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天帝転生~前世で王を夢見た俺は異世界で皇帝を目指す~  作者: おかしなお菓子
第3章 王医学校編

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第58話 放課後

俺は神気の技術ができなくて先生と居残り授業をすることになった。けどその前に翠花姉のところに行ってそれを伝えなければならない俺は校門にいるであろう翠花姉のところに向かった。


校門に向かうとすでに翠花姉は校門にいて、日菜子さんと結夢も一緒にいた。


結夢「あれ、真くん。今日居残り授業じゃなかったの?」

真「うん。そうだね」


俺と結夢の会話に翠花姉は少し眉をひそめていた。


翠花「真くん~?」

真「は、はい…」

翠花「居残り授業ってどういうこと~?」

真「えっと…今日の能力の授業で『集気(しゅうき)』をやったんだけど…」

翠花「だけど?」

真「うまくできなくて…先生と一緒に練習しようかって言われたから、やります!って言ったら…」

翠花「業後に居残り授業という形でやることになったと」

真「うん…」

翠花「なんだそんなことか。国語とか算数とかなら私がみっちり教えてあげようかなと思ってたけど、そっか。『集気』か。あれは結構汎用性高いから習得しておいてほしいんだよな~。しょうがないから私も一緒に受けようじゃないか」

真「え?いいの?」

翠花「もちろん」

日菜子「なら私は帰るね。結夢も帰る?」

結夢「んー…うん。今日は宿題あるし…」

日菜子「なら帰るが一番だね。じゃあ翠花、真くん。そういうわけで」

翠花「おっけ~。じゃあね、日菜子、結夢ちゃん」

結夢「さよなら~」


日菜子さん、結夢は校門を出て帰っていった。俺と翠花姉は校舎に戻った。翠花姉は体育館シューズを取りに中等部の校舎に戻って、少ししたらシューズを持って翠花姉が戻ってきた。


翠花「お待たせ~。体育館だよね」

真「うん」

翠花「じゃあ行こっか」

真「うん」


俺と翠花姉は燕先生がいる体育館に向かった。体育館は校舎から入れないわけではなく、外からでも入れる。俺は翠花姉におんぶされ、翠花姉がジャンプをした。この感じ…ちょっと見覚えがあるような…。


ジャンプをした翠花姉は一回のジャンプで体育館に着き下ろしてくれた。


翠花「よっと」

真「これも神気の技術?」

翠花「だね。『脚気(きゃっき)』っていうの。足に神気を纏わせてジャンプするやつね。これは移動で使うから便利なんだよね~」

真「これも授業でやったんだ。少しの神気でも普通に飛べたんだ」

翠花「これはできたんだ。まあこれは『集気』よりも簡単だしね。さてと、ドアを開けるよ」

真「うん」


翠花姉からしたら大半の技術は簡単なんじゃないか?まあいいか。


俺と翠花姉は体育館に入り待っている先生に声をかけた。


真「先生、翠花姉もいるんですけど…」

燕「別に構わないわよ。というか、いてくれた方が私も気楽ね」

真「そうなんですか?」

燕「私以上に強い人を連れてきてるんだもの。ね、翠花ちゃん」

翠花「そんなことないですよ。先生の方が強いじゃないですか」

燕「私体力テストで負けたんだけど?」

翠花「あれは持久戦に持ち込んだ結果先生が体力切れだっただけですよ。私もあれ以上やってたら負傷してたでしょう」

燕「負傷するだけでしょう?私は結構傷負ったわよ?普通に負けじゃない」

翠花「ま、まあそうとも言いますね…」

燕「そうとしか言わないでしょ?まずまず…」


2人が…なんというか口喧嘩のようなものを始めちゃった…。これ居残り授業どころじゃないな…。


真「先生、『集気』を教えてほしいんですけど…」

翠花「真くんもそう言っているし、やりましょうよ先生」

燕「そうね。さてと、真くん。今日は『集気』をやったけど、ああなっちゃった理由は分かる?」


ああなった理由は…まずどんな状況だったか…。神気を手のひらに集中させて…風船みたいに神気を集めて…その状態からさらに神気を加えたら…。…絶対とは言えないけど…これだろ。けど自信はないんだよな…。


