第55話 微かに聞こえる音
俺たちは屋敷でUNOをやっている。翠花姉も帰ってきて6人でやることになった。
真「じゃあ翠花姉が入ってきたし…一回リセットで…」
嵐紗「じゃあはい、翠花ちゃん。途中参加で構わないからね~」
翠花「ありがとうございま~す」
めっちゃにやけ全開で俺の方を見てくるやんこの2人…ってか翠花姉が途中参加だと…俺14枚追加された状態でやらんといかんやんけ!!
真「ご慈悲は…」
仁「ないな」
碧「ないね」
翠花「なんであると思ってるんだか」
蓮乃「厳しいですね」
嵐紗「おつ!!」
真「くそったれ!!!」
翠花姉が帰ってくる時点で4枚持ってて14枚プラスだから18枚?しかも中身が特殊なカードがそこまでないしこれは負けだろこれ。
嵐紗「しょうがないから真くんが始めてもいいよ」
真「あ…ありがとう?」
俺はカードを出した。赤色の1だ。みんながどんどん出していく。カードの色が変わったり、リバースで順番が変わったりと状況は結構変わる。しかしやってて思った。
前の世界とルールが一緒なんだ。
こっちの世界だと多少ルールが違うのかなと思っていたが、リバースとか+2とかドロー4とか、本当に違いがない。
日が沈み、窓から見える空は暗くなっていた。俺たちはちょうどゲームが終わっていた。
嵐紗「もうこんな時間か。じゃあそろそろお暇しようかな」
碧「だね。私も帰らないと」
仁「では失礼するとしようか」
翠花「そうですか。じゃあお見送りをさせていただきます」
仁「すまんな」
翠帝、黄帝、碧帝の3人を俺たちは見送るため屋敷を出た。
3人が俺たちが見えない距離まで移動し、それを確認した俺たちは屋敷の中に入った。
翠花「さてと、じゃあご飯にしよ。もう7時だよ」
蓮乃「ですね。では準備をしましょうか」
真「ご飯だ~」
準備の時間がなかったんだろう、蓮乃さんがそうめんをすぐに湯がいてくれた。
3人「いただきます」
3人で食卓を囲み、俺たちはそうめんを食べた。やっぱりそうめんっていつ食べてもうまいね!(9月)
真「そういえば翠花姉、今日ってなんで遅かったの?」
翠花「あれ、日菜子から聞いてない?先生に用があるからって」
真「あ、そんなこともあったね」
翠花「まあ特にこれといったことは…」
その言葉を言う翠花姉の目は…どこか…悲しみを抱えているように見えた…。
真「翠花姉?」
翠花「ううん、なんでもない。学校で難しかったところがあったから聞いただけだよ。そこで手こずっちゃってさ」
真「そっか。まあ翠花姉と言ってもできないところの一つや二つあるよね」
蓮乃「…」
{あれは…嘘の目。翠花さま…何か隠していますね…。いや、私が出るような問題ではないかもしれない…。今は一旦様子見ですね}
翠花「そうだね~。因数分解っていうんだけどね?」
やだその言葉聞きたくない。大っ嫌いなんだよ数学の、特に因数分解が!!どこをどうやったらそうなるのか全く理解ができねえんじゃ!!
