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天帝転生~前世で王を夢見た俺は異世界で皇帝を目指す~  作者: おかしなお菓子
第3章 王医学校編

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<閑話>夏休み1

「ちゅちゅっちゅっちゅちゅっちゅん!」


前の世界でドット画の赤い帽子をかぶったおじさんが登場しそうな音によって俺は目が覚めた。


真「もう慣れたものだな。お前のモーニングコールも」

朱雀「そうか。慣れてしまうと起きなくなる可能性があるのでな。では次からはもっと派手にいくとするかのう」

真「じゃなくて、前みたいにただ単にちゅんちゅんくらいで終わらなくなってきたなと思ってな」

朱雀「レパートリーは多い方がいいじゃろう?その方が真も起きると思っておるしな」

真「まあいいや。じゃあリビングに行くか」

朱雀「うむ」


俺は部屋を出てリビングに向かった。リビングのドアはすでに開いていた。俺は中に入った。


真「おはよう、翠花姉、蓮乃さん」

翠花「お、起きたか。おはよう、真くん。今日も今日とて暑いね~」

真「うん。めっちゃ暑かったよ」

蓮乃「冷房つけますか。私も暑いです」

翠花「うん。つけちゃお」


蓮乃さんがエアコンに向かってリモコンを押した。少ししたら涼しい風が部屋に流れてきた。


翠花「あ~涼しい~」

真「生き返る~」


俺と翠花姉はエアコンの前に立っていたのもあって直で風に当たってる。


翠花「待って寒い。やっぱり切らない?」

蓮乃「私まだ冷風受けてないんですが?」


ごもっともな回答だ。


「チン!」

蓮乃「パン焼けましたね。真くん、翠花さま、朝ごはんにしましょう」

翠花「うん。そうしよ~」


俺と翠花姉は椅子に座った。蓮乃さんが焼けているパンを取り出し机の上に置いてくれた。


翠花「じゃあ食べようっか」

真「うん」


蓮乃さんも椅子に座り、俺たちは朝ごはんを食べた。


3人「いただきます」

蓮乃「真くんは初めての夏休みですね。何かする予定はあるんですか?」

真「今日、翠花姉と一緒に祭りに行くんだ!」

翠花「蓮乃も来る?」

蓮乃「申し訳ありません。本日は中学時代の友達と遊びに行く予定が入ってまして…」

真「そっか~。じゃあ蓮乃さんはいないんだ…」

蓮乃「すみませんね…」

翠花「まあしょうがないね。私と真くんで楽しんでくるから、蓮乃も楽しんできてね」

蓮乃「はい。ありがとうございます。2人も楽しんできてくださいね」

翠花「ありがと。けど祭りは午後5時から開催で10時までだから…よし、真くん。祭りに行くまでの時間で夏休みの課題終わらせるよ」

真「え?」


待て待て待て。結構な課題があるんだぞ…。とても一日で終わる量ではないと思うんだが…


蓮乃「毎年のことながら翠花さまは初日、遅くても2日目にはもう宿題が終わってるんですよ。真くんもお手本にしてみては?」


いやいや、お手本なんてレベルじゃないぞ…毎日コツコツ、もしくは最終日に急いでやるものじゃないのか…ま、まあいいか。


真「う、うん。してみるよ」

翠花「私の分が終わったら手伝ってあげるからさ。あ、答えは教えてあげないよ?」

真「そこは大丈夫だって。わからないところ、解き方教えてほしい」

翠花「任せて。いや~真くんが真面目な子で安心だよ」

真「…というと?」

翠花「日菜子が毎年最終日かその前日にピンポン鳴らして課題手伝ってって言ってくるからさ、その時だけ居留守使ってる」

真「あー…」


まあできる友達がいたらしてほしくなるよね。わかるよ、その気持ち。


