第21話 紅翼の覇鳥
俺は朱雀の試練を受けた。俺は風呂でこんな大きなこと試されるが…俺はあきらめない。
真「朱雀…どんなやつかもわからない。けど…ううん。今考えるのはだめだ」
俺は風呂で体を洗い、浴槽をでた。そして寝間着に着替え、リビングに向かった。蓮乃さんはテレビを見ながら笑っていた。お笑いだ。
真「蓮乃さん。上がりました」
蓮乃「あ、はい。あはは」
真「お笑いですか?」
蓮乃「ええ。面白いんですよ。真くんも見ますか?」
真「いいよ。ちょっと能力の本を読みたくてさ」
蓮乃「熱心ですね。わからないことがあったら言ってくださいね」
真「ありがとう」
でも俺がこの後対峙するのはただの火ではない。火を象徴とする神だ。こんな知識があってどうにかなるわけじゃないだろうがそれでも今の俺にできる限界をぶつけたいんだ。朱雀に。
俺は本を読んだ。そこで俺はふと思った。本にはなにか紙切れがあった。汚かったが…もしあれが朱雀の筆跡という可能性はないか?俺は紙切れがあるページをさがした。だが…ない。どこだ?
真「ねえ蓮乃さん。この本に紙切れってなかったっけ?」
蓮乃「ありましたっけ?私はその本をあまり読んでいないのでわかりませんね…。私は風呂に入ってきますね」
真「あ、うん」
あの紙切れは…まあいいか。いずれ出てくる。そう信じた。俺は本の中の火に関することを何回も復習した。蓮乃さんが言ってくれたことも反芻しながら。
かれこれ何分同じとこを読んだのだろうか。それくらい俺は読みまくった。時間がたっていて気づいたらドアが開いていた。蓮乃さんが風呂から出てきたようだ。
蓮乃「ふう。お?頑張っていますね」
蓮乃さんは俺にそう言い椅子に座った。飲み物を飲んで、俺に近づいてきた。
蓮乃「火のページだけ読んでいるようですが…何かありました?」
真「え?いや、なんでもないよ」
蓮乃「そうですか。あ、火といえば私たちが拝んでいる朱雀様。火を司るそうですね。それも結構の高温の。知識は力になります。こういうのも知っておくといいですよ」
前に翠花姉も知識は力になると言っていた。蓮乃さんが教えたのかな?
真「朱雀ってやっぱり火の力が象徴的なんだ」
蓮乃「朱雀って…呼び捨てしていい存在ではないのですがね…まあいいです。そうですね。火を象徴しますね。朱雀様は」
朱雀はやはり火か…これは俺への試練だ。火は克服しなければならないんだ。怖くても…な。
真「疲れたな…寝ようかな」
蓮乃「そうですか。まあもう10時ですしね。4歳が何で起きてるんだって話です。寝ましょう」
何気にそうだな。小学生でも10時は遅いような気がするな。それを4歳の子どもがやっているんだ。おかしいったらありゃしない。俺は歯を磨き、寝る準備はできていた。だが一つ問題があった。
真「蓮乃さん。僕ってどこで寝たらいいんですか?」
蓮乃「翠花さまの部屋は…だめですね…。私の部屋を使いますか?」
真「あー…いいよ。やっぱり。敷布団ってある?」
蓮乃「あります。どこに敷きましょう」
真「リビングにお願いしていい?」
蓮乃「承知しました。今持って来ます」
蓮乃さんはリビングを出て、敷布団を持ってきてくれた。
蓮乃「お待たせしました。しっかりと布団をかぶって寝るんですよ?」
真「うん。わかってるよ。おやすみ」
蓮乃「おやすみなさい。真くん」
俺はリビングで一人寝ることになった。深夜が何時かはわからない。2時くらいになったら…行こう。起きれるかわからないが…。俺は起きれるかが心配ではあったが眠りについた。
???「起きよ。我が主」
低い声と共に俺は意識が戻った。誰の声だ?俺は目を開けた。赤い空間だった。そして…圧倒的な圧。これを…俺は知っている。俺はその声の主を見た。そこにいたのは…なんと…スサノオだった。本来はあり得ないはず…だがどうして…
