陰気な人
18.
『あのっ・・・。』
「うん?」
『星河さんて志河くんと仲良いよね・・・?』
「・・・そうだね。」
『でも、付き合ってないでしょ?仲良くしてるのも情的なさ!なんで志河くんなんかと絡んでるの?』
「・・・ー。」
ーーーー
『なぁ、なんで志河、星河さんと仲良いんだ?』
『釣り合ってないの分かってねぇの?』
「・・・釣り合ってない事くらい、僕が1番分かってるよ。」
日が経つにつれて、僕と依弦の噂は広まっていった。
僕達は秘密を共有している。
依弦の家庭事情や僕の家との関係。
噂が広まっていくにつれて依弦の、皆に知られたくない事まで、知られてしまうかもしれない。
僕だけならいい。
でももし依弦も悪く言われてしまったら・・・?
不安だけが僕の心を埋めていき、依弦が離れていってしまう、手の届かないところに行ってしまうんじゃないかとさえ思える。
でも、このままなら依弦は僕ともう関わらない方がいいのかもしれない。
もうここ三日ほど依弦と会っていないし、連絡も取っていない。
避けられるのもしかたないのかもしれない。
僕は性格が明るい方ではない。
友達が多い訳でもない。
澄元は明るくて男女共に人気があるのに僕と仲良くしてくれるのが不思議だ。
身長も176で凄く高い訳でもなくて、成績も悪く、父親譲りの真っ直ぐな黒髪は少し目にかかって、後ろも男子にしては長い方だ。
クラスの人は皆揃って僕のことを『陰気』だと言う。
そんな僕が依弦と並んで釣り合うかと言われれば、応えは言わずもがなだ。
このままだとクリスマスだって会えるかも怪しい。
いつも休み時間に来てたのに来なくなってしまって、家にも顔を出さない。
依弦が噂を聞きつけた子達に質問攻めにされているのも、全部僕のせいだ。
依弦が僕を今どう思ってるかなんて聞くまでも無かった。
「プレゼント、渡したかったな・・・。・・・こんなに早く嫌われるなんて思いもしなかった。」
ーーーーー
その日の夜、僕は携帯で依弦の番号を眺めていた。
きっと、もう、連絡が来ることも、電話をする事もないんだろう。
「・・・あっやべっ・・・。」
目の奥がじんわりと熱くなって、僕の冷たい頬に温かい雫が伝っていく。
「・・・かっこ悪いなぁ・・・。」
枕に突っ伏していると携帯がなり始めた。
「誰だよぉ・・・澄元か?」
鼻を啜りながら携帯を開く。
「・・・・・・!!」
バッと飛び起きて思わず正座をする。
涙なんて綺麗さっぱり消えてしまった。
見覚えのある名前から届いたメールを開く。
『今すぐ家の下に来い^^』
メールで鳥肌がたつのは生まれて初めてだった。