そんな会話をし、俺たちは朝ごはんを食べ終えた。


3人「ごちそうさまでした」

翠花「そういえば蓮乃、何時から出てくの?」

蓮乃「4時半ですね。帰るのは日を跨いだくらいになりますね。おそらく」

翠花「ふーん。そっかそっか。私らが出てくときに鍵していくから、まあ大丈夫だと思うけど鍵持ってってね。もしかしたら早く帰ることになるかもだしね」

蓮乃「大丈夫ですよ。流石に」

翠花「安心安心。じゃあ真くん。早速課題に取り組もうか。わからないところあったら遠慮なく聞いてくれていいからね」

真「うん!わかった!」

翠花「じゃあ課題取りにいこっか」

真「うん!」


俺と翠花姉は部屋にある課題をリビングに持ってきた。俺の課題を見て翠花姉は頷いていた。


翠花「まあこんくらいか。小1なら。よし、じゃあ早速取り組もうか」

真「うん!」


俺たちはリビングで課題を取り組み始めた。


課題をやっていたのだが…社会がやっぱり難しい。国語、算数、理科、英語はまだ以前の知識でもなんとかなるし、基礎的なものばっかだったのだが、社会…いや、地理だな。これだけは難しい。以前の知識が使えない上に気候とかも関係するから…ってかこれ本当に1年生がやる内容か?難しすぎんか?


俺は隣を見た。


「カキカキカキ…」


翠花姉がえぐいスピードで課題のプリントにシャーペンを走らせている。まじで文字書いてるなと思ったらもう次の文字にいくし、おそらく翠花姉は数学をやってるんだろうが…途中式とかもしっかりと書いてるし、頭いい人特有の字が汚いとかもなくて、めっちゃ字がきれいだった。俺もこんな風になりてえな…


翠花「ふう。数学終了っと」


やっぱり無理。この人異次元すぎる。それなりの厚さがあるワークを15分くらいで終わらせたんだけど?俺ならやる気になっても3日くらいかかりそうな量を15分で終わらせるとかやっぱりやばいわ。この人。


翠花「どうかな?真くん、わからないところある?」


翠花姉がそう聞いてきた。一応わからないところあるし俺は地理の問題を聞いた。


真「えっと…そうそう、この問題」

翠花「どれどれ?『ヒーディキュアの気候、土地を利用して作物を育てるならどんなものがいいかを200文字以内で書け』…なるほど、教科書見せてくれる?」

真「もしかして翠花姉でもわからない…?」

翠花「ううん、私はもう答えが出てるけど、教科書の書き方に則らないとね。そこ意外と見てくる先生がいるから」


あー…なるほどね。あれだろ?習ってない漢字使ったらバツを食らうやつだろ?それが地理にも適用されるのか…


真「教科書は…えっと、ここらへんかな?」

翠花「だね。ヒーディキュアは…温暖な地域で、それ系の作物なら基本なんでもいけます…適当すぎない?こんなの…ん?待てよ。字数制限ないじゃんこの課題。別に200文字以内ってだけで何文字以上とか書かれて…あっぶな。めっちゃ小さく…『半分超えてないと評価しません ^^』…っち…」


翠花さん?いま舌打ち聞こえたよ?字数制限ないと思ってたらこういうトラップあるから気を付けましょうっていう先生からの教えかな?だとしたら性格悪すぎん?丁寧に^^つけやがって。


翠花「…」

「ビリ…」

真「待って翠花姉!破っちゃダメ!」

翠花「頼む真くん!あのくそったれ教師が出した課題を!このプリントを!破らせてくれ!お願いだ!」

真「だめー!!」


その光景を見ていた蓮乃さんは、優雅にコーヒーを飲んでいた。


蓮乃「ふう…今日も平和だ」



暴走した翠花姉を抑えて、再び課題に取り組んだ。翠花姉には地理の課題のおおよその答えを教科書に準じた形にしてもらった。ちゃんと195文字で内容もしっかりと考えてくれた。うれしい。