真「わかっているような…わかってないような…」

翠花「微妙?」

真「う、うん…夢中だったのちょっと…」

燕「まあそうね。とりあえず原因としては『神気の膜に対して神気を込めすぎた』ね」

翠花「というと?」

燕「真くんはハンドボールくらいの大きさに10億近くの神気を込めたのよ」

翠花「ああ~…。えっとそのあとは…」

燕「『集気』が暴走して竜巻になったわ。私が止めなかったらまずかったかも?」

翠花「それは…応用に片足を突っ込んでますね…」

燕「そうなのよね。真くんは意図せずだからね。才能はあるだけに基礎をおろそかにしそうだから居残り授業で基礎の練習をしようかなって」

翠花「なるほど。なら習わない手はないですね」

燕「そうよね。ということでやるわよ。真くん」

真「えっと…その前に一個いいですか?」

燕「なに?」

真「その応用ってなんなんですか?わかってないんですよね…」

翠花「それはそっか。真くんがやったことは『竜集気(りゅうしゅうき)』。神気を竜巻のように扱うこと。『集気』は神気の中に風を送り込んで、それを神気でふたをする、ほんとにボールみたいな感じなんだ」


それが…集気の説明だよね?これは復習というか説明というか…。竜集気の説明ではないな。


翠花「けどその『竜集気』は神気の量を増やして竜巻の核を作るの。その核は大気中にある神気も巻き込んで大きくなる。だから自分の神気以上の威力になるんだ。それを相手にぶつけるってことだから結構威力が高かったりする。その分難しくて、これは上級神気技術の一個になってる」


自分の神気以上の神気量を相手にぶつける…か。確かに難しいんだろうな。けど…それが俺は意図せずにできてしまってるらしいし…。


燕「真くんができていたのは竜巻の核を作れているところまで。それを制御して…ってこれだと『竜集気』を教えてしまいそうだわ。脱線してしまったわね。今回は『集気』をやるのよ」

翠花「そ、そうでしたね。まあ『竜集気』なら私が改めて教えるよ」

真「わかった!ありがとう!翠花姉!」

翠花「いいよ~。さ、『集気』、頑張ってね」

真「うん!」


俺は集気の練習に取り掛かった。


翠花「とりあえず必要な神気はそこまでじゃないんだ。一旦1000万でやろうか」

真「わかった」


俺は手のひらに神気を集中させた。するとどんどん空気が手のひらに集まってきた。


真「えっと…ここからどうすればいいの?」

燕「今は風船で例えると中の空気を作ってる状態。ゴムがないから空気の塊だけど、神気というゴムで囲ってあげれば『集気』の完成だよ」

真「…ということは?」

翠花「手のひらに空気を集める神気、その空気を囲む神気の2段構成で『集気』って感じなんだ。言葉で説明すると難しそうだけど、普通真くんくらいの年齢だったら神気の精度が甘いことが功を奏して『集気』になってることがあるの。けど真くんは私や蓮乃との鍛錬で精度が上がってるし、増えてもいるから逆に難しくなってるっていう…」


言い方あれかもだけど…鍛錬してない方ができるってばなんとも言えないなおい…。


燕「ま、まあ真くん。逆に考えましょう。精度がいいからこそみんな以上の『集気』を扱えると考えるのよ。今日の授業ではみんなふんわりとした『集気』だったけれど、真くんならそれ以上だと確信してるわ。頑張ってね」

真「は、はい」


こうやって先生や翠花姉と会話してるけど…俺の手には空気の塊あるんだぞ?普通に気が抜けなかった…。とりあえず俺は今の状態をキープしてる。


翠花「じゃあ真くん、今の空気の塊に膜を作るように神気で覆ってみて」

真「神気で…覆う…」


そうは言うけれど…難しいぞ…。


真「翠花姉…。どうやってやるの?」

翠花「うーんとね…」


結構悩んでる…説明が難しいんだろうか…。


翠花「一回私のやり方を見せてそれを真似てみる?」

真「僕にできるやつ?」

翠花「もちろん」

真「じゃあお願い」

翠花「おっけ~」


そう言い翠花姉は神気を開放し、両手に神気を宿している…が神気量に差がある。右手は1万くらい、左手は100万くらいだ。右手はさっき俺がやったように空気が集まっている。