スサノオ「ひさしぶりだな。真」
真「スサノオ…どうして…」
スサノオ「今の君では朱雀には勝てない。そう思ってな。お節介かもしれんが…この刀を君にやろう」
その剣は…スサノオが担いでいたあの大剣を二回りくらい小さくした刀だった。だがその刀の力はスサノオが持つ剣をそのまま小さくしたかのようなものだった。
真「刀…」
スサノオ「その刀を使い朱雀に挑め。その刀は能力がなくても扱える」
真「ありがとう…でもどうして?」
スサノオ「朱雀が我の空間に来てな。君に剣を教え、自身に戦える程度にしておけとな。だが剣を触ったことがない少年にそれは不可能。ではどうするか。神気がある君に神気を入れれば化ける剣を渡す。どうなるかは我にもわからない。だが神気暴走状態になることはない安心したまえ」
朱雀は…一体なにがしたいんだ?俺を試しているのか?わからないが…スサノオに渡された剣を持つ。
スサノオ「時間だ。頑張れよ」
光が辺り一帯を包み込んだ。別れの言葉もなく俺はスサノオと別れた…。
俺は先ほどの赤い空間ではなく、真っ暗の深夜に起きた。時計は…2時を指している。スサノオからもらった剣は…鞘に収まっていて、布団の横に会った。俺は服を着替え、刀を持ち祠に向かった。いつもならなんてことない道場までの寄り道にある朱雀の祠。だが今ばかりは普段とは違う圧を俺は感じた。威圧的で…近寄り難い。でも俺はいくぞ。祠に近づくにつれどんどん圧が強くなり、押されるような感覚が増していった。俺はすり足で祠に着いた。俺はどうすればいいかわからなかったから、とりあえず祠に触れた。その直後俺は赤色の光に包みこまれた…
俺はどうなった?赤い光に包まれ、意識が途絶えた。俺は目を開いた。辺り一帯には大きな炎柱があり、その周りに小さく細い炎柱がたっていた。そして…その大きな炎柱には赤い鳥が柱を回るようにいた。直感的にわかった。あれは朱雀だ。さっきのような大きさじゃない。あれが本来の朱雀…でかい…。でも俺は逃げないぞ…。
真「朱雀!!」
朱雀「来たか。待ちわびていたぞ。その剣は…スサノオからもらったようじゃの…。では…やろうか?」
朱雀が柱の頂上から大翼を羽ばたき、前傾姿勢になり近づいてきた。俺の背後に瞬間移動でもしたかのような動きをした。俺はその動きを見れなかった。早すぎた。
朱雀「わらわも一人の神、舐めるでないぞ?」
真「もちろんだ。俺に手加減をする必要はないからな。来い!!」
朱雀「では…いくぞ!」
その言葉と同時、俺は神気を体に纏った。鍛錬はできていない。1000万のまま変わっていない。朱雀は翼を羽ばたかせ、上空に向かった。そして上空で羽を広げた。その広げた羽からは矢のようなスピードで炎を纏った羽が飛んできていた。数は…30近く来ていた。そのすべてが俺に向かっているのが分かった。いきなり飛ばしてくるな…。神気を纏った今の俺は今日の鍛錬で加速できることは知っているんだ。俺は神気を使い、来ている羽を避けるべく俺は加速し、すべての羽を避けることができた。でも思い切ってできただけ。余裕は…ない。
真「いきなりだな…止ま…れ…」
俺は足の摩擦を使って減速した。さっきは壁が近かったからぶつかりそうだったが、ここは壁がない。だからしっかり止まれた。
朱雀「この攻撃で大半は終わるが…さすがというべきかの。ここでは埒が明かないのう」
朱雀は先ほどと同じ攻撃で羽を飛ばしてきた。それだけならよかったのだが…奴はさらに急加速をしてきて俺に向かってきていた。羽が近づいていた。だが先ほどとは違い、その羽は俺を中心に羽が囲ってきており、その羽が地面に刺さっていた。その炎が火柱を立て、完全に囲んできたのだ。
真「囲まれた…。…!?」