俺は5教科の課題が終わり、日記に取り組んだ。だが内容はとても簡単で、さっきやってた課題の方が断然難しかった。俺はその課題を終わらせた。


真「よし、これも終わった…。後は…」

翠花「お、日記も終わったっぽいね。教科課題も終わったし、あとは何が残ってる?」

真「えっと…縄跳びと読書感想文と自由研究ってやつ」


…めっちゃめんどくさいのを残したんじゃないか?多分全国の小学生でやりたくない課題ランキングトップ2だろ、これ。


翠花「自由研究は私も手伝うよ。といっても結構簡単なのだし、水と油があればできちゃう」

真「ほんと!?すぐに終わるじゃん!」

蓮乃「どう説明するんですか?」

翠花「別にここがこうだからこうってのは書かなくてもいいでしょ。3個パターンをやってそれの結果書けば多分大丈夫」

蓮乃「まあ自由研究なんて年上の協力あってこそでしょうしね。キッチン使いますよね、どうぞ自由に使ってください」

翠花「ありがとう」


俺と翠花姉はキッチンに入り、少し大きめの透明なコップ、油、氷、水道水を用意した。


真「これをどうするの?」

翠花「まずは水をコップの半分くらいに入れる。その後に油を入れる。すると?」


中にある水と油が完全に分かれた。水が下で、油が上の方に集まっている。


真「すごいね。これ」

翠花「でしょ?じゃあ一回取り出して、今度は順番を逆にする。すると?」


またしても水が下、油が上に集まった。


真「え!?順番変えたのにさっきと一緒だ!」

翠花「さらにそこに氷を入れると?」


結果は…水と油の境目くらいに氷がとどまった…。これは知らなかったな。水と油というくらいには有名だが、氷は真ん中にとどまるとは…。よく知ってるな、翠花姉は。


真「すごいね!これ!」

翠花「じゃあこれをまとめようか」

真「うん!」


俺は白紙に今の実験の内容を書いた。そしてこれがどういう原理で起きているのか?みたいなのをいい感じにまとめた。


真「よし、終わった!」

翠花「一旦ご飯にしようか。12時半だしちょうどいいね。蓮乃、お願い」

蓮乃「わかりました」


蓮乃さんがキッチンに立ち、そうめんを湯がいてくれている。そのまま準備もしてくれるようだ。


蓮乃「終わりました。いただきましょう」

翠花「うん」


俺たちはそうめんを食べた。やっぱり夏はそうめんがうまいね!これが食えるのは夏だけだわ。


そうめんを食べ終え、俺たちは課題に戻った。あと残ってるのは…読書感想文、そして縄跳びの2個だ…。


読書感想文に関してはもう書くのすら億劫だ。よし、ここは割愛…いや、省略だ。こんなものに愛はない!縄跳びは道場で蓮乃さんに見てもらって大体できた。つまり…


俺の夏休みの課題は…終わったぞ!!


初日で終わるなんて!ここから夏休みが終わるまで好きなことし放題ってまじ!?うっひょう!!


真「じゃあ戻ろ。蓮乃さん」

蓮乃「ええ」


俺たちがリビングに戻ると、アイスを食べてる翠花姉がいた。


翠花「お、戻ってきた。終わった?」

真「うん。終わった。翠花姉は?」

翠花「完璧。これで私らどっちも終わったね!好きなことし放題だよ!夏休み!」

真「やった!」

翠花「じゃあ、少し早いけど会場に行こうか。着替えてくるね。真くんは準備してて」

真「わかった!」


時間は4時。出かける準備を始めた。蓮乃さんは少し前に外出済みだ。


俺は準備が終わった。俺はリビングで翠花姉を待った。少ししたら翠花姉がリビングに入ってきたのだが…翠花姉の服が…!


