第48話 授業終わりに
能力の授業で俺と結夢は先生と一緒に組むことになった。
燕「2人は私と翔先生の2人相手に生き延びたんだし多分できるよね?」
真「多分できると思いますけど…」
結夢「能力だよりなところが…あはは…」
燕「構わないわ。さて、みんな組めたようだし、声をかけないと」
先生が俺たちと一緒にみんなの前に立って声を上げた。
能力の授業で俺と結夢は先生と一緒に組むことになった。
燕「2人は私と翔先生の2人相手に生き延びたんだし多分できるよね?」
真「多分できると思いますけど…」
結夢「能力だよりなところが…あはは…」
燕「構わないわ。さて、みんな組めたようだし、声をかけないと」
先生が俺たちと一緒にみんなの前に立って声を上げた。
燕「では皆さん。先ほどのように神気を出してジャンプをしましょう。今日の目標は先ほども言いましたが2メートルを一気にジャンプできるようにしましょう。いいですか?」
クラスメイト「はーい!」
燕「では神気を出してもらって構いません」
先生が神気を出すことを許可すると、続々とクラスメイト達が神気を出した。
燕「では2人にも出してもらおうか。いい?」
真「もちろんです」
結夢「私も出そうっと」
俺は神気を開放した。俺は朱雀を使わず、潜在神気量だけを出した。1000万だ。結夢も同様に神気を出した。結夢の神気量は400万だ。
燕「もう慣れたけど2人やっぱり多いね」
真「そうですか?」
結夢「あんまり考えたことないかも」
燕「2人はお姉さんが強いから基準がずれてるんだよ。あの2人に囲まれてたら自然とそうなるか」
真「?ま、まあいいか。それで、僕もジャンプすればいいんですよね?」
燕「ええ。といっても鬼ごっこの時にもうすでにできてたしいらないかも?うふふ」
笑ってるけど…できてたっけ?逃げるのに必死であんまり覚えてないな。
真「とりあえずやってみます」
燕「どうぞ」
俺は足に神気を纏い、軽く足で地面を蹴った。俺は結夢と先生から結構離れたようだ。大体40メートルくらいかな。
結夢「うわあ…!先生!やっぱり真くん凄いですね!」
燕「さすがね。結夢ちゃんもやってみて」
結夢「はい!」
結夢も飛ぶようだ。俺くらい来るのかな?
結夢「ふん!」
結夢が飛んだ。その距離は俺には及んではいなかったが、ほぼ一緒だ。5メートルくらい離れた距離に着地した。
燕「うん。神気を押し出しているわね。けど、今は神気量に任せて飛んでるだけか。真くんは神気が多いから遠く飛べてるだけっぽいし、結夢ちゃんは神気に体が馴染んでるから、同じ量なら結夢ちゃんの方が遠く飛べるっぽいな。まあ今は飛べてるし、今はいいか。じゃあ2人共!戻ってきて!」
真・結夢「はーい」
俺たちは再び神気を使って先生のもとに戻った。
燕「2人共目標よりも遠く飛べているね。結夢ちゃん。一度試してほしいことがあるんだけどいいかな?」
結夢「なんですか?」
燕「真くんと同じ量を出せる?多少ならずれてもいいから」
結夢「できますけど…いきますよ?」
結夢がさっきよりも多く神気を開放した。俺が1000万なのに対し、結夢は1200万くらいだった。
結夢「これくらいでいいですか?」
燕「ええ。そしたら、もう一度、今度は2人共一緒に飛んでほしいの」
真「同時に?」
燕「ええ。とりあえずやってみて」
真「は、はい…」
俺と結夢が並んだ。そして同時に飛んだ。だが…
真「え?」
俺の視界には…結夢が俺よりも20メートルくらい遠くに飛んでいるのが見えた…。
神気を増やしたからと言って、そんなに遠く行けるものなのか…?
