第54話 涙に濡れる翠花
翠花、日菜子、翔は教室で話し始めた。
翔「手紙だったな。見ていいのか?」
翠花「はい、大丈夫です…」
翔「じゃあ…失礼」
そう言い翔は翠花が渡した3通の手紙を一つずつ読み始めた。それを見た翔の眉間にはしわが寄っている。
翔「これは確かにえぐいな。しかもあったタイミングもやばいんだろ?」
日菜子「はい。1つ目は翠花が朝来た時に下駄箱に置いてあり、2つ目は給食の時に手を洗った後、机の中に入っていて、3つ目は体育の着替える部屋で、制服の上に置いてありました。2,3個目は私も一緒にいました。特に3個目、これがあることはあり得てはいけないことなんです」
翔「というと?」
日菜子「私は体育の着替える部屋の施錠を任されています。私が鍵を開け、最初に部屋に入り、全員が出てから施錠をする。翠花とは一緒に出たので、その時点では翠花の制服の上には何もなかった。そして授業が終わり、鍵を開けるために私は一番最初に部屋に入った。そのタイミングで翠花の制服の上に手紙があった。授業中に誰かが抜けたというのもありませんでした。つまり、このクラスの女子ではないということです。施錠の鍵は体育の先生に預けていたし、あの部屋に入れる、そして手紙を置くことも不可能…であるはずなのに、翠花の制服の上には手紙があった」
翔「なるほどな。確かにあり得てはいけない。しかもこの学校は部屋が施錠されると人は侵入ができないように神気が流れるようになってる。そんなシステムがあるにも関わらず手紙が置いてある…か」
翠花「先生はどんな可能性が考えられますか?」
翔「…正直…お手上げ状態だ。なんせこの学校はさっき言った通りシステムがある。それを超えてくるってのは…俺は初めての体験だ…それに俺は頭がいいわけじゃない。考えられねえな…」
翠花「そう…ですか…」
翔「だがこれを無視するつもりは毛頭ない。不器用ながらも調べてはみる。だがあまり当てにはするな。多分だが翠花の方が頭がいい。今の俺よりもな」
翠花「そ、そんなことは…」
翔「いや、お前は間違いなく俺よりも頭がいい。そして戦闘となっても俺よりも強い。誇れ」
翠花「あ、ありがとうございます」
翔「とりあえず、一旦は手紙は俺が預かっておく。人脈だけは俺の方が仕事上広い。筆跡鑑定とかもやってみる。職員会議でもこれを出してみる。とりあえず2人は今日は帰るといい」
日菜子「ありがとうございます」
翠花「では失礼します」
翔「まあ下駄箱までだがついていく。一緒に行くか」
翠花「はい」
話し合いは終わり、翠花たちが教室を出た。そして下駄箱に向かって歩いた。
下駄箱に到着し、翠花、日菜子は扉を開けた…だが…
翠花「…あれ?私の靴…どこ?」
日菜子・翔「……は?」
翠花の番号の下駄箱に…翠花が履いている靴が…入っていなかったのだ…。翠花は下駄箱を3回くらい見直すが…やはりない…。
翠花「…私…本当に…誰かに…?」
日菜子「そう考えないと…」
翔「手紙だけでなく靴まで…これはやばいな…。だが…まだそう決めつけるのは早い。他の誰かが間違えている可能性もある。みんなの下駄箱を見るぞ」
翠花・日菜子「はい!」
翠花、日菜子、翔はクラスの下駄箱の扉をどんどん開けていったのだが…
翠花「なんで…なんでないの…?」
日菜子「誰かが間違えたって線も…ないのか…」
翠花「日菜子のはあったの?」
日菜子「うん。ほら、これ」
そう言い前に出したその靴にはしっかりと「一是日菜子」と書かれた靴があった。翠花の靴だけが…なくなっていたのだ…。
翠花「ごめん、日菜子。多分、真くんと結夢ちゃんが校門で待ってくれてると思うの。2人に私が遅れることを伝えてきてほしいの。なんなら一緒に帰ってもらっても…」
日菜子「わかった。けど2人を家に連れて行ったら戻ってくる。翠花が心配なんだもん」
