第13話 鍛練3 神気開放
俺が着替えている間の数分間、2人はこんな会話をしていた。
翠花「真くんは神気練れるかな。少し心配なんだよね」
蓮乃「人によって神気の適正があるかは変わります。ですが神話能力を持つ彼ならできると思いますよ」
翠花「あとは私がしっかりと教えることができれば…だよね」
蓮乃「ええ。翠花さまにかかっていますね」
翠花「私はあの子を導きたい。頑張るよ!」
俺は着替え終わり、二人がいる道場に向かった。
真「着替え終わったよ!」
翠花「お、来たね。じゃあさっそく…」
蓮乃「まずは準備運動からです。動きますし普段とは少し違う運動です。適当にやると大事故が起きるかもしれませんよ?」
それはまずい。事故がどんなものなのか想像できない。だからこそ俺は準備運動はしっかりとしようと思う。3人で準備運動を終わらせ、ついに神気の鍛錬が始まった。
翠花「まず、私たちがやってみせるね。どんな感じか見てて」
そう言い翠花姉と蓮乃さんは光を帯びる。見えているのはそれくらいだが、翠花姉の方が少し小さい。
翠花「どう?変化はわかった?」
真「なんか光が見えるよ。2人とも。翠花姉の方が光が少し小さかった」
蓮乃「適正ありですね。神気を会得していない時でも見えているのは翠花さまでもありませんでした。翠花さまよりも適正がございますね」
翠花「私最初見えてなかったんだよね。これも神話能力を持ってるからかな?」
蓮乃「いえ、どんな能力を持っていても適性がなければ見ることはできないですよ。現に獅道という男は私が発する神気を見えていなかったと思います。だから私が相当な量を出しているにも関わらず彼は突っ込んできたのだと思っています」
真「でもあの人は神気使えてたよね?どういうこと?」
蓮乃「おそらく彼は我流という男と共にいて神気をもらっていた。そう考えるのが自然ですね。神気を他者に渡すこと。これも技術です」
いろんな技術があるんだな。神気ってのは。奥が深く時間がかかるというのも納得がいく。
蓮乃「まあ雑談はこんなとこにしておいて、やりましょう」
翠花「そうだね。じゃあまず、前にも言ったけど神気っていうのは能力と精神を組み合わせることでできる。これは言ったね?」
真「うん」
翠花「その組み合わせるっていうのを真くんにもわかりやすく説明するね。例えば…あ、水鉄砲を意識してもらえればわかりやすいんじゃないかな?」
蓮乃「水鉄砲!?ま、まあ一回聞いてみましょうか」
真「そんな驚くような例えなの?」
翠花「一回聞いて。まず、水鉄砲っていうのは水を打つものだよね。だけど水が入ってても打とうと思わなかったら打たないよね?ここまでは…だめそうだね…」
なんというか…いや、理解しようとは頑張ってるよもちろん。だが説明が難しいからなのかわからないが理解ができない。
蓮乃「真くん。難しいですね。少し条件を変えましょう。このまま翠花さまの説明だと理解が難しいです」
翠花「え?うそでしょ?」
蓮乃「わかりやすい例えではありますが説明が下手すぎてわかりにくくなってます。私が説明いたしましょう。よろしいですね?」
翠花「うん…わかった…」
翠花姉はむすっとした顔でそういった。そして翠花姉に代わって蓮乃さんが説明を始めた。
蓮乃「まず水鉄砲そのものがございますね。水鉄砲そのものをご自身と考えてください」
真「僕は水鉄砲…僕は水鉄砲…」
蓮乃「はい。そして中に入っている水。これが真くんが潜在的に持っている神気です。これを練りださなければいけません。そして引き金。これが能力です。そして引き金を引き、水が出る。この出た水が神気なのです。理解はできましたか?」
真「うん!わかりやすいよ!」
とても分かりやすい説明だ。俺に理解しやすいよう砕いて説明をしてくれているんだろうな。