翠花「どうかな。似合ってる?」

真「うん!めっちゃ似合ってる!」

翠花「ありがとう!」


なんと…緑を基調にした浴衣姿だったのだ…!これは眼福だ。翠花姉のための浴衣だった。まじで。


翠花「じゃあ行こうか。真くん」

真「うん!」


俺たちは祭りの会場に向かった。道中で会話をした。


真「そういえば会場はどこなの?」

翠花「なんと…私たちが通う王医学校なんだな」

真「おー!なら学校のみんなにも会えるかも!」

翠花「そうだね。楽しみだ」


歩いていくと、どんどん王医学校に近づいてきた。そして門の前に到着した。受付をしてる人がいた。その人に声をかけたのだが…


翠花「あれ、翔先生と燕先生。受付をされてるんですね」


なんとあの2人の先生だった。


翔「まあな。似合うじゃねえか。翠花。真も赤い服でばっちりだな」

真「ありがとうございます!」

燕「ふふ。元気な姿見れて嬉しいわ。では楽しんできてね」

翠花「はい。では失礼します」


先生たちを通過して、俺たちは屋台があるところに向かった。


会場を歩いていると、ベビーカステラの屋台があった。俺はそこを指差した。


真「ねえ翠花姉、あれ食べたい!」

翠花「ベビーカステラか。よし、買いに行こうか」

真「うん!」


俺と翠花姉は列に並んだ。


翠花「カステラって人気あるよね。結構並んでる」

真「だね」

翠花「まあ人気店のカステラってのもありそうだね」

真「そうなんだね」


結構な時間列に並んで、ついに俺たちの番になった。


翠花「どれくらい食べる?」

店員さん「S、M、L、LLの4種類ございますよ」

真「翠花姉と分けたいし…Lかな」

翠花「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃん。じゃあLを一つお願いします」

店員さん「2人の仲、とてもよさそうでしたので、通常はLの価格のところ、なんとMの料金で大丈夫ですよ!」

真「なんと!お姉さん太っ腹!」

店員さん「そんなこと言ってくれちゃったからSの料金にしちゃう!」

真「最高かよお姉さん!」

翠花「じゃあお願いします!」

店員さん「ちょうどいただきました!楽しんでくださいね!」

真「ありがとうございます!」


太っ腹なお姉さんだったな。多分この学校の学生ってのがわかるんだろう。そして俺たちの関係を見て、学生料金とかにしてくれたんだろうな。ありがたい。


翠花「いいお姉さんだったね。しかも真くんがいいこと言ってくれたからお得になったし。真くんああいうの得意なの?もしかして」

真「そんなことないと思うけど…そう思ったからそう言っただけで…」

翠花「案外大人そういうのに弱かったりするのかな。まあいいや、次のとこ行こうよ」

真「うん」


翠花姉と一緒に屋台をまわった。ベビーカステラを食べながら。


祭りをまわっていると、見たことがある人間がいた。あっちもこちらに気づいたらしく駆け寄ってきた。


烈道(れっど)「おひさだな!真!」

真「元気そうだね。烈道」

翠花「真くんの友達?」

真「友達というか…」

烈道「ライバルっす!」

翠花「ほー…まあ真くんに及ぶかはわからないけど、君も頑張ることだね」

烈道「俺は負けないっすよ!いつか真を殺すんで!」

翠花「ん?なんて言った?今…」


翠花姉の目が変わった…何言いだしてんだよ烈道…。しゃあない、俺がフォロー入れるか。このままだと翠花姉なにするかわからない…。


真「僕のことを越すって言いたいらしいよ。翠花姉。こいつ多分…馬鹿だから」

翠花「だろうね。じゃなきゃ私の前で真くんを殺すなんて言わないもんね」

烈道「なあ真。このお姉さんは?」

真「翠花姉だよ。源翠花さん。僕の修行を見てくれてて、面倒も見てくれてるんだ」

烈道「へー…結構身長でかいっすね…俺が見上げるのなんて父ちゃん母ちゃん姉ちゃん以来かもしれん」

真「それはないでしょ。学校にも烈道よりも大きい人たくさんいるでしょ」

烈道「確かにいるわ。けどそれでも大きいことに変わりはないぜ?身長いくつですか?」

翠花「158」


待って意外と翠花姉大きかった。この世界ではこれくらいが普通なのか?翠花姉は蓮乃さんより少し小さいくらいだし、蓮乃さんが成長しきった段階なのだとしたら蓮乃さん越すのではないか?


烈道「いや、真。めっちゃでかいぞ。俺の母ちゃんよりもでけえ」

真「烈道の身長がどれくらいかは知らんけど、翠花姉は身長すごいよ。けど、一緒に暮らしてるからなのか、自然とそこまで差がないように感じる」

翠花「そうなんだ?私はそこまで意識してなかったな。まあ真くんが窮屈じゃなければいいと思うよ」

真「そっか。ありがとう。翠花姉」

翠花「いえいえ」

烈道「めっちゃ仲いいんだな。俺も姉貴とそんな風になりてえよ」

真「頑張れっど」

烈道「なんか違和感あるが…」

真「気のせい気のせい」

烈道「だよな!じゃあな!真!」

真「うん。じゃあね」


烈道が元いた場所に走って戻った。


烈道と別れて少し歩いてた時、人が集まってる場所があった。


真「あれはなんだろう?翠花姉」

翠花「うーん…わかんない。行く?」

真「うん!行く!」


俺たちはその人混みに向かって歩いた。そこの中心には見たことがある人を含め3人いた。


翠花「あれって…翠帝…か?」

真「そうっぽいね」

翠花「だね。まあ挨拶くらいしとくか」

真「うん。そうしよ」


俺たちはその3人に向かって歩を進めた。3人のもとに着き、翠花姉が翠帝に声をかけた。


翠花「お久しぶりです。翠帝様」


その声に翠帝が振り向いた。


仁「おお、真と翠花か。祭りは楽しんでそうだな。なによりだ」

翠花「ありがとうございます。あと、なぜ仁様を中心に人が集まっているのでしょうか」

仁「いや、俺を中心にじゃない、あの2人だ」


そう言い翠帝が指を刺した。指差した方向にいたのは青と緑を混ぜたような色の髪をした女性と金髪の女性だった。


翠花「あの2人は?」


仁「虹帝達(エンペラーズ)の碧帝(へきてい)と黄帝(おうてい)だ」


真・翠花「え!?」


さらっと言ったが…虹帝達の碧帝と黄帝だと!?そんな大物がこの祭りにいるのか!?