翠花「…ありがとう。日菜子。じゃあ2人をお願いしてもいい?」
日菜子「任せて」
日菜子が靴に履き替え、中学校側からカードを読み込ませ、姿を消した。
翔「じゃあ…靴を探すか…」
翠花「…すみません。先生…私の問題なのに…」
翔「あ?生徒の悩みを解決すんのが先生の仕事だろ?任せとけよ。なんなら…」
翔が神気を開放し、声を発する。
翔「燕先生、来てもらえます?」
翔がそう言うと…
「はいはい」
どこからともなく光が現れた…そしてその光から人が出てきた…。そこにいたのは…
燕「まあ私を呼ぶよね。翔先生なら」
燕。すでに真たちの授業を終え、帰るだけのような服装をしていた。
翠花「燕先生…」
燕「状況は分からないけど、呼ばれたのなら来るわ。それでなにがあったの?」
翔「実は…」
翔が今までのことを燕に教える。それを聞いた燕は頭を抱えている…。
燕「うーん…手紙に靴隠し…悪質だね…。翠花ちゃんを狙うのはわかるけど…そりゃあ結構魅力的な女の子だもんね」
翔「そうっすね…って今はそこはいいんすよ!いや良くないかもだけど!」
翠花「なんか…複雑です…」
翔「すまんすまん。とりあえず燕先生、翠花の靴を探すのを手伝ってほしいんです」
燕「了解。3人がかりでやればすぐに見つかるよ」
翠花「ありがとうございます!」
3人は翠花の靴を探すため、一度校舎の中に戻った。
燕「といってもどこにあるか想像はついているの?」
翔「それがわかってれば苦労しないですよ…」
燕「まあそうか。ごめんごめん」
翠花「とりあえず…私が入ったことのある教室を調べてみましょう」
燕「体育館とかも忘れちゃだめだね」
翠花「とりあえず教室に行きますか」
翔「だな」
3人は教室に向かった。
日菜子は真と結夢のいる校門に向かっていた。
日菜子「2人はまだいるかな…あ、いたいた」
俺たちは日菜子さんを見つけた。翠花姉の姿は見当たらない…。
真「日菜子さん。翠花姉は?」
日菜子「翠花は少し先生に用があって帰れないんだ。だから帰るついでに真くんに伝えておいてって伝言だね。さてと、帰ろうか」
結夢「うん」
俺たちは日菜子さんと一緒に家に帰った。いつもなら日菜子さんと結夢の家を先に通って分かれるのだが、今日は翠花姉がいないこともあって先に屋敷に向かってくれた。
真「送ってくれてありがとうございます」
日菜子「ううん。いいのいいの。いつもは私らが送ってもらってるしたまにはね」
結夢「じゃあ真くん。また明日!」
真「うん。また明日」
俺と結夢、日菜子さんは分かれた。俺は屋敷に入った。
真「帰りました~」
靴を脱いでリビングに入ると蓮乃さんがテレビを見ていた。
蓮乃「あら真くん。おかえりさない。翠花さまは?」
真「翠花姉は先生に用があるから先に帰っててって日菜子さんが言ってた」
蓮乃「なるほど。では翠花さまが帰ってくるまでの間…」
「ピンポーン」
蓮乃「…今玄関なりましたね。真くん、見てきてもらってもよろしいですか?」
真「はい」
俺は玄関に向かった。そして扉を開け、そこに立っていた人物は…!
嵐紗「やあ!元気にしてるかい!?お祭り以来だね!」
なんと…黄帝…狛野嵐紗だった…!
真「え…嵐紗…さん」
嵐紗「なーに驚いてんの!」
そりゃあ驚くだろ…あんた…虹帝達の一人なんだぞ…!?
真「まず…なんでこの屋敷に僕がいるって知ってるんですか…」
嵐紗「仁君に教えてもらったんだ~。赫星真、源翠花の家はここってね」
プライバシーのかけらもあったもんじゃねえな。翠帝…普通に住所教えちゃう人なのか…。
真「じゃあ…どんな用でここに?」
嵐紗「うーんと…遊びに?」
真「え?」
嵐紗「え?」
待て待て待て…虹帝達の一人が…遊びで…俺たちの屋敷に来るのか…!?