蓮乃「しかし今の説明。水鉄砲ならできますが…神気を練りだすには何が必要でしたっけ?」
真「え?能力と精神じゃないの?」
蓮乃「その通りです。能力は引き金。では精神はどこにあるでしょうか」
精神を表すものがあるのか?一回水鉄砲の構造を思い出せ…水を入れるボトル、引き金、銃口…それくらいしかなくないか?水の給水機能がある最新のものじゃないだろうな?だとしたら知らないぞ。
真「えっと…わからないです…」
蓮乃「正解はですね…打とうとする気持ちです」
真「打とうとする…気持ち?」
蓮乃「はい。水鉄砲の中には水が入っている。いつでも打てる状態。私に打っていいよと言われ、そのままの状態の水鉄砲を渡されたら真くんはどうしますか?」
真「まあ…蓮乃さんに向かって打っちゃうかな」
蓮乃「それです」
真「え?」
蓮乃「私に向かって打つと今おっしゃいましたね。人に打つという心。やるぞ!という気持ち。これが精神というわけです」
真「そうなんだ…」
蓮乃さんはわかりやすい説明だ。水鉄砲という翠花姉が出した難しそうなものでもわかりやすく説明をしてみせた。これは翠花姉が理解できるのも納得だ。
蓮乃「これでもうすべて整いましたね。一度整理しましょうか」
真「うん。お願い」
蓮乃「はい。まず、水鉄砲そのものはご自身。そして中に入っている水は君が潜在的に持つ神気です。引き金。これが能力でしたね?」
真「そうだね。ここまでは理解できているよ」
蓮乃「いいですね。そして打とうとする気持ちが精神。そしてその状態で引き金を引くことで水、つまり体内にある神気を出すということ。これが神気を扱うということなのです。理解できましたか?」
真「うん!理解できたよ!水鉄砲をイメージすればいいんだね!」
蓮乃「その通りです!理解していただけてよかったです」
理解ができ、うれしかった俺は蓮乃さんとハイタッチをした。その横で翠花姉がやさぐれていた。
翠花「やっぱり私は教えることが苦手なんだよ…。だから真くんに説明をしようとしてもできない…」
蓮乃「やる気を削いだつもりはないんですけどね。でも翠花さまにやってほしいことはまだ残っていますよ」
翠花「え?」
蓮乃「私がしたのはあくまでイメージしやすいように水鉄砲を例としての説明でした。けれど実践に関しては翠花さまにやってもらいます。翠花さまは神気の才能に関しては私より上ですから」
翠花「そうなんだ?教えてもらってどれくらいだったっけ。神気会得できたの」
蓮乃「2日ですね。これでも結構早い方なんですよ?私は5日かかりましたからね」
蓮乃さんで5日、翠花姉でも2日かかるんだ。一朝一夕でなんとかなるものではないんだろうな。
翠花「じゃあ私が真くんに実践的に教えればいいんだね?」
蓮乃「ええ。最初は神気を翠花さまが真くんに流し、神気の感覚を知ってもらうところからですね。私が翠花さまに教えた時も同じようにやりましたね」
翠花「同じ風にやるってことだね。でも最初ってどれくらい流せばいいの?多すぎたらだめだしかといって少ないと感じることはできないよね?」
蓮乃「真くんはなにかが体内で湧き出ているという感覚があると思います。それを言ってもらえるまで翠花さまは真くんに神気を流しましょう」
神気が流れてくるという感覚はどんなものかわからない。だが俺は神気を我が物にするべく集中した。
蓮乃「真くん。神気が流れてくるかと思います。流れている最中しっかりと呼吸をしてくださいね」
真「わかった」
翠花「じゃあ真くん。いくよ。ふー…は!!」
翠花姉の声とともに俺の中で何かが渦巻いている…熱い…なんだこれ…重く濃い何かが…体を…
蓮乃「真くん!聞こえてま__」
蓮乃さんがなにか言っている…なにか…
俺は蓮乃さんがなにか言っていたのを最後に意識が途絶えた__