真「ま、まあ中学生だし難しいところなんだよね?」
翠花「そうなんだよね~」
蓮乃「中学生の範囲は難しいですからね。王医学校となれば尚更難しいことでしょう」
まあ難しかったもんな、因数分解。俺?俺はテキスト破ってそのままゴミ箱にポイってやったら先生にどちゃくそ叱られたぞ。
翠花「そういえば、なんで虹帝達の3人がここにいたの?それが未だに意味不明なんだけど…」
真「なんかね、突然嵐紗さんがこの屋敷に来たんだ。それで僕と遊ぼう!って言ってきて…」
翠花「アポなし?」
蓮乃「なし」
翠花「わーお。もしかしたらまた来るかも?」
真「多分あの感じは…うん」
蓮乃「虹帝達の方々に失礼のないように整理整頓等はしっかりとしないといけませんね…はあ…めんど」
今めっちゃ蓮乃さんの本音が聞こえたような気がする。けど聞かなかったことにした方がいい気がする。
そうめんを食べ終わり、俺と翠花姉は風呂に入った。今日は虹帝達の3人が来たこともあって、なんていうか精神的に疲れた。失礼のないようにとは思っているが、翠帝はいつも通り年上への接し方だが…嵐紗さんが距離が近すぎる。この世界でも重役な彼女がこんな屋敷に来ると思わないだろ。
真「なんで今日嵐紗さん来たんだろ。わかんないな…」
翠花「ん?何か言った?真くん」
真「なんで嵐紗さんが来たのかなって」
翠花「黄帝は17歳。年齢でいうなら女子高生。小学生の真くんと遊びたくなったとか?」
真「でもさ、虹帝達って忙しいんじゃ…」
翠花「そればっかりはわからないね。けど、予定を空けてまで真くんと遊んでくれたんだし、真くん目当てで来たことは間違いないだろうね」
真「僕目当て…」
翠花「でもね真くん。遊んでくれた3人は言うまでもなく戦闘最強格。次に来てくれた時、鍛錬をお願いしてみることを勧めるよ。多分、私以上に得られるものがあると思う」
真「でもそれじゃあ…」
翠花「大丈夫。次に来てもらっても大丈夫なようにメニューを考えておくよ。剣術は私がしっかりと教えるから心配はいらないよ」
真「うん。わかった」
翠花「んじゃ、着替えてこようか」
真「うん」
虹帝達が俺たちの屋敷に来る。それが大きなことというのは分かっているが…鍛錬まで見てくれるんだろうか?とても遊びに来たとしか思えないが…まあ翠花姉がそう言うならそうなんだ。
俺たちは寝間着に着替えた。翠花姉の部屋に行き、翠花姉は課題を、俺は能力に関する本を読んだ。本はもう何周したかわからないが、それでも内容が濃いのもあるから読んでいて飽きなかった。それに覚えきれてないってのもある。
翠花「ふう、終わった。9時か。じゃあ真くん寝る?」
真「少しだけ待って」
翠花「ん」
あと見開き2ページで自然能力の章が終わりそうなんだ。
俺はそのページをゆっくり読んだ。内容は何度も見てきたが、それでも覚えきれていない部分もあるし、様々な自然を知れるという点でも覚えなきゃと思ったんだ。
俺は自然能力の章を読み終え、翠花姉に言った。
真「翠花姉、終わった…よ…」
熟読していて気が付かなかった…翠花姉は…何かノートに書き起こし、それを見て頭を抱えている…。
真「す、翠花姉?」
俺の声に翠花姉が我に返ったかのように反応をした。そして…ノートを…慌てて閉じた…。
翠花「ごめんごめん。終わったんだよね、じゃあ歯磨きをして寝ようか」
真「…うん…」
俺はどこかいつもの翠花姉ではないと思ったが、気のせいと思い俺はいつものように歯磨きをした。そして俺たちはベッドに入り寝た。
「わらわのめがねはあかいろめがね♪あーかいおそらをとんだから~と~んだ~か~ら~♪」
ついに歌い始めたよこいつ。けどまだ歌の方がいいな。しかも馴染みあるリズムだからかなつかしさも感じた。
真「歌えるんだな。めっちゃ音痴だったけど」
朱雀「クアー!!」
真「いって!!」
朱雀が…俺の頬に嘴また突き付けてきやがった!