話している時間が長かったのかリビングから蓮乃さんが出てきた…。
蓮乃「なにかありましたか?真くん」
真「あ…蓮乃さん」
嵐紗「ん?蓮乃って…ああ、あなたがあの源蓮乃か」
蓮乃「黄…帝…!それに…私のことを…知っているようですね…?」
嵐紗「まあね」
蓮乃「それで、虹帝達のあなたが私たちの屋敷に何の用ですか?」
嵐紗「真くんにも言ったけど遊びに来たの」
蓮乃「遊び?特にここにはなにも…」
嵐紗「もしかしたらそうかもって思って…じゃじゃーん!いろいろ持ってきた!」
そう言い、謎の空間からトランプ、UNO、かるた、百人一首、すごろくなどのアナログゲームに、コントローラーを使うビデオゲームの数々が入った箱を取り出した…。前の世界で散々見てきたもののオンパレードだった…。俺は少し懐かしい気分になったのと同時に、この世界にもこういうのは実在するんだと驚いた。この家にはそんなものは見たことがなかったからな。
真「たくさんある…!」
蓮乃「これらを使って真くんと遊ぶと…そういうことですね?」
嵐紗「うん。いいでしょ?」
蓮乃「真くんは…って…」
俺は懐かしさのあまりその箱を漁ってしまった。だって懐かしいものばっかりなんだもん!
蓮乃「真くん。それは黄帝様の私物で…」
嵐紗「いいよ。真くんが喜んでくれているようでなにより」
真「ねえ嵐紗さん!僕これやりたい!」
俺が取り出したのは…UNOだ!ルールもおおよそわかってるし楽しそうだ!
嵐紗「いいね。やろうか!」
蓮乃「では私も参加するとしましょうか。けれどそれでも人数が足りない気がしますね…」
嵐紗「ならあの子呼ぶか。ちょっと待ってて」
真「?」
そう言い残し嵐紗さんはどこかに飛んで行った。それも相当な速さで。…さらっと言ったが飛ぶことが可能な能力を持ってるってことだよな?虹帝達の能力ってどんなものがあるんだろうか…想像がつかないな…。
蓮乃「さて、誰を連れてくるのやら…」
少し時間が経過し、再度玄関のチャイムが鳴った。俺は玄関に出た。そこには嵐紗さんと…
碧「お、この前の少年じゃないか。夏祭り以来か」
仁「真と翠花の家だったか」
……連れてくる人物が…けた違いの大物しかいないんだが?虹帝達のうちの3人がこの家に集まったのか?もう意味が分からない…。
真「は…はい…って…くださ…い…」
仁「大丈夫か?脈拍が上がっているが」
そりゃあそうだろ…虹帝達3人が一斉に俺の家に来るんだぞ?そっちからしたらいいかもしれんが…俺からしたらたまったもんじゃないんだよ…!
真「大丈夫…です…」
嵐紗「真くんもそう言ってるし上がっちゃお」
碧「お邪魔します」
3人が靴を脱ぎ、リビングに入った。俺は玄関を閉めるため3人を待ったのだが…
蓮乃「え!?」
リビングからそんな声が聞こえた…。そりゃあ蓮乃さんでも驚くよね…。
俺もリビングに入ったんだが…圧巻だわ。この景色。虹帝達の3人が俺たちの部屋にいるなんて…想像もつかなかった。
嵐紗「じゃあ真くんがやりたいと言ってたUNOをやりまーす!ってことで配るね」
嵐紗さんがカードを配り、俺たちはこのメンバーでUNOを始めた…。
王医学校中等部にて…
燕「翔先生、そちらは?」
翔「ないっすね…。まじでどこにあるんだ?この教室ではないのか…」
翠花「すみません…ここまでないものだとは…」
未だ翠花の靴は見つかっていなかった…。現在翠花たちがいる教室は翠花や日菜子のクラスである1-1にいる。
翠花「この教室には…ない?」
翔「そう考えた方がよさそうだな。体育館か?次に怪しいのは」
翠花「はい…。怪しいところだとそこくらいしか…」
燕「なら行こうか」
翠花「はい」
翠花たちは体育館に繋がる渡り廊下を渡り、体育館に入った。
翔「ここで怪しいのは…ステージ裏と倉庫くらいか?」
燕「そう…ね。なら私はステージ裏を調べてくる。2人は倉庫をお願い」
翠花「わかりました」
翠花と翔は倉庫に入り、バスケットボールやバレーボールが入ったかご、ネットが置いてあるところ、得点版の裏などあり得る可能性すべてをしらみつぶしに探していた。
翔「そっちはどうだ?」
翠花「ない…ですね…。一体どこに隠したのか…」
翔「ち…」
「ガコン!!」
翔は赤色のコーンを蹴飛ばした…。
