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呪いの聖女じゃありません~呪われた迷宮と聖なる少女~  作者: 初雪しろ/Yuyu*
第一章 聖女と呪いと冒険の始まり

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高いものは呪われる

 ギルドへの報告が終わってリナも帰ってきた。

 リナの道具もそこそこ呪いが付与されていることがわかって、荷物を広げてみる。


「アタシにはわからない……」


 道具や武具を見比べながらリナがそう呟いていた。


「改めて、よく今まで無事にやれていたわね」

「運が良かったんですかね?」


 むしろ呪いが付与されているアイテムを見つけてばかりだとしたら、運は悪い気がするけれどややこしいから言わないでおきましょう。

 しかし、呪いの原因は洋館内のなにかなのは確実なのよね。

 それにずっと装備していた武器の呪いに気が付かないわけもない。そう考えると、外に投げ出されて私が初めて気づいたことからあの鎧だと思ったんだけれど。

 それだけだと別の道具への呪いの説明がつかない。

 もっと複合的な条件があるか、理由が別にあるか。


「これって左に置いてあるのが呪われているんですよね?」

「そうわけたつもりよ。私が気が付かない高度な呪いでもない限りね」

「なるほど……うーん」


 なんでそんなこと改まって聞いたのかしら。


「なにか気がついたの?」

「いえ、感覚的なので確信が」

「それでもいいわよ。私はさっぱりなんだから」

「なんか呪われたもののほうが、ちょっと言い方が良くないかも知れないけど高そうだなーって」

「…………」


 そんな考え方は全然思いつかなかった。

 でも、そう言われてみると大雑把な市場価値で考えれば高いものが呪われていて、安価に購入できるものや簡単に自作ができるようなものは呪われていない気がする。

 ただ、そうなってくると偶発的にかかった呪いじゃなくて価値の高いものを意図的に呪っているってことよね。

 後は結果的なことで事前準備として間違っていたとは思わないけれど、私が念を入れて用意したものが呪われている数が多い。

 冒険って準備するにしても金を渋って危険に陥っても意味がないけど。下手にお金をかけすぎてもこういう事が起きるのね。


「アリアさん――ちゃ、ちゃんと今後に返していきますので」

「いえ、まあ例の罰金に関しては払うべきだけど、私が用意したり選んでと言った装備に関しては払うにしても後で本当に余裕が出た時でいいのよ。それよりも」

「それよりも?」

「消耗品だとか、武器と防具はともかくポーチだとかみたいなものは安価で良いものを選ぶ方法を後で教えて」

「ア、アタシの感覚でよければ、もちろん」


 こういうことも学んでいかないと。

 お金をかけるべきところにかけるのは間違っていないと思う。だけど、かけるべきところが実際にはどこなのか。逆に頻繁に買い替えるほどに使用頻度が高いものは安価で良いものを買ったほうがいい。


 まあ、それはさておいて。


「今回に関しては私は浄化さえすれば、処分する必要はないわ。浄化作業する日の私の体力くらいで」

「な、なるほど!」

「ただ、問題はこうなってくると。呪いの傾向を掴まないと、入った瞬間に今度は全部呪いをかけられたりしたら。結局、現地で使えないも同然ということよ」


 現場で浄化してすぐに使うこともできないことはないけれど。流石に戦闘中に浄化して使用するのは危険すぎる。


「あまり、次の探索まで時間を開けたくないけれど。これだけは調べていくべきよね。来週にはもう一度洋館に行っておきたいわ。窓がまた直るかどうかの確認もね」


 1階の窓は直っていたけれど、たった一度ですべてを判断するのは危険だ。


「明日のうちにアタシのほうで消耗品の値段を店で改めて見てきます」

「そうね。私の方でも武器と防具のほうを調べてみるわ」


 今回は依頼して作ってもらった装備だから呪いにどう判断されているかが想定しにくい。ただ、素材の価値のほうであれば何かの基準で判断材料くらいにはなるかも知れない。

 翌日、予定通りお互いに店や関係者へ確認を行ったり、それぞれ思い当たる可能性を探る1日を過ごし夜に私の部屋に集まった。

 集まった情報をまとめていくうちに1つの仮説にたどりついたけれど、かなり厄介な状況になった。


「仮にだけど、市場価値にして呪われたものと呪われていないものがこの値段帯で別れているとしたら……」

「消耗品は持ち込めそうですけれど、武器と防具がかなり制限されそうですね」


 ポーションの中でも安価に買える回復のためのものと解毒のためのものは問題ない。

 洋館の探索を考えると、呪いにかかりそうな特殊なポーションが必須な様子はないから持ち込んでいける。

 問題は武器になる。

 防具に関しては革製の防具で、あからさまに良質な革を使ったものでなければ呪いはかからなさそうだと判断できた。

 武器が判断が難しい。

 少なくとも私のガントレットとリナのバックラーは呪いが付与されていた。

 ただショートソードには呪いが付与されていなかった。

 だけど、工房に聞くとナイフとガントレットの基本素材は同じだと聞いたから、推測にはなるけれど見た目の完成度が影響した?

 実際にはどちらも良いものだけれど、傍目からはショートソードはたしかに単純なショートソードに見えなくもない。

 バックラーとガントレットは細かな調節もしてもらった部分があるから、手間がかかっていることが価値があると判断された。


「アリアさん。口に出してくれないと、アタシはわからないんですが。ずっと、唸ってますけど」

「うん? そうね」


 まだ推論だったけれど、リナに今の考えを伝えてみると、少し首を傾げた後に何かに気がついたように話し出す。


「なんか、市場の価値というよりも誰かの基準って感じですね」

「……そうなのよね。でも、洋館に意思があるなんて考えにくい」

「ですよね。ただ、逆に言えば一般的に安価に見えるものであれば問題はなさそうです」

「たしかにこの感じだとそうなるわね」

「それならまあ装備は……初心者用装備でいけば、まあ呪われなさそうですね」

「それって、あの鎧と勝負できるかしら」


 結局、すぐに投げ飛ばされたから実力は不明なのよね。


「最初にいった時にでてきたゴブリンは、森のゴブリンが迷い込んだと思うんです」

「それは、まあ確かにその可能性はあるわね」

「そうなると、他の魔物はアンデットしかでてきていません。なら、アリアさんの魔力を生身に叩き込めさえすれば、規格外の強さ出ない限りは倒せるかと」


 言われるとアンデットだらけだったわね。スケルトンは少し謎が残っているけれど。


「駄目だったらまた逃げましょう。調査ですし」

「……そうね。あとは改めて現地調査といきましょうか。明日、装備を整えて明後日にダンジョンに行くわよ!」

「はい!」


 不確定要素も残ってはいるけれど、これ以上確定するには現地でさらに情報を集めるしかない。

 少なくとも今の私はそう判断した。


 私たちは装備や道具を改めて呪われないと想定した装備に変えて、森の洋館へと足を運ぶ。


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