朱雀「わらわの歌声が音痴じゃと!?聞き捨てならんのじゃ!」
真「まあまあ。とりあえず傷治してくれよ」
朱雀「断る!」
真「Noー!!」
その声を聞いたのか階段から音が聞こえた。誰かが上ってきている…。
翠花「朝からうるさーい!」
ん?デジャブ?少し前にやったような気がする。
真「お、おはよう、翠花姉」
翠花「うん、おはよう。また頬を怪我してるし…全く…朱雀様?」
朱雀「わらわなのか!?」
翠花「当然です。どんな理由であれ怪我をさせたことに変わりはないんですから。真くん、私が治すから動かないでね」
真「うん、ありがとう」
俺の頬をあったかい光が照らす…徐々に痛みも消えてきた。
翠花「よし、これでいいね。じゃあご飯できてるし行こうか」
真「うん」
俺たちはリビングに向かった。朱雀はどこか頬を膨らませているように見えたがまあいいよな。
リビングには蓮乃さんが朝ごはんの準備をしていた。俺と翠花姉は椅子に座り、蓮乃さんが準備を終えた。俺たちは朝ごはんを食べた。
3人「いただきます」
翠花「ねえ真くん。今日は多分一緒に帰れると思うから一緒に帰ろうよ」
真「ほんと!?かえろかえろ!」
蓮乃「昨日は真くんだけで帰ってきましたもんね」
真「そうなんだよね。今日は翠花姉と一緒に帰れる~♪」
俺は翠花姉と一緒に帰れることを楽しみに朝ごはんを食べ終えた。
3人「ごちそうさまでした」
俺と翠花姉は学校に行く準備をした。準備にも手慣れたもので早く終わった。
俺は翠花姉を待つためリビングにいた。そんな時…
蓮乃「真くん」
蓮乃さんに声をかけられた。俺は蓮乃さんが座る椅子に座った。
真「どうしたの?」
蓮乃「今日は私の髪で三つ編みを練習してから翠花さまの髪を三つ編みにしてほしいのですよ。昨日の三つ編みもよかったような気がしますが、現状に満足せず練習してほしいのです」
真「な、なるほど…」
蓮乃「ということでやってみてください」
そう言い蓮乃さんは顔の左側に三つ編みができるように顔の方向を変えた。
俺はいつも通りやった。今までの三つ編みの記憶から正しい手順でやった。
真「ど、どうかな?」
完成した三つ編みを蓮乃さんが見た。
蓮乃「…ふむ。いいのではないですか?」
真「ほんと?よかった~」
蓮乃「ですが先ほども言ったように現状に満足せず、ですよ。それにまだ翠花さまの三つ編みは終わってません。本番はこの後ですよ」
真「う、うん」
俺が蓮乃さんの三つ編みを終えたくらいで…
「ガチャ」
リビングのドアが開いた。翠花姉が入ってきた。
翠花「お、真くんも準備が終わってるね。じゃあ…今日もお願いしようかな?」
翠花姉がそう言った。蓮乃さんは頑張ってと伝えるかのようなジェスチャーをとった。俺は翠花姉の隣に座り、三つ編みを行った。蓮乃さんがこちらを見ているが、特に口出しもジェスチャーもなく、本当にただ見ているだけだった。
三つ編みが…終わった。
真「翠花姉、どうかな?」
翠花「お、終わった?じゃあ鏡をお願い」
蓮乃「はい」
蓮乃さんが鏡を翠花姉に渡した。それを見た翠花姉は…
翠花「いつもの何倍も上手じゃん!これは学校のみんなに自慢しなきゃ!」
真「それは…」
いつも以上に喜ぶ翠花姉に俺は戸惑いを隠せなかった。蓮乃さんで練習したとはいえそこまで変わっているものなのだろうか。女子の気持ちってわからないものだな。
翠花「じゃあ学校行こうか!」
真「う、うん!」
蓮乃「気を付けて~」
俺たちは靴を履き、玄関の扉を開け学校に向かった。
少し時間がたって学校に到着した。俺は耳を澄ませた。昨日はなかったが、今日はあるかもしれない、そう思い物音がしないかを確かめた。翠花姉は何事もないかのように学校の門に近づいている。
翠花「真くん?どうしたの?」
真「シャッター音を聞いてるんだ」
翠花「シャッター音…前に言ってたやつだよね。今日はどうなの?」
真「いやまだ…」
「パシャ」
真「!!」
今聞こえたぞ!シャッター音が!!