真「そこからどうするの?」

翠花「まあ見てなって」


右手にある神気の塊を左手の神気に向かって合わせた…。すると…翠花姉の左手には二層に分かれた神気のボールができていた。


翠花「見えるかな?神気の層が分かれてるの」

真「うん」

翠花「まあこれは結構大げさにやったけど、真くんなら右手少なめ、左手結構多めとかでいいよ。やってみて」

真「う…うん…」


俺は翠花姉に言われた通りに神気を分けた。右手は空気の塊ができてきた。完成したのを確認した俺は左手にも神気を纏わせた。


翠花「いいね。じゃあそれを合わせてみようか」

真「うん」


俺は右手と左手を合わせた。すると…神気が合わさり、一つのボールになった…。


真「これ…できてる…?」

翠花「できてるね。一回見せただけでできるとはさすがだね」

燕「しかもこれ、結構安定してる『集気』ですね。さすが翠花ちゃん」

翠花「いえいえ」

真「思ったんだけどさ」

翠花「なに?」

真「先生が安定した『集気』って言ってたけど、なんで安定してるの?あと安定してるとなにがいいの?」

翠花「安定してるといい理由は単純、分散しないから威力が高くなるからだね」

真「な、なるほど…」

燕「そして安定してる理由だけど、これに関しては高等部の能力の授業の範囲だから今はいいわ。まあ

二層ある神気が支え合ってるってことくらいね」


難しいらしいし…まあ詳しく聞かない方がいいんだろうな。やめとこ。


真「あ、はーい…まあいつか習おうと思います」

燕「それがいいわね」

翠花「じゃあ先生、真くんも理解できたようですし、できてもいますので帰っても?」

燕「ええ。構わないわ。わからないところがあったら翠花ちゃんに聞けばいいものね」

翠花「はい。教えますよ~」

燕「じゃあ真くん、翠花ちゃん。気を付けて帰ってね」

真「はい。さようなら」

翠花「さようなら」


体育館を出るとすでに夕日がきれいな時間帯になっていた。俺たちは体育館シューズを教室の前へ戻し、俺と翠花姉は校門に向かった。


真「『集気』難しいね。できるのに苦労したよ…」

翠花「うっそだ~。私が見せたら完璧に真似できてたじゃん」

真「ま、まあね…」

翠花「あとはあれを安定していてかつ素早くできるように頑張ろうね」

真「うん!」


他愛もない話をしながら、俺たちは夕日に照らされた帰り道を歩いた。


下校している道中には公園があり、子どもたちがボール遊びをしたり、砂場でおままごとをしていたりと、これがこの世界の公園なんだと実感した。


そんなことを思っていると屋敷に近づいてきた。


翠花「今日はどんな鍛錬する?」


金曜日は嵐紗さんが来たからスピードの鍛錬だったが、今日は剣術をやろうかな。


真「今日は覇王流がいい!」

翠花「おっけ~。ちゃんと内容を考えないとね」

真「今日はどんなことをするの?」


翠花姉が歩きながら考えている。


翠花「うーん…今日はね…」


翠花姉が悩んでいて、翠花姉の方を見ていたその時…


俺の第六感が警笛を鳴らした。


真「翠花姉!危ない!!」


俺は咄嗟に翠花姉を突き飛ばすように翠花姉の前に体を入れた…。


直後…


「ザシュ…」


俺の背中に…焼けるような熱い痛みが走った…。俺の体から力が抜ける…。


翠花「…!!真くん!!」


倒れる俺を翠花姉が抱えてくれた…。翠花姉の額には汗があり…そして怒っているような…不安げな顔だった…。


翠花「…ごめん…真くん…私がいながら…守れなかった…」

真「ううん…大丈夫…」


そうは言うが…正直意識を保つのでさえ…きつい…。少しでも気を抜けば…意識は消える…。


翠花「誰が…誰がやった!!」


翠花姉が声を荒げ、斬撃が来た方を睨む。


その声を聞いたのか斬撃を放ったであろう主がゆっくりとこちらに姿を現した…。


そしてその男が声を発する…。


「これが一族でもっとも叡智を司るもの…か。…堕ちたもんだな、俺がいない間によ」


その声、その顔を見た翠花姉の顔が…青ざめていくのがわかる…。


翠花「な…なん…で…あなたがここに…」


「決まってんだろ?俺が一族をやめさせられた原因の妹であるお前を殺すためだ。なあぁ?翠花ぁ」


翠花姉のことを知ってる…!?こいつ…何者なんだ…!