燕{やっぱりね。神気量200万でもこれだけの差。ちゃんと体を鍛えてる証拠ね。真くんは神気量と能力 で補ってたけど…翠花さんには体も鍛えておいてと伝えないとだね}
「じゃあ2人共戻ってきて」
真・結夢「はーい」
俺たちはもう一度先生のもとに戻った。そして先生が口を開いた。
燕「今のでわかったと思うんだけど、神気量は結夢ちゃんの方が多かったってのもあったけど、真くんよりも遠く飛んでたよね。なんでかわかる?」
真「えっと…」
結夢「もしかして、体を少しだけですけど鍛えてるからですかね?」
燕「そう、その通り。神気というのは体にも密接な関係があるの。体が鍛えてあれば神気は体になじみ、体の機能をより支えやすくなる。真くんは体はそこまで鍛えてないのかな?そこが差だと思うの」
真「鍛えてないわけじゃ…翠花姉と一緒に剣を一緒にやってるのに…」
燕「それももちろん大事。けれど、剣術を教えてもらってるっていうのは、体を鍛えるがメインではなく剣術を鍛えるだから体をメインに鍛えてる結夢ちゃんとは差があるのよ。さっきのでわかったと思うけど」
剣も体も鍛えなければいけないのか…。
もちろん翠花姉との剣術の鍛錬は楽しいし、そんな中でも神気は増やしていきたい。だが…それらを同時にこなすのは…中途半端に終わる気がする…。
真「はい…」
結夢「でも先生。真くんは神気が多いだけでなく、あの鳥の力を使えば呼吸をすることで神気を回復できるんですよ?回復できるなら体を鍛える必要はありますか?」
真「結夢…」
燕「体を鍛える必要は結局あるのよ。仮に鳥の力を使えない状況になったらどうするの?例えば、呼吸で増やせると言ったわね?その空気が有毒なガスとかだった場合、呼吸するのは危ないわよ?」
結夢「それは…」
真「それは多分大丈夫ですよ」
燕「え?」
俺の能力である朱雀本人が説明のときにこう言ってたような覚えがある。
真「僕の能力である朱雀は呼吸をすることで増やせる。そこに間違いはありません。ですが、それで終わらないのが僕の朱雀です」
燕「…というと?」
結夢「真くん…」
真「僕の朱雀はどんな空気であれ、朱雀特有の呼吸器官で浄化し、僕の体に還元される。もちろんどんな空気であっても。そして空気を吸うことで神気が増えるというのは変わらない。空気では僕を止めることはできないんです」
燕「そんな事…ありえるの…?いや、神話能力だしあり得るか…」
結夢「そ、それなら…!」
真「けど、体を鍛えること。こればっかりは結夢に負けてるので、継続的にやっていきますね」
燕「え、ええ。けど…うーん…いや、やめておくか。言うのは」
先生が口をとがらせながら悩んでいる。なにか言っちゃけないことがあるのだろうか?
真「なんですか?それは」
燕「…真くん。君の目標はなんだったかな?」
真「虹帝達になることです」
燕「そうよね。改めて聞いたけれど…変わってなさそうで安心したわ」
真「なぜ聞いたんですか?」
燕「あなたは翠花さんの神気を感じたことはある?」
結構直近であるな。道場で向き合った時だ。
真「あります。同じ量の神気でも、なんていうか…分厚さが違ったなって思いました」
燕「それを感じ取れたなら十分ね。そう、神気には練度がある。練度を上げると一つ一つの神気の密度が上がるのよ。それが真くんと翠花さんの神気の差ね。分厚さが違うと言ったけれど、その正体はそれね」
神気には…分厚さがある…初めて知った。だがそれを教えた先生の狙いは…
燕「課題がどんどん増えるけれど…神気の練度を上げること。これができれば、神気を上手に扱えようになる。体を鍛えるのはその後でも遅くないわ」
真「…どれが最優先ですかね?」
燕「どれがって言われると…正直、真くんにあってるのを伸ばすってのが一番かな。君は神気量がすでに多い。神気の練度を上げるのが一番かもしれないわね」
結夢「先生。それってなんでですか?私にも関係あるかなって」
燕「確かに結夢ちゃんにも関係あることね。それは…」
「キーンコーンカーンコーン」
真「あ、授業終わっちゃった」
燕「うそ~…まあいいや。次の能力の授業の時に話すわね」
結夢「はーい…」
俺たちと別れ、先生がクラスメイト達をまとめ、教室に戻るように言った。
俺たちは先生の指示に従い、教室に到着し、先生を待った。少ししたら先生が戻ってきた。
燕「では帰りのSRを始めますね」
先生がプリントを配って、言うことすべて言い終えた。けど内容はそこまで濃いわけではなく、ものの30秒くらいで終わった。
燕「あ、あと宿題あるから、みんなしっかりとやってきてね」
宿題あんのかよ…だるいな。捨てるか。
クラスメイト「え~…」
みんなもそんな反応になるよね~。俺も前の世界ではやってたけど、それはゲームという報酬があったからで、なにもなければやる気にならないな…。
燕「では皆さん起立」
先生の声でみんな立ち上がった。
燕「明日も元気に登校してくること。いいですね」
クラスメイト「はーい!」
燕「さようなら」
クラスメイト「さようなら!」
帰りのSRが終わり、俺と結夢は一緒に帰った。
真「結局先生は何を言おうとしてたんだろうね」
結夢「さ~。まあ次の授業で教えてもらえるらしいし、いいんじゃない?」
真「そっか。ならいいか」
結夢「それよりも真くん。今日の宿題、一緒にやろうよ!」
真「え?あ、う、うん。いいけど…」
結夢「やった!約束だよ!」
一緒に宿題…でもどこでやるんだ?