俺は見た。囲まれているこの場所に朱雀が突っ込んできていることを。このままだと…突っ込んできて俺は終わりだ。なんとかしなければ…。そうだ。この剣を使ってなんとかできないか?能力はなくても使えると言っていた。朱雀はどんどん俺に近づいている。やるしかない…。
真「神気を纏わせて…剣を振る!」
俺は剣を火柱に向けて振った。その斬撃は水を滴らせていた。斬撃が飛び、火柱にぶつかった。火に水が入り、斬撃が当たった部分は火が弱くなっていた。俺はその部分に向かって走った。囲んでいる火を抜けた。俺は囲まれていた部分を見た。朱雀が猛スピードで突っ込み、その突っ込んだ場所が大爆発を起こしていた。
真「逃げなかったら…丸焦げだ…」
朱雀{あの剣…わらわの火を消しよった…スサノオも相当な剣を渡したのう…}
「あれを避けるとは流石じゃな。大体はこれで決まるんじゃがのお」
真「俺にもそれなりの矜持があるんだ。こんなので負けるわけにはいかないよ!」
朱雀「では…今度は肉体で挑もうか…」
朱雀は俺に直接突っ込んできた。あのくちばしは俺を串刺しにせんと言わんばかりの鋭さ。防がなければ…俺は朱雀のくちばしに剣の先端があうように剣を動かした。その剣は…無事に先端で受け止めることができた。
朱雀「……!!」
{こやつ…本当に剣を触ったことがないのか…!?}
真「く…重たいなあ!」
朱雀と俺の剣がぶつかり、朱雀がスピードを出していた分俺を連れながら前進する。このままいくと…!!火柱に向かって行ってないか!?串刺しにする気か!?俺は剣でどうにかしないと串刺しだ。
真{押されているなら…反発するとどうなる?神気を…足に集めるイメージで…}
神気を足に集めた。これもイメージだ。足が固くなっているのがわかる。俺は踏ん張った。少なからずスピードが緩んでいるのがわかる。もっと踏ん張れば…止まるんじゃないか?
真「ふん!」
俺は今ある神気で可能な限り足に力を込めた。どんどんスピードが止まり、俺は完全に抑制することができた。スピードはもうない。俺は朱雀の拘束を解くべく剣を振り払い、距離をとることに成功した。
朱雀「……お主。本当に戦闘をしたことがないのか?その動き…戦闘者の動きじゃ。完全にな。今のを思いつくことすら素人にはできないものじゃ。それに思いついたとしても行動に移せん…。じゃが今の主はそれができておる」
真「よくわからないけど…できているんだからよくない?」
朱雀「まあそうなんじゃが…それだともったいない気も…まあよい。現時点では試しているだけ。ここからが本番じゃぞ?」
朱雀は赤い光を纏う。巨大な体が…どんどん小さくなっている…何が起きているんだ…人のようなシルエットが見えた。光は徐々にそのシルエットの形になり…本当に150~160センチくらいの大きさになった。その直後、シルエットが解け、その姿が出た。女性だ。赤い髪を紐で結び、和を感じさせるような服装。黒色の靴下を履き、靴は下駄。そして…神々しい雰囲気でそこに立っている。俺はあまりの変貌に言葉が出なかった。
真「……!!」
朱雀「ふむ…こんなものかの。さて…再開じゃな」
朱雀は自身の象徴ともいうべき赤い翼を広げた。辺りにある火柱は赤色がさらに濃くなり、赤色というよりは紅色だ。火柱のうちの一本が朱雀のもとに向かった。その火柱を朱雀は手に取り、変形させた。二つに分裂し、剣を出した。自身の身の丈にあう大きさの双剣を手に取った。
朱雀「わらわに…勝てると思うな?」
そう言った直後、朱雀は雄たけびともいうべき咆哮を発した。火柱が盛り上がり、俺に向かって飛んできていた。俺はその飛んできている火柱を避け、朱雀と面を合わせた。
真「ここからが…本番か…受けて立つよ!」
俺はさっきの鳥ではなく、神々しい雰囲気を放つ女性、朱雀と対峙する。
そして俺はこの朱雀という神がどれほど強いのかを知る__