真「今聞こえたんだ。翠花姉は聞こえた?」
翠花「うーん…私には聞こえなかった…。真くんを疑うわけじゃないけど…本当に鳴ったの?」
真「うん。絶対に。自信があるよ」
間違いなく鳴った。だが翠花姉を含め、俺以外の生徒は誰にも聞こえていない…。これも変わらない…。だが誰かがここでカメラで撮ったってのは間違いないはずなんだ…。
翠花「また聞こえたら教えてよ。真くん」
真「う、うん。わかった」
翠花姉がカードを読み込ませ中等部の校舎に行った。俺も校舎に向かった。
「これにも気づくか…。やるな、少年」
茂みから男が現れ、真に対しそう言った…。男は首を傾げ、カメラをまじまじと見た。
「なぜ聞こえるのかがわからんな…。確かにどんなカメラにもシャッター音が発生する。だが俺の神気技術と音を操る能力者が発明した物だぞ…」
そう言い男はカメラに映る真と翠花の写真を現像し、データを抜き取り…カメラを…握りつぶした…。
「ふふ…。まあいい。こちらもさらに改良を加えればいい。お前が大事にしている姉が地獄を見るのも…すぐそこだ…ふははは!」
そう言い男は茂みを出て学生証を読み込ませ校舎に消えた…。
中等部の校舎で翠花は昇降口についていた。
翠花「学校のローファーを借りてたけど…今日は大丈夫だよね…」
不安げな顔をしつつも翠花は自分の下駄箱の扉を開けた。
翠花「よかった…。やっぱり昨日がおかしかったんだよね…そうに決まってる…」
翠花は自身の上履きがあることを確認し安堵しながら靴を履き替え教室に向かった。
少し歩き教室についた翠花は日菜子や武と話していた。
翠花「おはよう、2人共」
武「ああ、おはよう。どうした?いつになく顔が暗いが」
日菜子「翠花、おはよう。ローファーは…」
翠花「……見つか…ったよ」
日菜子「そっか…。でも触れないことにするよ」
武「なにがあった?」
翠花「…」
日菜子「触れないであげてよ。武」
武「?あ、ああ。わかった」
日菜子たちと会話をしていると翔が教室に入ってきた。
翔「みんなおはよう。HRをはじめっぞ」
その声で生徒はみんな席に座った。
翔「今日も業後は学園祭の準備があるな。どんなおばけを担当するのかを決めるくらいかな?まあいけるところまでいっちゃってくれ。俺は止めん」
クラス全員に話している最中、翔が翠花に目線を合わせた。翠花はそれに反応して目を合わせた。そして目が合ったことを確認した翔は指を机に不規則な間隔で叩いた。
翠花{これって…モールス信号?…おれの…ところに…こい…俺のところに来い?後で先生のところに行けばいいのか}
その意図をくみ取り翠花は首を縦に振った。それを確認した翔は指で机をたたくのをやめた。
翔「~というわけだから頑張ってくれな。じゃあHRを終わる」
翔がHRを終え、教室を出た。翠花も翔についていくように教室を出た。
少しすると翔が手招きしていた。そこに翠花は向かった。
翠花「どうしたんですか?」
翔「ローファーについてだな。昨日の状態からできる限り新品に近づけたつもりだ。帰るタイミングで渡す。昨日みたいなことがあると俺も腹が立つからな」
翠花「そう…ですね。ありがとうございます」
翔「ん。じゃあ授業頑張ってな」
翠花「はい」
翠花は翔と分かれ教室に戻った。そして自分の席に戻ろうとしたら日菜子がいた。
日菜子「先生と何か話したの?」
翠花「昨日のローファーの件、先生たちが見つけてくれたらしいの」
日菜子「え?じゃあ昨日はどうやって帰ったの?」
翠花「学校のやつを借りたの。あ、もう授業が始まっちゃう。準備してくるね」
翠花は後ろのロッカーにあるファイルや教科書を机に置いた。日菜子は自分の席に戻っていた。
そして翠花たちは授業を受けた。4限まで特に何もなく授業は進んだ。そして給食の時間になり、手を洗ったり準備をしたりと様々なことをしたが、特に何も異変はなかった。
