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君のオリオン座になりたい  作者: 河彗ツキ
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16/22

兄弟




15.



その夜、依弦は僕が誘い、家に夕食を食べに来た。

母さんは大喜びで、「こんな可愛い娘欲しかったわ〜」と仲良く2人並んでキッチンに立った。

兄さんも暫くのうちは家に居るみたいで、皆で料理を囲んでワイワイと夕食を共にした。


ふと、家で一人で味気なく寂しそうにご飯を食べる依弦を想像して、目の前で楽しそうに兄さんや母さんと話す依弦を見つめていた。


依弦のお父さんは1度仕事に出ると暫くの間帰って来ないらしい。

あの傷ついた依弦を見ずに済む事、依弦が辛い思いをしなくていい事に心底ホッとした。




ーーー



数日が経ち、僕は財布と話をしていた。

僕はバイトをしていないのであまりお金に余裕はない。


「どうしようか・・・クリスマスプレゼント買おうにも何を買えば・・・いくらくらい必要なんだろう・・・。」


財布を見つめて一人部屋でブツブツ呟く。

澄元に、相談してみるか・・・。

いやアイツは女にきっと疎い。

他に頼れそうな人も居ない、服装もイマイチピンと来ないし頭を悩ませていた。


「くそ、最終手段だな・・・。」




ーーー



「いや〜、蒼月と買い物なんて何年ぶりだろうな!?昔一緒にスーパー行ったっきりじゃないか?」


僕は最終手段、兄さんを召喚した。

あまり頼りたくはなかったけれど、女の子が喜ぶ物や喜ぶ事なら人並み以上に分かるはずだ。


「んで、何を買いに行くんだ?」

「・・・クリスマスプレゼント・・・一緒に選んでほしい。」

「お!?お!?依弦ちゃんか!クリスマス一緒に過ごすのか!?」

「・・・そーだよ!」


こうやって冷やかしてくるのが見え見えで少し気が引けていた。

兄さんは嬉しそうに僕の頭をぐしゃっと撫でた。


僕達は街に出て女の子が好きそうな、キラキラ、フワフワ、シャランとしたお店が並ぶ通りに来た。


「・・・入りにくいね、兄さん。」

「そうか?別になんて事ないだろ。」


そう言うと兄さんは躊躇うこと無く店内へ消えていった。

兄さんと一緒とはいえ、こういう店には入った事がないしハードルが高い。

意を決して兄さんのあとを追う。


「いくらくらいで考えてるんだ?」

「実は何を買えばいいかも分からなくて・・・5000円くらいで考えてる。」

「依弦ちゃんどんなのが好きなんだ?」

「いや、イマイチ分かんないんだよ・・・。」

「まじかよ・・・。」


兄さんと話し合いながら何店舗か歩き回っていた。


「・・・兄さん、これとか、どう?」

「お、可愛いバレッタじゃん、いいんじゃないか?」


僕が手に取ったのはバレッタというやつらしい。

曇ったような青色に金色で星座が描かれている。

見た瞬間、依弦っぽいなと思った。

これを付けてる依弦を想像して、付けてくれたら嬉しい、きっと似合うだろうなんて考えて、一人口元を緩めていた。


バレッタを包装してもらい、それだけじゃ味気ないという兄さんのアドバイスに促され、暖かそうな、もこもことした素材のマフラーも購入した。


兄さんにお礼がしたいとアイスを奢ろうとしたが、この寒い中兄貴にアイスを食べさせるなんて鬼畜だと言われ、そのまま僕達は家に戻ることにした。


「そういえば兄さん、僕がマフラー選んで買ってる間、何処に行ってたの?」

「クリスマスプレゼント選び。」

「クリスマス結局女の人と過ごすのか・・・。」


僕が呆れて笑っていると目の前が真っ白になった。


「ほれ、クリスマスプレゼントだ。」

「えっ・・・。」


兄さんは手に持っていた真っ白の大きい紙袋を手渡してきた。


「これ・・・。」

「お前どうせクリスマスの服とか悩んでたんだろ?服一式良さげなの買ってきたから、それ来てクリスマスデートして来い!」


正直、驚いた。

兄さんがこんな事するなんて思っても居なかった、けれど少し尊敬して、凄く嬉しかった。

兄さんから何かを貰うのは初めてだった。


「兄さん、ありがとう、大事に着るよ。」

「おうよ。」




今年のクリスマスは凄く楽しみな物になっていた。




去年まで不仲だった事を忘れて、僕は兄さんと母さんの待つ家に帰った。









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