバンス帝国の名家の苗字であるって。それをこんな形で実感するとは…。
その時…嵐紗さんが大きく手を叩いた…。
嵐紗「別に真くんがどこの国出身でどんな姓を名乗っているかなんで関係ないでしょ?」
その声は…今までに聞いたことがない、低い声だった…。嵐紗さんはこんな声も出せるのか…。嵐紗さんの声でみんなが一斉に黙っている。それだけ影響力が強いということなんだろうな…。
嵐紗「真くん、お願いしますだけもう一回言えるかな?」
真「は、はい!よろしくお願いします!」
「お願いします!!」
俺以上に大きな声で言われた。吹っ飛ばされるかと思うくらいには大きかった。
嵐紗「みんなにはいつも通りに訓練をしてもらって構わないよ。私が真くんを教えて、それの実践稽古をみんなにしてもらいたいの。今日いるだけでも50人、全く違う戦闘スタイル、能力を持ったみんなとやることで実戦経験を積ませたい。そのためにみんなに力を借りたいの。いいかな?」
「はい!」
嵐紗「っていう挨拶をしに来ただけ。まあ…そうだな、久しぶりに来たしお願いしに来た立場だし、私とやりたい人いる?」
嵐紗さんと…やりたい人…嵐紗さんって虹帝達の一人だよな?そんな人とやりたいと申し出る人なんて…。そう思った俺がだめだった。
みんなが挙手をしている。強い相手とできるのがいいんだろうか。
嵐紗「あ、そうだ。鉄次カモーン」
「は!」
嵐紗さんが呼んだのは…俺がさっき戦ったお兄さんだ。
嵐紗「私がやってる間、真くんに訓練所の案内をお願いしてもいいかな?少しだけ時間をかけて回ってほしいんだ」
鉄次「もちろんです」
嵐紗「真くん、ちゃんと回ってくるんだよ。質問とかあったら答えてくれると思うから、遠慮せずにね」
真「は、はい」
俺はお兄さんに連れられ訓練所を歩き回った。嵐紗さんはさっきの部屋にいる。
この訓練所にはトイレやシャワールームだったり、休憩室、仮眠室などがあった。また反応速度を鍛える機械が置いてある部屋、筋トレをする部屋、重力をいじれる部屋など結構種類があった。
俺とお兄さんは反応速度鍛えマシーンの部屋にいる。
真「これやってみてもいいですか?」
鉄次「いいぞ。結構難しいぞ?これ」
真「そ、そうなんですか…」
鉄次「まあやってみろ。大体わかると思うぜ」
真「は、はい」
システムは単純で赤く光るボタンを押せばいいのだが…手だけじゃない、足も押さなければならない。手と足をほぼ同時に動かさなければならない…。初めてだったのもあるんだろう、俺は全くできなかった…。
真「これ…難しすぎませんかね…」
鉄次「だろ?だからまずは手だけをやって、足をやって、その後に同時にやるんだ。設定いじってなかったから一番難しいのになってたな」
真「やっぱり難しかったんですね」
鉄次「だな。あ、休憩室に行くか?汗かいたろ」
真「そうですね。少しお邪魔してもいいですかね」
鉄次「いいだろ。行くか」
真「はい」
俺とお兄さんは休憩室でお茶を飲みながら話していた。
鉄次「そういやよ、黄帝様とはどこで仲良くなったんだ?結構仲いいからよ。気になってたんだ」
真「それが…あんまりわかんないんですよね。嵐紗さんが突然家に来て、遊ぼうか!とか、一緒に鍛錬しよう!みたいな感じで来たので…」
鉄次「そ、そうか…まああの人結構自由奔放だしな。でも黄帝としての仕事は最低限こなしてるから誰も文句は言えないしな」
真「あの感じで仕事はちゃんとするんだ…意外かもしれないな…」
嵐紗「へくち!!誰か私の噂してるのかな?まあいいや。はい、次~」
鉄次「はは…。あ、あとよ、真くんだっけか。戦闘慣れしてないか?戦った時ほぼなんもできなかったんだが…」
真「神話能力を持っているので…効果のごり押しなような気がしますね」
鉄次「それでも使いこなすのは結構難しいだろう?」
真「効果を付与してそれを投げてるだけだから…そこまでかもしれないな…」
鉄次「そ、そうか。でも何回も任務に出てる俺が一方的だし十分に強いぞ。君は」
真「そう言ってもらえて嬉しいです。これからも頑張ります」
鉄次「おう、頑張れよ。んじゃ、戻るか」
真「はい」
俺とお兄さんは嵐紗さんたちがいるさっきの部屋に向かった。戻ると嵐紗さんがめっちゃ汗をかいていた。
嵐紗「ふう…疲れた。やっぱり好きに動けないのはだめだな私…お、2人共帰ってきたね。おかえり」
真「ただいま!嵐紗さん!」
嵐紗「じゃあ今日はこれで終わろうか。じゃあみんなも一旦並んでもらってもいいかな」
「は!」
嵐紗さんの指示で全員が整列をした。
嵐紗「ということで、これから毎日ではないかもしれないけど、顔を出すと思うから、その時はよろしくね。嫌な顔をせずに真くんと戦ってくれると嬉しいな」
「はい!!」
嵐紗「じゃあ私は真くんの家で泊まることになってるから。じゃあみんなお疲れ様。頑張ってね」
「はい!!」
嵐紗さんと俺は訓練所を出た。辺りはすでに暗くなっていた。
嵐紗「もう暗いね。よし、真くん。私の背中に乗って」
真「せ、背中?」
嵐紗「おんぶしてあげるよ。流石にこの時間に走るのは危ないからね。ほら、乗って乗って」
真「あ…はい…」
嵐紗さんにおんぶをしてもらった。そして嵐紗さんが走り出す。
嵐紗{さすがに真くんを乗せた状態だと走ったほうがいいね。流石にあのスピードは耐えられるとは思えないし…}
「真くん、明日は学校だから…ん?」
真「すー…すー…」
嵐紗「まあそうだよね。お疲れだよね。真くんが起きないようなスピードで行くとしますか」
嵐紗さんは俺を起こさないようなスピードで走ってくれた。そして少し意識がない間に…
嵐紗「おーい、真くん~」
真「うえ?あ、嵐紗さん…」
嵐紗「着いたよ。屋敷」
真「あ…はい。ありがとうございます…」
嵐紗「眠たいね。お風呂だけ入って寝ようか」
真「はい…」
風呂に入った俺は歯磨きをしてすぐにベッドに入った。俺の意識はすぐになくなった。