翠花{やっぱり昨日が異常だったんだ。よかった}
給食もすませ、5限6限と授業を受け、学園祭の準備でも特に異変はなかった。
翔が学園祭の準備時間を終えたことを説明し、HRを始めた。
翔「今日もお疲れさん。じゃあ帰ろうか」
日菜子「起立、さようなら」
クラスメイト「さようなら」
続々と帰っていくクラスメイトたち。翠花は翔からローファーを受け取りにいった。
翠花「翔先生、ローファーをお願いしてもいいですか?」
翔「ああ、これだな、ほい。じゃあ気をつけて帰れよ」
翠花「はい、さようなら」
翔からローファーを受け取った翠花は廊下で待っている日菜子のもとへ向かい、真がいる校門に向かった。
真と結夢が待つ校門に翠花と日菜子は到着した。俺は翠花姉と日菜子さんが近づいてきたタイミングで結夢に声をかけた。
真「結夢、もしかしたらシャッター音が聞こえるかもしれない。耳を澄まして聞いてほしいんだ」
結夢「わ、わかった」
翠花姉と日菜子さんが近づいてきた。俺は少しそのシャッター音の正体を試すように神気を使って速度を上げて翠花姉のもとに向かった。その時…
「…シャ」
俺の耳は聞き逃さなかった。完全に聞こえたわけではないが、確かに俺の耳には入った。だが聞こえたと悟られまいと俺は聞こえた素振りを見せることなく翠花姉のもとに向かった。
真「翠花姉!」
翠花「もう、元気なんだから」
日菜子「あれ、結夢は?」
真「結夢は…」
結夢「真くん、早いよ~」
真「ご、ごめん…」
日菜子「妹を置いていくとは!許せんな~?」
真「ご、ごめんなさい!」
日菜子「謝罪に免じて許そうじゃないか」
真「あ、ありがとうございます!」
翠花「んじゃ帰ろっか」
結夢「はい!」
そこから俺たちは下校をした。俺は結夢と話していた。
真「結夢、聞こえた?」
結夢「ううん、聞こえなかったんだ。真くんは?」
真「俺は聞こえたよ。といってもかすかに聞こえたくらい」
結夢「そっか…。そんなに音が小さいのかな?」
真「うん。多分、俺以外に聞こえたって感じの人を見たことはない。それだけ音が小さいんだよ」
結夢「じゃあ真くんは耳がいいってことだね!」
真「そ、そうなるのかな?」
シャッター音の件で話していると結夢たちの家に着いた。
結夢「じゃあ真くんまた明日!」
真「今日は金曜日だから来週だね」
結夢「じゃあまた来週!」
真「また来週」
結夢と分かれ俺と翠花姉は話していた。
翠花「やっぱり聞こえるの?」
真「うん。でも帰りは確証がないんだ」
翠花「でも何回も聞こえるってことは間違いなくあるんだろうね。私には聞こえないけど…」
真「でも、音はどんどん小さくなっていってる。いつ聞こえなくなるか…」
翠花「その時はその時。私は真くんの言うことを信じるよ」
真「頑張るよ」
翠花「今日は久々に鍛錬を…」
「おーーーーーーい!!」
突然上から女性の声が聞こえた…。俺は上を向く間もなく翠花姉が俺を抱え距離をとった。
翠花「誰!?」
「わたしわたし!」
煙の中から声が聞こえた…。だがその声には聞き覚えがあった…。
嵐紗「わたしだよ!嵐紗!」
翠花「黄帝…!どうしてここに…」
嵐紗「今日も真くんと遊ぼうかなって」
翠花「今日は久々に鍛錬をしようと思っているんです。遊ぶ時間は…」
嵐紗「なら私もその鍛練に参加してもいい?」
真「え?」
嵐紗「私スピードには自信があってね。そこで私も役に立てると思うんだ~」
翠花「真くんはどう思う?」
真「虹帝達から教えてもらえるんだったら…」
嵐紗「決まりだね。さ、屋敷に行こう!!」
半ば強引に嵐紗さんが俺たちの屋敷に行くことになった…。虹帝達がいる今日の鍛錬は…俺の中の速度という概念が覆るほどの過酷なものになるのだった…。