真「結夢。ちなみに場所は?」
結夢「もちろん真くんの家!」
まじかよ…とそんな風に思ってると、気づけば家に着いていた。とりあえず玄関に入った。結夢も一緒に。
真「とりあえず、蓮乃さんに聞いてみるね」
結夢「うん。お願い!」
俺はリビングに入り、蓮乃さんがいるところに向かった。
蓮乃「お帰りさない。真くん」
真「ただいま、蓮乃さん。質問があるんだけど…」
蓮乃「いいですよ。ここでやっていきます?」
真「うん…。って、え?」
蓮乃「そこにいるのでしょう?結夢ちゃん」
なんで…わかるんだろうか。玄関に入ってからは結夢は声を出してないはずだが…いや、今はいい。
真「うん。連れてきてもいい?」
蓮乃「もちろん」
蓮乃さんのその言葉で俺は結夢を呼んできた。俺は玄関で待ってる結夢に親指を立てた。それを見た結夢は靴を脱ぎ、リビングに入った。
結夢「えっと…お、お久しぶりです」
蓮乃「お久しぶりですね。学校はどうですか?」
結夢「楽しいです!真くんが近くにいるからもっと楽しいです!」
嬉しい言葉をくれるじゃないか。結夢。俺はとても心が温かくなったよ。
蓮乃「ふふ。楽しそうでなによりです。2人はここで宿題をやるんですよね。整理しますので少々お待ちを」
真「ありがとう。蓮乃さん」
そう言い蓮乃さんが机の上にある食器やら本やらを他のところに移した。
蓮乃「こんなところですかね。では2人共頑張ってくださいね」
結夢「ありがとうございます!」
俺と結夢は宿題を机の上に広げた。そして宿題に取り掛かった。今日の内容がまとめてあるプリントを2枚やるだけ。しかも内容もそこまで難しくない。
俺はそのプリントを20分くらいかけて終わらせた。表裏に問題があるびっしりとあるプリントで、それが2枚だからまあ妥当な気もする。終わらせた俺は結夢の方を見たのだが…
結夢「わかんなーい!」
両手を挙げながらそう言っていた。まあ確かに今日は能力以外の授業は座学だったし、習うことも多い。俺も少しだが教科書見たしな。まあ無理もない。
真「どこがわからないんだ?って…」
そのプリントは…1枚目のプリントの半分くらいで終わっていて、問題がないところにめっちゃ落書きしてた。なにやってるんだか。
結夢がプリントを俺に見せてきた。
結夢「どう?可愛くない?この子」
しかも絶妙に評価のしにくいくらいの絵だし…俺は何て言えばいいかわからなかった。
そんな時…
「ただいま~」
「お邪魔しま~す」
そんな声が聞こえた。聞きなじみのある声だった。俺と結夢は玄関に向かった。そこにいたのは…
真「おかえり、翠花姉。日菜子さんもいるんだ」
日菜子「結夢もいたんだ。勢ぞろいだね~」
翠花姉と日菜子さんだった。
翠花「結夢ちゃん中に入れてなにしてたの?あ、もしかして真くん…」
真「ん?なに?」
翠花「結夢ちゃんにそういうことをしようとしてたり?」
日菜子「なに!?それは姉としてしっかり話を聞かなければ」
真「そんなこと思わないよ!蓮乃さんもいるんだよ!?」
翠花「なら蓮乃がいなければ思ってた?」
真「ちっがーう!!」
なんでこんなことになってんだか…実際思ってないし言いがかりがすぎんか!?