真「え、虹帝達(エンペラーズ)がここに2人もいるんですか!?」

仁「ああ。年齢も俺より若い。話しかけてみたらどうだ?親しくなれるかもしれん。それに碧帝に関してはこの学校の高等部の生徒会長を務めている。俺もついていくから話しかけてみろ」

真「え…あ、はい…」


そのまま翠帝に連れられ彼女らのもとに向かった…。虹帝達(エンペラーズ)で翠帝以外に話しかける日が来るとは…!


仁「碧(あおい)、嵐紗(らんさ)、少しいいか?」


その声に2人は振り向いた。


嵐紗「ん~?どうしたの?」

碧「あ、あの子は…」


2人が俺たちの方に向かってきた。


仁「悪いな2人共、俺が2人の名前をだしたら気になるというやつがいたものでな」

碧「大丈夫ですよ。それで気になると言ったのはどちらですか?」

真「ぼ、僕です…」

嵐紗「ふーん…」


金髪の髪の女性が俺に視線を合わせるようにかがんできた。そして俺の目をじっくりと見た。


嵐紗「待って碧、やばい。この子超かわいい」

碧「ショタコン出さないでよ。嵐紗」


この人ショタコンなのか?結構意外かもしれない。


嵐紗「君、お名前は?」

真「赫星真です…」

嵐紗「そっか~。真くんっていうんだね」

真「あ、はい…」

嵐紗「よし、真くん。今から一緒に祭りをまわろうじゃないか」

真「え?」


なんて誘いだ…いやしかし…翠花姉がいるんだ。ここは…


翠花「私も付き添うというのは可能ですか?」

嵐紗「何言ってるの?ここにいるみんなで回るの。もちろんあなたも一緒だよ…ってか…」

翠花「ど、どうかしましたか?」

嵐紗「ねえ碧…この子私よりも大きくない?」

碧「身長でも胸囲でも負けてるね」

嵐紗「ほんとじゃん。え、何カップ?」

翠花「測ったことないです」


…このガールズトーク?はいつ終わるのだろうか。俺は死んだ魚の目で翠帝に目を合わせた。翠帝は「俺は知らん」みたいな顔をしていた。まあそうなっちゃうよね…。


嵐紗「じゃあさ、今度一緒に…」

真「ねえ翠花姉、早くお祭り回ろうよ。歩きながらでもいいでしょ?」

翠花「だね。では行きましょうか、皆さん」

仁「行こうか」


そこから俺たちは屋台を回った。俺は嵐紗さんと翠花姉に片手ずつ握られながら歩いた。碧さんは翠帝と話していた。この学校の生徒会長と校長であり、虹帝達(エンペラーズ)の碧帝と翠帝なんだもんな。学校の内容もちらほら聞こえるし、虹帝達(エンペラーズ)としての活動も話している。


嵐紗「ねえ真くん。射的やってこ」

真「うん、射的やってみたい!」

翠花「あーほら、急がなくても射的は逃げないから走らないの!」


俺は2人を連れて射的に向かった。射的は子供が多く並んでいて保護者も後ろに待っているようだ。俺は並んでいる列の中に2人を連れて並んだ。


真「ねえ翠花姉、あのぬいぐるみほしい!」

翠花「お、かわいいね。あのぬいぐるみ。頑張ってね」

嵐紗「あれ私も狙っちゃお」

真「なら負けないよ!」

嵐紗「望むところ!」


嵐紗さんに負けないという思いを秘めながら順番を待った。


翠花「そろそろ順番だよ、真くん」

真「あ、うん」

嵐紗「まあまずは私からやろうじゃないか」


「パン!パン!」

嵐紗「なんで当たらないのー!このー!」


…全然当たってなかった。難しいのかもしれないな…


少し待って、俺の番になった。


俺は狙っているあのぬいぐるみを狙った。


「パン!パン!」


だが俺には才能がないのか、いくら当てても倒れる気配がなかった…。残っている球をどんどん打ったが…それでも倒れることはなく、残り1発になってしまった…。その時…


碧「真くんよ。難しいか?」

真「あ、碧さん…」

碧「貸してみな」


そう言い碧さんが残っている射的の玉を銃に入れた。そして引き金を引く…!