翔「なんで翠花がこんな目に合わなければならない?ただ真面目に学校に来て授業を受け、日菜子と共に積極的に動いてくれているだけだぞ…。こんな真面目な子が…いじめられる理由が見当たらねえんだよ…」
翠花「翔先生…」
翔「ふう…悪いな。取り乱した。続けようか」
翠花「はい…」
翔は蹴飛ばした赤色のコーンを元通りにし、一度探した場所を念入りに調べた。だが…それでも見つからなかった…。
翠花「これだけ探してもないということは…」
翔「ここにもないみたいだな…」
翠花「燕先生はどうでしょうか?」
翔「一回聞いてみるか。おーい!燕先生!そっちはどうですか?」
翔が声を出すと、燕が出てきた。だが…腕で大きくバツを出し首を横に振っている…。それは翠花の靴がなかったということに他ならなかった…。
翔「なんでない…一度校舎に戻るか?」
翠花「そうですね…。ここにもないとなると…やはり校舎に?」
燕が翠花たちのもとに近づいてきた。
燕「そうね。そう考えるのが自然ね。それにしても…本当にどこに…?」
翔「ここで止まっててもどうにもならないです。一度動きましょう」
翠花「はい」
翠花たちは教室に戻ろうとした。だが…とあるトイレの目の前、翠花は足を止めた…。
翔「どうした?トイレに行きたくなったか?」
翔がそう言ったと同時…
「ゴン」
燕「もう少し品のある言い方をしなさい」
翔「す、すみません…」
燕「翠花ちゃん、行きたいのなら行ってもいいわよ」
翠花「じゃあ…すみません、失礼します」
翠花は女子トイレの中に入り、用を足した。そこで翠花は考えていた…。
翠花{体育館にもない、教室にもない…下駄箱にはもちろんないだろうし…本当にどこなのか見当もつかない…。今は先生たちを待たせるわけにはいかない。さっさと出よう}
翠花は個室を出てトイレを出た。
燕「一応トイレも調べる?」
翠花「あ…調べてなかったな…はい。なら…翔先生は男子トイレお願いしてもいいですか?」
翔「わかった」
翠花、燕は女子トイレを、翔は男子トイレを探した。
翠花がそれぞれの個室を、燕は掃除用具入れを探していた。だがその時…
「ガン!!」
隣の女子トイレにも十分に響くほどの大きな音が男子トイレから聞こえた…。翠花、燕は急いで男子トイレに向かった…。
燕「翔先生!?なにを…」
翔「……あった…」
翠花「あったって…もしかして…」
翔「ああ…翠花の…靴だ…」
翠花「本当ですか!?なら…」
翔「……悪い…席を外す…。靴は…用具入れに…ある…」
翠花「え?あ、はい…」
翔は男子トイレを出た。翠花と燕は用具入れを見た…。そこには…
「ピチャ…ピチャ…」
ビショビショに濡れた…翠花の…ローファーだった…。
それを見つけた燕は絶句…翠花は…大粒の涙を流してしまった…。
翠花「なんで…なんで私が…こんな目に…合わないといけない…の?」
燕「翠花…ちゃん…」
翠花「なんで私は…こんなことをされないと…いけないんですか…?先生…」
燕「…」
なにも言わず燕は翠花を抱き寄せた…。抱き寄せられたことに翠花は…泣き崩れた…。
翠花「う…う…うわああん…!」
泣き崩れる翠花を抱き寄せた燕。
少しすると…燕の胸の中からすすり泣く音が…消えた…。
燕「翠花ちゃん?」
翠花「ふう…ふう…」
燕「…寝ちゃったみたいね。まあ…しょうがない…かな。気が抜けちゃったんだね」
「ガチャ」
席を外した翔がトイレの中に戻ってきた。燕は静かに翠花を支え、翔に目を向けた。そして翔は一言も発さず…そのローファーを手に取った。
翔「…なんだ?これ…」
中には一枚の紙切れが入っていた。それは濡れていなくて、まるで靴が濡れたあとに入れられたかのような入り方だった。その紙切れを翔が見る…。それを見た翔の顔は…まるで般若が憑依したかのような…怒髪天を突いたかのような顔だった…。
そして翔がその紙切れを…握り潰した…。
翔「許さねえぞ…うちの生徒をこんな目に合わせやがって…」
燕「翔先生…その紙切れにはなんと…?」
翔が燕に紙切れを見せた。その内容は…
「よく見つけられたね!えらいえらい!でもこれで終わりだと思うなよ?界魔将団第5席 藤鷹蜂明」
燕「そうか…界魔将団か…なめてるねえ…」
その瞬間…