翠花「…顔も見たくない…あなたが…私の祖父母を殺さなければ…私が追放されることも、お兄ちゃんが当主を強いられることもなかった…!そうでしょう!?羅弾(らだん)叔父さん!!!」


その言葉を聞いた男が不敵に笑う…。


羅弾「叔父さん…か。そう呼ばれることももうないな。お前と颯治(そうじ)の2人だけだ。そう呼んでくれたのもな。だが…言っておいてやるよ。ハナからお前らを憎んでいた…いや、颯治だけを憎んでいた!だからお前らが笑顔でいることが…能力を使えていることが…不愉快でしょうがねえんだよ!!」


羅弾という男が言ったその言葉に翠花姉の顔は…曇っていた…。


翠花「…それが…理由?」

羅弾「あ?」

翠花「それが理由で!!真くんを傷つけたのか!!」


翠花姉から…聞いたこともないような口調でそう言い、見たこともない顔をしていた…。怒りに染まった翠花姉の顔は…怖くて…俺は思わず目をつむった…。


羅弾「そいつは動かなければ切るつもりはなかった。だがお前を守るためにお前の前に出たんだ。本望だろ?寝てるガキ」


俺に向かって…声をかけている…のか?


羅弾「なんとか言ったらどうなんだ!?あ!?」


間違いなく…俺に話しかけているな…。だが俺は答えられる気力は…ない…。


翠花「あなたがやらなければ答えれたでしょう…あなたがしたことを許す気も…そして生きていることも…私が終わらせる!」


その直後…翠花姉から…


「ドン!!」


地面を割るような圧倒的な神気を感じた…!!


羅弾「……ふん、その程度か?お前は俺のことを舐めてるみてえだな?」


男がそう言い放つ前に翠花姉が男目掛けて地面を蹴った…!


翠花「それが…どうだっていうのよ!」

羅弾「残念だ。怒りで実力差が見えてねえぞ。翠花」


その瞬間…


「ザシュ…」


翠花「……ケホ…」


翠花姉の口からは血が溢れ…体からは…大量の…鮮血が…


真「す…すい…か…ねえ…?」


俺は…目の前で起きている現実に…理解が追い付かなかった…。


翠花「…く…」


翠花姉が刀を支えに立つ…。


翠花「これが…あなたの…力…?」

羅弾「早いだろ?これが悪魔を頼って得た力だ」

翠花「…は?」


今この男…悪魔を頼って得た力…と言ったか?悪魔…どういうことだ…?


翠花「…なら…」

羅弾「あ?」

翠花「あなたがやったの!?学校での…私への嫌がらせを!!」


それを聞いた男は…


羅弾「なんだ?それ。知らねえな」


本当に知らないかのように頭をポリポリ掻きながらそう言う…。


それを聞いた翠花姉は…刀を…手放してしまった…。


翠花「うそ…じゃあ私は…誰に…狙われているの…?」

羅弾「…ふ、どうやら俺だけじゃないみたいだな?界魔将団(かいましょうだん)でお前のことを狙ってるのは」


翠花姉は…界魔将団という組織で…少なくともこの男を含め2人に…狙われている…!?


翠花「……」

羅弾「どんな状況にいるかは知らねえ。そして悪いが…」


そう言い男が翠花姉の元へ近づいた…。そして持っている刀を構えた…。


羅弾「それを見逃す俺じゃない」

翠花「…!!く…」


翠花姉が刀を構える前に…男は無情にも…


「ザシュ…」


翠花姉を袈裟に切った…。


翠花姉が糸が切れたように倒れる…。


真「すい…か…ねえ…!」


俺は翠花姉のもとに…地面を這って…近づいた…。だが…すでに男が俺の後ろにいた…。


羅弾「そんなに愛しの姉に近づきてえか?」

真「く…!」

羅弾「ふん、くだらねえ」


男が…俺の背中を刀で…串刺しにした…。


真「ぐ…!!」

羅弾「愛しの姉のとこに行きてえか?」


そう言い男は俺の服の後ろの襟をつかみ…倒れる翠花姉のところに投げた…。


真「ぐ…翠花姉…」


俺が声をかけても…反応が…ない…。


羅弾「お前らはここで死ぬ。何も残せずにな」


どんどん男が近づいてくる…。それに…俺の視界も…ぼやけてきた…。


混濁する意識の中で俺は翠花姉の方を見たが…翠花姉は…動いていなかった…。


羅弾「じゃあな。来世は俺みたいなやつと__」


男が全てを言い終える前に…俺の意識は…暗闇に落ちた…。

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