「バン!」

「ボト」

真「わあ!落ちた!」


碧さんの手によって打たれたぬいぐるみが落ちたのだ!


店主「お見事だ!さ、どうぞ!」

真「ありがとうございます!!」


俺は取れたぬいぐるみを抱きかかえ、列から抜けた。


真「碧さん!ありがとうございます!」

碧「構わない。特になにもしてないしな」

翠花{神気使ってたけど…けど、そのおかげで本来出せる力を底上げして威力を高めた。その結果倒せた…か。あの神気の技術、できる自信ないし…『神精(しんせい)の霊帝(れいてい)』の二つ名に恥じない神気の精度だ…}


碧さんがぬいぐるみごと俺を肩車した。


碧「さて、もうそろそろ花火の時間か。始まる前に食べ物を買おうか」

真「はい!僕、焼きそばとか唐揚げとか食べたいです!」

翠花「じゃあ買いに行こうか!」

嵐紗「私あれ食べたいから買ってくるね!」

真「あ、気を付けてー!」


俺たちは花火に備え食べたいもの全部買った。嵐紗さんは後で合流するんだろう。買い終えた俺たちは学校の校舎の屋上に向かった。


仁「ここなら誰もこない。邪魔されることなく見れるな」

碧「ありがとうございます」


屋上に着き、俺たちは腰を地面に下ろした。翠帝は俺たちよりも後ろで見ているようだ。少し待っていると…


「では本日のメインイベント!花火を始めます!」


そのアナウンスが会場に響いた。直後…


「ピュー…バン!!」


とてもきれいな花火が空に打ちあがった…!どの世界でも、花火はきれいなものだな。


真「わあ…!!」

翠花「綺麗…!」

碧「圧巻だね~」


俺たちが感傷に浸っていると…


「トン」


後ろから着地の音が聞こえた。そして…


「だーれだ!」


俺の視界が真っ暗になると同時、聞き慣れた声が聞こえた。


真「これは…嵐紗さんだ!」

嵐紗「せいか~い」


答えたと同時、俺の視界に再び花火が入ってきた。碧さんの隣に嵐紗さんが座った。


嵐紗「すごいね~。やっぱりヒーディキュアの花火が一番好きだ」

碧「ここの花火は大好きだ。ほんとに」

真「うん!来年もみんなで見ようね!」


俺が頷いたら、花火に照らされるみんなの顔には笑顔があった。


真「どうしたの?」

嵐紗「ううん、なんにもないよ」

翠花「やっぱり真くんを連れてきてよかったなって思っただけ」

真「そ、そう?」

碧「間違いないね」


女子に囲まれた俺は戸惑いつつも花火を堪能した。そして…


「本日最後の大花火を打ち上げます!」


そのアナウンスと共に大きな筒から大きな球が空に打ちあがった。少し時間がたち…


「バン!!」


大きな花火が空を照らした…!それと同時!


「バンバンバンバン!!」


大きな花火を囲うように大花火には劣るが小さめの花火がどんどん打ちあがっている!


真「わあ…!」


俺はその花火が映す景色を目に焼き付けた…!俺と翠花姉と嵐紗さんと碧さんと仁さん。この5人で、いや、蓮乃さんや結夢、日菜子さんも連れて、来年もみんなで見たい。そう思った。


大花火が終わり、祭りのメインイベントは終わりを告げた。それと同時…


真「あ…」


俺の視界が急にぼやけてきた…。俺は前のめりに倒れた…。


「ガシ」


俺の胸らへんを腕で抑えてくれている人がいた…。


翠花「ふふ、お疲れだね。じゃあ、帰ろうか。真くん」

真「翠花姉…うん…」


俺はその返事と共に意識は闇に落ちた…。


翠花「ふふ、おんぶで帰るとしますか」

嵐紗「私らも一緒に行こうじゃないか」

碧「一緒に祭りを楽しんだんですからね」

翠花「2人がいてくれると安心ですね」


翠花姉が俺をおんぶして、嵐紗さんと碧さんが一緒に帰る。そのまま屋敷につき、翠花姉は2人と別れ、俺をベッドに入れた。そして翠花姉がつぶやく…


翠花「今日もお疲れ様。来月の海、結夢ちゃんと日菜子、蓮乃も連れて行こうね」


そう言い、翠花姉も目を閉じた…。

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