蓮乃「まさか真くん、結夢ちゃんのことそんな風に…」
真「蓮乃さんまで!もう!!」
この女子率の高さ…女性4名に対し男は俺だけ…なんとかしてくれ…もう…
翠花「まあそんなとこにしといて…」
真「始めたの翠花姉なんだけどな…」
翠花「まあまあ。それでなにやってたの?」
結夢「宿題です。学校から出たやつなんですけど…」
翠花「順調?」
結夢「ま、まあそ、そんなところです~…」
日菜子「よし、終わってないね。私らも宿題あるし、一緒に見てあげようよ。翠花」
翠花「だね。さ、日菜子。上がって上がって」
翠花姉と日菜子さんがリビングに入ってきた。2人がバックを下ろし、中からノートと教科書、筆箱を取り出し、机に座った。
翠花「あれ?真くんは終わってるじゃん。内容はどんなの?」
真「こんな感じ」
俺は翠花姉にプリントを見せた。翠花姉がプリントを頷きながら見ている。
翠花「ふむ…国語は漢字、算数は足し引き算、英語はアルファベット、地理は…王国についてか。あれ、能力はないの?」
真「今日は神気を使った授業だったんだ。神気を使って飛ぼうってやつ」
翠花「そうなんだ。どうだった?」
あんまり聞かれたくはないが…まあ翠花姉になら…言ってもいいか…。
真「…結夢に負けた」
翠花「うっそ。まじ?」
真「うん…」
翠花「なんで負けたのかはわかる?」
真「結夢は体を鍛えてて、神気が体に馴染んでるからだって」
翠花「あー。確かに体は鍛えてないね。でも真くんの方が出せる神気量は多いでしょ?」
確かに俺の方が出せる量は多いが、条件が違うんだ。
真「同じ量でやったんだ。そこで差が出ちゃって」
翠花「なるほどね。けど真くんは体を鍛える必要はないよ。ランニングもあるし、私との剣術もある。気にする必要はないよ」
真「そっか…ランニングがあったね。それで増えるかな?神気は」
翠花「もちろん。けど、体を鍛える必要はなくても、神気の扱いは上手にしないとだね」
真「あ、それなんだけど翠花姉。神気の扱い?今日先生に神気の練度を上げるのが課題って言われたんだけど、練度を上げるってなに?」
結夢「私も気になります!」
日菜子「結夢は宿題」
結夢「はーい…」
翠花「あはは。なら宿題が終わったら教えてあげるよ」
結夢「本当ですか!?ありがとうございます!」
神気の練度…。なんのことを言うのかがわからないがしっかりと聞かなければ。
時間が少し経ち、翠花姉は宿題を終わらせたようだ。さっきの会話をしてから10分くらいだ。終わらせるの早いなあ、翠花姉は。
翠花「ふう。終了。結夢ちゃんと日菜子は…って…姉妹揃って落書きをするなー!」
日菜子「だって難しいんだもーん…ねえ?結夢」
結夢「そうだよね。お姉ちゃん」
翠花「なら神気のこと、私と真くんだけでやってこようかな~」
結夢「あー!私も一緒に行きたいです!」
翠花「でも宿題終わってないでしょ?」
結夢「うう…」
翠花「はあ。真くん、結夢ちゃんを教えてあげてくれる?私は日菜子を教えるからさ」
真「わかった」
そうして俺は結夢の宿題を、翠花姉は日菜子さんの宿題をそれぞれ手伝った。俺は教科書にある内容をそれぞれ教えてあげただけで特に何もしてないが、結夢はその気になればすぐに終わった。翠花姉と日菜子さんはというと…
翠花「今日ここでやったじゃん。というかなんでノートをまとめてないのかな?」
日菜子「翠花…結構言うね…」
翠花「ノートをまとめてれば一発だよこんなの。量が多いだけですぐに終わる内容。ノートもまとめず落書きばっかしてるからそういうことになるんだよ」
日菜子「はい…」
結構翠花姉…毒舌だった。勉強に関しては結構。
そんな毒舌翠花姉の手によって日菜子さんは無事宿題を終わらせた。
翠花「日菜子も終わったし、結夢ちゃんも終わってそうだね。じゃあ道場に行こうか」
俺たちは道場に向かった。何を聞けるのか、俺は胸を躍らせながら向かった。