「ブオン!!」
燕が…神気を開放した…その神気は…怒っているような荒々しい神気だった…。
燕「うちの可愛い生徒に涙を流させる…そんな輩は…」
燕は少しだけ息をつき…言った…。
「死ぬよりもつらい地獄を見せてやるよ」
いつもの燕の声のトーンではない…低い声だった…。
翔{こんな…燕先生…現役時代ですら…見たことねえ…}
翔は未だかつて見たことがない燕の覇気に足が震えていた…。
燕「翔」
翔「は…はい!」
燕「翠花ちゃんのローファー、あなたの能力で乾かしてあげな。翠花ちゃん…寝ちゃったっぽいからさ。翠花ちゃんが起きるまでの間に新品同様にね」
翔「はい!」
翔は翠花のローファーを持ち、外に出て自身の能力である風を用いて乾かしに行った。
それを見届けた燕の背後から音が聞こえた…。
「トン」
柱に背をつけ、腕を組む女性が声を発した。
リーラ「お前がそこまで感情を出すとはね」
それはヒーディキュア王国No2のアーガル・リーラだった。
燕「愛する生徒が涙を流す…。このような事態を私は放っておくという選択肢はございませんから」
リーラ「ふふ、そうか。以前に比べて柔らかくなったと思ったが…根本は変わらないようだな。人は」
燕「翠花ちゃんを保健室に連れて行っても?」
リーラ「いや、直に起きるだろう。おそらくローファーは乾かないな。どんなに優秀な風の能力者であれさすがに短時間すぎる。学校のローファーを持ってきておく。今日はそれで帰ってもらおう。お前は翠花と一緒に帰るんだろう?」
燕「ええ。帰ってる最中に何かあっては困りますからね」
リーラ「そうだな。では持ってくるとするよ。失礼」
リーラはどこかに向かって歩いて行った。その直後に…
翠花「んん…」
燕「お、起きたか。おはよう。翠花ちゃん」
翠花が目覚めた。
翠花「私…寝ちゃってた…?」
燕「まあね。あのローファーだが、今日は乾かないと判断したよ。学校の貸し出しのローファーで帰ることになるけどいいかな?」
翠花「あ…はい、大丈夫です」
燕「あと、このようなことがあったのもあって翠花ちゃんの家まで私が送っていくよ」
翠花「本当ですか?ありがとうございます」
燕「じゃあ下駄箱のところまで行こうか」
翠花「はい…」
翠花と燕は昇降口まで一緒に歩いた。燕は途中にある職員玄関から自分の靴を取り出し、昇降口に一緒に向かった。昇降口にはすでにリーラがいた。
リーラ「来たね。これでサイズはあってるかな?」
翠花は用意されたローファーを履いた。サイズはピッタリだった。
翠花「大丈夫そうです」
リーラ「それはよかった。では気を付けてね」
翠花「はい、ありがとうございます」
燕「では行きましょうか」
翠花「はい」
翠花と燕がカードを読み込ませ、一緒に帰った。道中では他愛ない会話があった。まるでさっきあったことを忘れるかのように。
翠花たちは会話をしながら家に到着した。
翠花「ありがとうございました、燕先生」
燕「いえいえ。じゃあ、またね」
翠花「さようなら」
しっかりと翠花が玄関に到着したのを確認した燕は能力である光を使い一瞬で学校に到着した。
家に着いた翠花はリビングのドアを開けた。そこには…
真「+2!」
嵐紗「なら私も+2を2枚!」
仁「俺も+2だ」
碧「じゃあ私も+2を1枚」
蓮乃「ではドロー4です」
真「なあー!!」
UNOをしている俺たちがいた。ドアを開けた翠花姉を見つけた俺は声を上げた。
真「あ!翠花姉!おかえり!」
俺は翠花姉に抱き着きに行った。だが…翠花姉の眉間には…しわが寄っていた。
翠花「……え?あー、ん…へ?」
真「だ、大丈夫?翠花姉?」
翠花「な、なんで虹帝達が…この家に…」
嵐紗「それは私のおかげだ~」
翠花「…」
翠花姉に抱き着いている俺は翠花姉の顔を見た。翠花姉も俺の顔を見ている。
真「翠花姉?」
翠花「…」
{やっぱり…真くんの顔を見ると安心するな。この子の笑顔のためなら私は頑張れる気がする}
「ふふ…まあ…いいか…!」
真「え?」
翠花「私もUNOやろうかな♪」
真「じゃあ翠花姉!一緒にやろ!僕さっき14枚引いたの!」
翠花「断る!!」
真「そんなー!!」
翠花の屋敷では真、翠花、蓮乃、狛野嵐紗、橘仁、水神碧がUNOをするのだった。




